記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

龍馬伝?

正月から始まった大河ドラマ龍馬伝」も先週で3回目。
仕事柄、大河ドラマ効果はあなどれないので録画してみている。
物語はまだ序盤の序盤なので大したことはない。
それより意味もなく寄りのショットが多いのが気になるなあ。
福山ファンへのサービスのつもりなのかなあ。
でも福山さん、完全に香川さんに食われているような気がする。


それにしても、日本人はみんなそろって坂本龍馬のことが大好きだが、
不思議と全く興味がない。どこに魅力を感じたらいいのかわからない。
みんなが言うほど大したことを成し遂げた実績があるわけじゃなし。
確かに色々と新しい日本の夜明けに向けて奔走はしたのだろうが、
そういう人はあの時代いくらでもいただろうし、
いつの時代、どの分野でもでもそういう熱い人間はいるもので
取り立てて歴史の中で語られるものでもないと思うが、
たまたま歴史の中心の人たちと近い位置にいたのがよかったのかなあ。
結局道半ばで倒れて、日本を実際に変革したのは薩長の人だし、
剣術がすごかったのと先見の明があったことを除けば普通の人だ。
まあそれだけ普通で、庶民の感覚に近いからこそ人気出るのだろうけど。
一番気になるのは、坂本龍馬について語るとき、
なぜみな一様に同じなのだろう?ということ。
他の歴史人物については、好き嫌いが出たり、
ドラマの扱いでもいい人物として描かれたと思ったら悪役だったりするのに。
実は、倒幕を進める人たちが、プロパガンダとして、
あるいは、万一失敗した時のスケープゴートとして、
龍馬の美談を世間に広めて、龍馬をイコン化してしまったのではないか?
まあ歴史家でも何でもないので勝手な憶測だけど。
それになんと言っても司馬遼太郎の影響力が強すぎる。
もちろん様々な資料の裏づけを基に描かれているとはいえ、
1作家のモノの見方が、これほどまでに強大だというのはいかがなものか。
様々な角度、視点で語られてこそ、真の姿がわかるというものだ。
そういう作為性、きなくささが龍馬にはどうも感じられるので、
興味がわかないのだと思う。
同じように、歴史人物以外にも、
実力が伴ってないのにメディアに祭り上げられて
チヤホヤされているスポーツ選手とか、
芸大卒だというだけで芸術家気取っているやつとか
TVに出ているというだけでおもんないお笑い芸人とかと
似たような感覚。


ここまで書いているとまるで坂本龍馬の悪口みたいだが、
別に嫌いというわけではない。
要するに龍馬自身が本当にすごい人物だったかどうかというのはもはや問題ではなく、
後世の人が坂本龍馬を語るときの一様さと、作為性という部分。
まあ龍馬本人はどう語られようとど−でもいいんだろうけど。