記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

 プール

先日映画「プール」を見てきた。
以前から書いているが、映画にせよ小説にせよ、
特別なことが起こらない日常を切り取った淡々としたものが好きだ。
心から大好きな「かもめ食堂「めがね」と同じキャスト、おもしろくない訳がない。
胸躍らせて映画館へ行った・・・。


ん〜なんか違う。何が違う?とてももどかしい。
メインのキャストも同じ。テイストも同じ。
惜しい。いや惜しくない。
似て非なるものとはこのことだ。


ひょっとして同じようなのが3作も続いてそろそろ飽きが来た?
いや違う。「めがね」なんて何回見たっていいものはいい。
何?何?
見ていておもしろくないわけでも的外れなわけでもない。
でも違う。違うのよ。
予想外のしっくり来なさにちょっと焦ってしまう。


冷静になって考えた。
キャストの皆さんの掛け合いはいつものように見ていてとてもおもしろかったし、
音楽や映像もよかった。
一番の問題はやっぱり脚本、ストーリーなんだろうなと。
叙情的ではなく単に叙景的にしか語られないから世界に入っていけない。
ストーリーに強弱がなく、焦点がない。
離れ離れに暮らす親子の話が中心なんだろうけど、これまでの経緯に説得力がないし、
これからというのが見えてこない。親から子に対する言い分も???なセリフ。
こんな言い方をしたら角が立っちゃうけど、
前2作の荻上監督と今回の大森監督の力量の差なのかな。
荻上監督は自分のカラーを出したらこうなったという感じで、
無理なく力まず全体が地についてる。
でも「プール」は、なにか「かもめ食堂「めがね」が好きだからああゆう感じにしたい、
ちょっとやってみようと真似したようにどうしても感じてしまう。
もしキャストが全然違っていたら多分行かなかったかもしれないなあ。
残念。


でも音楽はよかった。
特に小林聡美作詞・作曲の「君の好きな花」はとてもいい。ホントにいい。
早速耳コピして、ギターで弾き語りして、家族3人で揺れてます。

プール オリジナルサウンドアルバム

プール オリジナルサウンドアルバム