記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

アワ2 1周目

キャノボの記事はゆっくり書きたいので後回しにします。まずはアワ2から。


先週はしおアニキからの挑戦状を実践すべく東京⇒大阪をどうにか達成した。
そのツケで体力はボロボロで、この寒さのせいで回復もままならない。
しかし、アニキからの指令は、「キャノボ+アワ3」。
ちょうどこの週末にチームライドでアワ1。
となれば、前ノリして、アワ2はできるはず。
3はさすがに無理だが、年の初めにアワ1をしているので、
合計で3というつじつま合わせで納得してもらうとして、アワ2を密かに計画する。


決戦当日の土曜日。
朝からなかなかの過密スケジュール。
朝はいつものように娘の音楽教室へ。
昼に奥さんと合流し、娘の保育園の作品展へ出かける。
娘も絵がだいぶ上手になった。紙コップなどで作ったうさぎさんなどもかわいく。
各クラスごと、色々なテーマで飾り付けや作品展示がされているが
どれもものすごく楽しくできていて、これを指導していただいている先生方には頭が下がる。
夕方からは、娘のクラスメイトの女の子が引っ越しで今日が最後なので、
お別れ会に参加する。娘の大の仲良しだったので残念ですなあ。
女の子の家にはたくさんの子供たちが集まっていて、そこで一緒に遊んだり、
保護者の人たちと談笑したり。
で、中座して家に帰ってきたのが出発の1.5h前。
とにかく今夜は寝れないので1hだけでも寝る。
で、起きてシャワーを浴びて出動が19:20。
寝れなかったのがかなり痛い。


夜中の海岸沿いは相当寒いことが予想されるし、
2周目の後半は雨に降られる可能性もあるので、
先週と同じくペラペラのウィンブレではなくモンベルの山用のレインウェアで。
収納時にかさばるし、装着時はフードがばたつくのだが、防寒には変えられない。
下もタイツ・ロングレーパン+コロンビアの2wayの三枚履きで。
最後の最後まで、前輪を軽量イーストンにチェンジしようか迷う。
相当風が強いので煽られるのは必至だし、
2周目、ただでさえ体力的なハンデを背負うのに、
他の人よりダントツに重いスペックというのは辛すぎるなあと考えたのだが、
結局、今年最後の超ロングはやはり正装だろと、やせ我慢でコスカボのまま。
これが全く裏目で、地獄を見ました。チェンジしてたらまだマシだったと思う。


さて、いつものように淀川左岸をR2まで。この時点で結構なアゲインストの風。
風が強い分、空はびっくりするほど澄んでいて、雨の心配は全くない。
ただ、相当に冷え込むのは覚悟しなければ…
予定しているジェノバラインは22:40発なのだが、
少し早く出たので21:40に乗れるかもしれないので、頑張ってみることにする。
後で知ったのだが、ちょうど同時刻に舞洲グルグルに飽きたぱしゃ君も
明石まで行ってたみたいで、連絡とって一緒に行けばよかった。
それはさておき、R2に入り西に進路をとる。向かい風がきついぞ。
芦屋を越えたあたりから、風がとんでもなく暴れ始める。
アゲインストかと思いきや、いきなり海側から突風が来たと思ったら、
今度は山側から吹き返しの強烈な風。暴れまくる風に前輪が思いっきり煽られまくれ、
とにかく落車しないようにバランスを保つのに必死。
3度ほど、もうこれはアカン、落車やと観念するくらいに煽られたが、
サガンばりの粘りでどうにか転倒することなく、マシンを制御する。本当に危なかった。
この時点で前輪だけでもチェンジしてこなかったことを激しく後悔するも時すでに遅し。
そんなこともあって神戸まではどこから襲ってくるともわからない暴風に怯えてペース出ず。
21時にメリケンパークを通過。
残り25kmを40分ほどで駆け抜ければ1本前に乗れる!
その分仮眠が多く取れる!とはっぱをかけ、休憩を取らずに進む。
ペースを一気に35kmオーバーまで上げて神戸以西は進む。
須磨〜垂水区間は相当の向かい風ながら辛抱強くTTモード継続。
歩道工事はほぼ終わっていて車線規制もなくてよかった。
そこからも必死のパッチで回して、明石港に駆け込むが、
ちょうど目の前で船が桟橋を離れていく…ああ、がんばったのに…
必死で回してきた疲労もあって、その場でしばらくへたり込む。
まあ、まだ予定から遅れたわけではない。
気を取り直して、まずは飯だ!
せっかくなら明石焼き食べたいなあと魚の棚辺りをぐるぐるしていたが、
どの店もすでに閉店。しかたなく港の前で明石焼と出ているあやしい飲み屋に入る。
ちょうど入れ違いで出て行ったカップルのお勘定をママが間違えてたみたいで、
それを常連客と思わしき人に絡んで大騒ぎしてたところに入ってしまう。
ん〜、ゆっくりしたいなあ。
で、とりあえず玉子焼(600円)、それだけでは足りなそうなので豚キムチとご飯を注文。
あまり期待はしてなかったのだが、玉子焼はダシにくぐらすと中身が溶けてしまうほど
トロトロに仕上がっていて意外とおいしかった。


↓明石の玉子焼(600円)


で、船の出発10分前に乗り場に直行する。
いつもながら係のおっちゃんは無愛想だ。
ラス2本前だからか通勤客らしい人たちで船内は結構な混雑具合。
今からチャリで島に渡るのは自分だけでした。
とにもかくにも少しでも仮眠。10分程度ですがとにかく目をつむる。
あっという間に岩屋港に到着。
他の人たちは迎えの車やタクシーへと流れて行く。
残された自分はいそいそとナイトライドに向けての準備。
潮風に早くも冷えたのかお腹が痛いのでトイレにお籠り。


明石港


23時を少し過ぎたところでいよいよ1周目スタート。
1周目は反時計回りで回ることにします。
というのは、まず2周目は仲間と走れて気がまぎれるとはいえ、
同じコースは飽きるということ。
それから、どうせなら終盤夜が明けるのを西海岸ではなく東海岸で朝日を見ながら走りたい。
それに、時計回りだといきなり序盤、
真夜中に最大の難所である水仙峡へ突撃せねばならなくなるが、
反時計回りだと早朝4,5時あたりになって、少しは明るいのを期待できるかもしれないし、
それがだめでもその時点までに暗闇に慣れているはずなので。
走り始めてすぐ、ライトアップされた明石海峡大橋が見えてくる。
かなり空気が澄んでいるのか、キラキラと美しいシルエットである。


↓夜中の淡路海峡大橋


大橋の下をくぐり、島の北端をぐるっと回って、
西海岸に出るとすぐに漆黒の闇である。
ところどころある外灯と対岸の加古川の工場地帯の明かり、
それから海上に停泊している漁船の漁火だけが光っている、そんな感じ。
風は意外にも追い風で楽々35kmオーバーで回し続ける。
いつも時計回りで気付かなかったが、ここはちょっと下り基調なのだな。
最初はレインウェアを着ていたのだが、ずっとノンストップで回し続けだったので
中が蒸されて暑い暑い。ので、海若の宿のところで少し明るかったので停車し脱ぐ。
いつもこの区間では集落ごとに県道31号をはずれて集落内のショートカットを利用するのだが
反対向きは初だったのと、暗くてわかりづらいので、県道をトレースして進む。
北淡ICのところのローソンで、やんちゃそうな車が数台停まっていて、
やだなあと思ってたら、後でバリバリに爆音を鳴らしながら抜き去られて肝を冷やす。
室津、一宮と順調に南下し、明神崎・五斗崎のところでわずかに上る。
この辺まで来ると本土の明かりも届かず、いっそう暗い。
初めから補給ポイントと定めていたおなじみの都志のファミマ到着が0:15。
暑いので炭酸が飲みたくて冷たいドリンクに手を出す。
それですっかり冷え、再びトイレにお籠り。
0:30にリスタートする。
ここから若干ながら小高い丘越えが発生するので、
最初から上着は脱いだままダンシングで体を再加熱する。
長い鈍い上りをこなし、いよいよ南あわじ市へと下っていく。
夜というのもあって全然写真を撮ってなかったので、慶野松原で一枚撮っておく。


↓慶野松原


そこから少し進んで湊の分岐に到達したのが1:00。
もしペース的に遅くて、集合時間に間に合わなければここで南の山岳部を諦め、
ショートカットで福良に出ようと思っていたが、現状予定よりも1.5h早く来れているので
問題なしと判断して、県道25号、阿那賀方面へと右折する。
湊の集落を過ぎると、暗さは一層に増す。
少し海岸線を走ったら、津井の集落まで軽く上らされる。
一旦海岸線を離れ小高い集落を抜けると、そこからは全く民家のない海岸線の際の道。
澄みきった星空に、ポツポツと灯る漁火。どこまでが夜空でどこまでが海かわからないほど暗い。
でも、怖いどころかとても美しい。
まるで自分が夜に溶け込んでいるような感覚で、心が洗われる。
3,4kmほど真っ暗闇を楽しんだのち、丸山の漁村に入る。
遠くに鳴門大橋、そのさらに奥に四国の沿岸沿いの明かりがチラチラと見える。
平坦道をしばらく進み、阿那賀の集落に抜けるのにひと上り。
大橋がもう目の前に見えているのですぐじゃんと思うのだが、
ここから道は素直に大橋を目指さず、一旦陸地に入って、プチ山岳地帯へと突入する。


↓阿那賀の分岐


阿那賀の分岐点で右折をし、県道25号を引き続きトレースする。
曲がるとすぐに上りは発生する。
この辺りは瀬戸内国立公園に指定されていて自然が残っているが、
まさか鹿や猿はいないだろうと思ってたのだが、やけに左右の茂みが騒がしいぞ…
ここから大鳴門記念館との分岐までの約3kmは
ジェットコースターのようにアップダウンを繰り返しながら確実に上っていく。
なかなかに急な斜度のところもあるが、暖をとるにはちょうどよい。
えっほえっほと上っていると、対向からけたたましい音を上げて車が来るのがわかったので
路肩のギリギリに避難しながら上っていたのに、
センターラインをわざとはみ出してちょっかいかけてきやがる。ガキはおうちで寝てろよ。
ホテル群のところで一旦下りがあり、そこからの上り返しの区間がなかなかの急坂。
南淡路ICの入り口を通過し、そのまま淡路鳴門道をまたぐ。
上りはそこからまだ少しあって、残りもやっつける。
そこから急な下りを慎重に行く。
何しろ、手持ちのライトしか明かりがなくなかなかの暗さで見通しが悪い。
道の駅うずしおへ向かう道との分岐までやってくるが、
こんな時間に行っても何もないし何も撮れないのでスルーして、福良を目指す。


↓南淡路ICは何事もなし


↓道の駅うずしおの分岐。こんな夜中に行ってもしゃーないのでスルー


そこからクネクネと下ったら、再び鈍い上り返し。
ホテルをぐるっと回り込みながら、福良湾内へ。
途中で県道25号をはずれて、海岸沿いの道へと下る。
港町特有のガタガタとしたコンクリ道をパンクしないように気をつけながら進む。
で、福良に到着が2時。予定より2時間早く到着でいい感じ。
てっきり港の待合所は開放されていると思ったらしっかり施錠されていて、
風に当たらずに休めるところがない。ここで軽く仮眠を取りたかったのだが…。
仕方がないので船着き場の向かいのローソンへ行き、トイレに籠る。
ここから洲本までの45kmは、全く補給ポイントのない区間なので、
どん兵衛とおにぎりでしっかりと腹にためておく。
風が吹きすさぶ外で地べたに座っているのでどんどん冷える。
休憩中も体力が奪われる感じ。ああ、寒い…


とりあえず折り返し地点まで来ました。自走分も含めてここまで約130km。
島の南側に位置する福良まで来てしまった以上、反対側の岩屋まで帰らねばならぬ。
予定を大幅に上回るペースで時間は稼いでいるので、
待ち合わせの時間には間に合うだろうが、
2周目に入る前にできるだけ仮眠する時間を稼いでおきたい。
それに行きは追い風もあってペースを維持できたが、
その裏返しで北進はかなり難儀なことになることが予想されるので油断ならない。
それにこの後は最難関の水仙峡が控えている。
このペースのままで行くと、まだ夜が全く明けていない暗闇の中を突っ切ることになりそう。
しかも夜中よりも早朝の方が冷えるので、苦戦を強いられそうだ…


30分くらいは休憩したかったが、寒すぎて早めに切り上げリスタート。
段々と寒さがエスカレートしている感じがする。
公民館前の信号を右折し引き続き県道25号で灘方面へ。
しばらく沿岸を走ると、前方に黒い山の塊が見え、上りが始まる。
暖をとるためクルクル回しながら急坂を上っていく。
2度急なヘアピンをやっつけると、右手に福良の港が一望できる。でも光量が足らない。
えっちらおっちらピークを過ぎ、ホテルニューアワジとの分岐を左手に進み、
阿万の集落の方へ下っていく。
急斜面の連続ヘアピンがあるのでオーバーランしないように慎重に下りきり、
外灯の全くない田園地帯の直線道を鼻歌を歌いながら進む。
今日は、前日番組を見たせいか、ユーミンの「ひこうき雲」がずっとリフレインしている。
若くして亡くなった人を歌った曲なので、ナイトライドには不向きなのだが、
何度別の曲に変えても、今日はこの曲がずっと頭の中でかかっている。
と、県道76号に合流する信号の手前の小さな山から、いきなり2頭のシカがアタッキン!
道を横断していったのでちょっとビビる。
信号を右折し、引き続き灘を目指す。
微妙な上り基調の道を進む。
この辺はトラクターが落としていった土の団子がたくさんあり、それを避けつつ進む。
右手には何やら色っぽい色の電飾が照らされたビニールハウスを横目に進む。
単なる畑なんだけど、ちょっと不気味。
その畑も過ぎてしばらくするとピークに到達。
そこから急な激坂を慎重に海岸線まで下っていく。強烈な向かい風で押し戻されそう。


どうにか土生港まで下りきり、そこから15kmほど海岸沿いを行く水仙峡ラインに入ると、
そこはもう風の巣。
比較的穏やかだった西海岸に比べ、
紀伊水道を南から上がってくる強烈な風をまともに受ける東海岸は、
まるで台風並みの荒れ模様。正直悲鳴を上げるほどの強烈な風。
その風を海側右手から直接浴び続ける。
ホイールが煽られ、それを腕力で必死に押さえつけ、とにもかくにも前進するしかない。
遠く対岸には和歌山の明かりが見えるが、
この水仙峡ラインには民家の明かりもなければ外灯一つもない。
強烈な風と寒さ、そしてまとわりつくような暗さで、孤独感が全身をつつみこむ。
風の勢いに負けそうになりながらも、集中を切らさずにひたすらペダルを漕ぐ。
時期的には難易度が上がることは覚悟の上ではあったが、
勝手知ったる淡路島が、まるで人畜未踏の地であるかのように、
これほどまで過酷で険しい表情を見せるとは…
それでももう引き返すことはできない。ひたすら前を向いて進むのみだ。
そこで自分を鼓舞するため、レ・ミゼラブルの17番、民衆の歌を張り気味に歌いながら進む。
足元は暗くてよくわからないのだが、この辺はアスファルトではなくコンクリで
所々クラックがひどいので乗り心地が悪い。
その上、前方でいろんなのが一斉にあっちへこっちへと避難する影がうごめいていて怖い。
お互い怖いのも、痛いのも嫌だろ!と叫びながら注意喚起して進む。
一度道のど真ん中でぼおっと丸まってる狸にぶつかりかけて慌ててハンドルを切ったり、
親子であろう鹿がガサゴソと山の斜面を駆け上がるのを見たり、
こんな辺鄙な場所の夜中も色々と騒がしい。
今は、衝突をして落車、メカトラブル発生が一番恐ろしいので
とにかく安全第一でじっくりと進む。
それはともかく、風はやむことを知らず、容赦なく襲いかかる。
耳と鼻が痛すぎてどうにかなりそうだ。
空模様を見ると、対岸の和歌山方面上空はどす黒い雲が低く垂れこめているのだが、
友ヶ島水道を隔ててこちら側の上空はすっきりと澄み渡り星々が煌めいている。
どうやらこの海の真上が天気の境界になっているようで、
だからこそ尋常じゃない風が発生しているのだろう。
これで雨まで降ってきたらもう終わりだろうが、それは心配なさそうだった。
進行方向を見ると、島の舳先は意外と近くに見えるのだが、
漕げども漕げども風景が変わらず、一体いつになったらあそこにたどり着けるのかと
正直、絶望すら感じる。
それでも辛抱強くペダルを回し続け、モンキーセンターに到着。


↓モンキーセンター


現在の時刻は4:00。
朝はまだやってくる気配すらない。
ここから山深い水仙峡を抜けなければならない。その区間距離約11km。
できれば、少しでも明るくなるのを待って通過したいが、
こんな風の通り道で、吹きっさらしのまま待機など寒すぎてできっこない。
そんなことをすればまさに遭難しかねない。
この区間さえ過ぎれば、洲本市街地まではすぐ。そこまではとりあえず行こう。
行くしかない。
カチンコチンに冷え切ったボトルの水を少しだけ口に含んだらすぐにリスタートする。
ここからは3kmほどクネクネと急坂の上りがあるが、もはやレインウェアを脱げない。
長かった長過ぎた海岸線が終わると同時に、上りがスタートする。
くねくねと細かいターンでヘアピンカーブが続くところを、クルクル回しながら上る。
すぐに暑くなるが、顔は寒く、冷やアツ状態でもうどうしてよいやらわからない。
風は内陸に入ってきたからかとたんに穏やかになる。
暗すぎてどの辺やら全く把握できないのだが、
とにかくクネクネといくつものカーブやヘアピンを何度もやっつける。
そのうち左手に車の待避所と、石垣のようなものが見え、そこがピーク。
休んで体を冷やす前にそのまま下りに突入する。
問題はこの下りだ。
上りはまだ体を動かすので暖まるが、下りは発生する風に一気に体温を奪われる。
グローブの先がすでにどうしようもないくらい冷たい。
それから見通しが悪く、路面状況が読めない中で、
マシンをコントロールして正しく下らないといけないので、上り以上に神経を使う。
そしていつどこからやってくるともわからないアニマルさんたちの襲来にも構えておかないと、
下りで落車したら、それもこんな場所で、いっぺんにジ・エンドだ。
びっくりするくらい真っ暗で、いくら闇に慣れているといえどもやはり恐怖心はある。
ペースを上げて、さっさと切り抜けたい。だがそんなはやる気持ちをぐっと押し殺して
丁寧に丁寧に下っていく。
案の定、カーブの出口で、何かはわからなかったが、小動物たちが道の上で群れていて
危うく衝突するところだったり、再び鹿の襲来に遭ったり…
身構えておいて正解だった。
それにしても淡路島にこれほど野生のシカがいるとは予想外だった。
そうこうしているうちに、昼間でも十分不気味なナゾパラに到達。
夜はもっとムードがあるぞい。写真撮ったら即退散して、引き続き下る。
どうにかこうにか生石公園との分岐まで命からがら生還する。
いやあ、なかなかのアドベンチャーでした。
走っている最中は必死過ぎて、全然余裕がないのだが、
こうやってブログをかきながら思い出すと、
それはそれでめちゃ面白かったなあなんて思うのは変態でしょうか。いやん。


↓恐怖の水仙峡脱出


さて、最大にして最強の難所はどうにか越えました。
あとは50kmほどの道をひたすらに北進あるのみ。
だが、水仙峡の区間での体力的な疲労やマインドの消耗はハンパなかった。
一休みをしたいが、キリのよい洲本まではとにかく行くしかない。
ふもとで一旦小休憩をしたらすぐにスタートする。
難所を越えた安堵感は、同時に強烈な眠気も連れてくる。
出動前に1時間、フェリーで10分しか仮眠が取れなかったため、
この時間帯になってマインドが溶けかかってきた。
しかし、ここからがまた強烈。由良の漁村はモーレツな風の地獄。
先ほどの水仙峡ラインは風が直接吹き付けていたが、
まだ一定方向からだったのでどうにかコントロールできたが、
この由良は、沖にある成ヶ島の影響か、風が2wayにも3wayにも分かれて時間差で襲ってくる。
まさにジェットストリームアタッコ!
強烈な向かい風にカウンターを必死で当てているその瞬間に、さっと逆風に切り替わったり、
横からものすごい圧力で押されて流されたり、まともにバランスを保つのが難しく、
思わずペダルから脚をはずして徐行運転しなければならないほど。
特に、由良大橋の上は最狂で、下り側であんなに恐怖するとは思いもよらなかった。
こんなペースで岩屋までとなったら、とてもじゃないがたまらないぞと半泣き状態。
とにかく洲本だ、洲本まで行こう。そこで一旦立て直しだ!
掛牛岬までの暴風区間をどうにかこうにか凌ぎ切り、
そこからホテル群へ入ると風が少し落ち着く。
あそこのファミマに今すぐにでも飛び込んで一旦休憩入れたかったが、
ここは洲本まで行くと決めてスルー。
ホテル街を抜けると、いきなり工事区間が発生し、片側通行。
おっちゃん全然仕事してなくて、片側区間に侵入したら対向車が勢いよく来てびっくりする。
そしてようやく洲本市街に到着したのが5:00。
ファミマに飛び込みトイレでしばし失神…
10分ほど籠ってのち、缶コーヒーと甘いモンブランプリンを駆け込んで補給しておく。
やはり外で休憩は厳しすぎるのですぐにリスタートする。


時間的なものか、あるいは、
島の形状的に水仙峡部分の出っ張りで南からの風がシャットアウトされるからか、
先ほどのような暴風は収まっている。
だが、相変わらず向かい風であることには変わりない。
残り岩屋まで45km。どんだけ遅くても7:30には到着できるだろう。
でもここまで全くと言っていいほど仮眠をとれていない。
港の待合所で少しでも長く仮眠ができるように最後プッシュしていくことにする。
炬口北でR28に入る。ここからはこんな時間帯でもでかいトラックなど若干交通量がある。
さっきの暴風なら煽られて転倒の恐れがあって後続の車にひかれる恐れがあって嫌だが
今はひたすらアゲインストで安定しているので、少し安心。
若干の上り基調だが、暖をとる意味でもゴリゴリ踏んでいく。
夜はまだ明ける気配すら見せない。
オノコロパークを通過し、津名市街。
生穂南で一旦R28を離れ、県道157号へ。
佐野でR28に復帰し黙々と北上を続ける。眠い。
そこから再び海岸沿いの鈍いアップダウンをこなし、
観音様の辺りまで来るとようやく東の空が白んできた。
ああ、朝だ〜。朝がこんなに嬉しいとは!
釜口で再び迂回路に入り、久留麻まで漁村の道を進む。
少しお疲れモードなのでここで一旦足休めでダラダラ。
R28に再復帰後は、エンジンを再点火してペースを上げる。
東浦を過ぎるとようやく明るくなってきたぞ!
で、朝日を撮りたいので大急ぎで道が海岸沿いになるポイントまでダッシュ
夢舞台のところで、ちょうど紀伊山地の間から、びっくりするほどきれいな朝日が顔を出す。
ああ、美しい。太陽が生まれてくる瞬間。
いつもながらこの瞬間だけは苦しいナイトランが報われる。


↓東浦で夜明け


↓美しすぎる朝焼け


しばし朝日の美しさに見とれ、写真を撮ったりして、リスタート。
残りあと4km程度。なんでもない上りのところで、安堵して油断したのかどうか、
心肺が妙な動きをして気分が悪い。
もう少しで休憩というところで一体どうしたというのか。
無事に待ち合わせの時間には間に合うので一気にペースを落とし、
ダラダラと岩屋港に到着が6:50ごろ。無事に一周目を終了。
コンディションとしては超級難易度だったが、どうにか8時間は切ることができました。
が、疲労はMAX、眠気もMAX、冷えもMAXで、もういっぱいいっぱいです。
待ち合わせの8:40まで約2時間の急速で、果たしてどのくらいまで回復できるのか。
正直、ここまで天候が荒れて暴風に悩まされるとは思いもよらなかった。
地元の人に聞くと前日は超おだやかで温かかったそうです。
このままでは2周目、チームのみんなに多大な迷惑をかけてしまう恐れが…
ただ、もう1周してしまったことは取り返せない。
とにもかくにも、待合室に飛び込み、寝る準備。
隙間風はひどいし、コンクリの室内は足元から冷えがたまっている。
ベンチも簡易のもので、直接風が当たらないだけマシだという環境ですが、
今自分ができるのは目をつむって、安静にしておくことしかない。
寒さと格闘しながら、浅い浅い眠りに入る。


↓朝の明石海峡大橋


2周目に続く…