記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

トロッフェ・バラッキ

午前の4時間ソロですっかり使い果たして廃人同然の状況。
このままシレッと敵前逃亡したいが、そんなことも言ってられない。
インターバルの45分などあっという間で、
疲れが取れるどころか余計に足が重くなってくる。
ぱしゃ君、うめさん夫婦に見送られて死地へ向かいます。


集合場所のピット出口では、明らかに本気度の違う集団が。
みんなもちろんディープリム&角付きだし、ぴちょん君メットで完全武装
断トツの優勝候補のhaikalaさんの姿も見えます。
こんなん勝てるわけありまへんやんか。
完全に場違いなところに来てしまったゾ…
これはヘタな走り出来ないなあ…ああ、ヤヴァシ。
とオロオロしてたら、今人気沸騰中の割烹着集団、木馬女子のはっせ&mijiさんの姿を発見。
少しお話をして緊張感を和らげる。
にしても、トロッフェはただでさえ目立つのに、ノリとか記念とか、試しで出るもんじゃなあいな。
と言っても後の祭り。30秒おきに若い順からどんどん出陣していく。
わがチームは45組中42番出走と後ろの方。
前の方で、どんどん後続に抜かれるよりは気が楽。
相棒のSさんは他のチームの人と談笑したり、見送りに来られた地元チーム人に励まされたり
とても楽しそうで余裕ありげ。一方こちらは緊張とピークに達している疲労でカチンコチンです。



そしていよいよスタート。一蓮托生と叫んで、ピットアウトしてシケインの上りを駆け上がる。
ああ、またこれで10周60kmの長い長い道のりに出てしまった…
1周目、西ストレートは後ろについて40kmペース、スプーンで先頭交代して曳くがパワーがない!
そのままデグナーまで曳いて先頭交代。でも、向こうの加速度に追い付けずに、
何度も「待って!」「ダウン!ダウン!」と叫び続ける。
トロッフェはいわば自転車の二人三脚みたいな競技で、2人の間隔が5秒以上離れたら失格なのです。
いくら片割れがすさまじく速くても、もう一方がヘタレやと意味がないのです。
なのに、のっけから足引っ張りまくりの状況でマジ泣きたくなってきた。
休憩明けから強度MAXなので足が、特に左足の付け根がもう爆発しまくりで、重いギアがつらすぎる。
1コーナー曲がってストレート入ったところでぱしゃ君とうめさんの姿を確認。
ピットレーンからは木馬の人たちから大声援をもらう。
もうダメダメという意味で泣きのジェスチャーしたら、K本っさんから「泣くな〜!」とゲキ。
ううう、ツラスギル〜。



最初の1周目こそ9分30台だったが、そこから10分台にさがってしまう。
特にSさんから前を曳いてほしいと言われていた上り区間での遅れが甚だしい。
スプーンの上り返しでも、Sさんが25km維持に対して、こちらは20kmが精いっぱい。
それと立体交差抜けてデグナーから逆バンクまでのちょっとした上りも遅れがち。
そしてなんといってもメインストレート、25kmが限界。
なんとか後ろにつかないと単独走と変わらず疲労がたまる一方なので必死で後ろにつく。
Sさんは余裕しゃくしゃくで、途中別のトロッフェチームに遭遇すると話しかけたりしてたし、
何より、ちょくちょく後ろを確認してペースを調整してくれたし、
前を曳いている間はわざと姿勢を立てて少しでもこちらの空気抵抗を減らすように工夫してくれてた。
5周目くらいから30秒前に出た1つ前のチームと抜きつ抜かれつのバトル。
逆にこの辺から先頭チームに周回遅れにされてゆく。
haikalaさんとこのチームは、後ろに来た時点でゴリゴリゴリ〜っとものすごい音を立ててよくわかる。
あっちゅう間に抜かれ、一瞬後ろにつくことも許されないまま、小さい点になってしまう。
ああ、完全に次元が違うわ〜。
何とか折り返しの5周を通過。Sさんは全然余裕で、ちゃんと水分補給してくださいとか細かく指示をくれる。
5周から8週目くらいまでが一番苦しくて、前に出れずに
後ろでひたすらSさんの背中と後輪だけを見つめて、遅れないように集中して走った。
ラス2となって、先が見えたことで、ここから少し無理をして先頭を交代に復帰し、
スプーンから逆バンクまでを曳く。
そしてラスト1周、Sさんから、このまま行けば1時間50分は切れそうだから頑張ろう!
ゴール前はかっこよくいきましょう!と言われ、もう無理だよと思いつつ、ペースをあげる。
そして最後のメインストレート、ダンシングで思いっきり加速し、
ギリギリで2チームをごぼう抜きし、手を取り合ってゴール!
あああ、終わった終わった〜。もうこれで自転車乗らなくていいんだ!
しかし我ながらよくやった。4時間+トロッフェ10周やりきった。
今夏過酷ライドを散々繰り返してきたが、その中でも断トツしんどくて、断トツ楽しくて感動した。
何より、相方のSさんが辛抱強く励まし引っ張ってくれたおかげ。
もっとやれるかと思ってたけど、やっぱり4時間の疲労はハンパなかった。



結果は、45チーム中36位、1時間48分台でのゴールでした。
4時間ソロで10周が1時間44分だったから、明らかにペース落ちてます。
Sさんには実力違いで本当に迷惑をかけてしまった。もっともっと精進せねば。
でもトロッフェ、正直こんなに楽しいものとは思わなかった。
同じコースを朝から何度も走っているわけだけど、トロッフェはトロッフェ独自の楽しさがあった。
なかなかいい体験をさせてもらいました。
トロッフェは参加人数自体が少ないので、もっと盛り上がればなと思います。
みんな知り合い同士ニコイチで複数チーム出してバトりたいですな。


ヘロンヘロンでピットに戻り、しばし呆然。立てません。抜け殻です。
30分ほどしてようやく片付けです。
うめさん夫婦とはここでお別れ。何から何まで準備に対応していただいて本当にありがとうございました。
いずれ何かで埋め合わせをせねば。
そしてSさんともお別れです。大阪と三重でなかなか頻繁に一緒に走るのは難しいですが
イベントやロングライドのときはぜひぜひ今後も手合わせ願います。
できれば懲りずに来年もトロッフェ組みたい。今年の借りを来年こそ!これが次シーズンの目標!
そして16:30にはサーキットを後にします。
鈴鹿市内はこの時間大渋滞を知っているので避けて亀山ICから入ったのだが、
亀山ICから新名神の分岐までのわずか5kmに40分もかかる大渋滞に巻き込まれる。
疲れもピークで眠気も限界だったので、2人ともとりあえず仮眠しようとなって、土山PAにINN。
結局気付けば2時間も寝てた…ある程度すっきりしたらお腹ペコペコに気付く。
いやもうむしろハンガー気味。なのに眠気が先行して2時間も寝てたわけで、
一体どんだけ疲れてたんだろう。
あとはセーフティードライブで帰宅。
今年の鈴鹿も無事終了。来年も待ってろよ!