記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

六甲闇練

ついに夜練に六甲が導入されました。
もう闇に慣れっこになってしまえば、いつだってどこへだっていけちゃうぜ。
本当はもっと暑い時期に肝試しで真夜中の六甲を体験しようという趣旨だったのだが
色々と用事が詰まったり、
何より言いだしっぺのぱしゃ君の六甲へのモチベーションが上がらず
延び延びになってしまっていた。これじゃいつまでたっても行けないし、
これ以上延ばして秋になってしまったら寒くて実行不可能になってしまうので、
意を決しての六甲行き。
それにしても一軒茶屋までチャリンコで上がるのは、2月以来、実に7ヶ月ぶり。
ぱしゃ君のことは言えず、果たして自分も上りきれるだろうか不安。
月イチで六甲を上っていた去年の自分が今さらすごい。
残念ながら週末からどうも具合がよくなく、
おまけに昼間の業務でうっかり重いものを勢いよく持ち上げてしまって腰に電気が走って
最悪に近い状態だったが、ぱしゃ君の気持ちが熱いうちにと、
19:30にぱしゃ君宅へお迎えに上がる。


ぱしゃ君、今日ははじめから六甲ということでDHバーを珍しくはずして気合十分。
三国〜神崎川〜藻川〜新幹線高架下とのんびり展開。
そして山に行く前に腹ごしらえ。男たるもの飯を喰らえということで、
R171と新幹線の交差する所にある、ガッツリ系アメリカンダイナー「UK Wildcat」に。
いかにもアメリカンテイストな外観に、コルベットやシボレーがずらーっと駐車場に並んでいる。
どこをどう見てもアメリカンなのにUKという店名がちょっと笑えるが、
明らかにジャンクなお店は大歓迎。
チャリンコが見えるテラス席に陣取り、早速メニューを開けると、
ずら〜っとイカしたコメントつきでたくさんのメニューが並んでいる。
どれにしようか悩んだが、プレートグッバイドンキー(スープ付)900円にする。
ちなみにメニューの説明書きにはこんなふうに書いてある。


デトロイトのBanker(銀行家)スティーブは大阪での出張が終わりもうすぐ帰国するが、
常連になった洋食屋のハンバーグを食べれないのが心残り。
そんな彼に恋人シェイナが考えたプレートライス。
チーズバーグにマイルドなオリジナルソースとフライドエッグがトッピング、
ガーリックライスが食欲をそそります。」


ぱしゃ君はがっつりとビーフステーキプレートをチョイス。
そしてすぐに運ばれてきたドカ盛りのプレートにびっくり。
ガーリックライスがこんもりお山。
こりゃ食いきれねえぜ。でもウマイ!ガツンと腹にくる。
食っても食っても減らないボリュームに、ぱしゃ君はついにリタイア。
あんまり食べ過ぎてお腹一杯だと上りでリバースしちゃうもんね。
といいつつも、私はしっかりと完食いたしました。ゲフッ。
ここは六甲方面へ行く中間点にあって、しかも24時間開いているのでなにかと利用させてもらお。


↓UK Wildcat


↓プレートグッバイドンキー(スープ付)900円


さて腹ごしらいも十分過ぎるくらいに済ませて、いざ六甲。
逆瀬川から上るルートも考えたが、夜間であの序盤の交通量の多い狭小の道は危ないと判断。
苦手な上りでぱしゃ君も蛇行ぎみになるので。
ということで、ちょっと難易度が上がるが仁川激坂から上ることにする。
まずは甲武橋で武庫川を越え、そのまま新幹線の下を阪急まで。
そこから裏道で仁川に出て、左岸をのんびり走る。
そうしていよいよ激坂の入り口の到着。
ぱしゃ君がこのまま休まず突入するぞと意気込んで先行する。
最初の角を曲がるといつものごとく20%以上の壁のような坂が登場。
ぱしゃ君、アルパカ走法といっていたのに、結構なペースで上がっていく。
後で聞いたらアルパカ走法でちんたら上ろうとしても、
坂が急すぎて、踏ん張れないので、勢いで行くしかなかったそう。
そうとは知らず、満腹状態でリバースしないように抑え目に走っていて
激坂部分で少し離される。ラ、ライスが〜。
が、少し緩くなる手前で追いついて、交代して前を曳く。
再び激坂が登場し、ぱしゃ君半泣き状態だったが、しぶとくしぶとく進んで
なんとか足つきせずに通過。ピクニックロードの入り口で一旦休憩。
さすがに食後の1本、しかも超激坂に2人ともアゲアゲ。
自分はライスが胃袋で踊ってるし、
ぱしゃ君はずっとうわごとのように「豆が〜豆が〜」と嘆いている状態。
今日は結構涼しい(というか寒い)ので、大丈夫かと思ったが、汗びっしょりです。
自分も15%を越える激坂はひさびさだったので、
なかなか思ったよりもギアが重くて、やっぱ練習しなきゃダメだなと反省。


しばらく休憩後、真っ暗闇の五ヶ池ピクニックロードを進む。
若干の上り基調ながら、暗すぎてよくわからないアウターゾーン
このくらいの上りなら余裕で上れるねんけどなあ、と軽口をぱしゃ君は叩いているが、
チッチ。六甲はこんなもんじゃねえぜ。
甲山大師のところで右折し、北山貯水池ぞいをえっちらおっちらアップダウンをこなし
鷲林寺を右折、甲山高校のロータリーで決戦前の一服。


しばらく休憩の後、意を決してリスタート。
全長6.8km、獲得標高627m、平均9.2%、最大16.1%。
逆瀬川からではなく甲寿橋からの六甲最高峰TTだが、
決して侮れない難コースであることは間違いない。
さっそく甲寿橋から7〜9%の旧道を進む。ここではぱしゃ君は余裕でおしゃべり。
ただ序盤調子乗ると後半に疲労がどっとくるので、油断するなとアドバイス
ぱしゃ君にしたら少しペースが速い気もするが、
気分よく上ることが大事なのであまりに過剰に速くならない程度で容認。
本線合流で10%にレベルアップ。
はやくも「上り嫌いや」「しんどい〜」とグチが出始めるが、もう後戻りは出来ない。
かくいう自分も、食べすぎと腰の違和感を常に抱えた状態で結構しんどい。
そしてペースは自分にとって遅いものの、進みが遅いのでそれはそれで疲労が溜まってくる。
比較的順調に盤滝交差点まで到達、しばらく平坦部分なので無理をせずに進む。


ここから宝殿までの地獄の4kmが六甲の真髄。
果たしてぱしゃ君は無事に上まで行けるだろうか。
小笹峠との分岐を越えると案の定、闇の世界。
こないだ新しく装備した強力ライトが心強い。
そして、吉野や美山の闇はこんなもんじゃねえ!
こんな夜中だし盤滝からはほとんど車が来ないとばかり思っていたが、
上からも下からも結構バンバン車が来る。
電光板には13℃の表示。宝殿越えたらあと2,3℃は低いだろう。
今は上っている最中で暑いが、下りが怖いぞ。
さすがにバリバリ攻めてくるような車はいないが、ドキドキする。
センターラインやカーブではチカチカ明かりがあるが、外灯もなく、
足元が見えないのでどうしてもビビってペースが落ちる。
びしゃもん橋からファーストあたりくらいまでは、ぼちぼちと会話もありながら進む。
10%部分をしぶとくこなし、2つ目の橋の手前、12%表示の所からぱしゃ君が苦しい。
ちょっとの差だが、2%増えるだけでこんなにも重くしんどい。
とりあえずファースト直後はわずかだが平坦になるので、そこまで何とか。
ファーストの手前で再び斜度が上がり、ダンシングを交えて必死で上る。
なんとかここは必死のパッチでクリアできたが、ここでの激闘で消耗しすぎたのか
その直後、せいりゅう橋までの再びの上り返しでぱしゃ君ついに1回目の足つき。
確かにここは、ファースト直後に少し下っているがゆえに、
斜度が実際よりきつく見えて心が折れやすい。
斜度が急なところで足つきをしたので、自分は少し先のせいりゅう橋で待つことにする。
ヒーヒー言いながら、満身創痍の表情でゆっくりとぱしゃ君が上ってくる。
相当に厳しい様子。「六甲、ナメてたあ〜」と一言。
そうよ、六甲は一筋縄ではいかんぞ。本当の自分の実力がさらけ出される恐ろしい山だ。
リスタートして、今度はサードから宝殿までの一番斜度が厳しい区間に突入。
セカンドから九十九折橋まではまだ斜度が緩やかなので、辛抱強く上る。
そこからサードのヘアピン区間に突入し、目に見えて疲労しているぱしゃ君いっぱいいっぱい。
あと料金所まで300mのところを通過しさえすれば、あとは激坂はないぞ!
ガンバレ!とハッパをかけ、それに反応してぱしゃ君も勢いで行ってしまおうとしたところ
前輪が浮いてしまったらしく、思わず落車しかけて足つき。
う〜ん、もはや疲労で体がおぼついてないぞ!
すぐにリスタートして、ひとまず宝殿でちょい休憩。
あと残り約3km。一応危機的な場所は脱しているので、じっくり時間をかけて進む。
東縦走路取り付きのところを越え、トンネルを過ぎて、ようやく一軒茶屋に到着したのが
23:30。甲寿橋から約1時間の挑戦でした。
2度足つきがあったものの、めげることなくぱしゃ君も六甲山上まで無事に到着しました。
山大嫌いのぱしゃ君にしてはよくがんばりました。
グレープソーダでささやかな祝杯を上げる。


↓一軒茶屋


↓100万ドルの夜景


予想通り山上はごっつ寒いのですぐに退散する。
自分は持ってきたウィンブレを羽織って防寒対策。
ぱしゃ君にあれだけ下りは寒いからウィンブレかアームウォーマーを持って来いよと
ちゃんと忠告しておいたのに、しっかり忘れておる。
上りきったところで暑いから、このくらい大丈夫というので下り始めるが
予想以上に寒く、結局トンネルでアームウォーマを貸してやる。
いやいやいや、寒い!下半身は夏のレーパンでみるみる冷える。
これはマジでやばい。もう冬だ冬。
そしてまた相変わらずバンピーな路面。
暗くてよく見えないので慎重にブレーキングをかけて下っていくが、
寒さと緊張とで腕が千切れそう。当然、指きりグローブなので指先がかじかむ!
上り以上にシビアな下り、これも六甲の洗礼。
ああ、やばい、寒い、怖い。で、なんとか盤滝まで下ってくる。
ここからぱしゃ君は水を得て、甲寿橋までフリー走行
自分も必死で後を追うが、ユッチソンがそれを阻む。
こないだのインプレでも触れたが、ユッチソンは接地面が狭い。
しっかり地面にグリップしているのだが、爪先立ちしているようなバランス感覚が必要で、
下り、それも高速になればなるほどそれが余計にそれがシビアに感じる。
このタイヤかなり玄人好みのタイヤに違いない。
そんなこんなで50kmも出せば、恐怖感がすごいので、必要以上に奴を追いたくないのだが
道を知らないのに、曲がるべきところをスルーしてどんどん行ってしまうので、
せめて声の届く範囲までついてなきゃいけない。
案の定甲寿橋のバイパスを直進しようとしてるし。
甲寿橋からは一旦逆瀬川へ下り、昆陽池経由で行きのルートに合流。
帰宅は1:15だったので、6時間のライドでした。
やっぱり六甲はあなどれん。自分も何だかんだしっかりと疲れました。
ぱしゃ君も長い上りをこなしてスタミナをつけないといけないということを
痛切に感じているようで、自ら月イチ六甲闇練を提案してきた。
果たして・・・


しかし、これだけ夜間が涼しくなると、遠出が厳しくなるなあ。
といいつつまたやらかす計画を着々と画策中。


走行距離: 65.91km
TOTAL:4182.7km