記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

大なり小なりライド 広島〜小倉

さて、どうにかこうにか広島までやってきました。
がっつりと広島名物のお好み焼きでお腹を満たし、一段落。
正直なところ、もう広島まで来たんだし、これで十分じゃないのかという気持ち半分。
どんどん更けていく夜に、この直後に控える欽明路の難所を控え、
後ろ向きな気持ちに引きづられていく。
だが、よく考えろ。ここでやめたらここまでの400kmが水泡に帰す。
また一からやり直しなんて考えられないぞ。
それにもう時刻は21時。夜中にコソコソ帰宅するくらいなら、夜明けまで粘らんか!
とにかくコツコツ歩みを進めればいつか絶対たどり着けるはずだ。
と、気持ちを奮い立たせてリスタートする。
ちゅうか、ここまできたらもうヤケクソじゃい!


原爆ドームから相生橋を渡り、十日市を過ぎる。そのまま相生通りを西へ。
太田川にぶつかる前に左折し、南進。
平和大通りを横断し、R2にぶつかる。
市街地のR2は混むのでここはスルーしてエスケープ路を目指すため直進。
土手道に上がって、庚午橋でようやく対岸に渡る。
渡ったらすぐに対岸の土手道を進む。
次の信号で右折をすると、片側3車線の超快走路に出る。
交通量もほとんどなく、ノーストレスで走れる。
途中で後ろから全速力のローディーにぶち抜かれ、
気晴らしにちょうどいいとハンティング開始。40kmオーバーで追走する。
相手は赤信号無視するので、追いついては離れ追いついては離れもどかしい。
八幡川にぶつかるところで追走が面倒になってヤンピ。
夜ライドのしょっぱなから無駄に体力を消耗してしまった。
少し進むと少々高さのある広島はつかいち大橋にぶつかる。標識では6%の上り。
なみはや大橋に比べたら全然大したことはない。
ただ上りきると湾のど真ん中に造られた橋なので障害物が一切ないので、なかなかの絶景。
山肌にびしーっとへばりついている廿日市市の夜景が一望できてきれいでした。
ただ海風が容赦なくて寒い寒い…
写真を撮ったら即退散ということで反対側に下る。
もう1つ小さい榎の浦大橋を渡るとエスケープルート終了で廿日市市役所のところからR2に復帰。
約10kmほど混雑するR2を回避できました。


西広島から廿日市までR2を大胆エスケープ


広島はつかいち大橋より五日市側を望む


廿日市エスケープ路


さて時刻は22時ごろになろうというのにR2はびゅんびゅん交通量が減る様子がない。
先述の通り、広島の車の体感速度は3割増し。
腕に自信があるのか無知なのか、結構スレスレを平気でかすめて行くので非常に怖い。
土地柄コンビナートが修正しているので大型トラックの往来も頻繁。
かといって岩国までの約20km区間は海と山の際なのでR2しか選択肢はない。
とにかく集中集中でペースを上げて行く。
しばらく行くと西広島バイパスから合流してくるのだが、
BPからの道が左から合流してくるので、タイミングをはかってエイヤッと横断する形。
時間帯によっては分離帯で待機を余儀なくされるのでちょっと危険かも。
どうも合流ポイントの直前に信号があって、
そこから線路をまたいで海際の一般道へ抜けれるようなのでそちらがおすすめかも。
ただし阿品で高架で線路をまたいでぐるっとUを切る形でR2に復帰するのでタイムロスは必至だが。
JRと広電、2本線路と平行しながら、交通量の激しい道を疾走する。
同じシチュエーションでもまだ須磨〜垂水の方が気分的にはマシかな。
そうこうしているうちに少しずつ町が開けてきて、宮島口に到着。
ちょっと集中して走ってきたので一旦休憩です。
駅の方へ移動して自販機で一服。
そうそうせっかくなんで終着駅の宮島口駅をパチリ。
対岸の宮島は真っ暗。
小さく集落の明かりだけが黒い海の高さに浮いているだけでよくわからない。


広電宮島線の終着駅・広電宮島口駅


さて気合を入れ直してリスタートです。
広島郊外と言えるのはだいたいここまでなので、
こんな時間に県境を越えて行く車は少なかろうて、交通量が減ることを祈る。
多少は交通量は減ったのだが、それでも通過する車の勢いは変わらず、
車が来たなと思うと身構える感じ。
そのうち海岸のヘリを進むルートとなり、前方の沖合に工場地帯が煌々と輝いていてキレイ。
ヤクショウ鼻の小さいトンネルを過ぎたくらいでようやく交通量が減る。
おそらく信号の加減だろうから、車が来ていないうちにダッシュ
そのうち前方に車の行列が発生し、全く動く気配がないので、
高速の入り口かないかで渋滞でも起こっているのだろうとか、
もしくは工事で対面信号でも設置されているのだろうと歩道を使って車の列をかいくぐる。
一番前方でいる大型トレーラーが全く動く気配がない。
この辺でも一番狭小な区間で、こんなでかい故障車が道をふさいでは難儀ですなあと、
歩道部分が狭すぎるので、前方の車も来るようすもないので右からまくって前へ出る。
と、やけに路面にモノが散乱し、ガラスが砕け散ったものが敷き詰められていて、
それを慎重によけつつ前進すると、やたらでかいパーツの落下物が道中をふさいでる。
これは間違いなく事故だなと気付いて前を見ると、道と直角に軽が側壁に衝突して、
正面がぺしゃんこになっている。
タイヤはシャフトからちぎれてわずかな歩道部分に乗り上げている。
しばらく様子を見ていたら、ようやく警察が到着したところで、
まだ運転手は車内に閉じ込められている様子。
なぜ直角に車が突っ込んでいるのか状況はわからないが、
それにしても損傷具合を見れば、いかに壮絶な事故かはわかる。
ひょっとして、自分の歩みが5分10分早く、事故のまさにその瞬間にここを通りがかっていたら
この歩道にゴロゴロと散っているパーツの飛来を避けきれただろうかと思うと背筋が凍る思いだ。
ここまでも広島の車が速い速いとビビっていたが、
広島の車への恐怖心はこれで決定的となってしまった。
とりあえず、ここにいても仕方がないのですぐに事故現場から離れライドを続行する。


↓玖波付近で事故に遭遇


↓壮絶なクラッシュ具合…もし10分早く現場を走ってたら巻き添えもあったかも…


とりあえず、事故現場周辺で車が立ち往生をしていてしばらくは後続の車が来ないので
その間にペースを上げてできるだけストレスレスで走る。
なにせ海と切り立った山肌に挟まれた区間なのでR2しか道がない。
大竹ICを通過すると事故の影響のない車がバンバン増えて、元の状態に。
あれだけの事故を見た直後ということもあって、ちょっと脇道に入ろうということで
小方小学校で右折をし、ようやくR2と並行する一般道へ逃げ込む。
大竹駅から道はR186と名前を変える。
しかし小瀬川の手前で残念ながら迂回路終了。
再びR2に戻り、栄橋を渡ると、いよいよ山口県突入!いよいよ!


山口県突入


右手に三井化学の馬鹿でかいコンビナートを見ながら進む。
非常灯がきらびやかでマニアとしてはたまらない。
色々写真を撮ってみるのだが、外からはあまりモノが見えないように
巧妙に木々が植わってたり工夫されていて、なかなかいいアングルがない。
かといって色々寄り道する余裕もないので、さっと撮るだけ。


↓大竹のコンビナート


岩国に近づくにつれ交通量も増え、
県が変わったからか路肩の整備具合も少し落ちて走りにくく、
できるだけ早くR2を離脱したい。
そこで岩国駅に到達する前に、新港三丁目で右折し、旧街道へ。
なかなか狭い生活道路なのだが、昔のお堀の跡かなんかに沿ってずっと途絶えることなく道は続く。
こういうケモノ道的なものを発見するとうれしかったりする。
4kmほど道を進むと西岩国の手前でR2と合流。微々たるものですが距離もショートカット。
錦見ですぐR2を離れ、駅方面へ直進。
その道も高架で錦川を渡る手前でサヨナラをして少し寄り道。
集落の目抜き通りをぼやぼや進む。
内陸部に入ってきたからかかなり寒さがはっきりしてきた。指が冷たい。マズイぞ。
しばらく進んでいくとちょうど錦帯橋の真正面に出る。
せっかくの観光名所なのだが、真夜中ではなんのこっちゃようわかりません。
橋を渡るには300円かかるみたいだが、ビンディングで傷つけちゃってもアレだし、
どうせ暗すぎてよくわからないので、写真撮影だけ。
あとは缶コーヒーを買ってとりあえず温まる。


錦帯橋は真っ暗闇


すぐにリスタートして、本来のルートである欽明路道路に戻ります。
橋を渡るところにコンビニがあり、一応安い手袋があったのでそれとホッカイロを買っておく。
手袋をすると辛かった指先があったかくて快適!
ただそれだけだとグリップが全くなく滑りまくって危ないので、
指切りグローブをした上に、指先だけ手袋を被せるような形にする。
かなり不格好だけど背に腹は代えられぬ。
川を渡り川西で欽明路道路に復帰。
少しずつですが上りが始まる。
と、ここでここの名物を思い出す。ああ、ありましたありました。
自販機〜コ〜ナ〜!(ドラ風に)


欽明路名物の自販機コーナー


休憩はさっき十分に取ったのだが、せっかく通りがかったのにそのままスルーするのも忍びない。
ちょっと寄っていくことにします。で、目につくのがフードの自販機。
昔子供のころにプールとか行くとよくありましたね。
その中でもあまりお目にかかれないうどんの自販機を発見。
お腹が空いているわけではなかったが、
これはチャレンジしなくっちゃと350円の肉うどんをポチッ。
30秒ほど待ての表示とともにウィーンウィーンとマシンが動き出す。がんばれがんばれ。
で、いきなりポンっと卵を産むように肉うどんが出来上がる。
味はまあ自販機なのでね、めちゃうまというわけにはいかないが、
麺の奥に肉たっぷりでサービス旺盛。何の肉かは怪しいケドね。
まあ面白い体験でした。


↓珍しい?懐かしい?フード自販機


↓肉うどんにトライ


さて、アトラクションでリラックスしたところで、
いよいよ今晩の最大の山場、欽明路峠越えに突入です。
すでに23時を過ぎ交通量は少ないが、
信号毎に大型車が後ろに何台かを引き連れて爆走してくるので気が抜けない。
ひさびさの本格的な上りなのでヒーヒー言いながら上る。
1つ目のトンネルはそれほど長くないので問題なし。
信号抜けたところの信号を過ぎると2つ目のトンネル。ここも短い。
一旦集落に向かって下る。GSの灯りだけが煌々と光っている。あとは周りは漆黒の闇。
集落を過ぎると再びの上り。さっきの上りより若干きつめ。
上りきると3つ目のトンネル、欽明路トンネル。これは1kmちょいの長大トンネルで、
センターをピークに両出口が下っているので向こう側が見えない。
タイミングをはかって特攻をかけるが、途中から大型車の団体さんが後ろからやってくる。
みなセンター側へ膨らむなんてことはせずに、なぜかキワキワをかすめていくので怖い!
団体をなんとかやりすごして、一刻も早くトンネルを抜けるため、
ピークを過ぎてアウターにチェンジしようとしたらギアが落ちる!
ああ、なんてとこで!
幸いにして後続車がいないときだったので助かったけど怖すぎ!
人が一人立てばいっぱいいっぱいしかない路肩に慌てて上り、手袋を脱いでチェーンを再装填。
そうこうしているうちに後続車が続々と通過していくので、
リスタートが切れずに、路肩で風圧を感じながらしばらく立ち往生。いやん!
車がいなくなったのを確認して車道に降り全速力で回してトンネルを脱出。もう半泣きです。
トンネルを抜けるとそこから一気の下りです。左手に集落の明かりがポツポツ見え、少し安堵。


↓1km強の長さの欽明路トンネル


野口からR2が合流し、そこそこの交通量に。
ここからの区間は1ケタ国道なれど一般道並みの道幅で、結構轍がある。
なかなか夜中なので路面の状況が見づらいので慎重に進む。
しばらく左手のJR線と並行しながら平坦の道を進む。夜はまだまだ長い。
この辺から一時の疲労と眠気が過ぎて、ランナーズハイのようなトランスに入る。
JRがだんだん左手の方へ離れて行くころから道は上り基調になっていく。
欽明路峠が終盤一番の上りとばかり記憶していたのだが、
ここから大峠越えの上りがやけにきつい。
集落の明かりも消え、顔をさす冷たい空気を切り裂きながら、
ホッホと自分の息遣いの音だけが響く上りをダンシングで上がっていく。
この上り、マークしてなかっただけにやたら長く感じ、難儀した。
そのあともそこそこのアップダウンの応酬が続く。
交通量は相変わらずで大型車が遠慮なく真横をかっ飛ばしていく。全然慣れない。
山陽道をくぐったくらいからようやく周辺が開けてきて、徳山の市街地も近くなる。
末武中でR2は右折をしてR188を吸収しながら幹線道路らしくなっていくのだが、
やはり少しでも交通量の多いR2は回避していく方針で、この分岐を直進、徳山の中心部へ。
岩国以来久々の海辺だが、潮風が寒い!
岩熊山のへりを少し上り、左手のJRと平行に進むようになると、
線路の奥に馬鹿でかいコンビナートのイルミネーションが見えてくる。
太平洋ベルトというけど、山陽の沿岸は本当に工場だらけだなあ。
青山町の交差点で県道347号をはずれ、旧山陽道に入る。
土地柄か路面がアスファルトではなくコンクリになりボコボコ走りづらい。
しばらく走ると立派なJR徳山駅に到着。3時くらいでしたかな?
予想以上のアップダウンの応酬、夜闇の冷え込みで心底疲れたので、
駅前のローソンで温かいコンポタスープを買って温まり休憩です。


さあどうにかこうにか山場を越えました。距離はまだ140km近く残ってはいるが、
大きな山越えは残すところは直後に控える椿峠のみ。それも標高100m。
そして防府からはしばらくR2を離れるので、車の往来に神経をすり減らすのも軽減される見込み。
あと3時間も我慢すれば朝がやってきて、寒さからも解放される。
こうやって少しずつではあるが希望が見いだせてきた。
そうすると疲弊しきった体にも力がみなぎる。
このマインドが切れてしまう前にいそいそとリスタート。
県道347号に復帰し、西進。そろそろ新聞配達のバイクやゴミ収集車が活動を始め出す。
わずかに上り基調で、高台のルートなので見晴らしがよい。
左手に線路、その奥に工場、さらに奥に漆黒の海。
しばらく進み、西の端交差点でひさしぶりにR2に復帰。
この徳山区間は15kmほどのエスケープでした。


↓徳山エスケープ路


さてR2です。ようやく交通量も少なくなってきました。道幅も2車線となり快適。
あとは椿峠までの上りをやっつけるのみ。
上り基調をえっちらおっちら進み、徳山西ICを過ぎたくらいから本格的な上りに入る。
なかなかの斜度でペースが上がらない。
上りの途中から路肩を工事中のようで、1車線がつぶれている。
それもコーンや電飾で道がしきられているため車道を諦め歩道へ。
歩道は一部いきなり未舗装になって焦る。
残りダンシングでしのいで椿峠に到達です。


↓椿峠


ここから一気に海まで下っていくのだが、
あいにく大型車がバンバンフルスピードでかすめて行くので怖い。
風圧でマシンが暴れるし、カーブごとに遠慮なく車がはみ出してくるので
路肩の際へ逃げるのだが暗くて路肩がどうなっているのかわからずヒヤヒヤ。
なので、ちらちら後ろを確認しながら、車が来ていない間は道のセンターをとって疾走し
ライトが見えたら減速をして路肩を低速走行とメリハリをつけて下る。
ようやく富海の信号まで下りきって、再びR2とさようなら。
エスケープ路に入ります。
集中が切れて集落の田舎道をトボトボと進みます。そのうちJR線を越えるのだが、
手持ちのMAPで確認したら位置関係がおかしい。あってる?間違ってる?
すると再びJRとぶつかり本来のルートの県道58号への標識を発見。
どうやら本当はもう少し先のバイパスの入り口手前で曲がるべきところを、
下りの恐怖で富海で曲がってしまったようです。
で、その代償は…目の前に壁のような激坂がずんっとそびえております。
距離にしたら300m程度ですが、仁川の激坂の一番きついところ並みの激坂です。
しかしいちいちR2までバックするわけにもいかないし、この道以外に防府へ抜ける道はない。
気合を入れ、少し助走をかましてダンシングで駆け上がる。
途中、あまりの激坂ぶりに失速するが、足つきは免れ、
ヒーコラいいながらなんとか上がりきる。こんな坂聞いてないっすよ。
トンネルを2つ越えると、徐々に街が開けてくる。防府に突入です。
が、市街地には入らず、沖今宿3丁目で左折し、三田尻港方面へ。
工場地帯をズンズン進み、港大橋を渡って、県道58号をひた走る。
海際ということもあって、朝の冷え込みがかなり厳しい。
トイレが近くなって横入川のセブイレで休憩をはさむ。


防府の工場夜景


リスタート後、そのまま県道58号を進む。工場地帯なので人気もなく寂しい感じ。
中関トンネルをくぐると田島山のへりを少しだけのぼり、マツダの工場を左手に見ながら北上。
どんつきで左折して大田園地帯を走る。
ほんの少しずつではあるが東の空が紫色に色づきだした。朝だ。朝がやってくる!
何もない平地にどんと構えている新防府大橋を渡る。
確実に朝が東からやってくるのを橋の上から眺める。
鳥の鳴き声が時折響く以外に音はなく、静かに朝が始まっていく。
ああ、随分遠くまで来たものだと、しみじみ思えば泣けてくる。
これまでの苦しかったことや、寒さに凍えたことなど全てが報われる瞬間。
この朝焼けの美しさを堪能できるというのはナイトランをする者だけに与えられた特権。


↓新防府大橋で朝を迎える


橋を渡り直進していると、向こうからローディーがやってきてご挨拶。
そろそろ朝練の時間なのだろう。
ドンツキの大道南で左折し、県道25号に入る。少しして山口市に突入。
交通量はほぼ皆無。東側の大海湾が開けているので、
少しずつ進行する朝の具合を見ながら進む。
次の信号で右折し、すぐにある道の駅あいおでトイレ休憩。
日の出をある場所で迎えたかったので大急ぎでリスタート。
わずかに緩い上りが続いて大海峠を越え、反対側の田園地帯へ。
大分空が明るくなってきた!
そのままあ県道338号を直進して、周防大橋に到達。
ぐいっと上って、ちょうどピークのところで日の出!なんとか間に合った!
ちょうど橋のセンターから太陽が昇りとても感動的。
まわりでバードウォッチングをしていた人たちも息をのみながら太陽が上がるのを見詰めていた。


↓道の駅あいお


↓周防大


↓待ちに待った日の出〜


時刻は6:00。当初のプランよりも2.5時間も遅れております。それももう気にしない。
そろそろ宇部も近いのであっちょに連絡を入れておく。
距離にしてあと30km程度なので、7:30に宇部駅待ち合わせで。
すぐにリスタートして、橋を渡りきり、県道212号にぶち当たって左折。
道の駅きららあじすのところで右折をして西に転じる。
上り基調となり、R190、山口宇部道路をまたぐ。
そこからゴルフ場群の間を抜けて行くのだが、ここがまた鈍い上りが続く…しんど。
善和でR490と交差。それもスルーしてこのまま県道219号で進む。
しかしこれが大誤算!善和の交差点を越えてすぐにいきなり激坂登場。
思いっきりテンション下がりつつも気合で乗り越える。
これでピークかと思いきや、ここからジェットコースターのようなアップダウンの応酬でKO。
全くノーマークの山岳ルートでヘロヘロ。
ようやく持世寺温泉でががっと下り厚東川を渡って県道215号に入る。
本来であればここを右折してすぐにR2に合流するのがエスケープ路としては望ましいです。
この区間は約45kmのエスケープでした。


防府宇部エスケープ路


さて、正直そろそろガス欠です。手持ちの補給品はつきているし、
待ち合わせの時間に間に合わせるため休憩している場合ではない。
県道215号を南下しながら、飯のことばかり考える。力が入らなくてヘロヘロ。
7時前だというのに、交通量は多く、
道幅が狭いのに波打つような轍が全線にわたって続いているので非常に走りづらい。
もうちょっとだけ我慢我慢と言い聞かせて、どうにか7:15に宇部駅に到着。
ああ疲れた〜。
さすがに駅前には何か食べるとこ(マクドや吉牛)かコンビニがあるだろうと思ってたのに
マジでなにもなく激しく落胆。
駅の構内に入ると売店と立ち食いそば屋を発見し一安心。
あっちょにTELを入れ、しばしベンチで失神していると10分ほどであっちょ登場。
いやいやお盆以来の再開です。しっかし遠いところに越したなあ。
そのままあっちょを連れだってそば屋で朝飯。
なんか麺がゴン太なんですが、こっちのそばはこんな感じなのかな?
とりあえず腹を満たし、温まったので復活。


宇部駅にて戦友と久々の再会


↓駅のそば屋で朝飯


で、あっちょがちょっと家寄っていけやというので、お邪魔することに。
あっちょが車できているのでそのエスコートにあわせてなぜか40kmオーバーで追走。
鬼か!
10分ほどで自宅に到着。
奥さんと2人の子供は朝御飯中でした。下の子ははじめましてです。
あっちょによると下の子は人見知りでなかなかなつかないらしいのだが、
積極的に色々お話しながらじゃれてきました。
そんなこんなで1時間半ほどお邪魔。
シャワーでも浴びて行くかと言われたが、
あまり長居すると眠気が襲ってくるしリスタートできなくなるので、そろそろおいとまします。
なんだかんだ宇部の滞在は30分程度と思っていたが、2時間以上留まってしまいました。
元々の遅れ分も含めて6時間近く予定がずれてしまい、
この時点でもう最終目的地である博多行きは断たれてしまいました。マダムすまぬ。
マダムとの約束が果たせずにかなり悔しい思いでいっぱいだが、
しかしゴール地点が小倉になったことに安堵したのも事実。


さあリスタート、あっちょとも別れと思ったら、
あっちょが下関くらいまでならお供するわと、愛車を引っ張り出してくる。
愛車と言ってもエンジン付きです。
おおう、こんな馬力のある奴に果たしてついていけるんかいな。
でもまあ面白いので2人で出発する。
流川からR190に入る。あっちょは交通量を見ながら路肩をユルユル走ったり、
ある程度のところまで先行して待機といった感じで調整してくれる。
しかしそれもバイク乗りにとってはストレスがたまるだろうかと、
こちらも気合を入れてガチペースで35kmオーバー。
多少休憩もし飯も食べた後なのでなんとか気合で回すが、しんど〜。
9時を回ると町も起きだして交通量は多い。土地柄ダンプやトラックもバンバン。
小野田を過ぎたところで、2人組のローディーがいて、
ここは勝負と45kmまで上げて挨拶してパス。
そこで勢いづいたペースをキープして、津布田の上りをエイヤッとやっつける。
途中で若干だけエスケープ路に入ってちょっと休憩。
おお!海の向こうにうっすらと関門橋が見える!来たぞ!ついに来た!
興奮を抑えきれず、ダラダラと走行してしゃべりながら進む。
エスケープ路もすぐに終了し、R190に復帰。右からすぐにR2が合流してくるが、
ここから小月バイパスが控えているので、R2には入らず、
工領で一般道に入り、小月市街地方面へ。
R2のバイパスをくぐって県道33号を進む。
日差しの暑さを感じながらほぼ40km近くで走ってきたので喉がカラカラ。
ボトルの水がなくなったので豊厚橋のたもとでドリンク休憩。
最後の最後に来て一気に強度が上がって大変です。
でも博多まで行けない悔しさを、余力を全部つぎ込むことで埋め合わせするつもり。


↓黒船長ことあっちょが相棒と参戦。相手はエンジン付き!


すぐにリスタートして、ここからようやくあっちょが風よけをしながら曳いてくれる。
木屋川を渡り、小島の交差点を過ぎるとR491と合流。一気に交通量が増す。
35km前後で慎重に進む。若干アップダウンがあり、ここで交通の流れに沿って別行動。
才川でR2と合流するところで車は大渋滞を起こしており、
あっちょを置いて自分は路肩を縫って先行する。
まあ結局勝てっこないのだが、できるだけあっちょから逃げてやろうとアホなことを思いつき、
R2は長府内は3車線で幅広なのでロングスプリント開始。
ちょっと路面がガタガタでマシンの挙動がはねまくるのだが、
40kmキープしながら逃げを打つ。長府駅を過ぎ、印内でR2と別れてR9になるところまで来ても
まだあっちょはやってくる気配なし。
これはひょっとして関門橋の下まで逃げが成立するか?と非現実的な期待をしながら
残りカスを全部燃やしてひたすらゴリゴリ押して回して駆け抜ける。
が、間もなく高校の横らへんであえなく捕まり逃げ失敗。そらそうだ。
下関マリンホテルを過ぎると、道は海岸沿いになる。残り関門橋まで5km足らず。
乗りかかった船で、この区間も全速力でダッシュ
さっき小野田でパスした2人組が前方にいたので(おそらくどっかエスケープ中に抜かれた?)、
再び挨拶をして瞬時にパス。
他にもサイクリング中の人たちをオールパスしながら、とにかくヤケで40kmキープ。
そしてあっちゅう間にみもすそ川に到着!
やった〜関門橋まで来たぞ〜!来たったぞ!
夏に出張でここを訪れた時はまさか数ヵ月後にチャリンコでここまで来るとは思いもしなかった。
しかし人間やればできるもんです。


関門橋


関門海峡に到着!


色々撮影をしてリスタート。下関は出張時に十分堪能したので今回はスルー。
門司にわたります。あっちょも乗りかかった船やからお供するわということでご一緒する。
が、人道トンネルは当然バイク不可なので、門司で落ち合うことにして別行動。
さっそくラスボスの関門トンネル人道に入る。通行料30円。
エレベーターで地下まで下って、そこから1kmの押し歩きです。
もちろん県境では決まりのショットを撮る。
これで九州上陸です!九州です!まさかの九州!チャリンコで九州まで来た!
我ながら非現実的!


関門トンネル人道


↓お決まりの国境またぎ


あまりグズグズしてあっちょを待たせてもいけないので、
すぐに対岸へ渡り、上に出たら和布刈公園を横目に県道251号を進む。
合流前にやることはやっておこうと、R2方面へ出て、
老松公園前でR2の終点をパチリ。
始点の梅田新道から実に537kmの道のりです。
自分のメーター上では552kmを指しており、
エスケープの結果15kmほど遠回りをしたことになります。
でも色々迂回した割にはこの程度でオーバー分をまとめたのはかなり優秀ではないでしょうか。
あとは日本で3番目に短い国道であるR198を走破。その距離わずか400m。
人生いろいろ、国道もいろいろ。
色々やることやって、門司港駅あっちょと落ち合う。
門司港駅は9月末から6年間にも及ぶ本格的な改修工事がスタートしているのだが
まだ壁面全体を防護ネットで覆う前で、その姿を見ることができた。
(完全に覆われるのは12月頃らしい)


関門トンネルの本線の門司側入り口


↓老松公園前でR2終点。梅田新道から実に537km!


↓日本で3番目に短い国道R198走破!


門司港レトロ地区にて


さあ、宇部から50km近く全速力で来たので腹ペコ。
せっかくなら門司名物をと言うことでもちろん焼きカレーです。
エリアのいたる所に焼きカレーを出す店がありますが
ここは迷うことなく「こがねむし」へ。
ここはお母さんが気さくで楽しいお店です。
ちょうど店に到着したらお店があき、並ぶことなく席に着くことができました。
が、そのあとは次々とお客さんがやってきてあっという間に行列。
観光エリアからも駅からも結構離れていてわかりにくいのにさすがの人気です。
注文はもちろん焼きカレー。あと腹がかなり減っているので、
もう1つの名物であるハヤシライスも食べようとカツハヤシも注文します。
しばらくしてアツアツの焼きカレーが登場。
中にトロトロの玉子が隠れていてそれを崩しながら食べるのだがウマ〜ウマ〜。
上にトッピングされているオニオンフライのサクサク感もなかなかの演出。うまし。
お次はカツハヤシ。こちらはうちのオカンが作ったハヤシの味とものすごく似てて懐かしかった。
どちらもあっというまにペロリと平らげる。ごちそうさま!


↓こがねむし


門司港名物焼きカレー


↓もう1つの門司名物、ハヤシライス


さあ、腹ごしらえをすまし、自分はさらに12km先の小倉を目指します。
ここであっちょとはお別れです。
50km近くお供サンキュー。がっつり削られましたわ〜。
また年末年始に会いませう。とその前に、宇部の出張が決まったのでその時にでも。
さて店から門司港駅まで戻り、そこから海岸沿いにR199を走る。
ちょっと休んだのと、九州まできたという興奮もあってテンションが上がり、
これはひょっとしてかっ飛ばして博多まで行けんぢゃねと思って、
ためしにペースを上げてみるが、まるで駄目。
一度気を抜いてしまったらやっぱり駄目です。
自分でもびっくりするくらいに足に力が入らない。
そして湧き上がる筋肉痛に悶絶。あと10kmそこいらの小倉すら果てしない…
マジでこれ自分の脚?
それでも小倉まで行かねば新幹線に乗れないし、気張って漕ぐ。
昨夜あれだけ冷えたのに今ではもうウダるような暑さで干上がりそう。
ゲーゲーいいながらもどうにかこうにか小倉に到着!
もうこの時点で1時。時間をかければあと80km先の博多も不可能ではないが、
そこまで行ってしまうと夕方の新幹線で帰宅が深夜になってしまう。
翌日は普通に仕事だし、そちらに影響が出ては困る。
せめて夕方には家について回復に努めねばならないので、やはりあきらめるしかない。
というのはもはや言い訳にすぎない。
というか、やめる言い訳をむしろ探している自分がいる。
もう完全に気持ちが切れて戦意喪失です。もう勘弁してください!
すまんマダム!福岡遠すぎよ!


↓小倉のコンビナート


さあ、最終の地小倉でもなにか1つご当地ネタがほしい。
あまりうろちょろする余力も残り時間もないのだが、
駅前のおあつらえ向きものを思い出し、小倉城口へ。
商店街の入り口にできている人だかりが目的地シロヤベーカリーです。
岡山でキムラヤ、尾道でパン屋航路、そして小倉でシロヤと、
珍しくパンライドになってしまいました。
さて小倉と言えばシロヤです。なんといってもこの価格を見よ!
名物のオムレットに至っては驚愕の35円!
さっきたらふく食べた直後なのだが新幹線で食べる分だけ購入します。
どれも味は最高!こんなん家の近くにあったら毎日お世話になってしまうわ。


↓シロヤベーカリー


↓見よ!この驚異のCP!


↓名物のオムレットは、ななな、なんと35円!


↓左からカレーパン(120円)、黒ゴマフランス(70円)、オムレット(35円)


さあ、あとはもう帰るだけ。ミドリの窓口へ駈け込み、輪行復路を安心しておくため
進行方向から一番後ろの座席を指定して購入。
なんか連休最終日で増発便を出しているのだがどの便も満席らしいのだが奇跡的にゲット。
あとは資金の残りを全投入して奥さんと娘にお土産をどっさり買って帰る。
新幹線に入り、缶ビールでささやかに祝杯をあげ、パンを食ったら自然と落ちた。
気付いたら新神戸。危ねー。
それにしても2昼夜かけて走ってきた道のりをあっという間に駆け抜けてしまう新幹線はやっぱ速いわあ。
新大阪で思い輪行をかついで東口で組み立て。家までの5kmがやたら重いのなんの。
19時台には帰宅し、ひさしぶりに家族の顔を見て安心。風呂入ってバタンQ〜。


ということで当初の博多から小倉に短縮となりましたが、無事に九州上陸という目的は果たせました。
いくらロングに慣れている、ナイトランもへっちゃらとはいえ、
やはりこれだけの距離を走るのは一筋縄ではいかなかったが、とても貴重なライドでした。
今回は計画段階から自分の実力不足でタイム重視のランはできないことは分かっていたので
可能な限りR2を回避し、エスケープできるかというのをテーマの1つとして走りましたが
結果として結構な区間でR2を回避できました。
海と山の間の狭い区間が大半を占める中、
これだけR2を回避して大阪〜門司間を走行したというのは、ある意味記録かも?


実際に走るのも長丁場だが、書く方もずいぶんなロングランになってしまった。
ご清聴ありがとうございました。
以上、完結!


ああ、疲れた!