記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

岡山ポタ 倉敷&児島

4月初旬のこと。

奥さんのお誕生日があるのだけど、

彼女はあまり物欲がなく、

毎年プレゼントに何をあげてよいか悩みどころ。

今年も間際までプランがなく、困っていたのだが、

いつも同じお店でセレクトするのも変わり映えがしないので、

今年は別の所でと、色々思案して、

かわいらしいものなら、倉敷なら色々あるあるはずと思い立って、

そちらへ出かけることに。

ついでに仕事の用事も一緒に片づけてしまいます。

 

せっかくなら、密を避ける意味でも、健康のためにも自転車で。

とはいえ、あくまで主目的はプレゼントゲットなので、

時間もないため、途中のわずらわしい市街地は

電車でショートカットして、おいしいとこ取りで走ることに。

昔はストイックに全自走して、走行距離を稼ぐことに必死でしたが、

もうそういう追い込み方をして、燃え尽きてしまうと、

チャリがまた遠のいてしまうので、

気軽に、ついでに、楽しく走れる分を、と力を抜いて。

 

ということで、始発のJRで輪行して姫路駅まで。

そこまでの100kmはトラフィックの多い、

見どころのない市街地ルートで、

もう目をつむっても走れるほど

走り倒しているのでショートカットです。

本当は面倒なので、姫路よりもう少し先まで楽をしようと思ってたら、

少し先で踏切事故が発生。

しばらく車内で待機していたのだけど、

かなり時間がかかりそうだったので、ここからスタートすることに。

(その先が復旧したのは3時間後だったようで、好判断でした)

 

姫路からJR線に沿って進み、はりま勝原まで。

そこから裏道を伝って、王子橋の所で揖保川に出る。

川を渡り、県道441号に入り、浦部で右折。

少しの登りをこなし竜野方面へ。

そこから再び少し登ってから、新幹線をくぐり、

R2には出ずに裏道。

相生には向かわず、

そのまま裏道で旭大橋のところで県道64号に入る。

そのままドンツキのボート公園前まで向かい、

R250に入って少し進むと、道の駅 あいおい白龍城。

なじみの場所ですが、久々です。

ここはトイレ休憩だけ。

 

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工和橋を渡り、R250を引き続すすんで、

にぶいにぶい高取峠の登り。

そこそこ交通量があり、みなかっ飛ばしているので、

ひやひやしながら、峠をこなします。

 

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反対側をダウンヒル

意外とコーナーが多く、また減速帯のガタガタがあるので、

余り飛ばしすぎず慎重に下ります。

5年前にできたばかりの坂越大橋で対岸へ渡り、

のどかな千種川を南下していきます。

それにしてもいいお天気。絶好のライド日和。

しばらく進んで播州赤穂駅

 

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引き続きR250。

JR線をくぐって、大きくヘアピンを描きながら、

市街地を回り込むように進みます。

天和の先で1つ目の登り。

えっちら登って、JR線をまたぐ。

備前福河の集落の先で県境の登りへ入る。

いよいよ岡山県に突入です。

 

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反対になだらかに下って、寒川・日生と進みます。

ちなみにカキは食べれないので、

日生に来てもいつも普通のお好み焼きやエビオコを食べる。

日生を過ぎて、岡山ブルーライン備前IC前を通過。

せめて片上大橋が自転車通行できたらいいのになあ。

そのままおだやかな東備港をなぞりながら西へ西へ。

西片上の町を過ぎ、松本橋の先のセブンイレブンで補給タイム。

 

リスタートして、不老川をなぞって伊部駅

R2をまたいで、旧街道へ入る。

大ヶ池をなぞりながらのんびりと。

 

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長船のところで、吉井川とぶつかるので、

ここでR2に入る。

交通量が多い幹線道路はできるだけ手早く進む。

備前大橋で対岸へ。

 

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しばらく進むと、R2はバイパス化するので、

R250方面へ。

この先路肩が狭く、轍も多いので、

砂川橋を渡ったら、新幹線の方へ曲がって旧山陽道へ。

東岡山でJR線をまたぎ、そのまま山陽道を進む。

百間川を渡り、県道402号に入る。

新鶴見橋からは岡山城がちらりと見えました。

 

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そのまま直進し、JR線をまたいで岡山駅西口へ。

岡山駅はそのまま通過して、県道242号をひた走ります。

ちょうどお昼時ということもあってか、車の交通量がかなり多く、

ストレスフルで路肩を進む。

岡山西バイパス、笹ヶ瀬川を渡ると、

道は新幹線直下の側道となる。

ここはいつも信号によく捕まるのでストップ&ゴーになる。

本当は倉敷でお昼でもと思っていたのだが、

余りにお腹が減ってしまったので、

途中のファミマでガッツリ補給。

リスタートして、道は新幹線と別れて左手に折れ、

井田の敷地をなぞって、その先で倉敷JCTをくぐる。

ここから大通りはまたまたっ車だらけになり、慎重に抜けていく。

そうしてようやく倉敷に到着。

駅から裏道を伝って、美観地区へ。

時刻は13時。

途中からとはいえ、すでに130kmほど走ってきました。

  

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お久しぶりの倉敷美観地区です。

なかなか盛況なようで、かなりの人出がありました。

時間もないし、人の多いところは避けたいし、

何より今回の目的は観光でも自転車でもなく、

プレゼントゲットなので、そちらのミッションを。

色々かわいらしいお店を何軒か見て回り、

最終的に本町通の入り口にある、ご存じ林源十郎商店さんへ。

そこでいい感じのイヤリングを発見してそれをゲットしたのだけど、

たまたまこの週末だけやっていた

京都のMORIKAGE SHIRTさんの展示販売があって、

そこで奥さんに絶対に合うワンピシャツを見つけてしまったものだから、

それも合わせて。

プレゼントが2つになってしまったけど、

まあ日頃頑張ってくれているし、いいっかな。

 

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合わせて仕事の用事も済ませ、

倉敷で何か食べようかとも思ったけど、

さっき補給したばかりだったのと、

自転車を置けるところがなく、

人もどんどん増えるので早速離脱。

それよりも行きたい場所があり、そちらへ。

 

倉敷川に沿って進む県道22号で南下します。

R2バイパスをくぐり、

向こう側に見える小高い山並みに向かって

一直線の道を進みます。

 

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粒江小東の先、瀬戸中央道までのところが急な登りで、

それをやっつけると短いトンネルをくぐる。

細かいアップダウンで丘を越え、反対側へ下る。

水島ICまで下ってから、県道21号を登り直し福林湖を通過。

そのまま反対側へ下って、徐々に市街地へ入ります。

しばらくして児島駅に到着。

ちなみにこの駅がJR西日本JR四国の管轄区の境になります。

 

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鷲羽山や下津井にも立ち寄りたかったのだけど、

そこまでの時間的な余裕がなかったのでそちらは断念して、

R430で児島港をなぞりながら東へ。

田の口で道が直角に折れ、そこから海際の道になる。

いや~い気持ちいいねえ。

 

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さて、ここから目的地の王子が岳までのヒルクライムです。

R430を曲がると早速の登り、ぐんぐんと高度を上げていきます。

右にゆっくり弧を描きながらかなり急な斜面をヒ~ヒ~言いながら。

途中で車幅が狭くなる辺りまでは、結構な急坂。

そこをどうにかクリアし2連エアピンを抜けます。

 

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少し斜度が緩み、2つほど分岐を見送って、

海側と反対の東斜面に取り付きます。

こちらもなかなかしんどい斜度が続き、

いくつかアップダウンを抜けて、

ようやく展望台に到着。

久々にキッツい登りでしたが、どうにかこうにか@@

展望所からは瀬戸内海の絶景が!!

南東の方向に対岸にうっすら高松の市街地が、

そして南西の方向には瀬戸大橋。

お見事です。

 

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展望所からさらに少しのアップダウンをこなして、

新割山の駐車場へ。

そこからダートで先に進んで、

目的地の王子ヶ岳パークセンターに到着。 

この中にある、belkさんで絶景を眺めながらコーヒーを一杯♪

と思ってきたのだけど、もう予約待ちがズラリで、

入れず@@@@ 

やっぱり人気なんだなあ@@@@

 

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店内は入れませんでしたが、でもこの周辺は絶景だらけ。

景色だけでも堪能します。

この辺りはパラグライダーもできるほど、眺望が抜けているので、

本当に素晴らしい景色が眼前に広がっています。

瀬戸内海は、陸から海から島から山から、

色々なスポットからの景色を見てきましたが、

ここは3本の指に入る絶景です。

 

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絶景にしばし見惚れているうちに、

時刻は17時になろうとしている。

そろそろ戻らないと遅くなってしまうので帰路につきます。

展望台の所の分岐を、来た方と別の方を選択し、

県道462号へ。

くねくね下って、おもちゃ王国を横切り、

県道427号に入って北進。

天王池まで下って県道62号を岡山方面へ。

秀天橋で幹線道路を離れ、直進して裏道へ。

JR宇野みなと線に沿って東へ進みます。

 

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この一帯は児島湾をせき止めて作られた一大干拓地。

夕暮れで世界が黄金色に輝くなか、

一大平地をひた走ります。

そよぐ風以外にほとんど音がなく、

ただひたすらに世界が平和。

ああ、ずっとこんな時間が続けばいいのになあ。 

 

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ぐるっと湾をなぞって児島湾締切堤防で対岸へ渡ります。

この西側が淡水の児島湖、東側は海水の児島湾。

ちょうど湖の向う側に夕陽が落ちてゆきます。

 

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対岸の岡山市南区に入り、左手に岡南飛行場

道なりに大通りへ進み、洲崎で県道40号へ入り北上、

すぐにR2バイパスをくぐる。

ここからはトラフィック地獄。

十日市でR30に入るとさらに大混雑。

清輝橋でたまらず裏道へ。

そうして岡山駅へ到着。

本当はもっと走って帰ろうかとも思ったけど、

すでに200kmを越えているし、日没サスペンデッドということで。

とはいえまだ19時で、慌てて帰る事もないので、

のんびり在来線で帰宅。

 

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<後日談>

奥さんの誕生日に無事プレゼント。

とても気に入ってもらえて、

わざわざ買いにいった甲斐がありました。

それから、ディナーはイチボのステーキ、

そして年に1度、奥さんのためだけにケーキ作り。

今年は白桃と桜桃のレアチーズケーキを。

 

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子連れツーリング しまなみ海道

3月の事。

長女が無事に小学校を卒業しまして、

中学校入学の合間まで少しの自由な時間。

中学に入ると、

勉強だけでなくクラブ活動や色々なお付き合いなどで

忙しい日々に入ってしまうので、

小学校のうちにやっておきたいチャレンジとして

前々から温めておきながら、

コロナのせいで延び延びになってしまっていた

しまなみ海道 親子ツーリング」。

コロナの状況がまだひっ迫する前に、

駆け込みで行ってきました。

 

しまなみ海道といえば、

広島県尾道から、愛媛県今治まで約80km。

向島因島生口島大三島伯方島~大島と

アイランドホッピングをしながら海を渡る、

サイクリスト憧れの聖地です。

 

今回は、日程の都合もあり、

まずはオレンジフェリーで

愛媛県西条市にある東予港へ向かい、

そこから尾道を目指していくルートになります。

なので、アプローチを含めると

おおよそ100kmのチャレンジになります。

島と島をつなぐ大橋ごとに、アップダウンがあり、

島の中間での峠越えもあり、

小学生にとってはなかなかのハードさになりますが、

回転木馬のアワイチでも、

厳しい急坂を足つきなしで登り切って

みんなを感動させた、

”坂道姉ちゃん”の異名をとる娘なので、

本人はがぜんヤル気満々です。

 

3月はなぜか週末ごとに雨でなかなか予定が立たず、

ヤキモキしていましたが、

密を避ける効果も考えて、日曜版に出立して、

平日月曜日に走る行程に切り替えて手配。

 

そして当日。かなりの大雨で、

本当は自宅から南港まで走っていく予定をあきらめて、

自宅から輪行

自分のカーボンバイクはまだいいのだけど、

娘のアルミMTBの重いこと重いこと。

時間をかけつつ、電車を乗り換えて出港の30分前に到着。

受付を済ませていざ乗船です。

自転車は輪行袋に入れて荷物扱いだとチャージ不要でした。

 

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いざ乗船すると、見事なエントランスロビーで、

まるで船であることを忘れて、どこかのホテルみたい。

早速チェックインをして、スイートへ。

入ると、十分すぎるしつらえで、娘とびっくり。

翌日の大冒険にむけてゆっくり体を休めることができます。

 

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とはいえ寝るにはまだ早いので、船内を少し探検。

甲板に出て22時の出港を。

船旅はこの離岸の刹那が旅情を演出してくれますね。

丸一日降った雨がようやくこの自分になって止み、

低く垂れこめた雨雲を見送って、船は西へ西へと、

暗闇を進みます。

 

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船外は風がかなり強くて、すぐに体が冷えてしまい、

暖を取る意味でもレストランで温かいものを食べる。

22:30ラストオーダーぎりぎりセーフ。

 

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それからしばらくはロビー辺りで、

地図を見ながら、翌日のコースを説明したりしていると、

そろそろ、明石海峡大橋をくぐる頃。

再び強風の甲板に出て、大橋をくぐりました。

それから、明日に備えて就寝です。

 

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翌朝は5時少し前に起床。

色々と準備(特に自分はザックに娘の荷物を入れているのでパンパン)して、

レストランで朝食。

オレンジフェリーは朝食に力を入れているので楽しみにしていました。

娘は和食、自分は洋食。

自慢のマーマレードや、厚切りのハム、パンがおいしくて、

なるほどなるほど。

 

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船は6時ジャストに東予港に到着。

とはいえすぐには降りれないので、

下船口で輪行抱えて待ちます。

そして下船の合図で船を降り、

すぐに駐車場でマシンを組み立てます。

当初、娘の負担を少しでも減らすために、

今治まで可能であれば電車で移動を考えていて、

最寄りの玉之江駅から6:33に電車があり、

頑張れば間に合うかと急ぎましたが、

ここを出発時点で6:15をすぎており断念。

 

ということで気を取り直して、いざ出発!!

 

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東予港を出発し産業道路をまたいで、

田んぼを貫く直線道を西へ。

他のサイクリストたちはみなR196に入って、

そのまま今治方面へ進んでいきますが、

我々は玉之江駅方面へさらに西へ進みます。

R196はすでにこの時間でも交通量が多く、

しかも大型車が多い上に、

路肩が狭く、轍も多くて走りづらい、

おまけに河原津海岸の所の登りが裏ルートより斜度が急なので、

フレッシュの際にも利用した、

勝手知ったる裏ルートへ迂回するためです。

 

壬生川の図書館や新聞社などが並ぶ大通りに出て、

車のほとんど来ないノーストレスで、

東の空からオレンジの光を浴びながら、快調に北上します。

今治小松道をくぐり、ファミマの所の交差点で左折し、

県道159、150号へ入ります。

川を越え、しばらく進むと予讃線をまたぎます。

もう一度小さな川を渡ると、

向こう側にアンパンマン列車が走っていくのが見えました。

 

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もう一度予讃線とクロスしてトンネルをくぐると、

徐々に登り基調になります。

わずかに急な坂を上ると県道159号へ合流し、右折して、

世田薬師さんの所の峠越え。

本日1発目の登りも、なんなくクリアして、

向こう側へとダウンヒル

 

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下りきった先でR196と合流します。

ここからしばらくは交通量の多い国道を行くしかないので、

辛抱して進みます。

その先の道の駅今治湯ノ浦温泉でトイレ休憩。

 

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リスタートして、その先の長沢の交差点で右折し、

県道38号(今治街道)へ入ります。

この日は平日ということもあり、

通勤の車や通学の自転車がそこそこいて、

慎重に路肩を進んでいきます。

頓田川橋を渡り、喜田村交差点で右手の産業道路へ入ります。

さらに進んで蒼社川を渡れば、今治市街です。

 

このところ娘は歴史、それも戦国時代に興味津々なので、

せっかくなので歴史スポットもめぐる予定にしていました。

まずはその1つ目として、今治城に寄り道です。

時刻は8時ジャスト。

 

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今治城は言わずと知れた城造りの名人、

藤堂高虎により築城されました。

慶長7年(1602年)に築城開始、完成がその2年後、

つまり戦国末期のものなので

実際には戦のための城ではなく、

統治の政のための城だと考えられます。

別名、吹上城。

 

高虎が関ケ原の戦いの武功でこの地にやってきた当時の城は、

今の伊予富田の南にある唐子山の山頂にあった国府城であったが、

より海上交通ににらみを利かせられるポイントとして

今の場所に新たに築城したのが今治城です。

 

海の間近に建てられたこともあり、堀には海水が引き込まれ、

当時は船が直接城を出入りできるようになっており、

香川の高松城、大分の中津城と並ぶ

日本三大水城の一つに数えられています。

 

この城が凄いのはその地盤の埋立技術。

当時はこの一帯は今張と呼ばれ、

つまり遠浅海岸を埋め立てた新開地で、

地盤が弱く、それらを考慮して、

杭打ちなどで地盤を固めた上に築城しているのだ。

当時の再選他の土木技術が結集したのがこの今治城なのです。

 

残念ながら、まだ開館前だったので、

内部は見学できませんでしたが、

城好きの娘は大満足の様子でいた。

 

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さて、寄り道もほどほどにして、先へ進みます。

しまなみ海道の入り口は今治からまだまだ先にあります。

市街地を通り抜けて、R317へ入ると、

少しずつ緩やかな登り。

えっちらおっちら上って西瀬戸自動車道をまたぎます。

この辺りからいよいよ、道に、自転車向けの案内用として、

ブルーラインが引かれています。

それに沿って、県道161号へ入ります。

その先のファミマで、小休止して、食料等々の買い出し。

ここまでですでに20kmちょいほど走ってきました。

時刻は8:30。

 

10分ほどの休憩ののちリスタート。

ここから目と鼻の先に、いよいよしまなみ海道の案内板があり、

そこからがいよいよ大冒険の本番!!

 

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しょっぱなから、登りがはじまります。

糸山までは、そこそこ急な登りを

くねくねと回りながら登っていきます。

娘のペダリングにも力が入っています。

頑張れ、頑張れ!!

この辺りはまだ体力十分で、

余裕で足つきなしで登り切りました。

 

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せっかくなのでサンライズ糸山にも寄り道。

ここから、このあとすぐに訪れる来島海峡を眺めます。

のっけからハイライトです。 

長女もそのスケールの大きさにおおっ!となっていました。

売店だけ開いていたので、少しだけ覗いて、 

 おそろいの安全のお守りステッカーシールを購入し、

それぞれのマシンに張り付けました。

 

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そしていよいよ、アイランドホッピングへとスタートです。

サンライズ糸島から、先ほどの本線に戻り、

ぐるぐると回廊を回りながら少しずつ登っていきます。

そしていよいよ高速道路の高さまで上がってきて、

来島海峡を渡ります!!

イヤッホイ!!

 

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この来島海峡大橋今治と大島を結ぶ3連吊橋で

全長が約4.1㎞もあります。

この来島海峡も、鳴門海峡と並ぶ海上の難所で、

下を覗いてみると潮がぐるぐると渦巻いていたり、

複雑な地形に海水がぶつかり合って

白波を立てているのがわかります。

それにしても高い@@@

娘も興奮気味に、下をのぞいたり、景色を取ったり。

この日は黄砂のせいで若干遠くがかすみ気味でしたが、

それでも絶景を十分に満喫できるいいお天気。

途中途中で、立ち止まって景色を楽しみながら、

ゆったりと渡り切りました。

 

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まず1つ目の橋を渡り切って、大島に上陸しました。

自転車用のループを伝って海岸線まで降りたら、

道の駅よしうみいきいき館で少し休憩して、

渡ってきた来島海峡大橋をバックに写真撮影。

まだ時間が早かったし、この後の時間もないので、断念したけど、

本当は渦潮クルーズとか乗れたら、娘を喜ばせることができたんだけど。

今回は完走第一で、それはまた次の機会に。

 

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よしうみいきいき館を出発すると、すぐに急な登りです。

他のサイクリストも四苦八苦で登っていますが、

ここで娘にええカッコ見せたろと、

後からゆっくりおいでと言い残して

大人げなくフルアタックで、全員ぶち抜いて一等賞!!

(しかも今回はビンディングじゃなくトレランシューズで)

登り切ったら、すぐに下り返して、娘を迎えに行くと、

娘がすごいすごいと言いながら、笑ってました。

そういう娘も、意外と早く登ってきてて、足つきなしでクリア。

流石です。

 

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高速の入り口の交差点からは向こう側に、

緩やかに長く下り。

気持ちよく風を切りながら、

島の中心部を通り過ぎていきます。

そしてしばらく進むと、

橋の上り下り以外ではおそらく一番の登りになる

宮窪峠にさしかかります。

ここはゆっくり娘のペースに合わせながら、

慌てずじっくり攻めます。

娘もギアを落として、自分のペースを守って、真剣モード。

ここも無事足つきなしでクリアです。

(後で聞いたら、ここが一番しんどかったそう)

 

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高速の真下で峠を越えたら、

宮窪の集落へ向けて一気の下り。

難所をクリアした後の油断でダウンヒルが一番危ないので

娘に注意喚起しつつ、慎重に下ります。

下りきって海のところを本来は左折するのがしまなみルートですが、

今回はそこを右折します。

集落を抜けた先に、

ある大きな建物が今治市村上海賊ミュージアムです。

ここも歴史好きの娘のお楽しみにとやってきたのですが、

月曜休館!!

あらま、残念でしたが、

ここから見える海の真ん中にある能島(のしま)を眺めながら、

色々歴史をレクチャーしてあげました。

 

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この一帯は、南北朝から戦国時代にかけて、

芸予諸島周辺の瀬戸内海を支配していた村上水軍の本拠地です。

海の上での最強軍団と言われた海賊ですが、

海賊といっても無差別に往来する船を襲撃して、

金品を奪うようなものではなく、

どこの国にも属すことなく、自分たちの自治をもち、

周辺を運航する船から通行料を得る代わりに、

複雑に入り組んだ地形で生み出される、

難しくて速い潮が流れる海域を安全に通過できるように

水先案内を担ったり、

周辺の国々からの依頼を受けて、

海での戦に参加したりしていました。

信長の石山本願寺攻めの際には、

毛利からの依頼で石山本願寺側につき、

第一次木津川口の海戦では、早船を駆使して

信長軍を撃退する大活躍を果たしました。

当時の政の中心地であった、京都や畿内に直接つながり、

西国の国々に面する瀬戸内海の制海権を握ることは、

天下統一の極めて重要なポイントであり、

村上水軍は歴史舞台の様々な場面で、

鍵となる役割を果たしました。

 

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残念ながら博物館は閉まっていたので、リスタート。

少し戻って、先ほどの分岐を直進して、

しまなみルートの本線に戻ります。

しばらく進むと、村上水軍の本拠地である能島が目の前に。

ここで再び立ち止まって、歴史のお話を。

 

すぐ目の前、まるで海というより大河のように、

激しく流れる海面のど真ん中に、平らな小島がポツンとあり、

それが村上水軍の本拠地・能島。

見た目の通り、いくつもの島と島の間を激しく出入りする潮流が、

予測がつかない複雑な流れを作り、

またその流れには一見してわからない、

浅瀬や岩の突起が海面下に潜み、

容易には近づけない魔の海域の、まさに只中に位置しています。

あそこにもいつか娘と上陸したいなあ。

 

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能島を後にして、引き続き海岸線をなぞっていきます。

しばらく進むと、大きな橋が見えてきました。

あれが次の伯方島へと渡る伯方・大島大橋です。

あそこまで再び登らないといけません。

 

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いったん橋をくぐり、その先の自転車道の登りまで。

そこからぐるぐるとスロープを回りながら高度を上げていきます。

この時は、風が結構強く吹いていて、

登りのアゲインストに四苦八苦しながら、

ここも足つきなしで娘さん、登り切りました。

そうして、橋を渡って2つ目の島・伯方島上陸!!

 

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橋を降りるとすぐ下に伯方ビーチと

道の駅 伯方S・Cパークがあり少し休憩です。

時刻は11:30、ここか次の道の駅 多々羅しまなみ公園かで

お昼をと思ってたのですが、

小腹も減ったのでこちらで軽く食べることにしました。

 

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中のレストランは結構混んでいて、

せっかくならビーチで食べようと売店で購入。

結構風が強かったのだけど、

自分は焼豚玉子飯、娘は鯛塩ラーメン。

伯方といえばの伯方の塩。塩ソフトクリームが有名だけど、

寒かったのと、あとでアイスは食べるので今回はなし。

 

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腹ごしらえをすまして、リスタートです。

しまなみルートは伯方島の西岸を軽くなぞるだけなので、

あっという間です。

造船所横のちょっとしたのぼりが若干急で、

それを乗り越えたら、高速の下で交差して、自転車道へ。

ここはダラダラとした登りで進み、

一度高速をくぐってから、回り込んで大三島へ渡る大三島橋へ。

 

この大三島橋は、このしまなみ海道の数ある大橋の中で

一番最初に架けられた大橋(1979年完成)で、

海峡部に架けられたものでしまなみ唯一のアーチ橋。

伯方島大三島の間、約300m幅の狭い海峡を、

鼻栗瀬戸といって、約7ノットもの激しい潮流と、

船の進路が直角に曲がっているために、

海の難所として知られている場所です。

この日も風が強いせいで、

海面にはいくつもの白波が立っていました。

それがまるで『この世界の片隅に』で、

すずさんが絵に描いた白波の兎のようでした。

娘にそれを伝えると、「ほんまや!」と嬉しそうでした。

 

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大三島橋からは長い長いスロープを海岸線まで下るのですが、

ここのスロープはとても長くて、

しかも細かく先の見えづらいカーブの連続なので、

センターラインをオーバーランして

対向車と正面衝突しないように

慎重に下ります。

 

スロープを降り切ると、

R317に復帰してほぼまっすぐな道を進みます。

大三島の東端をなぞって走ると、

徐々に前方右手にある多々羅大橋が大きくなってきます。

 

さっき補給をしたところなのですが、せっかくなので、

橋の入り口にある道の駅 多々羅しまなみ公園へ立ち寄ります。

 

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少しお土産を見て回ったのち、この施設の裏側にある

サイクリストの聖地で記念撮影。

平日でしたが、たくさんのサイクリストがいました。

さすが、世界中のサイクリストあこがれの地です。

 

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しばしの休憩ののち、先へ進みます。

時刻は13時を少し回ったところ。

順調なペースで来ています。

橋の上部まで、スロープの登りをこなし、

多々羅大橋を渡ります。

1995年完成当時の世界最長の斜張橋です。

この橋は設計の段階で、

周囲の景観や環境保全、橋のデザイン性なども重視されたため、

とても美しいシルエットをしています。

 

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この橋のちょうど中間地点で、しまなみ海道も折り返しです。

そして、橋の中央が県境となっていて、

愛媛県広島県をまたぎます。

さらば四国!!

 

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多々羅大橋を渡ると、広島県生口島に上陸です。

瀬戸内レモンの発祥の地として有名ですね。

国産のレモンの5割が広島県産で、

さらにその3割がここ生口島で栽培されています。

レモンだけでなく、オレンジやみかん、シトラスデコポンなど

柑橘類の畑がたくさん見られますが、

それは瀬戸内の温暖で穏やかな気候に加えて、

島の約50%が急峻な山の斜面になっていて、

レモン栽培に適していたためです。

ここ生口島瀬戸田)ではなんと約100年前(1928年)から

レモン栽培がおこなわれています。

 

この生口島には何かと深い縁がございまして、

まだ西瀬戸自動車道が全通する前から、

たびたびこの島を訪れてきました。

なにしろ大事な親戚筋の生まれ故郷でもあり、

第2の故郷といってもいいくらい大切な大切な場所です。

20年前は、忘れ去られた島のように、本当に閑古鳥が鳴いて、

でも逆にそのおかげでとても静かでのどかで、素朴な町でしたが、

今ではサイクリストも含めて

たくさんの人が訪れる人気の島となりました。

 

大学の卒業にサークルのメンツで卒業ドライブに出かけ、

その際に奥さんが人生最初で最後、

公道を自分で運転した(といってもわずか500m)場所で、

娘にそれを教えると、「なーそれ」という反応でした。

 

当時からある島ごと美術館のアート作品が、

しまなみコースの途中にもありますが、

自分はこの「波の翼」が一番好きです。

 

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さてさて、サンセットビーチを過ぎ、

島の西海岸をなぞって、

生口島の中心部である瀬戸田の町へ到着しました。

ここも昔はかなりさびれた町でしたが、

今はなかなか人気のようです。

(コロナのせいか、名物のタコ料理を出す、

大好きなお店が潰れてたのはショック…)

しおまち商店街をゆっくりと通過し、

耕三寺前のいつものドルチェで一服いれます。

本店はもう少し行った町はずれにありますが、

自分は必ずいつもこちら。

 

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さて時刻はもうじき14:30です。

残りの距離も40kmを切りましたが、

そろそろ娘も自分もお疲れモードになってきているし、

あまり悠長にはできないので、名残惜しいですが

瀬戸田の町を後にします。

また来るよ~。

 

リスタート後は、生口島の北側の海岸線を進みます。

そうして次の橋、生口橋が見えてきました。

ここはこちら側からだと少し、

自転車道への入り口がわかりづらいので慎重に。

えっちらおっちら登り詰めて、橋を渡ります。

遠くの島と島に、

両島からつながっていない建設中の橋桁が見えました。

 

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さて、橋を渡るといよいよ因島です。

西岸を北上して、岩鬼の所でコースが2つ分かれるのですが、

間違って内陸コースを選んでしまって、

高速までの余計な峠越えを1つ2つ。

娘の体力を考えれば海岸線コースの方がよかったのだけど、

痛恨のミスです。

それでも、気合を入れて娘さん、

ここも足つきなしでクリアです。

因島北ICの横を左折し、県道367号を少し進み、右折。

フラワーセンターの横を通過し、再び登りをこなせば、

後は海までまっしぐらのまっすぐな下り。

ここも気持ちがよい。

 

しかしこの先、大浜から因島大橋の入り口までが、

直線的な急坂。

そろそろお疲れ気味の長女にとってはかなりきつい状況だったが、

弱音を吐かず、黙々とペダルをまわし続け、

ここもついに足つきなしで登り切りました!

わが娘、タフだな!!

そして、本格的な登りはこれがラストでした。

よく頑張りました!!

 

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そして最後の橋、因島大橋へ向かいます。

(もう1つ先の尾道大橋は自転車では渡れないので)

ここは、自動車の走行部分の下に、

自転車・歩行者用が設けられていて、

橋桁の間を抜けていきます。

 

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そしていよいよ最後の島、大島に上陸です。

島の南側へ降り、

そろそろ夕暮れて黄金色に輝き始めた海岸線をゆっくりと。

渡ってきた因島大橋をくぐる手前に小さな海岸があり、

そこで名残惜しく、少し休憩。

海がとても穏やかで、世界がキラキラ輝いてて、

波と風のほかに音はなく、

短いながらもものすごくいい時間でした。

 

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大島の西海岸をゆったり進み、

左手の対岸に岩子島を見ながら

東山繁多寺のあたりで道は海に別れを告げて、

右に折れ市街地へと向かっていきます。

徐々に周囲も町らしくなり、車の往来も増えてきました。

もうゴールは目前ですが、油断して事故はいけないので、

最後の最後まで気を引き締めていきます。

富浜橋の交差点で左折し、ドンツキの渡船場に到着。

自転車ライドはここまで。よく走り切ってくれました!

 

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しばらくして船が到着し、乗り込みます。

愛する尾道の町と千光寺山の美しいシルエットに向かって

ゆっくりゆっくり、町の営むのと同じ速さで、

海を渡ります。

なんてすばらしい時間。

 

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美しい船旅もつかの間。あっという間に尾道に到着。

そうして、桟橋に降り立ち、

これにていよいよ、しまなみ海道サイクリングの全完走です!!

娘ちゃん、よくよく頑張りました!!

朝6時15分に出発し、夕方16時55分到着、

所要時間10時間40分のライドでした。

 

アプローチも含め、登りあり下りありで、

約100kmの大冒険を、

自らの足だけで、それも足つきなしで完走してくれました。

もうそれ以上も以下もなく、本当にそれにつきます。

 

しまなみ海道は何度も何度も走っていますが、

娘と走る今回は、今までとは全然違う経験で、格別でした。

願わくば、この経験が、彼女のこれからの糧になってくれたら、

なお嬉しいなあ。

 

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さあ、大冒険を完走したのも束の間、

帰るまでが遠足です。

今日中には帰宅しないといけないので、

まずは帰りの新幹線の手配です。

2020年5月から特大荷物については、

車両最後列の座席の予約が必須になったので

それを確保しておきます。

 

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それからせっかくなので、

おみやげと夕食を。

コロナの影響もあり、また月曜日ということもあって、

たくさんの店が閉まってたのだけど 

尾道へ来たら必ずと言っていいほど立ち寄る

「みやち」さんは開いてました。

ということで、中華そばを。

疲れた体に優しいスープが沁みるわあ。

 

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お腹を満たしお土産も無事ゲットして、

マシンをばらして輪行へ。 

在来線で福山まで向かい、そこから新幹線さくらで新大阪。

再びマシンをセッティングして、自宅まで油断なく自走。

22時には無事帰宅。

お疲れ様!! 

 

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三田村管打団?春!桜!「絹う研」ミーティング 合言葉はソーシャル・レジスタンス!!

4月の頭。

 

おととし初めて参加して、ものすごく幸福で印象深く、

素晴らしい春の思い出となった

絹延橋うどん研究所での三田村管打団?ライブ。

去年もとてもとても待ち望んでいたのだけど、コロナの影響で、

やむなく中止になってしまい、本当に残念でした。

たまたま去年夏の「冬にわかれて」のライブで、

絹う研の永尾さんをお見掛けしてお声掛けした際にも、

開催できなことがとても悔しい様子で、

来年こそはとお話をしていました。

 

↓2019年の記事

arkibito.hatenablog.com

  

そしてずっとずっと待ち望んでおったのですが、

今年は皆さん並々ならぬ意気込みで、

ソーシャル・ディスタンスならぬ、

「ソーシャル・レジスタンス」と銘打って(なんていいスローガン!)、

人数も少数限定、あらゆるコロナ対策を講じ、

窓は大開放のバッチリ換気で、

ささやかながらも、祝祭の宴を催していただけることになりました。

その一報に思わず「やったぁ!!」と小躍りしたのはナイショです。

 

当日はあいにくの大雨。

桜散らしの雨です。

ライブでは、演奏後に参加者みんなそろって

桶うどんをつつくのがセットなのですが、

残念ながら今回はさすがにそれはなし。

でもでも、せっかくなら絶品のうどんをいただきたいので、

ライブ前にお店のランチ営業へ。

 

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言わずと知れた大阪のうどんの名店、

絹延橋うどん研究所です。

時々ロードバイクで立ち寄っては、

絶品のうどんをいただいてきましたが

何度でも通いたいお店です。

食材にもこだわり、有機野菜などの自家栽培にもこだわった

安心安全なうどんは、本当に滋味深くおいしいのです。

 

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この日も、バラエティ豊かなメニューに相当悩んだのですが、

悩みに悩んで、レモンうどんの冷や!

お出汁の豊潤な味わいに、すっきりとした無農薬レモンの風味。

うれしいのは追いレモン用のレモン付き!

そのお出汁に決して打ち負けることのない

石臼全粒粉の面の旨味・天然の甘味。

これを最高といわずに何と言えよう。

おいしゅうございました。

家族もみな大満足でスマイルでしたが、

特に次女はあまりの美味しさに大人サイズをぺろりと平らげて、

お店の方がそれを見てとても喜んでおられました。

 

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お腹いっぱいになったら、2階へ。

ライブまでは少しだけ時間があり、各々まったり。

この日は本当はお天気が良ければ、おととしのように、

猪名川沿いの桜並木のもとで、

まるでクストリツァの映画のように、

楽隊が祝祭の歌を響かせる、

そんな夢のようなシチュエーションが再び見られたのですが、

あいにくの雨で、今回は室内のみ。

それでも、この2階の空間がまたとっても素晴らしくて、

眼前には五月山の緑が飛び込む大きな窓、

たくさんの本やおもちゃや雑貨の類、

そして色々と漬けられたおいしいもの達が出番を待つ瓶の数々。

ああ、こんな家いいなあといつも思います。

 

ライブまでの間に一杯。

娘たちは自家製のいちご水。

横から少しいただきましたがこれがとっても甘くて美味!!

 

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さてさて時間となり、いよいよライブスタートです。

今回は、機材の関係などもあり?、

今回は打楽器対不在で、

管楽器隊オンリーの珍しい編成です。

そして各々のパートの楽器に加えて、

色々なトイ楽器も手元に用意されていて、

いろんな楽しい音がポンポンポンと沸き起こって

お祭りがスタートです。

 

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三田村管打団?の音楽はまさに音が楽していて、

自然と体がリズムを取ってしまったり、

つい一緒に何か音を出したくなってしまいます。

実際、こっそり持ってきていたトイ楽器を

娘たちと一緒に後方から鳴らしておりました。

 

とにかく楽しい音が鳴っていれば、万事OKというか、

どんな音も取り込んで、ごった煮して、おいしくしてしまう、

そんな大きな大きな炊き出し鍋のような楽隊で、

実際、子供たちが騒いだり、叫んだり、怒ったり、

泣いたりしているのやら、

お客さんがわいのわいのと楽しそうにしている音やら、

食器がカチャカチャなったり、

外で鳴り響くサイレンやら、

そんなのもまるで絶妙の合いの手となってゆくのです。

 

だって生きていれば、音ってのは自然と出ちゃうもので、

それを否定も拒むこともできないのです。

だったら音が鳴ること自体をまるっと受け入れて、

音が鳴る喜びを純粋に楽しもうじゃないか!?

そういう無邪気さが自由の風となって、

そこかしこに吹くのです。

音よ鳴れ、音よ集まれ、鳴らせよ生ける証!!

ああ、楽しくないはずがない!!

 

↓アザ・ブランカ


www.youtube.com

 

あっという間に前半が終り、少しの休憩タイムです。

リーダーで旧グッゲンハイム邸の管理人さんでもある森本アリさん、

そしてトロンボーン担当の清造さんが、物販に立たれていたので

お久しぶりのご挨拶。

我々ちょうど、「途中でやめる」の服を着ていて、

それに興味津々のようで、色々お話ししました。

アリさんも、「途中でやめる」に感化されたそうで、

今日着てるTシャツ、

着なくなったTシャツを切り貼りしてリ・デザインしたのだそう。

みんな気になるところはおんなじだなあ。

 

そしてさっきMCでお話しされてた長屋レシピと、

かわいらしい三田村管打団?Tシャツを見つけて、

早速購入しました。

 

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休憩をはさんでも、楽しい音楽は続きます。

そういえば、今回は残念ながら永尾さんの演奏がなかったですが、

それはまた次回のお楽しみに。

そしてそして、三田村管打団?の中でも一番好きな

『キネンジロー』です。

お客様の中にトライアングルができる方おりませんか~?

のアナウンスもありましたが笑、

いつものように、清造さんの超絶トライアングルが炸裂してました。

 

↓『キネンジロー』


www.youtube.com

 

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音楽というのは本当に人の心に直接作用する素晴らしいものですが、

素晴らしい音楽というのは、技術的に完成されているかどうかとか、

広く世間に認知され売れているかどうかとか、そんなことではなく、

ただ、その音楽が鳴り響く空間、居合わせた人たちの間に、

どれだけ心地よい場を生み出すか、その1点に尽きるのだと思います。

三田村管打団?のライブを体感する(決して一方的に見るではない)たび、

ああ今とってもハッピーだな、今日1日いい日だったなあと

しみじみと感じられるとともに、

老若男女を問わず、

思わずみんな笑顔になってしまうのですから、

本当にいい音楽、いい場が繰り広げられているのです。

あれこれ言いましたが、何が言いたいかというと、

それは、三田村管打団?が愛すべき楽隊だということです!!

 

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いやあ、素晴らしい時間でした。

2時間があっという間。

すっかりお腹も心も満たされて、ほかほか気分です。

 

この1年、コロナや邪悪な大人たちの悪行や、色々な人の訃報やら

気の滅入ることばかりの日々で、

この春もまだまだ予断を許さないなかで、

ほんのひと時、それらをすっかり忘れて、

心地の良い音楽耳をゆだねることのできる幸福な時間でした。

そして、やっぱりこの生の体験こそが、

ほんのわずかに残された、

だけども間違いなく明日へとつながる希望です。

まさに合言葉はソーシャル・レジスタンス!

 

名残惜しい気持ちを引きずりながら、

終演後は、雨の中、猪名川沿いを歩いて、

散りゆく桜を見送りました。

来年もぜひ開催されることを!

 

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数日後、お土産に買って帰った全粒粉を使って、

奥さんがうどんを打ってくれました。

全粒粉だけだと、まとめづらいかもと、

サービスでいただいた別の小麦粉(さぬきの夢)をブレンドして

娘たちと楽しくコネコネしたもの。

全粒粉ならではの香りとほのかな甘味、

そして程よい嚙み心地に大満足でした。

永尾さんに感謝です。

 

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<余談>

5/14からシネリーブル神戸で、

三田村管打団?のみなさんが活動拠点にしている
(というよりほぼみなさん出演してる)

神戸・塩屋の旧グッゲンハイム邸を舞台にした映画

旧グッゲンハイム邸裏長屋』が劇場公開されます。

おととし、映画完成会で一足早く映画を見たのだけど、

ほのぼのとした日常が丁寧に描かれていて、

とても良かった!またお目にかかれるのが楽しみです。

かもめ食堂』『マザーウォーター』あたりが好きな方が

きっと気に入るはず!

それにしても、それにしても、塩屋の暮らしは憧れです@@

 

youtu.be

 

公式HP

mikatafilm0726.wixsite.com

 

 

Music Life 弾き語りセレクション みんなのうた60

2021年4月で、NHK教育テレビの『みんなのうた』が祝60周年!

誰もが一度は聞いたことのある曲、さまざまな時代を彩ってきた曲、

小さい頃から音楽に触れることのできる貴重な機会として、

長く愛されてきた番組です。

自分も、子供の時分に番組を通じて様々な歌や音楽と出会い、

それらが自分の音楽の礎になっているし、

子どもができて、再び、朝夕などに番組を見るようになって、

子どもと一緒に口ずさんだりしています。

そんな『みんなのうた』60周年を祝って、番組を代表する歌、

自分の記憶に深く残っている曲を弾き語りします。

 

まず1曲目は誰もが知っている『ドレミの歌』。

これはもとはミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の楽曲で、

それをブロードウェイで聴いて感動した

ペギー葉山自らが訳詞を手掛けたものが広く普及しました。

 


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続いては番組をきっかけに大ヒットした、

みなみらんぼう作の『山口さんちのツトム君』。

実はこの曲には続編があって、

つとむ君を見守っていた女の子ユミちゃんの目線で描いた

アンサーソング『ユミちゃんの引越し 〜さよならツトム君〜』

というのもあります。

 


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続いては、おそらく「みんなのうた」の中でも1,2を争う人気曲、

堺正章の『北風小僧の寒太郎』

カンタロー!!の合いの手はきっと誰もが知っていると思います。

アニメーションでは寒太郎は新潟県日本海から南下して、

湯沢町三国峠を越え、五日市街道をなぞりながら、

羽田空港まで冬を連れてきます。

 


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続いては、当時のこども達のトラウマ曲として

よく取り上げられる

大貫妙子の『メトロポリタン美術館』。

薄暗いクレイアニメが少しこわごわとしていて、

しかも最後には主人公の女の子が

絵の中に閉じ込められてしまうという衝撃のラスト@@

 


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続いては、『コンピューターおばあちゃん』。

ようやくこの頃からコンピューターというものが社会に進出し、

また音楽の方でもテクノポップがフューチャーされてきたという

80年代当時の雰囲気がよく出た歌です。

編曲を担当しているのはYMOの世界の坂本教授なのです。

 


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続いては、「みんなのうた」の歴史の中でも、

超レア曲として有名な『ミスターシンセサイザー』。

 歌っているのはなんとタモリさん!!

 


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続いては、子供ながらに翼をもがれて、

堕ちて死んでゆくイカロスに涙した

 『勇気1つを友にして』

 ギリシャ神話の『ダイダロスイカロスの話』を題材にした歌です。

このメロウな曲がなぜだかずっと印象に残っていて、

こういう寂しい曲好きの原点。

 


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続いては、やなせたかしが作詞を手掛けた

『手のひらを太陽に』。

トンボだって、オケラだって、アメンボだって、

みんなみんな生きているんだ、 友だちなんだ!!

  


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続いては、のちに平井堅がカバーをしたことでも有名な

大きな古時計』。

 元は1876年にアメリカで発表された

ヘンリー・クレイ・ワークによるポピュラーソング。

美しい物語を読んでいるような 、

思わず感情移入してしまう名曲ですね。

 


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続いては、卒業ソングの定番曲でもある

『ありがとう・さようなら』 。

子供たちに数多くの名曲を作曲し続けてきた福田和禾子

「100年残る名曲を」という意気込みで作った楽曲だそうで、

その強い思いがひしひしと感じられる名曲です。 

 


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続いては、財津和夫作『切手のないおくりもの』。 

こちらも番組から大きな反響となり、人気となった曲です。

とにかく歌詞が素晴らしい。

 


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ラストは、「みんなのうた」の中で、

個人的に最も心に残っていて大好きなゴダイゴ

『ビューティフル・ネーム』

1979年ユネスコが宣言した国際児童年の協賛曲ということで、

子ども達にむけて、わかりやすく素晴らしいメッセージが込められた曲。

自分の小学校では、この曲が休み時間に毎日流れていて、

この曲を聞くたびに、

子供の頃の楽しかった思い出がよみがえります。

 


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ということで「みんなのうた」60周年特集でした。

まるで歌のユニバーサルデザインといえる、

老若男女、誰が聴いても楽しい、印象に残る名曲ばかりでしたね。

これからも70周年、100周年と続いて、

素晴らしい歌を送り出してほしいです。

音楽劇『プラネタリウムのふたご』 at 梅田芸術劇場

こちら、2月に戻ってのお話。

 

本当は2020年に上演されるはずが、

コロナによって1年延期になって、

 

いよいよ満を持して開催された

音楽劇『プラネタリウムのふたご』を鑑賞しに、

梅田芸術劇場へ。

 

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原作は大好きないしいしんじさん。 

いしいさんの作品はどれもこれもが愛おしいものばかりですが、

個人的に本作(それから『ポーの物語』)は

とりわけ自分の心の奥深くにいつまでも留まり続けている

大切な大切な作品です。

 

お話は赤い糸で結ばれた

テンペルとタットルの双子の兄弟の

数奇な運命をたどる物語。

一人はとっておきのマジックで、

一人は夜空の星々を紡いだ物語で、

人々を喜ばせる。

温かなウソとマヤカシで繋がる見えない心と心、

それはいつしかホンモノを超えてゆく___。

 

演出・脚本はウォーリー木下さん。

以前に同じいしいさん原作の『麦踏みクーツェ』を

2015年に舞台化もされています。

2017年の手塚治虫原作の『W3』なども素晴らしかったですが、

演者の身体性(ノンバーバルな部分)を重視した演出や

様々なデジタル技術を用いた演出に定評がある方です。

 

本作では、最初は一心同体のようにして生まれ育ってきた双子が、

ある出来事を境に、別々の星へと導かれてゆくのですが、

後半、それぞれの運命をゆく双子の出来事を、

同時進行でオーバーラップさせて見せていくという、

非常に難易度の高い演出方法がお見事でした。

普通なら、シーンごとに区切って、

これはテンペルのシーン、

次はタットルの出番とするようなところを、

同一のステージ上で、同時に成立させてしまう。

そうすることにより、作品として切れ目なく

流れるように見せることができると同時に、

物語としても、別々の星に導かれ、

別々の生業で、別々に生きているふたご達が、

たとえそうであっても、実は根っこは全く同じで、

いつでも強く繋がっている、一緒に生きているのだということが、

より強くはっきりと感じられるのでした。

と、言葉では簡単に言えても、

やはりそういう想像力でもって構成しないとできない技であり、

またそれをきちんと理解して応えなければいけない役者さんの

苦労ぶりが目に浮かぶようですが、

これが見事にはまっていました。

またウォーリーさんらしい、映像とのコラボレーションも素晴らしく、

おおぐま座の語りのシーンで背景に映し出される天体の様子やら、

熊狩りのシーンで、作品に立体感を与えていました。

 

音楽は、こちらも『麦踏みクーツェ』から引き続き、

トクマルシューゴさん!!

音楽劇と銘打っているだけあって、

本作にとって音楽はもう一つの主役、

そして、いしいさんの書かれるお話からは、

実際、いろいろな音やメロディーが流れるものですから、

より一層に音楽がとても重要になってくるのですが、

これが本当に祝祭的な楽しく可笑しみのある、

トクマルさんらしい音楽の数々で素晴らしかった。

特に、『イのない世界』、あと「ツチノコはいる!」

ぜひ、サントラ出してくれたらいいなあ。

 

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そして、役者の皆さんがなにより素晴らしかった!!

 

永田さんと阿久津さんの息ぴったりのシンクロニシティ

それも舞台狭しと爽やかに駆け抜けてゆく2つの風のよう。

それでいて、テンペルはテンペルらしい、

タットルはタットルらしい個性もきちんと感じられていて、

まさに一心同体で、本当に2人の幸福を願ってやみませんでした。

 

そしてそんな2人を、静かに温かく見守る泣き男を、

真心のこもった優しい語り口で演じた佐藤アツヒロさんの包容力。

もはやほんとうの父親であり、ほんとうの母でもある

あの泣き男だからこそ、

双子があんなにものびのびと大きくなったのだなぁ。

 

そして、セコくて、かまってちゃんで、少々面倒くさいけれど、

決して悪人ではなく、どこか憎めない、実に人間臭い工場長を

キッチュさんが演じられていて、

そうそう!こういうおっちゃんいる!と、さすがの芸達者ぶり。

 

妹役の前島亜美さんの明るさと、溢れ出るパワーは、

舞台上で素晴らしいアクセントとして輝いていました。

 

そして、キャストの中でも1番目を見張ったのは、

威風堂々たる座長テオを、

老いの哀愁を纏いつつ演じた大澄賢也さん。

一瞬にして舞台を自分色に染めてしまうような圧倒的な存在感を、

ご自身の身体以上の大きなオーラをしっかり纏わせて見せつけつつ、

全盛を過ぎ、焦りや労を隠し切れない、

そんな寂しさを同時に体現されていました。

実際に手品も披露されるのだけど、

あれも相当の訓練をされたのだろう。

さすがベテランの舞台役者さんです。

今までテレビ等でしか拝見したことがなく、

そのイメージとはまた違た持ち味を見ることができてよかったです。

 

そのほかの皆さんも、見事な一座の団結ぶりでした。

演者の皆さんは舞台転換も自分たちで、

そして他の場面では別役やエキストラと一人2役、3役と大忙しで、

みんなで一つの激を作り上げていくんだという

一体感と熱を大いに感じました。 

その熱を感じる事こそ、生の舞台の醍醐味だなあ。

 

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終演後、会場前の人だかりに、いしいさんを発見!

約1年ぶりにごあいさつ。

ご自身の作品がいろいろな人に愛されて、

こうやって新たな作品へと昇華していくのを

とても喜んでおられました。

ぴっぴ君はまた一段と大きくなってましたが、

相変わらずの人懐こさと好奇心旺盛ぶり。

ちょうどF1開幕前だったので、少しだけF1話をしたり。

園子さんもお元気そうで何よりでした。

 

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コロナ禍において、その最初期にやり玉に挙げられたことで、

一層困難な状況に陥り、

ほとんど壊滅的と言わざるを得ないほどの演劇業界において、

それでもこうやって、万全の対策を講じ、

どうにかこうにか上演にこぎつけるだけでも相当な苦労の中で、

長期間にわたるお稽古やリハーサルを経て、

こんなにも素晴らしい作品を、

堂々と上演していただいたみなさんには、

感謝とねぎらいを込めたありったけの拍手をお送りしたいと思います。

我々が豊かに暮らすためにはやっぱり、

エンターテインメントは必要不可欠、改めてそう実感しました。

 

本作はDVDの発売も決定して、さっそく予約済み!

store.cubitclub-plus.com

 

 
<追記>

ちなみに本作は、

今回のキャスト制作陣とは別に、

2019年に、所属を超えた関西演劇界の若手らによる作品も上演されて、

そちらは、若手のキラキラとしたフレッシュさがよく出た作品でした。

 

arkibito.hatenablog.com

 

春ポタ & 毛馬閘門

まだ大物記事が2つ3つありますが、体力が続かないので。

先にこちら。4月のお話。

 

健康診断結果がよくなかったのを、

意外とずっと気にしていて、コロナ対策をしつつも、

今年はできるだけ健康重視、運動志向でいきたいなと。

とはいえ筋トレとか柄でもないので、

やはりお山と自転車中心なのだけど、

遠征とかはそんな頻繁にできるものじゃないので、

まずは、できるだけ近場で、

毎日時間があれば1時間でも2時間でも

歩いたり、ポタリングをするところから。

最近は、長女のマウンテンバイクをミニベロ代わりに拝借して

ぐるぐる。

 

4月に入って、ずいぶん気候も暖かくなって、

寒さに出不精も解消。

人出は確実に増えてきているけど、

平日の中途半端な時間ならそれもまばら。

桜をめでつつ、川沿いをお散歩。

 

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新淀川と大川の間にあるおなじみの毛馬閘門。

この日ちょうど通りがかったら、

土砂を運ぶ運搬船の一団がやってきた。

閘門が実際に稼働するのが見れるチャンスだったので

しばし見学。

 

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桂川宇治川、木津川の三川が淀付近で合流して、

大河となった淀川が、現在のように、

毛馬付近から河口部まで

直線的に大阪湾に流れるように開削されたのは、

明治期の大治水工事によるもの。

 

一方で、この毛馬から枝分かれする旧淀川本流である大川は、

堂島や道頓堀界隈といった大阪市街地の中心部を流れているため、

河川が氾濫しないように、常に水面管理されていて、

新淀川から流入する水量を調整する役割として

毛馬閘門が設けられている。

 

そのため、大川は淀川に対して、

約2~3mほど水面が低くなっているのだが、

現在でも、重要な水運機能を担っている淀川と大川の間を

船舶が航行するのに支障をきたします。

そのため、この毛馬閘門で、

2つの河川の水位差を調整することによって、

船舶の往来をスムーズに行えるようにします。

具体的には、閘室とよばれるスペースに船を引き入れ、

その両サイドを水門で閉鎖し、

閘室内の水を排水して水面を下げたり、

給水して水面を上げることにより、

進行する方向の河川との水面と一致させるという、簡単な仕組み。

これは、少し前に大きなトラブルとなっていたスエズ運河などでも

原則は同じ仕組みです。

 

今回は運搬船が淀川から大川へ向けて進んでいくので、

閘室内の水を排出して、水位を下げることになります。

下の2枚の写真を見比べてもらうとわかりますが、

1枚目は、船が閘室に入ってきたところ、

2枚目は、排出が済んで、大川内へと船が進行していくところです。

船の高さや、閘室の側壁の露出面を比べると、

実際に水位が大きく下がっているのがよくわかりますね。

 

ちなみにこの閘門・水門は、いくつか設けられていて、

東横堀川水門、道頓堀川水門、寝屋川水門などの働きで

常に水位を調整し、台風や豪雨、高潮による河川氾濫に備えています。

 

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この日はもう少し足を延ばして、淀川CRで太子橋まで。

途中、おやつに角屋さんのアイスモナカ。

それから目と鼻の先にある回転木馬に立ち寄って、

ひさびさに店長と班長と立ち話。

 

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それからもうちょっとだけ足を延ばして、

城北運河の先まで。

関目、今福あたりをのんびり進んで、寝屋川に突き当たる。

東大阪界隈も、水路が網の目のように張り巡らされているので

これらも探検してみても面白いかもしれない。

 

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この日はそのまま寝屋川を伝って大阪城に出て、

川崎橋で造幣局へ渡って、お散歩終了。

 

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ちょいと岩湧山

こちらも3月の話。

 

健康診断の結果が軒並み悪くなっていて、

もちろんコロナの影響大なのですが、

一番大きいなあと感じているのは、

自宅勤務となって、通勤がなくなったこと。

自分は人よりも良く歩く方で、ここ5年以上は、

平日でも平均1万歩以上で、

それに加えて週末は山歩きなどで5万、6万歩とかだったのが、

去年は年平均で5千を下回っていて、

その分新陳代謝がガクっと落ちてしまっているのが、

きっとかなり大きいのだ。

 

これはいかん!と、今年に入ってから、

積極的に歩いたり近場でいいので自転車でめぐるようにしている。

で、とある週末、たまには違うお山をと思って、

あまり日頃は足を向かない和泉葛城山系へ。

眺望の良い岩湧山へ、久々に。

 

ということで、昼から出動で、

南海電車でアプローチして、天見駅に降り立ったのが13:40。

帰りの滝畑からのバスが17:13(その次の最終19:08はそも除外)。

意外と距離があるので、

最初からそこそこのペースでいかないといけない。

 

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駅を出て、旧R371を渡り、小さな集落を進みます。

石清水八幡宮別宮であるという、

流谷八幡神社の前を通り過ぎる。

 

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さらに少し歩いたところが、砥石谷登山道の入り口。

ここからしばらくは舗装されたなだらかな道を、

小さな谷伝いに進んでいきます。

 

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ある程度進んでいくと、まずまず急な階段が登場。

そこをえっちらおっちら上り詰め、

少し開けたところの鉄塔を過ぎると

ダイヤモンドトレイルの本線に合流します。

ダイトレは2017年に屯鶴峯から槇尾山までのフル52㎞を完歩しました。

 

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ダイトレに入り、最初のうちは、

ゆるく上ったり下りたり、静かな森歩き。

じきに視界が開けて、鉄塔が見えてきます。

その先からがいよいよ本番。

延々と続く急な階段地獄が待ち受けます。

登れども登れども階段。

体力不足の体にはかなりキビシ~@@

本当にしんどいです。

 

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どうにかこうにか一番の難所をクリアして、

ようやく三合目に到着。

さすがにちょっと休憩を入れました。

ここからは山の尾根伝いに平たんな道を水平移動です。

 

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六合目のところで、山は二重稜線となり、

一本北側の尾根へと進みます。

五ツ辻までは斜面をなぞるようにして進みながら、

相変わらずの階段も。

 

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そこからさらに、鈍いアップダウンを繰り返していきます。

北にある岩湧寺からのアプローチ道をいくつかクリアして

森を抜けると前方に茅場広がる山が見えてきました。

 

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この最後の階段がなかなかどうして、

かなり骨が折れますが、

これを登ったところが岩湧山のテッペン。

 

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ここは眺望が良くて、

大阪湾から南河内の一帯、関空やPLの塔が見渡せます。

この日はあいにくの曇天だったので、

あまり遠くまでは見渡せず。

 

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ちょっと風もあって寒いし、バスの時間もあるので、

10分ほどで退散します。

すすきの原をゆっくりと降りていきます。

 

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扇山の鉄塔からは、稜線の南側に回り込んで、

森を抜けていきます。

軽快にペースを上げて無事時間に間に合うように

滝畑まで降りてきました。

 

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時間通りにバスで河内長野まで出て、そこから南海で帰宅。

見晴らしがいいこともあって、

ビギナー向けの山として紹介されることも多いのだけど、

いやいや、どうして、そこそこの距離、

そしてあの地獄階段は伊達じゃない。

でも確かにいいお山です。

 

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【山行記録】
13:40南海天見駅⇒13:49流谷八幡神社⇒13:53砥石谷林道入口分岐⇒

14:20ダイトレ砥石谷道分岐⇒14:45岩湧山三合目⇒14:53岩湧山四合目⇒

15:00岩湧山五合目⇒15:09岩湧山六合目⇒15:18五ツ辻⇒15:34岩湧山九合目⇒

15:40岩湧山15:50⇒16:03扇山・夕月橋分岐⇒16:49滝畑登山口⇒16:54滝畑ダムバス停