記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

Nissan(西讃)ライド 豊稔池堰堤探訪 後編

さてさて、念願の豊稔池堰堤を心ゆくまで堪能。
いつまででも眺めていたいが予定より遅れているので出発。
お名残惜しいが、またぜひ訪れたい。
さて当初のプランでは8:00に出るつもりがすでに8:15。
プランニングの際は、余裕をもったスケジュールにしてあるはずなのに
若干遅れているからちょっと焦る。
まあ当初のタイムテーブルでは、さらに予防線を張って14:00高松着にしてあるから
30分くらい押しても大丈夫なようにはしてあるのだが。
ただ15:00のフェリー厳守という絶対条件。そういう意味では1分でも命取りになる。油断は禁物。
これからさらに厳しい山間部へ足を伸ばすつもりだが、遅れを挽回できるのか?
ちょっと不安になりつつも、せっかくここまで来たのだから行くしかないだろう。
ダムから上ってきた2kmを下って、県道8号に戻る。
戻って再び鈍い上りが始まる。ウィンブレを着込んでいたのですぐにオーバーヒート。
本格的な上りになる前に脱がないといけないなあと思っていると、前方にダム発見。
ちょっとだけ寄り道して事務所に寄ってみる。
ダムカードあるかと思って聞いてみるが、ここは置いていないらしく残念。
ウィンブレ脱いで、ドリンクを飲んで、ここからの本格的なのぼりに備える。
ダム湖のところはほぼ平坦で快調に進む、ダム湖の終わりのヘアピンから上り開始。
約4km、220mのクライムです。
斜度はそんなに予想していたほどではなく、4〜6%くらいか。
何度も何度も似たようなカーブを繰り返していく。
どことなく鍋谷の大阪側のような印象。
路面の状況はそれほど悪くなく、サイクリング気分でずんずん進む。
このくらいの斜度はコスカボも苦手ではない。
上を見上げると、えらくワインディングしながら道が山の上のほうまで続いている。
何度か大き目のヘアピンをこなし、ぐんぐん高度を上げていく。
最後に大きく右に巻いて、少し斜度が上がり、そこを抜けると雲辺寺への分岐が登場し、上り区間終了。
思ってたよりは難易度が低くてよかった。
そして目の前に空いている曼蛇トンネルを抜けると徳島県三好市に突入する。
このトンネルは有名な心霊スポットらしい。
けど、野間トンネルのほうがよっぽど薄気味悪い。


↓五郷ダム


↓下の方に五郷ダムが見える


↓曼蛇トンネルを越えると徳島県


さてさて、わずかの区間ながら徳島に入ります。
ウィンブレを着込んで一気の下り。
徳島県三好市が四国有数の豪雪エリアなので積雪・凍結を心配していたのだが、問題なし。
距離が短い分、こちら側のほうが斜度が強い感じ。
あっという間に下りきり、佐野の集落で、徳島県を東西に貫くR192に合流。
右折するとまたすぐに鈍い上りが始まる。2km、70mのちょいとした峠道。
途中で旧道の入り口を発見。境目峠も随分趣のある峠らしいのだが、
当然さらに上らないといけないし距離が伸びるので今回は泣く泣く割愛。
直進して、境目トンネルを通過する。800mとちょい長いトンネルをヒヤヒヤ通過。
トンネルを抜けると愛媛県四国中央市
思へば遠くへ来たもんだ〜。


↓境目トンネル


愛媛県突入!


そこからは一気の下り。逆から上ってきたランドナーさんに挨拶。
そういえば四国で自転車乗りに出くわすのは初。
この後もランドナーには出くわしたがローディーはいなかった。
随分長い距離を下っていき、高知道の高架をくぐる。
南側を見ると手ごわそうな山並みがずんっと立ちはだかっている。
今からあれ上るの?ちょっと戦々恐々。
しばらくいくと県道5号の分岐に到達。
看板の案内どおり新宮町の霧の森方面へ曲がる。
ここから7km近いのぼりが始まるので、ちょいとブレイク。
買い込んでいた補給品を摂取して、エネルギーチャージと軽量化。
リスタートすると、のっけからなかなかしんどい。7,8%くらいの上り。
すぐに道がループ状になっているところに到達するが、脇にある裏道で直登。
斜度がきつくてしんどい。
そこを過ぎるとさらに斜度が上がり、たまらずトップに入れるのだが、
ガジガジと噛み合わせが悪くて、これ以上メカトラになっても対応できないので
トップを封印して上る。ただでさえコスカボで鈍いのに足ちぎれちゃうよ。
ヒーヒー言いながらも淡々と高度を稼ぐ。
しばらくすると高台の集落に入り少し斜度が落ち着く。ここで丁度半分くらいか。
そこから再び山肌を舐めながら上りは続く。
コスカボの重さを味わいながらも、徐々にトップに近づき、
トンネルの標識を発見してようやく一息つく。
なんか十三峠を倍の距離にしたような感じ?
曼蛇、境目峠と予想したよりも楽に越えてきたので、ちょっと楽観視してたのだが
思った以上に骨が折れた。
堀切峠は途中の集落から旧道に入ってさらに九十九折れを上っていくようなので
これはどえらいしんどいだろうなあ。


↓長い長い上り


↓長い長い堀切トンネル


トンネルを抜けると、目の前にでかいダム湖が広がる。新宮ダムだ。
去年の南紀ライドのときを思い出させるような山深い光景に胸踊る。
すでに到着予定時刻の10:00になってしまったので、休憩なしで先へ進む。
トンエル出口で左右分岐があるが、これを新宮町方面へ左手に。
約4km一気の下りで、どんどん高度を下げていく。これは帰りがものすごく心配だ・・・
ダムを右手にさらに高度を下げ、銅山川まで下りきる。
新宮町の集落で右折して、3km緩やかなのぼりをえっちらおっちら進んで、
ようやく2つ目の目的地、道の駅 霧の森に到着したのが10:15。
10:30には帰路につかねばならない。


↓新宮ダム


ここまでわざわざ足を伸ばしてきたのは、土産に、大人気のお取り寄せグルメ、
予約数年待ちとも言われる「霧の森大福」をゲットするため。
お茶どころ新宮町ならではの抹茶大福です。
開店は10:00からのはずなのに、すでに店の中にはずらっと行列・・・マジか。
ここまで来て断念は出来ないのでしぶしぶ並ぶ。
奥さんに帰るコールしながら並んでいると、話を聞いていたおばあちゃんが、
「あんた急いでるようやから先並び!」と順番を譲ってくれる。
なんて親切な!ありがとうございます!
どうやらこの方、さっきの堀切トンネルを車で通過するときに自分を見て、
こんなとこ自転車で上ってくるなんてと感心してくれていたようです。
10分ほど並んでようやく自分の番。
この本店ではばら売りしていないようで、1箱8個入り1000円を購入する。
生ものなので保冷材入りの保冷バックをつける。
ちょっとでも背中に背負うと腰を痛めるので、ロングライドでもリュックなしなので、
果たして後ろポッケに入るかどうか心配だったが、ギリッギリで収める。
まあ半分以上はみ出しているが、よっぽどバウンドしない限りは大丈夫そうだ。
それから、何も食べないのもアレなので、バラで売っている抹茶プリンを1つ購入。
ようやく店を出たのが10:27。
残り3分で出動です。抹茶の香り漂うプリンをかき込む。
曼蛇・境目・堀切と3連続で峠越えをしてきたので、
もうちょっと補給とある程度の休憩を入れたかったのだが・・・


↓道の駅 霧の森


↓抹茶プリン


さて、休憩もままならないが、予定の10:30になってしまったので緊急リスタート。
本当はここから10km先の笹ヶ峰まで上りきれば高知県に突入できるのだが、
さすがに欲張ってフェリーに乗り遅れることは出来ないので、
ド短期四国四県全制覇はお預け。
ダムに寄らなければ可能だったが、それは今回の意に反するし。
まあ目的は無事に達したし、あとはフェリーに間に合うように帰るだけだ。
ここでプランを勘定する。
5:15高松を出て、ここに到着したのが10:15。
ということは10時間のリミットのうち、半分の5時間かかったわけだ。
ということは単純に考えて帰りも5時間かかったとすると、15:30になってしまう・・・
しかしそこは、上り下りが逆転するのと、もうどこにも寄らないつもりなので
そうすれば15:00には何とか間に合うだろう。
しかし猶予はそれほどないと考えないといけない。大急ぎで支度して出動。
先ほどの老夫婦にお礼を言って、来た道を逆向き、緩い下り道を駆け抜ける。
ブラインドカーブが多いので、いつぞやのぱしゃ君のようにならぬよう、
出すところは出す、抑えるところは抑えてペースを刻む。
新宮町で左折し、R319(四国有数の酷道)に入る。
さっき爽快に下ってきた堀切峠までの4kmが今度はキバを向く。
銅山川沿いに徐々に斜度を上げ7〜8%一定の上り。高山TTのような感じ。
えっちょらおっちら高度を上げる。行きは気付かなかったが、
高知道は遥か下、川と同じくらいの位置でトンネルを貫いているようだ。
ええなあ、車は楽なルートで。
そのうち新宮ダムが再び現れる。
どうも事務所は対岸にあるようで、そちらへ渡るには一旦新宮町に戻って
イチから上りなおさないといけないらしく、そんな面倒なことは今さら無理なので
ダムカードは諦める。
ろくな補給も休憩もできなかったツケで、もうあかんギブギブ!となりかけたところで
堀切トンネルに到達。
ウィンブレを着込んで一気に下る。見晴らしのいい所で写真を撮りつつ、
あっという間に下りきる。行きにあれだけ苦労した道なのにね。


川之江の街が遠くに見える


R192に到達し、来た道ではなく左折して川之江方面に転じる。
どうせなら同じ道は避けたいというのと、山岳を避けて海沿いを走ることでペース上げるため。
すぐに松山道をくぐって、川之江の街に突入する。
ここは言わずと知れたティッシュ王子のおひざ元。
沿岸部にはもうもうと煙をあげる煙突がいくつも並んでいる。
国道から離れて、裏道でショートカットし、川之江駅前を通過。
商店街を抜けて、R11に合流。
川之江から豊浜までは爽快なシーサイドラインとなるが、
向かい風がきつくて厳しい。
途中道の駅があり、セルフうどん店があってそそられたが
11:30とお昼時とあって行列していたので断念。
ただ、補給が乏しいので豊浜のコンビニでちょい休憩。


↓束の間の瀬戸内ライド


豊浜からは当初のプランでは行き使ったR377〜R32ルートを考えていた。
それは距離や道の具合が分かっているので、時間が読めるためだったが、
標識ではこのままR11一本で行っても60kmとある。普通に行けば14:30には着ける。
最初のルートは結構アップダウンがあったが、こちらのルートは果たしてどうだろうか。
まあR11の方が海側に近いから、大幅に遅れをきたすような上りもあるまい。
ということで姫浜の交差点を思い切って直進する。
R11はさすがに幹線道路だけあって交通量はひっきりなしに多い。
しかも2ケタおにぎりにしては道幅がなく路肩も狭いので難儀する。
ただ四国のドライバーはそれほど怖い思いはしなかった。
幹線道路だけに標識も多く、高松までの残り距離が随時表示され勘定しやすい。
ペースよく、徐々に貯金をつくっていく。
暖かい日差しの中、四国特有の景観(完全な平地にぼこぼっこと突然隆起した山々)を楽しむ。
観音寺市から三豊市に入る。残り40kmの地点で鳥坂の鈍い上りが発生。
えいやっとやっつけて反対側を下ると善通寺市丸亀市を一望する。
JRをくぐると、R11は幹線道路らしく道が大きくなり、走りやすくなる。
ここからさらにペースをあげていく。
標識がしきりに、丸亀城は左手と誘うので寄り道したいなあと思いつつ、ぐっと我慢。
丸亀大橋で土器川を渡り、坂出ICを通過すると、再び鈍い上りが現れる。
さっきよりも若干骨が折れる金山越。清滝のクリーンセンターまでくらいの上り。
途中左手に瀬戸大橋が見えたので写真を1枚。
上りきって金山トンネルは安全に歩道を行く。
トンネルを出るとしばしの下りを飛ばす。
上氏部で、R11は前方に位置する太平山・五色台を避けるために直角に右に折れているので従う。
坂出市高松市の境で再び軽い上りがあり、そこからはド平坦。
信号が多く、いちいちストップをかけられると困るので、35kmペースくらいまで上げて駆け抜ける。
そのうち右手から高松道が合流してきて、そのまま市街地へ。
R11に従って上天神町で左折し、栗林公園前を過ぎて高松の中心部に突入したのが14:10くらい。
なんとかペースをあげてボーナスタイムを稼いだので、これはうどん屋行っておかなきゃと探す
最初は竹清へいくつもりが、場所をすっかり勘違いしていて、
R11を中新町で左折すべきところを痛恨の右折。おかしいおかしいと思い始めたころには14:20。
ちょっと間に合わなそうだったので断念し、とりあえずフェリーのりばの方面へ向かいつつ、
どこかさっと食べれるところがあったら入ろうと思ったが、これまた見事にうどん屋が見つからない。
ここうどん県高松だよね〜?
運が悪いというかなんというか、結局そのままフェリー乗り場にたどり着いてしまった…
まあ、うどんはうどんでハシゴツアーすっべ。
ということで、14:45に無事フェリーに乗り込む。
乗り込むとすぐにぱしゃ君から入電。どっか走りにいかんかと誘われるが、そら無理な話ですわ。
(このあとぱしゃ君は初めてソロで神戸に行ったそうな)


↓さらば四国


帰りは雑魚寝室ではなく座席のある方で、空いていたので窓側の4人掛けを1人締めさせてもらう。
いったんじっくり腰を下ろすと、疲れと眠気がジワジワ〜とやってくる。
ここを一旦我慢して、出港の写真をパチパチ。
ちょうど港からは屋島が眼前にあって迫力がある。
定刻通り15:00に出港、さらば四国また会いましょう!
出港してしばらくして売店が開いたので、ろくに昼も食べてないし、
まあちょびっとくやしいのでうどんを食べておく。
帰りはカレーうどん。意外に旨かった。
腹も満たされたので席に戻って景色を眺めているうちに、ウトウトと寝てしまう。
相当疲れていたのか、悪夢にうなされた〜。
汗びっしょりで起きたら、ちょうど小豆島の坂手港に寄港したところで、
しばらく起きて小さくなっていく小豆島を見送り、再び眠りにつく。
次に気付いた時には神戸まであと20分というところで、慌ててチャリのところへ向かう。
車両ブースの覗き穴から着岸する様子を眺める。
19:50に着岸。無事に本土に帰ってきましたヨ。


カレーうどん


↓ポカポカ陽気


↓カムバック神戸


神戸からは毎度の通りR2で。
早く帰って家族の顔を見たいのでガッチガチに回していたら、
芦屋あたりからめちゃくちゃ腹が減りだす。
あれ食べたいこれ食べたいと食べ物ばかりが頭に浮かぶ。
これまたR2沿いにはたくさんの誘惑があるのだが、全てを断ち切って、
一刻も早く家族の元へ帰る。
結局我慢の末、十八番でスタ半マーボー麺+A(焼肉+塩玉)のカルトと禁断の2人前持ち帰り。
ぺろりと平らげる。


さてさて大事に持ち帰った戦利品「霧の森大福」であ〜る。
要冷蔵品なのに、ずっと背中のポッケに入れていたので心配だったが大丈夫だった。
開けてみると、マリモのような緑の大福。
中に生クリームとこしあん、抹茶を練り込んだ餅に、抹茶をまぶしてある。
使用されている抹茶は、収穫前に黒い布を被せて日光を遮る「かぶせ抹茶」という栽培法で作られていて苦みを抑えているらしい。
(さすがに娘には抹茶が苦いかなと思ったが、美味しい美味しいと2個もペロッと食べた)
では実食。まず生クリームと餡のコラボレーション、そこに優しく抹茶の香りが口の中に広がっていく〜。
いやあ、人気の理由がよくわかる上品な甘さでした。
奥さんも、甘さと程良い苦みが絶妙!と大絶賛で、苦労した甲斐があった。
まあ気が向いたらまた買いに行こうではないか。


↓お取り寄せ数年待ちの大人気和菓子


↓割ると餡とクリームがコンニチワ


四国は四国で独特な景観だったり風土があってとても面白い。
(近場のライドに飽きたわけじゃあないよ)
色々行って見たいところは山ほどあるので、
今年はジャンボフェリーに乗って四国を集中的に攻めてみようかな?(相乗り大歓迎)