記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

Tour de チーバ君 第3区間:内房エリア(館山〜鋸南〜木更津〜千葉〜船橋〜東京)

どうにかこうにか房総半島の最南端を通過し、
中継地点と定めていた館山にたどり着きました。
時刻は21:45。
スーパー銭湯の里見の湯に到着するが、しっかりと囲われた駐輪場がなく、
外で休憩をしていたスタッフにお願いをして、
従業員用のスペースに駐輪させてもらう。
そうして、フロントでお金を払っていざ入館。
ここでゆっくりじっくり1:00くらいまで休むつもりだったが、
今年に入って燃料の高騰で営業時間が2時間ほど削られて23:30までらしい。
うむ…あんまりのんびりしている時間がないので、大急ぎで浴槽へ。
ベタベタにへばりついたウェアをはがすこの開放感よ〜。
そうして暖かな浴室へ!あああ、暖かいってス・テ・キ♪
まずは上から下まで一切合財丸洗いです。
不快感が一気に吹き飛ばされ、ぬくもりに癒されます。
洗い終わったら大浴槽へ。自分好みのちょっとぬるめの湯で深々と使って長居。
設備点検中で残念ながらジェット風呂は使えなかったので、
そのまま大浴槽で痛めている左膝を入念にマッサージしながらつかる。
ひとしきり温まったら、2Fのリクライニングルームへ。
そこで無くなりかけの携帯を充電しつつ、残り時間すべて仮眠につぎ込む!
心底疲れているのだが、余計に寝つけず、微睡の中で過ごす。
そうして23:30に館内放送が流れたので、名残惜しいが退散します。
毎度のことながら、汚れきったウェアに再び身を包むことの現実感ったらないです。


↓里見の湯


↓お決まりの一杯♪


里見の湯を出て、目の前のR410北条BPを走り出します。
全く交通量がないデカい道で、すぐに内房線をまたぐ大きな高架橋を渡ります。
体力回復にすべての時間をつぎ込んだので、補給が足りていません…
館山を出れば、次に大きな町となるのは65km先の木更津。
これから深夜・早朝の時間帯にコンビニ以外で開いている店を探すのはまず不可能。
それにこれまでの消耗が激しすぎたので、
本当は1時くらいまでじっくり休むつもりでリスケジュールしていたので、
適当な店を探します。
R128との交差点にマクドがあったが、前夜のことがあるしこれは文句なしでパス。
バイパス沿いに進んでも何かあるかもしれないが、確率が高そうな駅前方面に行くため、
左折をしてR128に入る。
しばらく進み、内房線の線路をまたいだらきれいな駅舎の館山駅に到達。


館山駅


そこから海岸沿いの道に出て、しばらく進むとココスを発見!
今日はまったくファミレス三昧で、郷土感ゼロだが、
室内でゆっくり休めるのが、今は何よりもありがたい。
マシンを置いて早速イン。
そこそこお客がいたが、マシンの見える窓側のソファに座れた。
色々メニューを見て、大好物のジャンバラヤがあったので迷わずそれ。
ケイジャンソースが大好きであります。
熱々のライスをハフハフしながら、ボチボチと食べ、
ドリンクバーでつなぎながら、途中寝落ちもあって1:20まで。


↓ココスで大好物のジャンバラヤ


しっかり食べたら、いよいよ終盤戦。
内房を北上して東京まで160km!やるっきゃない!
外は風がそこそこあり、寒いのは寒いが、まだ本格的な冷えは来ていない様子。
気温がぐっと下がる明け方までにどれだけ都心部に近づけるか。
特にこの日は成人の日。
街が起き出す前に関東の岸和田である木更津を抜けておきたい。
65km先の木更津までは、入り組んだ海岸線に沿って道は続き、トンネルエリアもある。
そこから先は市街地が続くだろうから、まずは何より安全圏の木更津!
行きます!


そのまま海岸沿いに伸びる内房なぎさラインを北上します。
左手の海沿いに沿って、街の明かりが弓なりに連なっているのがわかる。
川を背丈の低い橋でまたぎ、しばらく進むと県道302号とぶつかる交差点に到達。
標識に沿って左折し、集落の間を縫っていくと、
船形漁港のところで再び道は直角に折れるので、そのまま右折。
前方右手に小さな山が張り出しており、そのヘリを若干上っていく。
高度を上げるにつれ、左側の海が徐々に見渡せるようになってくる。
少し前に死に物狂いで走ってきた洲粼からの海岸線も遠くに見えている。
上りきって大房岬への分岐をスルーして、ピークまでもう少し上ったら、
長くゆるい下りを下っていくと、多田良交差点で、長らくお世話になるR127に突入する。


↓館山湾


↓多田良でR127に入る


R127は海岸をなぞりながら木更津まで続く道で、いくつものトンネルが待ち受ける道。
交通量次第では、内陸側の県道88号で市部までエスケープも考えていたのだが、
(あうさんの記事でおすすめされていたので)
館山市街でもこの時間はほとんど交通量がなかったのと、やっぱり、
あまりチーバ君をスリムになぞるのもどうだろうと思ったのでこちらに来てみたが、
予想通り、ほとんど交通量はなく、ほとんど貸切状態だった。
富浦の集落を抜けると、すぐに細かいトンネルが連続する。
一応歩行者用の横穴が併設されているところもあったが、問題なく車道でクリア。
しばらく進むと徐々に山深くなってきて民家もなくなっていく。
少しずつ上り基調となって、山へ切れ込んでいくと、
長めの南無谷トンネルがぽっかりオレンジの光を放っている。
一応後方を確認して突撃。マシンの音だけが響いて何気に不気味。
なにせ南無谷だし、なにか曰くありそうだし。
そこを抜けると外灯のない山間となり、真っ暗闇の中をえっほえっほと進む。
しばらく進むと次の岩富トンネル。ここも同様に突撃をする。
対向は時折大型車が轟音を上げて駆け抜けていくが、こちらはほとんど車が来ない。
弁天鉱泉で上りは終了し、ここからは一転下り。
なかなかに暗かったりするので、上り以上に慎重に下っていく。
その間にも短いトンネルは連続し、最後少し長い高崎トンネルを抜けたら、
ようやくトンネル区間は終了し、岩井の集落に無事に入る。
昼間の交通量は知らないが、交通量があれば結構面倒くさい区間であるのは確か。
やはり夜中にここを通過して正解だった。


↓トンネル地帯突入


↓まだまだあるヨ!


市部の交差点を過ぎ、少し上って、二部の真新しいトンネルをくぐると、
緩やかな下りが直線的に続く。
海からの向かい風がさわ〜と向かいがら駆け抜けてくるので寒い寒い。
身をすくめながら全身をし、勝山の市街地へと入っていきます。
勝山の交差点でR127は大きく右へと旋回し、港をかすめて続いていきます。
途中、大きく道が工事中のところがありそこは前後慎重に。
しばらく海沿いを進んで、休憩ポイントの道の駅きょなんに到着が3:00。
きれいに整備されたトイレでしばし休憩。
ここまで来ると風はずいぶん穏やかなように感じる。
手持ちの補給品と温かいお茶で軽く補給をしてリスタートする。


↓道の駅きょなん


道の駅を出て少し進むと海岸沿いに、
炭酸の湯で有名な24h営業の「ばんやの湯」を通過。
ちょっと迷ったんだけどスルーです。
橋を渡ってすぐに保田の交差点があり、そこを左折しR127道なり。
にわかに上りとなり、周囲がさみしくなってきたなあと思ったら、
再びトンネルの連続する区間となる。
それもさっきとは異なり、長めのものが短い間隔で連続していて、
交通量が少しでもあればここは相当にシビアな区間だろうなというところ。
すぐ左側はほとんど海面に近いようで、
ザバ〜ンザバ〜ンと波の始める音が真横で聞こえる。
スノーシェードのようなものがしばらく続き、
その先から本格的なトンネルというパターンで、
しかもそのトンネルが途中で右へ左へ大きくカーブを描いていて、
きわめて見通しが悪い個所もあり、なかなかの悪所でございます。
一応トンネルの入り口に歩行者・自転車の人がボタンを押して
注意喚起の表示をするような装置があったが、
昔の規格で掘られた路肩のないトンネルで、
見通しの悪いカーブ区間で車が来たらかなりデンジャラスなこと間違いなし。
おそらく房総半島一周する場合はここが最大の難所となりうると思うが、
今はこんな時間なので交通量が皆無に等しく、事なきを得た。


潮騒を真横に聞きながらトンネル突破!


↓明鐘隧道


明鐘のトンネル区間を抜けると、少し海から高い位置を海沿いに走る道。
で、海を見やると見事な月明かりに照らされて輝く浦賀水道
なんとも見事でつい見惚れました。
そうして穏やかな夜をひた走り金谷港の集落にたどり着く。
さっきの区間がなかなかの悪路なのはわけがあって、
すぐ右手には有名な鋸山があり、
その山の端が海へと深く突き出たような場所だったのだ。
天嶮にしても大崩にしても、
山がいきなり海へと落ち込むようなところはどこだって難所で、
そこに無理やり道を通すからこうなるのだな。
それにしてもこの鋸山、ちょっといやかなり気になる。
一度登ってみても面白いだろうなあ。
金谷からは、対岸にうっすらと見えている三浦半島久里浜までのフェリーが出ていて、
片道50分で渡れるようだ。これもこれで面白いかもしれないが、今日はスルー。


↓月夜に光る浦賀水道


↓金谷港


富津金谷ICの入り口を過ぎ、真新しい短いトンネルを抜けていくと、
右手にJR線を従いながら、海岸線を走るルートととなる。
ここらも民家や外灯が少なく暗い中を走る。
こんな場面は月が煌々と光っているのが実にありがたい。
波の音を感じながら、いくつかのトンネルを抜けて、湊橋を渡る。


↓湊橋


湊の交差点を抜けると道は上りに入る。
久しぶりにしっかりとした上りでえっちらと上り、上総湊の集落を抜けていく。
多少高度が上がったからなのか、あるいは4時近くと早朝を迎えたからか、
ほんの少し前まではそれほど感じていなかった寒さが一気に増してきた。
冷え込みがハンパなく、顔面にピキピキと張りつめた空気が襲いかかる。
あああ、ついに来た。一番の大敵。朝の底冷え。
しかし、木更津はそこそこ都会のはずだし、そこまでにどうにか滑り込めれば…
そこまであと25kmほど。ここが勝負どころと気合を入れる。
前方は山々が黒い塊となってゆく手を阻んでいて、そちらの方へ道は続いていく。
寒さが一番厳しいときに高度を上げるのはあまりうれしくない…
上るのはまだいいとして、その先の下りを考えるだけで、もう…
しかしここを抜けていかねば先へは進めない。
周囲が徐々に木々に覆われ真っ暗になっていく中を黙々と進む。
徐々に道は本格的な上りとなり、斜度も上がってくる。
角にローソンのある信号を抜け、さらに斜度が上がると腰を上げてダンシングで切り抜ける。
すぐ右手に館山自動車道が迫ってきて、ようやく上りのピークに達する。


↓R127。浅間山越えのピーク


そこからは一気に富津方面へと下っていくのだが、
こちら側も斜度が結構あり、スピードが増す。
路面が確実に凍結をはじめていてかなりスリッピーな状態なので、
フルブレーキングでスピードを殺して下っていく。
さっきまでの上りでかいた汗が一瞬にして引いていき、熱を一気に奪っていくので
下り初めてすぐから、尋常じゃない寒さに震える。
あかん、あかん、凍え死ぬ〜@@@
富津中央ICの交差点を過ぎても、下りはまだまだ続いていく。
寒さで硬直しながらも、上半身一杯を使ってハンドリングとブレーキング。
とにかくすべらないように前だけ集中するが、
顔も手先も足先も、全身ビッシビシに凍りつく…
ほんまに冗談では済まない。
ああ、これでは木更津まで到底もたない、
かといってこんな山中で休憩する場所もない。
どうしよう、どうしようと、絶望を感じながら進んでいくと、
なんと前方にミニストップ!ああ、なんと、奇跡ってあるんですね@@(大袈裟?)
これで命だけは助かったと、喜び勇んで店内に駆け込む。
あああ、暖かい…
さっそく店内で温かいお茶と補給品を購入して、イートインコーナーで休憩。
個々の店長さんが結構気さくな方で、
こんな時間にローディーが珍しいらしく色々と話をしてこられました。
最近はローディーさんもよく立ち寄るらしく、興味がおありのようでした。
ホットコーヒーを無料で進めていただいたのだが、
昨晩の腹下しがあったので、胃荒れのときにコーヒーはご遠慮させてもらった。
せっかくの申し出ありがとうございました!
その後、しばし失神をして気づいたら4:15。
これから7:00くらいまでさらに寒さが厳しくなっていくので、
山中でグズグズしていられません。
店の外に出るのは本当に恐ろしいのだが、意を決してリスタートする。


ここ佐貫は、そのまま木更津方面へと進むR127と、富津市街地方面へ進むR465の分岐。
最短で行くならR127直進なのだが、ここでもあくまでトレースにこだわり左折。
それにR127はしばらく山間が続くし、
高度の高いところよりもまだ、海際の方が多少ましだろうという判断。
佐貫町の駅で右折し、しばらく山間進んでJR線とクロス。
一端JRから外れるところで急坂を下る。
寒い、寒いよ。ヤバイよ…
ようやく市街地っぽいところに出るが、
ここからR465は複雑にコーナーが続き、何度もJRとクロスしながら進む。
JRから外れていくと、周囲は再び寂しい感じになってくる。
気温は確実に下がっていて、肌を突き刺すような厳しい状況。
しかも海際になり風が強くなってきた。
富津岬の先端まで寄り道しようかどうか迷ったが、
ここは一刻も早く木更津に到達を優先し、川名で右折。
最短でR16に入る。
しばらく進むとようやく市街地っぽいところに入っていく。
大和田でBP化したR16ではなく直進して県道19号へ入る。
町はまだ眠りから覚めていない。
多少の上り下りをこなして、木更津駅に到着したのが5:15のこと。
いよいよ寒さと眠気が本気を出してきたぞ…


↓マイナス3℃って…


木更津駅


佐貫から木更津までの区間で予想以上の寒さに体力を奪われたのと、
そのせいで眠気MAX、お腹も減ったということで、
駅周辺で補給ポイントを探す。
が、木更津は予想以上に栄えてなくて、駅周辺に丼屋どころかマクドさえない…
ちょっと肩透かしを食らう。
駅周辺をあきらめて、とりあえず先へ進むうちに見つかったところに飛び込むことにする。
駅北側の踏切を渡り、駅の東に延びる駅前通りを行く。
ファミレスが1軒あったが24hではなくクローズ…
そのまま進んで県道270号とぶつかって左折し北上を開始する。
その横を並走するR16沿いの方が店はあるのかとは思うのだが、
BP化されていて走れそうにない。
で、県道90号とぶつかる長須賀交差点のところでデニーズ発見!
喜び勇んでマシンを止めて店内に入ろうとしたら、
3:00〜6:00まで店内清掃のためクローズですとまさかのお断り…
じゃあ24h営業って書くなよ!殺す気か!
交渉することすらもう面倒なマインド状態なので、無言で出てすぐにリスタート。
意外とコンビニも多いし、きっと県道270号は真横のR16の旧道だろうから、
この先にもいろいろあるだろう。そうやって希望を捨てずに北上する。
久留里線をまたぎ、ひたすら平坦な道を北上する。
さすがにちょっと交通量が増えてきた。
周囲はまだまだ暗く、寒さに感覚を失いながら、もうろうとした意識でペダルを漕ぐ。
眠気も寒さも空腹も限界に近づいているというのに、
進めば進むほど周囲は閑散としてくる。
あああ、このまま街を出たらしばらくないなあと絶望を受け入れるしかない…
そのうち並走していたR16すら見捨てて、遠く右へと舵を切っていってしまう。
ああ、だめだ。終わりだ。マジでさようなら〜。
意識もほとんどなく進んでいると前方を遮る大きな構造物が横たわっている。
アクアラインに続く自動車専用道だ。
そこをくぐると、左手の先に煌々と光る工場群のイルミネーション。
そしてそこから手前まではまったく何もない荒野が広がっていた…
見事に何もないエリアにはまり苦笑するしかない。
小堰橋を渡り、県道87号をひたひたと走る。
しばらく進むと袖ヶ浦駅に出た。
近くのコンビニに駆け込みひとまず温かい飲み物とお菓子で急場の飢えをしのぐ。
多少の栄養が効いたのか、いい案を思いつく。
コンビニで地図を立ち読みし、この周囲にファミレスのようなものはないか検索。
すると…
ちょうど目の前を走っている駅前の道を右へ行き、R16とぶつかるところに、
デニーズも松屋もガストもあるではないか!おおお、パラダ〜イス♪
喜び勇んでコンビニを出てマシンを駆る。
しかし、世の中そんなに甘くはないもので、駅からR16のある福王台までは、
一気に高台を上る必要がある。
満身創痍の状態で必死でダンシングで上がる。
牧落程度ののぼりなのだが、もうこの状態だと絶壁に感じる。
しかし、ここを上れば、ここさえ上れば休めるのだ。
耐えろ!生きろ!と心の中で叫びながらどうにか上りを制圧。
すると目の前にはご褒美のデニーズがド〜ン。あああ、助かりました〜。


マシンを止め、マシンの見える位置のソファに崩れ落ちる。
死ぬほど腹が減っていて、できればホッカホカの白飯とみそ汁を希望。
ということで、塩麹の生姜焼き?セットを注文。
あああ、最高です。最高です。ありがとうデニーズさん。
ぼやぼやと食べながら、気づいたら箸を持ったまま気を失っていたり、
もうかなり危険な状態でうつらうつらと1時間半ほど滞在。
しかし、すべてが満たされ本当に助かった。
いつの間にか気を失い気づいたら、外は明るくなっていて、気づけば7:15。
あまり遅くなってもいけないと慌てて支度をしてリスタートする。


↓福王台のデニーズで朝食


周囲はすっかり朝。
外に出るとまるで地面からみるみる熱が逃げて行っているのがわかるほどに
強烈な冷え込みに思わず身がすくむ。
R16はここからさらに激しいBPと化すので使えない。
そのため福王台から、先ほどの坂を一気に下って袖ヶ浦駅まで。
このしょっぱなの下りであっという間に冷える!
ここを上っているときはまだ暗くてよくわからなかったが、
結構な高台だったようで、遠く海に浮かぶ海ほたるまで見渡せた。


袖ヶ浦の朝。遠くの沖合に海ほたるが見える


県道87号に戻り、北上を再開する。
ひとまずは30km先の千葉を目指す。
すぐにR16の高架をくぐり、海側からR16、内房線、県道287号が並行する区間になる。
R16の方を見やると、既に相当の交通量に達していて、
あちらは全く自転車は知れそうにない。
こちらの道も山肌に無理やり添わせたような道で路肩も少なく、交通量も多い。
寝ぼけ眼で、しかもこの寒さ。ペースを上げて切り抜けたくとも体が反応してくれない。
肝心の朝日も山肌に隠れて届かないし、リスタートから辛抱の時間が続く。
そんな状態を10kmほど続けて、姉ヶ崎に到達。


↓姉ヶ崎


そのまま道は県道24号と名前を変えて伸びていく。
姉ヶ崎から先は、東側が広い平野部となり、ようやく朝日を拝む。
今日も素晴らしく晴れそうだ。
しばらく進むと高架で内房線をまたぐ。朝日がまぶしい!
そうして道はいったんドンツキになるが、シケイン気味にトレース。
ここからちょっと県道24号は複雑な進路をとるので注意する。
ド平坦の道をダラダラと消耗しきって進んでいくと、
そのうち右手から大きな養老川が合流。
その土手道を朝日を浴びながら進んでいく。
暖かな日差しを受けて、穏やかな土手道をずんずん進んでいたら、
ちょっと油断してしまい。本当は川にぶつかった1本目の養老橋を渡って
対岸の道が県道24号トレースで正解なのに、そのままずいぶん海側までオーバーラン
どうも湾岸地帯の煙突群の方へ一直線に進んでいて、
このままじゃあR16にぶつかってしまうのではと疑問に思い、
ちょうど目の前にあったファミマで確認を入れて、間違いに気づいた。
まあ、大したロスでもないのだが、ちょっとメンタルが緩んでいるようだ。


↓養老川


さっとドリンク休憩をして、リスタート。
目の前の潮見橋を渡り、そのままゴツゴツと路面の荒い道を進み、
ミニストップのある交差点で県道24号に復帰する。
そこからは狭小の生活道路。そろそろ人も車もあわただしくなってきたので
慎重に走っていく。
八幡でR297とクロスし、その先村田川を渡ると、いよいよ千葉市突入!


千葉市突入!


浜野駅西側で内陸に切り込んでいくR16を渡り、
そのまましばらく県道24号でしぶとく直進していくと、
蘇我陸橋のところでついに道が終わりを迎え、R357に吸収される。
陸橋は側道で回避したら、片側3車線の幹線道路をひた走る。
駐車禁止用なのか路肩にコーンやら柵やらが置かれているので路肩が削られ、
交通量がものすごいので、必死で回して駆け抜けるがなかなかシビアだ。
しかも3車線あるのに大型車も路肩側のレーンを走るので、キワキワで怖い。
本千葉までのしばしの辛抱と覚悟を決めてがっつりペースを上げて進む。
京葉線をくぐり、ゆるい橋を渡り、調子が出てきたのでガンガン回していたが、
調子に乗ってどうも行き過ぎたような気がしてポートアリーナ前で地図を確認。
ちょうどドンピシャ曲がるポイントだった。
R357を横断し、県道257号に入ると、後ろから明らかにガチなローディーさんにパスされる。
しばらく進むと立派な千葉県庁がお目見え。時刻は9:30。
ああ、ようやく千葉まで来たでよ。


↓R357


↓千葉県庁


千葉から東京までは30kmほどだが、ここで2つほどミッションをこなすことにする。
せっかく千葉まで来たので、遅まきながら新年のご挨拶をば。
1つは、J氏のところへ言伝を宅配すること。
この日はあいにく留守と知っているので、ポストに投函しに行きます。
そうしてもう1つは急きょ香港勤務が決まったと知らせてくれた、
アタック&ひだのん夫妻に、出国前にぜひとも会っておきたいのだ。
ということで、すでに400km以上走ってきて満身創痍ではあるが、
ほぼ完走も間違いないと確信できるところまでたどり着いたし、
新たなミッションのため心機一転リスタートします。


まずはJ氏の家まで行きます。
県庁から裏道をごにょごにょ進み、R126に出て北上する。
総武本線をまたぐ手前で四街道へ向かう道に出る。
ここでなぜか急にお腹が急降下〜@@
ヤバイヤバイと、あたりにコンビニを探すがなぜかこういう時に限って見当たらず、
オロオロとピンチを迎えながら進行方向へ進むと、サンクス発見!
慌てて飛び込み、店員さんにトイレ借ります!と叫んだら、
店員がにやけながら「すみません〜ただ今故障中でして〜」
なに〜。トイレにありつけると思ってちょっと安心しきっての大ピンチ。
ヤバイヤバイ!
近くにほかのコンビニないかどうか聞くと、
すぐ隣のGSのところにセブイレがあるというので礼を言ってそちらへ一目散…
って、GSの横にコンビなどないやんけ!
目を疑い、さっきの店員を呪いながらも、今はとにかくトイレが先決。
GSをスルーして、周辺をうろうろ。もうヤバイ@@もうヤバイ@@
と、遠くの方にファミマを発見!
スプリンターのごとく猛アタックをかけ、間一髪セーフ〜。
ああ、本当に大ピンチだった。フィ〜。しっかりしてくれよ@@


すっきりしたら、先ほどの四街道への道に戻る。
高品坂下で佐倉街道とクロスし、そこから鈍い上りをえっちらほい。
意外と上らされてヒーヒーいいながら高品橋で京葉道路をまたぐ。
そこからずずずっと都賀を通過し、四街道に到着。
ちょこっとばかし、捜索ののちにJ氏の家を発見!
やはり残念ながらお留守だったので、ポストに手紙を投函してミッションクリア。
そこから、次のアタック夫妻に会いに行くため、ここから船橋まで進みます。
どの道がベストかちょっとわからず、街の配置などもよくわかっていなかったので
とりあえず浜へ戻ってR14で行こうかと思い、都賀あたりまでバックする。
喉が渇いたのでコンビニに入りドリンクを買い、地図をもう一度確認すると、
陸地に連なる県道69号の存在を発見!
これでわざわざ浜に戻って、交通量のエグイ幹線道路を行かずともよいとわかるが、
どうせなら都賀までバックせずに、県道66号からスムーズに入れたのに
ちょっと勇み足だった。


県道69号を目指してリスタートする。
都賀からタウンライナーに沿ってみつわ台まで移動する。
結構アップダウンがあり、ヒーヒー言いながら、住宅地を縫っていく。
そのまま行くと動物公園のあたりに迷い込みそうなので右折し、
みつわ台中央通りを上がる。
住宅地を過ぎ、自営他の駐屯地や小さな工場が連なる一帯を抜けて、
六万町の交差点から県道69号に無事に乗る。


タウンライナー下でみつわ台まで


しかし、この県道69号は自分の中では史上最悪の道の1つだった。
なにしろ、道幅の狭い狭い生活道路で、
しかも抜け道として知られているのか、ありえないくらい交通量が多く、
しかもこんな狭い道をなんでかでっかい観光バスやらタンクローリーやら、
愛知県内のR1かと思えるほど、大型車が幅を利かせ、
路面はガタガタで砂が乗っていてスリッピーで、
渋滞のわきを縫えるほどの幅もなく、これ以上ないほどストレスフルな道。
しかも高台を突っ切る道なので、丘と谷間をいくつも越えていくのでアップダウンも多い。
これで15kmほど先の船橋を目指さないといけないのである。
ただでさえ寝てないし、体力も底をついて非常にイライラ、
カリカリと神経が尖っているのに、この劣悪なライド状況に心底腹が立ってくる。
おまけに、高台を吹き抜ける強い横風がマシンの挙動を常に脅かし、
最後の最後に来て一番困難な状況を迎える。
それでも、もう浜へ降りて大きく回り込めるほどのゆとりもなく、
途中からは路肩走行をあきらめ、省エネモードに切り替えダラダラと歩道を走る。
あああ、最悪である。
東関東道を過ぎて、ひたすら直線に続く悪路をひた走るが、
テンションも集中力も恐ろしくなくなってしまったので、
無理せずに天戸台のセブイレでブレイクを入れる。
日差しを浴びながらしばらくぼおおお〜っとして、悪い流れをすべて出し切り、
再び走り出す。
リスタートして大きく下って、また上って、その先で京成本線をわたる。
ここの踏切は道に対して斜めに連なっているので、
レールの隙間にタイヤを落とさないように慎重に渡る。
津田沼の市街地に入ると道はさらに渋滞&路肩なしの状況で八方ふさがり。
ダラダラと牛歩の状態で車の列に並び、ひたすら我慢の走行を強いられる。
そうして予想以上に疲労と時間がかかって、津田沼をスルー。
総武本線をくぐり、中野木の交差点でようやく悪路だった県道69号とオサラバ。
この道二度と走らないぞ…
右折し、ちょこちょこと閑静な住宅地を抜けて東船橋に到着したのが11:00前。


ここで、アポなしはさすがにまずいので、アタックに電話を掛ける。
ご在宅ということでお迎えに来てもらい、ご自宅へ。
去年もA兄さんの結婚式で再会していたが、
あの時は2人は仲人の役回りでテーブルが違っていたしゆっくり話できなかったのだ。
ひだのんに熱いお茶を入れていただき、積もる話をなごやかに。
この2人は本当に心がポカポカするような素晴らしいカップルで、大好きだ。
それにしても急な香港駐在でびっくりした。
でも、アタックはずっと海外勤務希望をしていながら、
成田の輸出のキャップとして入社以来とどめ置かれていて、
他の同期が次々と海外勤務へと羽ばたいていくのに焦りを感じていたようで、
今回念願かなっての海外勤務ということで本当に喜ばしい。
奥さんのひだのんも海外経験は豊富だし、心配ないね。
なんだかんだまったりと話に花が咲いて、気づけば1時間半も長居してしまった。
お名残惜しいですが、こんな臭い体でおってもアレなんで、お暇します。
今度はぜひ香港で会いましょう!気を付けて!


2人に見送られてリスタート。東京駅までは30km弱。
といえば、大阪〜神戸くらいの距離だが、
土地勘がないし、R2のような便利で計算できる道もないので、
まだまだ長い旅になりそうだ。
狭い一般道を北上するが、どこもかしこも渋滞している。
関東はもうこれが当たり前なのね…逃げ場なし!
さらに少し大きめの道に入り、下り坂がまた渋滞を縫ってシビア。
船橋大神宮のところにでて、京成線をくぐり駅前の通りをどうにか切り抜ける。
そのまま道なりに進み、総武本線を陸橋でグイっと越えたら、
いよいよR14に入るが、幹線道路と言うより
もはや長いパーキングと言った方がいいほど渋滞。
こりゃたまらんと裏道に入るため船橋中央病院の辻で左折し、
総武本線をもう一度またいで、線路の西側の一般道路へトラバース。
そのまま西船橋をスルーし、京葉線の高い高架をくぐる。
その先で左折して県道180号に入るが、
この道が京葉道路の入り口に続いているため、
大型車を含め交通量が多く、しかも妙なS字を描いているので、
車の流れがコワイコワイ。
しかもその先原木ICのど真ん中を突っ切るため、
高速からの激しい出入りのタイミングを慎重に見切って、高架で京葉道路をまたぐ。
ここはかなり緊張感のある瞬間だった。
そのまま県道179号にはいるが、こちらは古い道のようで、うねうねと集落を縫うような静かな道。
交通量もあまりない生活道路でいい抜け道だった。
途中、原木中山でメトロ東西線の高架をくぐり、しばらく進んでいくと、急に周囲が開ける。
R298とクロスしたらそこは江戸川の土手。
そこに上って、旧道の行徳橋で江戸川を渡る。
遠くにはスカイツリーも見えていて、青空が広がる。
ああ、フィナーレだな。ようやくだな。


↓行徳橋にて。遠くにスカイツリー


行徳橋を渡ったら、そのまま直進はせず、
すぐに右折をして土手道を少し走る。
しばらく進むと、江戸川と旧江戸川の分岐する突端に出る。
そこには江戸川河口堰があり、その上を渡って、
いよいよ千葉県を抜けて江戸川区に入る。


↓江戸川と旧江戸川の分岐


渡ったら旧江戸川に沿って続く篠崎街道を河口方面へと進む。
こちら側には旧江戸川CRが整備されているのだが、
自転車や歩行者の往来も多く、ペースを稼ぐためにそのまま車道を行く。
まるで寝屋川の運河沿いを走っているかのような雰囲気で、
そこそこペースを上げて進んでいくと、新大橋通りとぶつかる。
その高架をくぐって、瑞穂大橋で新中川を渡る。


↓瑞穂橋にて


渡ったらしばらくCRで南下し、新川にぶつかって西進に転じる。
どうせ車だらけの葛西橋通りにはできるだけ入らず、
この新川に沿って設けられた遊歩道を走る。
そうしてそろそろ頃合いとなっていよいよ南下に転じて、
大通りにぶつかって葛西橋通りに入る。
案の定交通量が多いのと、路肩を走行する自転車も多く、
後方を確認しながらどんどんパスしていく。
そうして前方に上りが発生し、そこをギンギン踏んで後方をぶっちぎって
葛西橋で荒川を渡る。
ゴールはもうすぐ!


葛西橋


↓首都高中央環状線


荒川を過ぎ、ひたすら交通量の多い葛西橋を西へ西へと進む。
交差点ごとに左折レーンがあるので、後方の車に直進の合図を送りながら進む。
明治通り四ツ木通りとクロスして、木場公園の間を抜けていく。
この辺から少し交通量も減り、ただ広い通りをひたひた進む。
深川一丁目で首都高をくぐったらその先で、永代通りに入る。
すぐに永代橋に到達し、ちょっと写真を撮ろうと携帯を出したら…
が〜ん!ついに充電が切れた…ショック。
そこから茅場町を通過して、14:30日本橋到着。
ああ、記念写真が撮れないヨ〜。
でもついに39hの激闘が終わった!終わったど〜!
ヤッタ〜ヤッタ〜と思わず叫んでいたら、
周りの人に笑われながら、オメデトウ!と言ってもらいました。
えへへ。


しばらくフィニッシュの余韻に浸ったら、すぐに帰る支度。
もう一刻も早く帰宅して寝たい!
混雑する道をもう少し進んで東京駅八重洲口まで。
大急ぎで輪行のセッティングをしてみどりの窓口へ飛び込む。
15時台の新大阪行きで、最後座席の空いているところを探してもらい。
15:13の博多行のぞみに決定。ホントは新大阪止まりがよかったのだけど…
寝過ごし注意だな。
携帯の電源が全くないので家にも連絡を入れれないので、
窓口の人にどこか充電できるスポットはないか聞いてみるが、
ドコモとソフトバンクはすぐそこだけど、auは駅を出て通りの向こうだという。
あきらめずに途中まで行ってみたが、絶対充電する時間がない。
時間までに戻ってこれそうにないので充電はあきらめ、
とにかく車中で食べる弁当と祝杯のビール、それからみやげを優先する。
まずは、suicaショップへ行って、奥さんと娘にみやげを購入し、
その横の店舗で恒例の崎陽軒シウマイ弁当とビール。
早めに並んでおかないと、最後座席の隙間を確保できないので、
10分前から並んでおく。
そうして無事に15:13出発。


小田原まで、ああここはいつじゃ走ったとか、あそこは抜け道に使えそうだとか
車窓を楽しみながら、祝杯を挙げる。
シウマイ弁当のメインはシウマイだけど、あのタケノコを甘く炊いたやつと、
何よりあのあんずが主役ですな!
そうして完食したら自動的に眠りに落ちる。
次に意識が戻ったのはすでに京都を過ぎて高槻あたり(汗)
どうにか乗り過ごすことなく17:45に新大阪着。
帰ってきたぜ〜大阪!
最終的に帰宅したのは18:15で、無事に夕食に間に合った。


↓〆は恒例の崎陽軒シウマイ弁当と残金…


これまでの超ロングは、自宅から出発あるいは自宅まで自走というプランであったが
今回初めて遠征先までアプローチし、
そこからそのエリアを周遊するという形式を採用した。
これによって行動範囲がさらに広がるようになったが、
その分遠征代もかかるのであまり頻繁には厳しいだろうな。


それにしても今回はピンチに次ぐピンチの連続でした。
何といっても今年一番の大寒波が襲っていた連休というタイミングが全てだった。
それでもどうにかこうにか完走できたのは本当によかった。
こんな大変な思いまで味わって、
しんどいだけで楽しくないやろと思われるかもしれないが、
その積み重ねを越えていかねばたどりつけない境地、味わえない感動を知ってしまったら
やっぱりまた遠くまで走りだしてしまうんだなあ。
正直、走っているときは、もう嫌〜、早く帰りたいヨ〜という気持ちに
飲み込まれる場面もたくさんあるが、
それでも走り終えてしまえばそれも貴重な思い出となるのです。
ただ、どうせ走るならもっと暖かいときだな(笑)
色々な経験と思い出を味わえた千葉一周ライドでした。
ああ、ブログ版も無事完走!長かったワ〜。