記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

2011年山納め 黒岩尾根〜六甲最高峰〜六甲縦走路〜油コブシ

年納めにどうしても六甲のテッペンに行っておきたいというのと、
年明けに山歩きの約束があって半年ぶりの足慣らしの意味も込めて、
この寒い中上ってきました。
ちなみに自転車は明日、大晦日にようやく退院予定。
本当は朝イチで出動するつもりが大寝坊したので
東お多福山登山口までバスでショートカットして、そこから黒岩尾根から最高峰。
山上付近(特に北側斜面)の薄く積もった雪と、時折舞う小雪のなか、縦走をして
高羽道で六甲ケーブル下駅までの約4時間の山歩きでした。



本当は午前半日だけの山歩きにしようと思っていたが、大寝坊。
結局家を出たのは11:00。18:00には帰宅しないといけないので、
当初は阪急芦屋川から荒地山に入るつもりだったが、
それでは最高峰まで辿り着いた時点で結構な時間になるので、
目的を優先して、東お多福山まではバスを利用することに。
12:38初のバスに乗る頃には軽く粉雪が舞うような感じ。
東お多福山のバス停に到着したのが13:00。早速山歩きを始める。
蛇谷に沿って、しばらくは整備された山道をトボトボと。
最初は寒かったが、歩き始めると途端に暑い。
15分ほど歩いて土樋割峠に到着。
ここを道なりに左側へ行けば本庄橋に出て魚屋道に出れる。
逆に右側へ行くと黒岩谷・おこもり谷に入る。
そばにある標識には出ていないが、
今日はこのまま直進して黒岩尾根へ向かい、そのまま最高峰を目指す。


↓東お多福山登山口バス停(13:00)


↓土樋割峠


のっけから急峻な上りがスタート。
踏み跡は比較的しっかりしているのでトレースして行けば問題なし。
尾根まで上り詰めて南側を見渡すと、眼下に本庄橋が見え、
その奥に東お多福山の草原地帯が広がっている。
尾根道は対向者とのすれ違いが困難なくらいに細くなっているが、
アップダウンもそれほど大したことなく難易度は高くない。
しばらく行くと岩のクラックの間を下っていく個所があり、
そこにはわずかではあるが雪が残っていた。
そこを下ると再び上りが始まる。
しばらくすると右手側に黒岩谷の堰堤がちらちらと見える。
それにしても静かだ。
誰もいない、何も聞こえないただ山の中にいて、ひたすら歩く。
ただそれだけが何と心地よいことか。
しばらくすると、でっかい岩礁が行く手を阻む。
といってもそんなにやっかいな代物ではなく、
ひょいっと越える。越えたところで振り返ると、視界が開けた場所。
高度がわずかに増した分、さっきよりも見晴らしがいい。
と、ちょっとここで一休みを入れて、ブラックサンダーをかじる。


↓ところどころに白いものが。この岩の間を下る


↓痩せた尾根道


↓途中何度か岩礁を越える


↓正面山中の集落が奥池。右手が東お多福山、左が蛇谷北山


↓黒岩尾根にてちょいと一服


しばらく休憩をしたら先を急ぐ。
しばらくいくといきなり浮き石でいっぱいのガレガレの上り坂になる。
滑らないように慎重に進んでいくとどんどん勾配が急になる。
その部分の最後はかなり急な傾斜になり、難易度が上がる。
一応残置ロープがあったのだが、信用ならないので使わずに
難儀しながらも越える。ここが唯一の難所といえば難所。
上りは可能だが、下りはちょっと怖いかも。
そこを抜けると尾根道というよりおだやかな森林帯となる。
日が当らないせいか雪で一面の銀世界。
下ったり上ったりを繰り返し、長く熊笹をかき分けていくと、
前方に一軒茶屋がみえてくる。
魚屋道のすぐ脇から出ると、周辺は軽く凍結気味。
それでもお一人ローディーさんがいてはった。ご苦労なこって。
ツルツルすべるコンクリ道を上って最高峰へ。14:30に到達。
かなり風がきつくて寒いが、ここで即効でサンドイッチをぱくつく。
強風のえいか、周辺の木々は軽い樹氷状態。
寒すぎるのですぐに退散して下山にかかる。


↓最難所のガレ急斜面


↓白いものが目立ち始める


熊笹帯を抜けると一軒茶屋が見えてくる


↓右が魚屋道(七曲り)そのすぐ横が黒岩尾根入り口


↓一軒茶屋も軽く周辺は凍結


↓六甲最高峰


帰りルートを思案。
有馬側に降りると帰り時間が延びるので阪神側に降りたい。
まだ歩き始めて1時間30分ともの足らないので、ちょっと距離を稼ぎたい。
という理由で魚屋道はなし。
東にはルートがないので、西へ向かう。
可能であれば宿題として残っていた裏ルートの一ヶ谷尾根で下りたい。
そういうことで六甲ケーブルあたりまで縦走路。
裏面の入り口が見つからなければ、天狗岩南尾根や油コブシという予備ルート、
最悪、日没サスペンデッドとなれば六甲ケーブルで下りればよい。
ということで縦走路を逆向きに進む。
北側斜面は完全に雪がかぶっていて、階段部分などは慎重に行かないと滑る。
個人的には縦走路は整備されていて味気なく、
何度もアップダウンが繰り返されるので、山上へあがるルートよりよっぽどしんどい。
ヒーコラ言いながらペースをあげて進む。
流石にこんな日のこんな時間帯はハイカーも少なめ。
西お多福山との分岐を越え、極楽茶屋跡を過ぎる、
えっちら再び上り返し電波塔を抜けると、
どうも遠い記憶がよみがえってくる。
途中に「右のルートは熟練者向け注意」との但し書きのある分岐がある。
そうかやっぱりここが仙人と下ったルート(五助谷)だったのか。
そこをすぎるとガーデンテラスに到達。
六甲枝垂れを初見。でも入場料300円はもったいないので傍から見るだけ。
自販機でほっとレモンを補充して温まる。
この辺になると風が凶暴化してシャレにならん。


↓今シーズン初の雪


↓六甲枝垂れ


↓ガーデンテラスより


わずかに暖を取ったのちすぐにリスタート。
脇道に入ってしばらくしてみよし観音を過ぎ、
サンライズドライブウェイを横断し、六甲山ゴルフ場の中を進む。
クラブハウスのところで縦走路とオサラバして左折。
10分ほど歩くと六甲ケーブル山上駅に到達。
ここでちょいとトイレ休憩。
さて、下の上り口しか知らないので帰りの裏面の入り口を発見しないといけない。
バスの駐車場のところの黄ロープのところかとも思ったが(実は正解)、
イマイチ自信が持てない。
ひょっとしたら保塁岩のところからがなのかと思って、舗装路をしばらく進むと、
「保塁」という小さい看板がぶら下がった小径を発見。迷わず飛び込む。
うっそうとした森を抜けると突然巨大な岩の上に出た。
ここが六甲クライミングの聖地である保塁岩。
下り口がないか周辺を捜すと左手に発見したのだが、
ほとんど直下に落ちるような絶壁を下っていかなければならない感じ。
難易度の高そうなコース設計、日暮れの時間帯、
自分のスキルの問題、全くコースの情報を知らないという諸々の状況から
このルートは撤退することを決める。
後で調べたら、ここは中央稜で、正解の下りは西稜から、
しかも目的だった一ヶ谷尾根のひとつ西の難関ルートである真水谷コースだった。
行かなくてよかった〜。(でもいずれリベンジ)


↓六甲ゴルフ場を突き抜ける


六甲ケーブル山上駅


↓六甲クライミング発祥の地、保塁岩への入り口


↓保塁岩(中央稜)直下は真水谷〜アイスロード


勇気ある撤退をしてケーブル駅に戻ってきたのが16:00くらい。
もう考えるのも面倒なので、すぐそばの油コブシルートで下山。
よく整備された山道をずんずん下る。
すぐに粉雪が舞い始め、寒さが増す。
しばらく行くと高羽道と寒天山道との分岐。
渦森へ行くよりケーブル下駅からの方がバスの本数が多いので
高羽道側へ右折。
しばらくいくとベンチのある広場に出る。
この辺まで下って来ると雪はやみ、空も明るい。
途中、ゆるい道ときつい道との分岐が2度ほどあるが、
どちらも当然きつい方で下る。
グリーンベルト地帯?というどっかのイメージアップのためでしかない
下らない事業が行われている地帯を抜けると、
老人ホームのところに出て山道終了。


↓油コブシへの道


↓寒天山道と高羽道の分岐


↓高羽道の入り口


六甲ケーブル下駅からバスに乗って阪急六甲駅まで出る。
帰宅予定時間に少し余裕があったので寄り道で三宮に出る。
赤萬かひょうたんで軽く餃子で一杯と思ったらどっちも閉まっててガッデム。
仕方なく別の店をさがし、菜記餃子専門店で焼餃子2人前とビール。
ミソタレが美味しかったが、ちょっとフニャっとしすぎかな。
あとは奥さんへのお土産を買って帰宅。


↓菜記餃子専門店で一杯


阪急芦屋川駅〜東お多福山登山口バス停〜土樋割峠〜黒岩尾根〜
一軒茶屋〜六甲最高峰〜六甲縦走路〜極楽茶屋〜ガーデンテラス〜
六甲ケーブル山上駅〜保塁岩(真水谷は勇気ある撤退)〜
寒天山道〜高羽道〜油コブシ〜六甲ケーブル下駅〜三宮で餃子