『レ・ミゼラブル』 by T・フーバー監督
ああ無情。主よ、なぜに人はこれほどまでに悲しく孤独なのか。
主よ、生きることはなぜにかくも私に試練を与えたもうか。
しかし主よ、あなたは小さな愛をお与えくださった。ご慈悲をくださった。
これが罪深きわが身の定めなれば、この身朽ち果てるまで償いの旅を続けましょう。
聴け、魂の叫び!届け、真紅に燃ゆる熱き血のたぎりを!
見よ、無条件で美しい、愛と贖罪の壮大な物語を!
まさに圧倒的だった。オールキャスト渾身の歌声に喝采を送りたい。
オスカーに輝いたA・ハサウェイや、ヒュー・ジャックマンもちろんよかったが、
エポニーヌ役のS・バークスが特に素晴らしかった。
それにしてもラッセルがあんなに歌える役者だたったとは!
細かい部分を言えば、ストーリーの掘り下げが足らなかったり、
セットのショボさ・使いまわし感を隠すために、
常にアップ押しのカメラワークだったりするのだが、
本作は原作ではなくミュージカルの方を原作としている以上、
ただその神々しい歌声に酔いしれることさえできればよい。
全然時間が取れず、今頃になってようやく駆け込みで観賞。
これを体験するのとしないとで、ほんの些細な部分であっても
きっと自分の人生で違うことが出てくるにちがいない。
なので、大スクリーンで観ることができて本当によかった。
3時間近くの長大作だが、それほどの長さを全く感じさせないほど
全くもって素晴らしい作品だった。
小学校時代の記憶をあまり覚えていないタチなのだが、
自分の小遣いで買った最初の本は、児童文学『ああ無情』だったと思いだした。
それに感銘を受けて、母親に連れられてミュージカル『レ・ミゼラブル』も観賞したんだった。
当時のキャストは、ジャン=バルジャンが鹿賀丈史、
ジャベール警部が村井国夫、エポニーヌが島田歌穂だった。
あの有名な『民衆の歌』の魂揺さぶるメロディーは、子供ながらに衝撃的だった。
また秋に大阪で新キャストによるミュージカルがあるので行ってみよう。
↓『On My Own』
↓『民衆の歌』
Do you hear the people sing
Lost in the valley of the night
It is the music of a people
Who are climbing to the light
For the wretched of the earth
There is a flame that never dies
Even the darkest night will end
And the sun will rise.
They will live again in freedom
In the garden of the Lord
They will walk behind the plough-share
They will put away the sword
The chain will be broken
And all men will have their reward!
Will you join in our crusade?
Who will be strong and stand with me?
Somewhere beyond the barricade
Is there a world you long to see?
Do you hear the people sing
Say, do you hear the distant drums?
It is the future that they bring
When tomorrow comes!
(アンジョルラス) 戦う者の歌が聞こえるか
鼓動があのドラムと響き合えば
新たに熱い命が始まる
明日が来た時そうさ明日が
(コンブフェール) 列に入れよ我らの味方に
砦の向こうに世界がある
(クールフェラック)戦えそれが自由への道
(全員)戦う者の歌が聞こえるか
鼓動があのドラムと響き合えば
新たに熱い命が始まる
明日が来た時そうさ明日が
(フイイ)悔いはしないなたとえ倒れても (女性バックコーラス)
流す血潮が潤す祖国を
屍超えて拓け明日のフランス
(全員)戦う者の歌が聞こえるか
鼓動があのドラムと響き合えば
新たに熱い命が始まる
明日が来た時そうさ明日が