記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

上ミノ堪能ライド 復路

さあさあやることは全部やったので帰ります。
ライドはここで仕切り直し。再び来た道の分だけもっかい走らないといけません。
あと家まで240km…やれんのか?やれんのか?
でも来てしまった以上自力で帰るしかないのです。
眠気が少し来ているが、腹ごしらえは今のところ十分で気合入れ直し。
もう一回ぐるっと郡上の町並みをめぐってから郡上を後にします。
また来るよ〜。


郡上八幡


郡上八幡駅から中野の交差点に出る。
行きにはわからなかったが、ここで対岸に渡る橋を発見したので
R156を使わずに、県道61号に入る。
若干の下り基調だが後半に体力を残すため、惰性で30kmペース。
少し日差しが出てきてとにかく暑い。
美並のところでは、さきほどよりももっと多くのカヌーが川に出ている様子で、
それを眺めながら進む。
すると途中の大岩のところで人だかりができている。
何かと思ったらカヌーの参加者がオーラスで飛び込みをするみたいで、
みんなキャーキャー言いながら勢いよくダイブしている。
みんな楽しそうだなあ。


↓ダ〜イブ!


こちらは暑さと孤独と眠気に耐えながら、どんどん下流へと進んでいく。
子宝温泉のところで、でっかいバッグをいくつも取り付けたランドナーさんがいてご挨拶。
やはり超ロングに行くには普通あれくらいの装備しなきゃいかんのだろうか。
引き続き交通量のない快走路を、川の流れに沿ってクネクネと進みます。
湯の洞温泉口のところでR156と対岸チェンジ。
行きは関までの区間をR156で行ったが、ここは板取川方面へ少し回り道する。
寄り道をすれば何か出てくるもので、事前にリサーチしていなかったが、
大好きな近代化遺産を発見!


東海北陸道樽見鉄道長良川と並走する快走路


1910年から運用され、今なお現役で名古屋に電気を送り続けている、
長良川水力発電所です。
赤レンガ調の造りが魅力的です。
残念ながら中には入れなかったので撮影のみ。


長良川水力発電


↓いまだ現役というから驚き。写真は先代のタービン


そのまま長良川右岸を進みますが、板取川方面へ少しオーバーランしていくので
新長瀬橋で板取川を渡って、長良川沿いに復帰する。
このあたりからにわかに交通量が増える。
往路と同じく藍川団地を越え、県道94号に入り西進。
市場交差点で南進に転じ若干のアップダウンをこなす。
そろそろ喉が渇いたので春近古市場南交差点のところで自販機休憩。
ついでにこれからのルートを思案する。
行きと同じならこのまま県道94号を南進すればよいが、
朝でもかなりの交通量で、路肩も少ない生活道路だったのでできれば避けたい。
それに帰りは岐阜駅に寄る必要もないので、
できれば最短距離で大垣まで続いている道はないものか。
色々手持ちの地図で検討した結果、今この交差点を右折して県道79号に入り
長良川の北側を西に進みながら最終的に県道53号に出るルートに決める。
リスタートして県道79号を進む。この道も狭小の生活道路だが、
交通量はまだ少なめ。
拡幅工事中なのか道が広くなったり狭くなったり忙しい。
天王交差点で高富街道に入り南進。ここからはぐぐっと交通量が増える。
しばらく下るとR256とぶつかり、そのまま横断して直進。
住宅街に入り込み、そのまま徐行運転で進んでいくと、
ドンツキで長良川球場にぶつかる。
そこから裏道で西進し、尻毛橋でR157に合流する。
少し進んでから一つ南を走っている県道53号に入る。
あとはこの道一本で垂井まで続いているのだが、
この道がまたやけに交通量の多い幹線道路で、しかも拡幅工事中。
片側2車線区間は路肩も十分なのだが、
いきなり車線減少して大渋滞の横を抜けたり、
路面がはげてガタガタだったり、その割に大型がバンバン走るのでかなわない。
それでも揖斐川を越えるまでは我慢で進む。
その手前であやしい観覧車発見。
養老鉄道を越えて、さてこのままこの道でよいものか。
交通量の問題もあるが、地図を再確認すると直進すると
えらく長いトンネルで峠越えが発生するみたいで、これは迂回した方がよさそう。
R417の手前で左折して南進し、往路に立ち寄った赤坂宿へ向かう。
すると右手にごっそり山肌を削り取られた山並が見えてきた。
ボッコボコすぎてなんかかわいそうである。


↓ごっそり山が削られている


↓途中で西濃鉄道の廃駅発見


ウロウロと路地を抜けて無事に赤坂宿まで戻ってきます。
この時点で18時ごろです。
なんとか日暮れまでには米原彦根辺りまでたどり着きたい。
でもこの頃になると疲労というより睡魔のせいで非常に体力が低下してきた。
そのまま中山道で西進して小丘を越える。
県道216号に合流し、行きには姿が見えなかった伊吹山を前面に走る。
県境は若干アップダウンがあるのでガス欠する前に一旦補給休憩。
ガリガリ君のチョコがマジうめぇ〜。
ミニストップだったので室内で座って食べたのだが、20分ほど意識を失う。


↓ようやく顔を出した伊吹山


ようやく関ヶ原に到達。ここから2つほど上りをこなして、そこからは下り。
少し予定より時間が遅れているので、下りに任せてペースを上げる。
ちらちらと前方に真っ赤な夕日が見える。
米原に到着が19時くらい。なんとか夕陽を撮ることができた。
ナイトライドに突入するまであと30分ほどは猶予があるはずなので先を急ぐ。
すでに観光客が家路につき閑散とした彦根市街をスルー。
ベルロードのロードサイドから出入りする車に注意しつつ、犬上川を越える。
賀田山町の交差点で間違わずに右折し県道2号に入る。
ここが暗くなってからでは曲がりどころを間違う恐れがあったのでセーフ。
あとはひたすら草津まではこの道で行ける。


びわ湖に沈みゆく夕陽


県道2号に入るとすぐに辺りは真っ暗になる。
大田園地帯なので、虫の大群がいたるところで舞っていて、
口や鼻に入ってくるのが大変。
この道をこの時間帯に走ったことがなかったが、意外と交通量がある。
細い裏道なので路肩はなく外灯も少ない上に、
道の横はそのまま田んぼなので車が来てもそんなに寄れない。
それでもR8を行くよりはましか?
北腰越を裏側から越える。行きよりは斜度はゆるいか。
そのまま安土、近江八幡とつづく。
あまりに眠くて目の焦点がぼやける。しんど。
とにかく大津まで、大津まで行けばなんとかなる!
近江八幡からだと20kmくらい?と気合を入れなしてスピードを上げる。
が、しばらくして標識があり、草津まであと25kmとある。
ガ〜ン。じゃあ草津から大津までは何kmあんのよ!
モチベーションが切れてしまって、これはイカンということで、
一旦休憩をはさんで頭を冷やすことにする。
再びガリガリ君登場。甘さと冷たさが身に沁みるゼ!
ストレッチなぞしつつ、体をほぐして眠気を少しでも散らせてリスタート。
ここからは、疲れもあり、周りが真っ暗というのもあり記憶があいまい。
いつもなら野洲の辺でR8からこの道に入るのだが、帰路はR8ははずす。
野洲川大橋は工事中だったし、手原でR1との合流地点とかうまくこなせないので。
でいつもと異なり、県道2号直進。
野洲川を越え、守山でぐぐっと交通量が増す。
慎重に切り抜けて栗東。このあたりで距離が400kmを越えた。
体も疲れてはいるが、マインドが溶けだしてくる。
眠い、眠い、眠い。今どこを走って、どう行けばいいのか、
ってあれ、今何してんだ俺は、ああ今ロングの帰りか、みたいな。
ほとんど正気を失いつつも、体はどうにか自動でペダルを回し続けてくれている。
とにかく帰らなくてはという強い意志だけが体を動かしている様子。
県道2号を離脱し、一般道でごにょごにょしながら草津をすり抜ける。
県道43号に合流し、あとは一直線で近江大橋に到達。
ああ、大津、大津の灯じゃ。


↓ようやく近江大橋に到達


大橋を渡り、そのまま湖岸道路で大津市街へ。
JR大津駅到達が22時。
さてここから京都側へどうやって越えるか。
いつもなら小関越で行くのだが、あそこはもう真の暗闇。
元気があれば真っ暗でもへっちゃらだが、
メンタルが弱り切っている今、あんな恐ろしいところを通過できる自信がない。
ので、おとなしくR1の歩道で山科へ抜ける。
逢坂の交差点までぐいっと上りR1合流。ここは恐すぎて車道は無理。
とはいえ歩道もガタゴトで狭いのであまり気分の良いものではない。
上りはまだしも、下りはかなり慎重に下る。
下った先で府道35号にエスケープすべきところを直進してしまい
R1・R161・名神高速の大ジャンクション地帯にはまる…
どうにかこうにか命からがら抜け出て東野に到達するも、もう色々限界。
残り残金800円ほどをつぎ込んで吉牛で補給&仮眠タイム。
あまりに頭がぼんやりしてくじけそうだったので、ぱしゃ君にTELして、
しばらく話し相手になってもらう。
ぱしゃ君は猛暑のなか神戸へ行っていたようだ。
飯を食って、少し気を失って、トイレで顔を洗って、
少しパワーゲージを持ち直し、残り60kmがんばります。


ここからは、以前の山科夜練で試しておいたコースをトレースする。
1度でも実走してくというだけでも結構な安心感があるもので、
夜な夜なあっちこっち走り回っている日頃の成果があるというものです。
特に六地蔵から観月橋までの外環状が嫌いなので、
エスケープルートを見つけておいてよかった。
名神沿いに府道35号で伏見方面へ抜ける。
と、この辺りからいきなりどしゃ降りの雨。
そういえば天気予報でも京都だけ雨の予報だった。
しかし、この段階に来て雨降るとは。ただでは帰らせてくれんなあ。
ものすごくモチベーションが下がるが、もはや自力で帰る以外方法がない。
下りを慎重にこなし、JR・京阪をまたいで師団街道に入り南下。
桃山のアーケードでいったん雨宿り。
らちがあかないので諦めて5分ほどでリスタートし、大手筋通りを西へ。
ちょっとずつだが雨も弱まってきた。通り雨だったらいいのだが。
高瀬川にぶつかって、そのまま土手道を進み、
R1とぶつかって、少し迂回して府道124号に入る。
納所から桂川CRに入ると再び雨。グウォ〜ウラァ〜!
ペースを上げて進むが、ペースを上げれば上げるほどしぶきがあがって自滅。
どうにかこうにか御幸橋にたどり着いたのが0時前。


↓命からがら御幸橋…ゼエゼエ


そこからは往路とほぼ同じルートで帰る。
枚方までは雨もマシになり、雨が再び降り出す前に距離を稼ぐため全力。
枚方に入りようやくゴールも見え始めたころになって、再び強烈な雨。
もう嫌〜。
それでも終わりが見えてきたことで吹っ切れ、鬼神のごとく走る。
雨脚がかなり強い上に、R1は大型が多く、遠慮なしにしぶきをかけてくる。
やけくそパワーで危険個所を走りぬけると、
仁和寺大橋で不思議なくらいピタっと雨がやむ。局所的な大雨だったのかも。
そこからペースを落とし、阪神高速守口線の高架下をダラダラと進む。
無事に帰宅したのが1:15でした。
470kmを24時間30分でゴールでした。
まあスピードはほとんど意識せずに走っているので、
真面目に走ればもう少し早くクリアできるだろうけど、
キャノボはこれに80km+箱根越えでしょ。まだまだ実力が足りません。
PBPに至っては全行程の40%程度をこなしたにすぎません。
まだまだ精進せねば。