記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

熊野古道トレイルラン 滝尻〜高原〜十丈〜来栖川

先週、上司から「おいあと2日夏休み残ってるけど、どうするの?」
「相棒のBMCが今メンテ中なので、9月末に取るつもりです!」
上司 「9月末って、15日までしか取れへんで」
ガーン!


ということで急遽夏休みを取得するも、相棒はまだメンテで回転木馬に入院中。
でも家でゴロゴロするのももったいないし、体動かしたい。
なら山歩きでもひさびさにしようかな。
そういえば来週のコンペで熊野古道の写真が必要じゃないか!
ということで遊び半分仕事半分で熊野古道へ行ってきました。
日帰りで行けて、かつ誌面で使えそうな写真が撮れそうな場所ということで
滝尻王子から高原の郷までの5.2kmの山歩きです。


9:02発のくろしおに乗り込むがいきなりのアクシデント。
車両不具合で阪和線が遅れだす。
阪和線よ、何かっていうとすぐ止まるね。
和歌山には19分送れで到着。
おいおい、田辺からのバスに間に合わないじゃないか!
その後も遅れをそれほど取り戻すことなく予定より17分遅れで紀伊田辺駅に到着。
急いでバス乗り場へダッシュ!ギリギリセーフ。


滝尻まではバスに揺られて約50分で到着。
ちょうど語り部ツアーが3組ほど集合していて人がごった返している。
狭くて急な古道を考えると先に出発して前に出ないと、
後ろでダラダラ歩くことになる。
バス停やら観光案内所(熊野古道館)、滝尻王子を急いで撮影。


急いで出発したものの、1組先行して出発した大所帯に行く手を阻まれ最後尾でついていく。
古道に入ってすぐは、急な山道になっていて、集団を抜く場がない。
結局、1つ目のポイント、胎内くぐり・乳岩でグループが休憩で止まっている間に追い抜く
人が多数狭い所に待機していたこともあって、せっかくの見どころを撮りにがす・・・


そこからは一人旅。
ペースを上げるため、ほとんど小走り状態。
熊野古道らしい写真を撮りたいのだが、なかなかいい場所がない。
どこを撮っても単なる山道・・・
自分の中では苔むした石畳と緑のイメージなのだが、
大木の木の根がむき出しの茶色い山道が続く。


不寝王子に到着。スタンプを押して撮影を済ませる。
少し行くと展望台方面の道との分かれ道。
といってもすぐに古道に合流するので迷わず展望台へ。
急な木の階段を上ると見晴らしのよいポイントに。
ここで休憩をと思ったが、見晴らしがいいだけでベンチも何もない。
そのまま下って古道に合流。


展望台でピークまできたのであとはしばらくの下り。
快調快調♪
車道との合流の手前で、わずかながら昔からある石畳区間
しゃがんだり、脇に上ったりして悪戦苦闘しながら撮影。
写真使えるかな?


↓不寝王子〜高原の途中にある石畳


ここからテレビ塔のあるピークまで再びの上り。
途中で老夫婦の方に挨拶して追い抜く。
平坦になると、白石の敷き詰められた道に変わり、民家がポツポツ出てくる。
ここまで来ると高原の集落だ。


高原は古道歩きの中継ポイント。
ここから先は近露までは無人なため、補給や行き帰りのバスなどは全部このエリア。
今回も日帰りなのでここから田辺に戻る。
高原熊野神社や、無料休憩所、駐車場に併設されている展望台からの眺めなど撮影は全て済ます。
撮影ポイントでも休憩を挟まずストップ&ゴーで、
ほとんどトレイルランのごとく走っきたので大幅に時間が余る。
せっかく来たので、少しでもたくさんの場所を撮影をしたいので、
持参のおにぎりをほおばりながらしばし作戦会議。
バスは16:30で、高原から来栖川バス停までは20分。
今は14:00だから、片道1時間分先へ進んで、そこからUターンすることに決める。


↓高原の郷・稲穂が金色に輝いてキレイ


高原の郷を抜ける道へ出ると、地元のおばあちゃんが話しかけてきてくれる。
「ここからは無人やし、この時間からやったら近露まで行けへんのちゃうかな。
 田辺に戻るならバスにも間に合わないよ。」
と心配してくださる。ので、大門もしくは十丈王子まで行って引き返してきますと話す。
「それやったら問題ないね。若いから足も速いし。」といっておばあちゃんは畑の方へ。
ご心配ありがとうございます。


高原からは民家の中にある急な石段を上り詰める。
最後の民家からは再び山道。
ここからは全く人気がない。
回りはほとんど人工林なので、緑の世界を撮影したいのだが低い所には緑がない。
30分ほどで高原池(といっても小さい沼)を過ぎ、大門王子に到着。
ここで引き換えそうかどうか迷う。
休みをほとんど取っていないので足が疲れだしてきたし、
もし予定のバスを逃したら1時間以上バス停で足止めを食らう・・・
でも欲張りなので、行ける(行く)と判断して先に進む。
時間が怖いので、完全なトレイルラン状態です。


↓時々険しい道もあるが比較的整備されている


大門王子からはさらに道が細く険しくなり、一歩間違うと崖下にドカーンです。
しばらく行くと尾根に出た様子で平坦に。
すると北側の視界がぱあっと開けて、熊野の山々が一面に広がった。
西日を浴びた山肌がとても美しい。
サアーッと駆け抜ける風がとても心地よい。
急いでいるのにしばらく立ち止まってしまう。


↓大門王子〜十丈王子の尾根道


尾根道を過ぎた辺りで反対側から男性3人組とすれ違う。
そこからしばらく行くと広場みたいに整備された場所に出る。
ちょこちょこと十丈王子の碑を探してパシリ。
ここでちょうど15:00。ぎりぎりです。
すぐに取って返し、ダッ〜シュ!
さっきの3人組を大門王子手前で追い抜く。
高原に戻ってきた時には完全に息が上がってました。
そこから来栖川までの下り道を20分降りて無事10分前に到着。
バスに乗って田辺に戻る。
本当はご当地グルメの「あがら丼」を食べたかったのだが
帰りの特急の時間と所持金の事情でやむなく断念。


携帯していた補給品以外飯も食わず、ひたすら歩き(走り?)倒した熊野古道
いい運動にもなったし、写真もまずまず撮影できたので満足の一日でした。
いつか全行程制覇したいです。