空想地図
マップつながりでもう1記事。
みなさんは空想地図をご存じだろうか。
このところTVをはじめとしてちょくちょくメディアでも取り上げられているので
気になっている方も多いかもしれない。
簡単に言えば、まったく実在しない架空の都市の地図を大真面目に空想しながら描くという
高度な(?)想像力を要する遊びである。
そんなの何が面白いの?新手の地図マニアかなんかでしょ?
と思われる方もいるかもしれないが、
例えばゲームで言えば「シムシティ」とか「A列車で行こう」とか、
自分で街を形成していく遊びを想像すればわかりやすいかもしれないし、
もっと根源的に遡ればレゴブロックなんかで街を造ったりという
幼少期の遊びにも通ずるのではないかと思う。
都市政策、都市デザインなんていうのは本当に魅力的なプロジェクトだが、
実際にそれに関わろうと思えばそれこそ一大事であって、
それを手軽に(といってもこちらも相当手が込んでいるが)実感できるというところでは
箱庭的発想できちんと遊びとして成立しても当然だなあと思う次第である。
↓全てが架空の中核都市「中村市」
意外なことに、空想地図を描いて一般に公開しているユーザーは結構います。
なかには文学やアニメで描かれている架空の世界を地図に起こすというやり方があったり、
全てをイチから空想して都市をデザインする方もいます。
その中でも有名なのは今和泉さんが少年期から描き続けている
「中村市(なごむるし)」の詳細な地図。
ちょっとうちの商品の仕様に似ておりますね。
さらに面白いのは、ただ単に地図だけを制作しているのではなく、
その世界観をよりリアルなものとして補強するためのバックボーンの構築に余念がないこと。
例えば、都市を形成する様々な要素、鉄道会社や商店、
あるいは使用されている紙幣などもすべて架空ながら、
ロゴや車体のデザインなどまで詳細に作り込みを行っていたり、
人口統計や都市形成の変遷なんかまで緻密にストーリーを作り上げている点。
こういった細部から世界を積み上げて、それぞれを有機的に相関させていくというのは、
ガンダムやEVA、攻殻、大友作品などジャパニメーション的な発想と極めて近いなと思います。
長年地図や地理に携わっている者から見たら、
ちょっと違和感があったり、?と思う部分もあったりするけど、
まあ他の人の空想の世界ですしね。
それにしても日本の中堅都市のような架空都市の地図は
なかなか完成度が高くてびっくりします。
確かに遊びにしては本気度がすさまじいですが、
やはりマジメに遊んでいる人ってのは純粋で面白いですな。
興味のある方はぜひ下記URLへ行って遊んでみてください。
↓空想都市へ行こう!(中村市)
http://imgcity.chirijin.com/
- 作者: 今和泉隆行
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2013/11/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自分の世代では「たんけんぼくのまち」のチョーさんの影響というのが非常に大きいと思いますが、
自分も小さい頃はよく地図を描いていました。
これをゲーム=すごろくにしてクラス中で遊んだり、
いつだったか、敬愛なる元祖鉄っちゃん、宮脇俊三さんに触発されて、
日本全国の全路線図をわら半紙に描いていくという大がかりなことを始めて、
紙を貼り継いで貼り継いで、丸々一夏を費やして、
最終的に6畳の部屋が全て埋め尽くされてしまったということもありました。
あれ、まだ実家にあるのかな?
それから自分は空想で地図を描くことから、
実際の街へ出て写真やら何やらで収集するというところに主眼が行って、
都市や地理を専門的に学ぶ道を進んで、めぐりめぐって今や地図屋に。
よく考えれば、地図・地理・フィールドプレイ一辺倒のありがたい人生ですね。
今は仕事だったり、山行やライドのプランニング目的で使用することがほとんどだけど、
ただ地図を眺めるというだけでも本当は楽しかったりするんですよねえ。
地図はロマンなんです!