記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ツール2011 総括

かな〜り遅ればせながら今年のツールの感想。
ネット某所にて、12ステージぐらいまでは見てたのだが、
途中でマカオへ行ったりして途切れ途切れで、先日ようやく全部見た。
他に書くことが多かったりしてなかなか書けずにいたのだが、
とりあえず主要選手への寸評だけ。


エヴァンス。おめでとう!
これまでことごとく不運が付きまとっていたが、
アルカンシェルの呪いで相殺してしまった恐るべき34歳。
この年まであきらめずにコツコツ苦労したことが報われて何より。
自分の中ではJ・ブーニョ2世だと勝手に呼んでましたが、これで真のチャンピオンです。
まあ、でも08年のツールで骨折した時に、インタビュアーに鬼の形相で食って掛かった
あの恐怖の顔がトラウマになっているので、あんま好きになれないのだが。
それよりも、我がBMCがようやく06年のフォナックの呪縛が解けて、ツール制覇はうれしい限りだ。
来年はエヴァンス、ジルベールフースホフトそろい踏みという恐ろしい布陣が楽しみ。


シュレク兄弟。
確かに、アルプスでの70km手前でのアンディの単独の逃げは見事としか言いようがなかった。
あそこだけを切り取ってみれば、新チャンピオンにふさわしかったかもしれないが、
最終的に負けてしまったのはやはりメンタルが決定的に弱いということでしょう。
つまり仲良し組みだけでレースやってんじゃないよってことです。
長年在籍したチームから、気心知ったるメンバーを引き抜いて、
TTでもぬくぬくと護られ、得意の山岳では兄弟プレーに終始する。
そしてその相手としてマークしていたのは実質コンタドールだけ。
マイヨジョーヌを取ると言うより、コンタドールに勝てばよいというように見えた。
だから最後のTTの下見も練習もしてないし、エヴァンスもヴォクレールもライバル視しない。
仲のいい兄弟、仲のいいチームメイト、仲のいいライバルとだけしかレースをしてない。
こんなことでは来年以降もきっとマイヨジョーヌは無理でしょう。
期待度と、終わった後の落差が一番大きかった選手。


ヴォクレール。こいつは小物。
今大会最もマイヨジョーヌに似つかわしくない男。
なにやってんだコイツ。度胸も意気地もないのに、
フランス人だからっていうだけでチヤホヤされて。
真後ろで忌まわしい事故が起こってすぐに振り向いて目視しておきながら
マイヨのために逃げを打ったひきょう者。
自分がフランス人だから文句は言われないと絶対わかってやってる。
そしてマイヨを来ているなら集団をコントロールせんかい。
インタビューで弱気発言をして総合は関係ないから〜と坊ちゃんコメントをして
ちゃっかりエヴァンスに仕事をさせて、ぬくぬくとマイヨを着続ける軟弱者。
だったら自らそのイエロージャージをさっさと脱げ。
ちょっとくらいシャバネルを見習え。



コンタドール
サバイバルなジロ制覇直後、ドーピング疑惑によるメディアと観客からの激しいバッシング、
そして度重なる落車…今大会、彼ほど色々な重荷を背負って走っていた選手はいないと思う。
それにもかかわらず、王者の意地というか、プライドをかなぐり捨てて、
序盤から挑戦に次ぐ挑戦を重ねてきた姿は賞賛に値すると思う。
特に、アルプス最終日、すでに総合優勝の望みがなくなっているのにも関わらず、
果敢に単独の逃げを打ち、最後まで勝つという執念を見せた真のファイターだということを証明して見せた。
観客が見たいのは、果敢にアタックを仕掛ける勇者。プロローグではブーイング嵐だったが、
勝負に負けながら最終的に観客の心をつかんだのは間違いなくこのピストレロだった。
ぜひ来年リベンジを!


今大会一番素晴らしかったのはトル・フースホルト。
まさかまさかの赤玉ジャージ獲得にびっくり。
そしてその効果か分からないが、山岳コースでまさかの2勝!
いやいやますます好きになりましたヨ!


カヴェンディッシュは念願かなってのマイヨヴェール。
ゴール手前の爆発力は間違いなくNO.1。
でもこれはHTCの屈強なトレインあっての勝利だから、来年新チームで真価が問われる。
でもシャンゼリゼでの2年連続優勝は伊達じゃない。


S・サンチェスのマイヨ・ポアはちょっと意外。
というかここ近年、山岳賞争いは総合争いとは全くかけ離れたところで繰り広げられていて
総合争いの選手の方がよっぽど山岳賞に値する走りをしてて、
自分の中では価値が大分下がってしまっていたのだが、今年は獲るべき選手が獲ってくれて安心した。
エウスカルテルだし。


落車多発の忌まわしき今大会。
フーガランドとフレチャが大怪我を負いながらもきちっと完走を果たしたところに、プロ根性を感じたし、
骨折により最後のツールを去ってしまったヴィノクロフはとっても残念だった。
序盤であれだけ有力選手が去らなければまた違った展開があったかもだが、
試合にタラレバは禁止。また来年が楽しみだ。


↓オマケ。エヴァンス、目から殺人光線出すの巻(2008ツールより)