記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

未成熟さをどう捉えるか

昨日は無事にオリンピック出場を決めてくれましたが
選手たち自身が公言しているように出場決定はあくまで通過点。
さらに高い所に目標があるわけで、昨日のような試合ではダメだ。
特に前半はもう目も当てられないひどい有様だった。
ハーフタイムである程度、軌道修正できたのはよかったが、
結果的にはバーレーンが格下で、後半までスタミナが持たなかっただけ。
終始ボールが行き来して安定せず、試合を通じてドタバタとした印象が残った。
例えば、ここに遠藤のような選手がいればまた全然違ったのだろうと思う。
(過去も踏まえてぜひオーバーエイジ枠で出てほしい!病気するなよ!)


これは彼らの未成熟さによるところが非常に大きいと思う。
これはチームの連携不足というよりもむしろ選手個々人のという意味の方が大きいかもしれない。
パス、ドリブル、シュート、それぞれのスキルは相当高いものを持っているのだろうけど、
それをつなぐためにどう動くのかという頭の部分がまだまだのようだ。
特にパスの受け方が非常に大きな課題かなと思う。
球を持った時に、次どこへ出すのか、出し手の側に立ったときはどの選手も
非常に発想力もあって鋭いものがあるのだが、
仲間の選手がパスをどう出すのか、そのパスを受けるにはどうしたらいいのか、
受け手の側に立った時の動き・発想が全然弱すぎた。
それはペナルティーエリア内の決定的な場面だけでなく、
もっと手前、守備から攻撃へ転じる段階からそうだ。
まさかパスを仲間にはたいてお役御免とは思っていないのだろうが、
球が離れて、次、自分がどう動けばいいのかというところで極端にペースが落ちる。
なかには一仕事終えて棒立ちになっている選手もいる。
その初速が遅いから、次の選手がパスを出したところに人がいない、
人がいても遅れているからトラップが雑になって球が大きく離れて相手に奪われる。
そういった場面が特に前半は多く見られた。
仲間がどう次の一手を打とうとしているのか、それに対して自分がどう動くべきか、
ここから球はどういった動きを見せるのか・・・
球を持っていない状態での動きはもっともっと磨く必要がある。
ただし、この未熟さはいい面もある。
ゴールの2発はとても思い切りのいい振り切りのシュートだった。
アレコレ考えずに打つという潔さもまた同居しているということだ。
しかし、逆に前半でもしバーレーンに先制されて固められていたら、
特に前半あわやオウンゴールが決まってしまっていたら、
その未熟さでバタバタと崩れて大量失点を期してしまっていた可能性もあった。
未熟さは彼らのノビシロでもあり、落とし穴でもある。
より高みを目指すには経験を積んでいくしかない。
彼らにとっては勝つことそのものが経験になるわけだから
勝たなければならない試合で完封で勝ったのだからよしとしよう。