目指せ桂浜ライド 往路 (ROUTE32)
念願かなってようやく高知・桂浜まで行ってきました。
実は今年の最大の目玉として6月くらいから企画はしていたのだが、
いざという段になって高知だけ雨の予報だったり台風きてたりで何度もディレイしていた。
(その代替案として鳥取・郡上ライドなどに切り替えた)
今回も、はるか南にある台風の影響か、太平洋岸のエリアは軒並み雨の予報…
またかと落胆しつつ、今回はその覚悟の上で出陣することにする。
どうせ鳥取でも郡上でも雨に降られたのには違いないし、
どしゃ降りでどうにもならないってことになれば輪行で帰ればいいやと開き直る。
18:00に出動しまずは20:15神戸港発のジャンボフェリーに乗るために一路神戸へ。
出走のタイミングでぱしゃ君から入電があり
神戸までアシストを買って出てくれたのだが、
仕事が終わるまで少なくともあと30分はかかるとのこと。
それではどんだけかっ飛ばしてもフェリーに乗り遅れるので断念。
淀川左岸をR2まで進むが、少し風が強そうだ。
そして前日の京都夜練の疲労がかすかにあって、あまりペースが上がらない。
まあフェリーの時間には十分間に合うし、ここで無理しても意味がないのでマイペースで進む。
西宮の付近でバストラップにつかまり、マゴマゴしている間にローディーにぶち抜かれる。
こいつ細かく車線を変更しつつかっ飛ばしていて、
車から見ても予測のつきにくい動きをしていてちょっと危ない。
こんなのに絡んで事故っても仕方がないので見送ってマイペースで35km走。
フェリー乗り場に到着が19:45で十分。
往復のチケット3980円で購入。
念のため係りのおっちゃんに帰りの夕方のフェリーの時刻を聞いたら19:20と答える。
掲示してある時刻表にも19:20とあるし、事前に下調べした際の情報とも合致。
なんの疑いもなく帰りは予定通り19:20のフェリーだと安堵する。
それが全くのブラフだったのだからどうしようもない。
時刻に嘘があるなんて運輸業者として最低です。
それはそうと、すぐに出港なので2輪の待合にすぐに向かう。
すると5,6人サイクリストたちが集まっておりました。
1人は真新しいC2CビアンキにFFWDの方、あとはおなじみGIANTのMTBの人など。
入船の時間となり、船内へ。
すると、10台分くらいでしょうか、
春にはなかったサイクルスタンドが設置されていました。自転車の利用率が上がってるのかな。
さっそく大部屋の客室へ行きスペースを確保。
デッキで出港をまち、神戸にさようなら。
船が動き出して売店が開いたので、きつねうどんを食べる。
今回もきっとうどんにありつけそうにないのでせめて。
飯を食ったらあとはひたすら寝ます。
着船の合図になるジャンボフェリーのテーマソングで目が覚める。
このテーマソング意外と耳に残る。知る人ぞ知る名曲。
とりあえず、なんとか3時間程度は寝れた。
さて、いよいよここから今回のライドの本当のスタート。
ここから帰りのフェリーまで19時間のリミットが動き始めます。
それまでには何としてでも帰ってこなくてはならない。
仮眠が功を奏していい感じなので、トップバッターでゲートを出て
瀬戸大橋通りを40kmオーバーで走りぬけて高松駅前まで。
そこから左折して中央通りに入り南下する。
すっかり写真を撮る忘れてしまったが、中新町交差点からR32が始まる。
往路についてはROUTE32コンプも狙います。
標識には高知150km、松山175kmの案内。まだまだ始まったばかり。
R11との供用区間をひたすら南下。栗林公園前を過ぎ、高松道とぶつかる上天神町で右折。
で、2つ向こうの峰山口交差点で左折し、R11とはさようなら。
↓峰山口でようやくR32単独区間
R32は片側2車線の大通りで路肩も十分にあり走りやすい。
時間的なものもあるが交通竜も少なくて快適。
一度冬に走った時には路面の張り替えでガタガタだった道もクリアに。
丘陵地を縫うように進むので緩やかなアップダウンをこなしていく。
滝宮を過ぎたくらいから交通量も減り辺りは真っ暗になってきた。
羽間のスロープを下って琴平に到達。
これから県境の峠越えに挑む前に、買田東の交差点にあるローソンで一服します。
この先阿波池田までは補給ポイントがないので、しっかり補給ということで
おでんにしました。もちろん香川は味噌だれ。
2時ジャストにリスタート。
目の前の交差点が豊浜へ抜けるR377との分岐となっていて、左折して南進。
スタート直後は緩やかな上り。5kmくらい先にある道の駅・空の夢もみの木パークのあたりで
一度小ピークを越えるため少し斜度が上がるが、そこから先は緩やかに下り。
この辺りから闇が本格的になってくる。
スジャーっと黒川の集落まで下ると再び緩いのぼり。
観音寺方面への分岐を過ぎ、いよいよ本格的な上りに入る。
若干斜度が上がるがまだインナーに落とすほどでもない。
それより道脇から犬がワンワン吠えて怖い。おそらく飼い犬だろうけど
野犬だったら襲ってきかねないし。
それで少しペースを上げる。
少し落ち着いて上を見上げると、満天の星空で素晴らしいの一言。
と、しばらくして道が急なヘアピンで構成された九十九折れ区間に突入する。
小さなトンネルをいくつも通過し、しばらくいくと意外とあっけなく猪の鼻峠(413m)に到達。
暗すぎてどれだけ上ってるのかよく分からなかったが
もっとしんどいと踏んでいたんで拍子抜け。
予定より15分も早く通過です。
そこからは一転下り。谷の底までひたすら下りで帰りが思いやられる。
外灯も少なめで前方がよくわからないので慎重に下っていきます。
7,8kmくらい下っていくとようやく阿波池田の市街地に突入する。
四国中央橋で吉野川を渡り、ドンツキの井川池田ICの交差点を右折、
しばらくはR192との共用区間です。
上りをこなして水分が足らないのでやたらハワイアンなローソンで一服。
3:00にリスタートし、池田大橋渡ってR192と別れ、
いよいよR32の核心部である、大歩危・小歩危の渓谷へと分け入っていく。
何もわざわざ一番夜も深い時間帯にこんなところを走る設定にせんでもと思うが
フェリーの時間の加減で仕方がない。
暗さは一層増していくし、さすがに山間部なのか結構肌寒く感じる。
電光版の表示も22⇒20⇒18とどんどん下がっていく。
↓吉野川を渡る。ここからこの大河とランデブー開始
若干の上り基調ではあるが、上りというのはあまり感じない程度で
30kmペースくらいでえっちらおっちら前進する。
交通量はほとんどないが、時折思い出したように大型トラックが往来するので気が抜けない。
すぐ左手は深く切れ込んだ谷筋になって吉野川の流れの音がしているが
全くの闇で何もわからない。
R319が右手からやってきてそこからしばらく行くと、ここから小歩危渓谷の案内板。
この辺りはとにかく少しでも早く切り抜けるためペースを上げて進むが、
そのせいで無駄にオーバーヒートしてしまい、ああコーラ飲みたい!となったのだが
ちょうど目の前にサンクス発見。こんなところにコンビニがあるなんて。
思わず駆け込んでリーダーよろしくコーラ一気飲み。
時刻は4:00くらいになる。もうそろそろ夜が明けてくる頃だが、まだまだその予兆はない。
暗闇の中を引き続き疾走する。
道の駅大歩危を通過し、ペースをある程度維持しながら集中して走る。
集中して走りすぎてどこが県境かわからないまま
いつの間にか高知県に突入。
高知県に入ると夜が白み始め、そこから一気に朝になる。この時点で5:15。
先月は4:30には明るくなってたから45分は確実に季節は進んでいる。
徳島方面はそうでもないのだが、進行方向の高知方面は嫌に黒々とした雲に覆われていて
確実に天気が悪そう。やはり午前中だけで高知脱出しないとえらい目に遭いそう。
↓四国山地の夜明け
↓吉野川
豊永まで来ると左手からR439が合流してくる。
こいつは四国の山中を東西に連なっている有数の酷道。
大豊までしばらくは共用区間となる。
吉野川と別れ、穴内川と並走するくらいまで下がってくるといきなり路面がウェットに。
おそらく夜のうちにこちら側では結構降ったのだろう。
交通量もそこそこ出てきだしたので少しペースを落として慎重に進む。
大豊でR349とサヨウナラ。時間に余裕があればここから20km先の早明浦ダムで
ダムカードを貰ってこようと考えていたのだが、
結果としては時間的にも体力的にも難しかったので、また改めてだな。
道の駅大杉からしばらく上りが続き、直後に長い長いトンネルをくぐる。
しばらく平坦っぽくなりペースアップ。
この頃には雲が晴れて結構暑くなってきたゾ。2つ目の峠越えの前だし、
喉がカラカラなので角茂谷の上りの途中にある自販機でアンバサをあおる。
大阪ではめっきり見ないけど四国のコカコーラの自販にはほぼ必ずといってあるみたい。
リスタートしてアップダウンをこなし、高速をくぐって、
少し斜度が上がったかな、そろそろ本格的な上りスタートかなと思ったら、
そこが根曳峠(395m)だった。じわじわと上り基調だったのでいつの間にかという感じでした。
↓四国随一の酷道R439と合流
そこから7kmほどは一転の下りで、こちらの方が上り然としていて帰りが難儀である。
しかも路面がウェットでリアが妙に滑るので慎重に下る。
クネクネと続く下りを進むと、途中で採石場が登場。
そこからは今まで進んできた山が見渡せて、思へば遠くへ来たものだと感慨にふける。
そこからさらに下って下って南国ICまで下ってくると、
R32は片側2車線の大通りに変身!
おまけにもう気候は南国で暑い!
交通量がぐっと増えるが、路肩も広く快適…なはずがどうもリアのフィーリングがおかしい。
多少路面がゴツゴツしているし、ウェットだからと気にせずに進むのだが、
だんだん明らかにリアの圧が減っていきベコボコしだしたので、
間違いなくパンクということで岡豊のファミマ前で停車しリアタイヤをチェックすると
馬鹿でかい釘が思いっきり刺さってました。きっとツールの犯人と同一犯の仕業でしょう。
高知市街まであと15kmというところで思わぬ足止め。ぬうう。
ただアルトレモは驚くほどタイヤの脱着が楽チンなので、
大して力を使うこともなく、休憩も含めて15分程度でリスタートする。
せっかくタイムスケジュールよりも30分稼いでいたマージンを大幅に失うこととなったので
ここからは結構ガチでペースアップ。
JR土讃線を陸橋で越え、南国バイパス(R55)とぶつかるところで右折。
そこから一気に交通量が増すので注意を払いながら
大通りを西へ西へと進む。
葛島橋で国分川を渡り、いよいよ高知市街地へ!
R32は最後の総仕上げとばかりに、右手から路面電車も合流し、一大目抜き通りへと変貌を遂げる。
地元の人だろうか、何人かローディーさんが登場するので、あいさつ代わりにぶち抜く。
そして路面電車の軌道がいくつも交差してデンジャラスなはりまや橋交差点を越え、
県庁前までラストスパートしてROUTE32完結!
ただ高知駅前まで枝線が延びているので、そこからバックしてそちらへ向かう。
行ったり来たり面倒なので、先にはりまや橋で記念撮影。うわさ通りの残念ポイント。
少しだけ北に上がって小奇麗な高知駅に到着!おつかれ〜。
ちなみに高知駅は、土佐電鉄(路面)の終着駅でもあり、
土佐くろしお鉄道ごめん・奈半利線の終着駅でもあります。
ちょうど特別列車のアンパンマン号が出発するところでした。
高知は言わずと知れたやなせたかしの故郷です。
↓南国バイパスに入り、高知市街へ
↓はりまや橋にて
↓高知駅(上は土佐くろしお鉄道ごめん・奈半利線、下は土佐電鉄の終着駅)
↓高知駅前に3志士集結
さて8時ジャストに高知までたどりつきました。
しかし最終目的地の桂浜まではあと12、3kmあります。
一応帰路に着く時間を10時と設定しているのでこの2時間で飯を食ったり、見て回ったりします。
とりあえずまた高知市内に戻ってくると遠回りになるので、
先にこの辺の用事を済ませてから桂浜に向かうことにする。
高知と言えば沢マン、誰が何と言っても沢マンです。
え?沢マンを知らない?あの沢マンを?
日本の九龍城と呼ばれたあの沢田マンションのことです。
個人的に行ってみたい日本3大近代遺産のうちの1つでした。
軍艦島にも行ったのであとは残るは1つ…。
さて、高知駅を過ぎて少し北へ上がります。
久万川を渡り、薊野にあるヤマダ電機横に奇怪な姿を不意に現しました!
ああ、あこがれの沢マンです。
沢田マンションを知らない方にちょっと解説。
このマンションの何がすごいかというと、まずは完全な素人がすべて手掛けたという点です。
建築資格も経験もないただの夫婦が完全独学で建てた鉄筋コンクリート建築なのです。
ある意味というか完全に違法建築です。
1971年の着工から現在に至るまで、無作為に増改築を施され、内部はまさに迷路。
部屋も廊下も全く大きさや意匠も異なり見るからに異様なオーラを放っています。
とにかく色々な伝説が生まれたマンションなのです。
さっそく中へ入ります。無茶な傾斜で上下にスロープがあります。
こんなところよう車庫入れできませんわ。
そして2Fへ、あくまで一般住宅で住民が住んでいるなので、邪魔にならないように。
って、いきなり廊下の真ん中にでっかい穴あいてるし!まじで落ちるかと思った!
そして屋上へもう1段スロープを上がると、いきなり池が現れます。
さすがうわさ通り無茶な造りです。
さらに上を見ると赤いクレーンが見えます。
これは結構メディアなどでもシンボルとして取り上げられる名物です。
これの設置も素人の手によるもので、まだ小さな自分の子供に操作させて
重機や機材を運んでいたというから驚き。
そして左手にはこれまた手作りのエレベーターがある。恐ろしすぎて乗れません…
それにしてもこれを素人が設計図も描かずによくまあ造ったなあ。
わずか20分ほどの滞在だったが、沢マンのすごさを十分満喫できました。
↓屋上。左の白いところは自家製エレベーター、右は池、奥は赤いのは自家製クレーン
さて名残惜しいが先へ進みます。
お腹が減って仕方がないので、日曜市へ行ってみる。
色々魚や野菜などが売られていて朝からとても賑わっていた。
これは奥さんは絶対好きだろうなあとか考えつつ、何か食べれそうなものはないかと物色。
本当は高知と言えばカツオを食べて帰りたいが、さすがになく、
途中たくさん見かけた田舎ずしを買って、桂浜で食べることにする。
なんだかんだゆっくりと端から端まで見て歩いたので意外と時間がかかり、
すでに9時前。
やばいやばいと、お寿司の袋をぶら下げながら先へ急ぐ。
はりまや橋交差点を3たび通過し、そのまま桟橋通りを南下。
途中で終着駅・桟橋通五丁目駅をぱっと撮る。
その先の宇津野トンネルをががっと通過し、内湾をなぞりながら南下。
少しずつ潮の香りが強くなり、風も強くなってきた。
どんつきで黒潮ラインに出ると、大波小波打ち寄せる太平洋がド〜ン!
いやあ来たね来たね。
↓土佐電鉄桟橋線の終着駅・桟橋通五丁目
黒潮ラインに入り、強烈な海風を横から受けながら慎重に桂浜に向けて東進する。
浦戸の信号から桂浜までは小さなピークを越えねばならず、これが少し斜度があって、
ラストスパートともがいて反対側へ下ると、桂浜の駐車場に到達。
9:40です。
でっかい駐車場に入り、係りの人に案内されて駐輪場に相棒を止める。
マシンを置いていかねばならないので、ちょっと心配なので大急ぎで龍馬像へ。
おりましたおりました龍馬はん。
暑そうな所でじっと遠くを見据えています。
あれやこれや撮影をし、さらに桂浜まで急な階段を下る。
さすが太平洋真向かいだけあって、尋常じゃない波のでかさ。
このころはまさしくピーカンで、暑さMAXなので高知名物のアイスクリンを買って食べる。オイチ〜。
龍馬像のところで、日曜市で買った田舎ずしを広げて食べる。
こんにゃくやタケノコ、みょうがのお寿司は酸味があってなかなか食べやすかった。
↓日曜市で仕入れた田舎寿司で一服
↓高知名物と言えばやっぱりアイスクリン
さて、色々やってたら予定の10時になってしまった。土産屋で嫁子のためのみやげを買って帰路につきます。
さあ、まだまだ折り返し。カンカン照りで暑さという新たな大敵が登場する中、
今度は一路高松を目指す旅の始まりです。
後半につづく…