剣岳 点の記
タダ券をもらったので、昨日は奥さんと映画を観に行く。
地図会社で働いていることもあって、気になっていた「剣岳 点の記」。
物語は、ただ地図を完成させるためだけに、
危険を顧みず、未踏の厳山・剣岳に挑む測量隊の話だ。
でもそれだけではない。
もうひとつ、この映画を完成させるために、
過酷な状況での撮影に挑む役者、スタッフの話でもある。
この2つが見事にオーバーラップするのだ。
役者は皆、それぞれの役を演じてはいる。
だが、演技とかそういうことはもはや超越している。
役者が実際に厳しい山の斜面にかじりつき、風雪に耐え、
ついには山の頂に足跡を刻む。
その過程を順を追って見ているうちに、
役者の顔はもうその役を超越して、
役者自身のリアルな顔として神々しくなっていくのだ。
そして何より映像の素晴らしさといったらない。
厳しさの中にしか現れない自然の美しさ、
それがスクリーンごしでもよくわかる。
これぞ木村監督の真骨頂だ。
久々に一本筋の通った芯のある映画を観た。
- 作者: 新田次郎・作,山本甲士・文
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/03/26
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