記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

BRM419 京都400km 前編(久御山〜和束〜御斉峠〜桔梗が丘〜奥津〜伊勢〜パールロード〜大王埼灯台)

土曜日。
前日は速めに就寝するつもりだったのだが、
奥さんの残業が長引いてしまい、帰りを待って22:30に就寝。
どうも腹の具合がよくないのと、アレルギーの影響でうまく寝つけず。
無理くり布団で目をつむり、そんなこんなでようやく眠れそうになったと思ったら、
起床時刻の3:30…まあこんなことはよくあるこってす。
起きてシャワーを浴びてシャキっとしたら、マシンのセッティング。
今回は獲得標高が厳しいため、前後シマノデュラ24CLに履き替え。
今回は上りもそうだが、全区間に渡って風が相当きつかったので
コスカボにしなくて大正解だった。
ウェアリングは最後の最後まで相当に迷ったが、
日曜日に雨の予報が出ていたし、
やはり終盤、夜中の冷え込みで動けなくなることが一番注意すべきだと判断し
厚めのセッティング。
そうしていよいよ5時前にいよいよ出発。完走できるか今回はちょっとドキドキです。


まずはいつものように城北公園通りをひた走る。
コスカボからデュラに履き替えて、リアのリム高がないので、
いつもと巡航のフィーリングが違い、ちょっと戸惑います。
軽めのギアくるくる回すのにはいいが、
踏み込んでいくとなるとやはり無駄にパワーが必要な感じです。
この間の野球でお尻の付け根あたりにハリが出たままなのだが、
早くもそれが少し気になる感じ。
天候は、風はなく穏やかな朝。
R1に入り、パナソ前を通過するころには空はしらんで朝を迎える。
時間的には余裕なのであまり飛ばさず無理せず淡々と枚方
そこで半熟卵のような朝日が顔を出す。
関西医大前を通過し、そのまま府道13号をトレースしていく。
時間に余裕があったのと、腹ごしらえがまだだったので、
いつもの三栗のすき家にイン。
しっかりと牛丼大盛り、ガリガリ盛り盛りで力をためておく。
20分ほどでリスタートして、御幸橋に到達。
そこから宇治川沿いに府道81号を進み、北川顔で南下に転じる。
テクノパンを過ぎて、しばらく府道15号をトレースしていると、
前方にお一方ブルべライダーさんがいてご挨拶。
そうしてそうしてスタート地点の久御山中央公園に到着したのが6:45。
すでにたくさんのローディーが集結していて
ちょうど7:00出発組のブリーフィングがはじまっていました。


↓出発前のブリーフィング(7:00出発の皆さん)


早速、受付をします。
参加表をお渡しして、ブルべカードを受け取ります。
今回もたくさんのレシート地獄になりそうですな。
お一方、参加者名簿に名前がなくてそれでちょっと混乱されていました。
(この方とはパールロードでご一緒することになります)
無事に受付を済ませたら、早速おトイレタイム。
どうもこの数日お腹の調子が悪く、さしあたっては補給を済ませたが、
この後きちんと胃腸が機能して、うまく補給できればいいのだが…
序盤は暑くなるのは必至なので、冷たいものを取りすぎないようにせねば。
トイレを済ませたら、7:15にブリーフィング開始。
告知はなかったのだが、直前に何度かCPの変更や、
ルートの修正が入っていたのでしっかりと聞いておく。
この時に、最大の難所、剣峠についてもレクチャーがある。
ふむふむ、相当にアドベンチャーな場所らしいぞ。
ブリーフィングが終わると、車検開始。
前灯よし、尾灯よし、ヘルメットのライトよし、ベルよし、反射タスキよし!
で、いざ出陣!


7:30組のトップ集団に交じってスタートを切ります。
5,6人の集団に収まり、工場地帯を縫って久御山南ICに出る。
ここで先頭の方が道を間違えそうになり、そのタイミングで集団がばらける。
木津川を渡ったすぐ先で、回り込んで府道22号に入る。
京田辺のところで曲がりどころを間違えてルートをそれてしまうが、
どうにかこうにか玉水橋まで出ると、前後に誰もいない状態になる。
玉水橋を渡り、そのままJR線をまたいで、
大正池TTのスタート地点までウンショと上る。
自分は大正池勝尾寺のような緩斜面がダラダラと続くコースは苦手なので、
あまり足が向かず、久々にやってきました。
超ロング仕様ですが、せっかく来たので、軽くTTして抜けていくことにします。


大正池TTコース


スタートしてしばらくは細い細い道をずんずん進みます。
速度としては16〜18km程度。すでに分厚いウェアのせいで汗が噴き出す。
途中でカップルのサイクリストに追いつく。
7時スタート組の人かと思ったら、一般の方でした。ご挨拶をしてパスします。
そのあたりでもう少しペースアップをして、怪しいジビエの店を通過していく。
大正池を通過したのが、13分とか14分くらいだったか。
この辺りから道は広々としていく。
ちょっと心配していた腰回りに疲労を感じ、ペースが落ちる。
そうしていよいよ最終区間の森の中へ突入。
するとしばらくして前方にお一人ローディーさんを発見。
ダンシングで追いつき、ご挨拶すると7時組の方。
ヘアピンの先を指してもう少しですがんばりましょう!と声をかけて、自分はスパート。
汗びっしょりで山岳賞峠にてゴール。
タイムは26:26。
まだブルべ始まったばかりなので無理のない程度で。


↓山岳賞峠


ゴール地点で写真を撮っていると、先ほどの方が無事に通過していきます。
自分は何か所かで止まって裏大正池の見晴らしを堪能しつつ下っていきます。
途中で、先ほどの方と合流し、天気の具合だとかいろいろお話をしつつランデブー。


↓絶景かな〜


しばらく下りを堪能したら、和束のローソンに到着。時刻は8:45。
予定より30分ほどのマージンを稼ぎました。
ここは通過チェックが必要なので、忘れずにレシートゲットしておきます。
次のCPは名張桔梗が丘で、それまでには結構な上りもあるし、
extraの補給ポイントもないので、次の区間に備えてしっかり補給をします。
ドーナツと菓子パンをコーラであわただしく流し込みます。
そうして7時台の方々の出発に合わせて、いそいそとリスタートします。


↓和束ローソン


ここからはおなじみの府道5号をまずは朝宮のピークまで鈍く上っていきます。
少し前方にソロの短レーパンの方がガシガシ進んでいかれる。
10〜20mほどの一定の距離を保ちつつ、ペースをそろえて進んでいきます。
そこそこアゲインストの風がありますが、25〜30kmくらいで。
茶屋を過ぎて、和束の集落を抜けるあたりで、
ものすごいペース(40km前後)で大集団がまくっていきます。
ちょっとびっくりしていたら、その背後でブイブイとバイクをふかしているオッチャンに、
「コラァ、ちゃんと後ろつけぇ〜!後ろの奴らに追いつかれるど〜!」とカツを入れられます。
えええっ?何?何?
慌ててアタックを決めて少し離された集団のケツにしがみつきます。
おっちゃんに聞くと、宇治の自転車チームの朝練らしく、
信楽まで行くからドンドンつけよ〜つけよ〜!と鬼の激が飛びます。
いやいやワタシ、400kmブルべでして、
序盤からこんなペースやと死んでまいますわ〜というのだが
男なら出し惜しみすな〜とこれまたスパルタンな指令が飛びます。
んんんんん、こうなりゃ、行けるところまで行くっきゃないべ〜。
ということで、この本気集団のペースに合わせて必死のパッチで踏みます。
対面信号を過ぎて、短いトンネルのところで、
大型車が後ろからビビビビ〜っと乱暴に横切っていき、
そのタイミングで隊列が縦長の展開になって、少し離される。
おっちゃんが見かねて間に入って風よけをしてくれて、どうにか隊列に戻る。
そこからしばらく必死についていったのだが、
集落のあたりで圧倒的な地力の差で徐々に離される。
おっちゃんからは、踏め!踏め!足切りされっど!っと檄を飛ばしてもらうのだが
35km出すのが精いっぱい。
40kmローテで回す集団に追いつけるはずありません。
しばらくおっちゃんも檄を飛ばしながら自分を先導してくれていたのだが、
そろそろ前に追いつかんといかんわ!ほな、がんばれや!と
手を振って先行していきました。
おっちゃん!サンキュー!楽しかったぜ!
しかし…もともとそれなりのペースで府道5号は進むつもりでしたが、
まさかこんなガチガチのペースで進むことになるとは思わなんだ〜@@@
おっちゃんを見送ってからは、一気に気が抜け、売り切れ状態の足が重いし、
向かい風はあるしで、ペースが極端に落ちます。
25kmペースで淡々と湯船の集落を抜けていきます。
7時組の方々を少しずつパスしながら、森林公園のわきを進んでいきます。
そうして9:30までには朝宮ピークを通過していきます。


↓朝宮ピーク


そこから信楽側へ下っていくのですが、
コースはR307に出る手前で右折しないといけないのだが、どこがポイントか迷う。
で、ずーっと進んでいくと、和束を出た時に先行されていた方が
前方から手を振って戻ってきました。
どうもオーバーランされたようで、一緒に右折ポイントに入ります。
あぜ道のような細いところで、予想外に急な上りが発生。そこでその方に離されてしまいました。
うんしょこらしょとどうにかピークを抜けて、府道138号にぶつかります。
右折?左折?と一瞬迷っていると後方から、AUTHERに乗られた方が合流され、
右折ですよ〜とご案内いただいて、しばらくランデブーいたします。
鈍い上りとキツイ上りが連続し、進行方向側からの直射日光で汗まみれです。
暑い暑いといいながら、ジリジリとしぶとく上っていきます。
途中のピークの直前で、お一人かなり年配と見える方が苦しそうに上がっておられて、
「もうそこで上り終わりです!いっしょにがんばりましょう!」と声をかけて一緒に上りきる。
そこからの下りでペースを上げていくのだが、
次の上り返しのところでギアチェンしようとして、チェーンを落とす。
ん〜、メカトラはやめて〜。
すぐにチェーンを装着してリスタートし、多羅尾の集落に入る。
右折気味に道を進み、その先の分岐で標識に従って右折、御斉峠方面へ向かう。
そこから少し幅広になった道をニギニギ上る。
周囲はちょっと開けたようになっているので陽を遮る場所がなく、
顔面から火を噴きそうなほど暑い!
そうして御斉峠の手前あたりで、見覚えのあるのぼりが立っている?
ん〜、何かなあと思ったら、シークレットチェックポイント。
K野さんともう一方が立っておられ(ご苦労様です!)、
ブルべカードと先ほどの和束のレシートを提出して無事チェック。
ここでいったん本格的なヒルクライム区間は終了♪
時刻は10:30くらいだったと思います。


↓御斉峠手前でシークレットCP


チェックポイントを通過すると、その先にタラオカントリーの入り口があり、
その先から長くテクニカルなダウンヒルが始まります。
先ほどのAUTHERの方と2人で少し距離を開けつつ慎重に下っていきます。
眺望が最高なのだが、途中下車する余裕なく、
必死でマシンをコントロールしつつ下ってきます。
細かいカーブがクネクネト連続し、対向からの車もそこそこあるので
ラインを越えないように慎重にスピードを殺しながら進んでいきます。
下りなので風を浴びて、先ほどの汗が引いていくのが気持ちいのだが、
なかなかに長いダウンヒルで上半身がしんどいっす!
伊賀コリドールロードにぶつかって右折し、さらに斜度が増してズンズン下ります。
この日は風が結構強く、リム低ホイールながら結構振られます。
落車だけはないように慎重にふもとまで下りきったころにはずいぶん肩も腰もダメージ大。
はあ〜しんど〜。


AUTHERの方と時折談笑しながら、ひきつづき伊賀コリドールロードを進んでいきます。
関西本線をまたぎ、県道138号に再合流。
その先の立派な橋で木津川を渡ります。
木津川といえば久々の再会ですな。こちらはスタート地点からずいぶん紆余曲折ありましたよ。
そこから前方に何人か先行している方と合流して南下を続けます。
R163を過ぎると道はのどかな田園地帯を進むストレートの道となります。
この時点でちょっとした集団となり、自分は5人中3番目の位置取りで進んでいきます。
R25を越えたところで、先頭の方が道がわからずにストップ。
2番手の方が交代して先頭に立ち、自分は2番手になって、
大内ICのところを右折し、名阪国道をくぐります。
くぐると高台に向かって若干のアップダウンがあり、少しあわただしく展開する。
台地の上の広大な田畑地帯を貫く道となると、まるで周囲が北海道の様でなんとも清々しい。
前後の方と、気持ちええですねと談笑しながら進んでいきます。
途中にあった菜の花畑では先行されていた参加者の方が停車して写真を撮っておられました。
この辺りの雰囲気がコース中一番素晴らしかったと思います。
自分ものんびり写真を撮りたい気分だったが、序盤はマージンを稼ぐのが一番だし、
せっかく集団になっているので離脱するのももったいない。
常にある程度制限時間を頭の隅において行動しないといけないのが
ソロの超ロングと違うところですな。
ということで、逆にここは自分が先頭に出て集団を曳きます。
予野の交差点で県道686号とクロスし、その先の赤い橋を渡ったらすぐに左折。
細い川沿いの道に入り、若干上りに差し掛かる。そこをえっさほいさと上りきり、
上野名張バイパスをくぐって、古山の交差点で旧R368に右折する。
そこでもうお一方のローディーさんを吸収して、ずんずんペースアップ。
向かい風に抗うのはほどほどにして32kmペースで進んでいく。
この区間も微妙にアップダウンがあった。
和束できちんと補給したつもりだったが、
予想以上のアップダウンと、予想外の暑さでの消耗で、
このあたりでかなりきつめのハンガーを迎えます。
しかし、次のCPまでは5kmを切っているので我慢し、
腹減った〜とぼやきながらも、引き続き先頭を曳きます。
西原の交差点を左に入り、近鉄線をまたいで、
住宅街の短いながら急なのぼりをクイっと上る。
そこを下ったらようやくCPであるローソン名張桔梗が丘六番町店にとうちゃこ!
時刻は11:13。予定より1時間ほど早めに展開しています。
何時発かわからないが、たくさんのブルべライダーが出たり入ったり賑わっております。
到着した時にAUTHERさんから「しっかり補給してくださいね!」とお声かけ頂きます。
アザーッス。
次のCPは伊勢になるし、道中での補給ポイントはさらに限られるため、
ちょっと長めの休憩を入れて補給をします。
ざるそばとおにぎり2個、それとポカリとコーラ、デザートも付けます。
味わうというよりももう、流し込む感じでとにかく燃料をつぎ込む。
レシートもしっかりとゲットしたらリスタートします。


同じタイミングでもう一方と2人でR165を名張方面へと進みます。
ここは交通量が多く、渋滞している横を抜けていきます。
原出の交差点でいよいよトラフィックから解放されてR368に入ります。
入ってすぐ、富貴ヶ丘まで急坂発生し、そこをダンシングで上がっていき、
そこから一人旅になります。
しばらく鈍い上りを我慢すると、比奈知ダムに到達。
トンネルを抜けた先からはひなち湖畔に沿って、
フラットな道に変わり、そこからはペースアップ!


↓ひなち湖


ダム湖に沿って大回りに右へとカーブを切りながら道は進んでいきます。
この先山の奥へと進んでいくにつれて上りが徐々に厳しくなっていくのはわかっているので
ペース刻めるところは手を抜かずに踏んでいきます。
ダム湖が終わると、道は名張川に沿ってゆるやかに上っていきます。
交通量もほとんど皆無で、のどかな山間の道は、
時折狭小な区間はあるものの素晴らしい快走路です!ナイスコースレイアウトですな!
途中集落で、乳母車を押しているキュートなおばあちゃんに
「頑張りよし!」と声をかけられ、思わずアザーッス!と叫ぶ。
太郎生のあたりでお一人ローディーさんをパスするが、
その直後、モーレツに早いロディーさんにパスされ、あっという間に遠くなりにけり。
県境のあたりで一度急な坂を上っていき、その先でわずかながら三重県突入。
分岐点のところにある道の駅伊勢本陣御杖で一服しようかと思ったが、
そのもう少し先に道の駅美杉があるので、もうちょっと我慢していく。
道の駅で休憩をしていた方々に手を振ってご挨拶をし、敷津の交差点を左折します。
そこから長い長いダウンヒルがスタート。
結構勾配もあり、ずんずんペースが出るのだが、風が舞っているのであまりスピードが出せず。
慎重に慎重に下っていきます。
すると、その下りで2人ほどめちゃくちゃ速い方にごぼう抜きされていきます。
さすがにあのスピードは怖すぎてよう出しませんワ〜。
下りきり集落に入り、少しだけ寄り道。
といってもR368沿いなのだが、JR名松線の終着駅、伊勢奥津駅に立ち寄ります。
このJR名松線は全国的にも有名な赤字路線で、
しかも2009年の台風の被害で家城〜奥津の区間がずっと運休状態になっています。
来年ようやく復旧する見通しですが、線路もホームも廃墟のごとく草ボーボーでした。
ガンバレ名松線


伊勢奥津駅。復旧はいつ?


ということで、若干趣味丸だししてしまいましたが、すぐにリスタートします。
ここまで敷津からさんざ下ってきましたが、そのお返しと言わんばかりに上り返しが発生します。
雲出川沿いのわずかな平地をあっという間に抜け、名松線をまたいだら、
R368は目の前の山塊に一直線でとりついていきます。
いきなりの激坂に瀕死の状態になりつつも、焦らず淡々とダンシングでこなしていきます。
坂の上部では、同じように上りに苦しんでペースダウンしているローディーさんの姿がちらほら。
そこをターゲットとして意識を切り替えて、ずんずんペースを上げて、
どうにか難所を切り抜けました。しかし、暑いのなんの、目に汗が沁みる〜@@
飼坂トンネルを抜けると一直線のダウンヒルをこなし、
多気の交差点を過ぎてすぐにある道の駅美杉にピットインします。
ふぃ〜。これでほぼほぼ、序盤の上りを消化しました。
しかし、当初のプランとは違って、結構ハードに走ってきたことで
腰痛がひどくなってきました…
ここまでで走行距離は110km。すでにここまででも十分いろんなことがあったのに、
折り返しまで残り100km、ゴールまで300km…まだまだ果てなき旅路です。


↓道の駅美杉にて一服


トイレに行って顔を洗うと、顔面塩がびっしり。どれだけ暑かったかということですね。
それほどお腹はすいていなかったので、手持ちのチョコレートとハイチュウで糖分摂取。
カルピスソーダをがぶ飲みしていると、ブルべライダーお二方が到着されます。
お一人は、ケス・デパーニュジャージにピナレロの方、もう一方はガノーのレーパンの方。
暑いですね〜と談笑しながら、タバコをふかせておられました。
この方々とはこの後いろいろな場面でご一緒することになります。
ジュースを飲み干して、一足先に出発します。


お二人にご挨拶をして、道の駅を出ると、少し前方にお一人走っておられるので、
その方を目安に淡々と仁柿峠までの残りの上りを片づけにかかります。
せせらぎに沿って道は、それほどきつくない上り基調でずんずんと山間に分け入っていきます。
これでも国道かというような細い道ですが、交通量もそれほどなく淡々と進む。
少し集落みたいなところに出たなと思ったらそこがピークの仁柿峠で、
そこで先行されていたローディーさんに合流する。
そこからはかなりテクニカルなダウンヒルに突入。
車の離合が難しいくらいの細い道が右へ左へ、
山肌にそってクネクネと曲がりまくっていて、
見通しは悪いし、ガードレールみたいなのもなく、
先ほどの上りよりもペースが出せない感じで下っていきます。
合流した方と、すごい道ですねえと話しながら慎重に下っていくと、
途中で先行していた軽自動車に追いつき、その後ろにべたつきでダラダラと進む。
途中で、対向から車がやってきて離合するのに一旦停止。
車同士が行き違ったら、この軽自動車が遅かったので先にリスタートさせてもらい、
一気にペースを上げて下ります。
先ほどご一緒していた方は、車を先に行かせようとしていたのでスタートが遅れたので
ここからは一人旅になりました。
相変わらず道はシビアだが、先ほどよりはエグさもなくなり、順調に下っていく。
集落に入って道も車線付となり、さらにペースを上げて下り、
粥見赤滝の交差点でR166にぶつかり左折します。


ここからは少し交通量もあり、下り基調ということで38km程度までペースアップして時間稼ぎ。
踏むのに必死で曲がりどころを通過して、少しオーバーランしてしまいました。
すぐに気付いて小片野町で曲がって県道704号に入る。
そのあたりで、先ほど道の駅美杉でお会いしたお二人組さんが追い付いてきて合流します。
このお二人、かなり速い方で、あっという間にペースアップされるのだが、
ここから先、結構曲がりどころがいくつもあるので、
つけるだけついていこうとこちらもギアを入れ替える。
一時随分離されたのだが、R368の合流ポイントの信号待ちで追いつきます。
少しお話をして、後ろ付かせてくださいとお願いをして、3人セットでR386を駆けます。
お二人とも自分より少なくとも10は年上のようなのだが、元気そのもの。
走りの勢いからして全然違い、ついていくのにも精いっぱいでした。
ピナレロ乗りのOさんが先頭交代で下がってきて、少しお話。
去年のフレッシュに参加していたのを覚えておいていただいてたみたいでありがとうございます!
行けるところまで一緒に行きましょうと言っていただいて、ちょっと気合を入れなおします。
紀勢自動車道をくぐって、R42にぶつかります。
そこで、お一人ロマンスグレーの方と、もう一人マリアローザにピンクデローザの人が合流し
5人体制でR42を南下します。
ここは交通量が非常に多く、しかもこの辺り方風が非常に強くて、
一度下りで思いっきり煽られてバランスを崩しそうになりながらも、
ハイピッチで駆け抜けます。
新田で左折をして県道709号に入り、田口大橋を渡ります。
渡ってすぐのところでさらに左折をして県道38号に入ると、向かい風が非常にきつくなります。
デローザの方はリアに「ブルべ初参加!」のカードを掲げていて、
時折積極的に前に出て曳いてくれます。
自分も頑張って先頭交代をしたいと思うのだが、何分地力の差は歴然。
腰痛もなかなかシビアな状態で無理できず、後ろについていくので精いっぱいな状態。
中川大橋を渡る時には激しい横風にバランスを崩しそうになり、ちょっとヒヤっとする。
橋を渡って右折すると、細かいアップダウンが続く集落に入り、
その上りの度に1人遅れてしまい、そのままサヨウナラ〜。
せっかくみなさんにプッシュしてもらったのに、ご期待に添えず申し訳なし…


そうして一人旅となるのだが、タイミング悪く、
この辺りは非常に向かい風が強くて、どんどんドツボにはまっていく感じ。
必死のパッチで漕いで前進を続けます。
度会の集落に入り、どこかで右折をせねばならないのだが、
どこだったかわからず一旦停止して地図を確認しているうちに、
さっきのロマンスグレーの方にパスされます。
大野木の交差点で右折したところで、ちょっと喉がカラカラで一旦停止。
ビックルをがぶ飲みしてすぐにリスタート。
南伊勢大橋を渡り円座町で左折。県道22号に入ります。
ここからは一本道で曲がりどころを気にしなくていいところまで到達できて一安心。
しかし海から吹きつけてくる激しい向かい風は容赦なくみるみる体力を奪っていきます。
こうなればもうペースは気にせず、できるだけ消耗を抑えて進むしかありません。
えっちらおっちら低姿勢で確実に前進していきます。
津村町をすぎると、左手から伊勢自動車道が並びかけて、わずかながら鈍い上り。
その頃からだんだん自分の中からエネルギーがなくなっていくのがわかります。
ハンガーノックの兆候が一気に来て、もうヘロヘロ状態になってきました。
しかし次のCPまではもうわずかということで、そこまでどうにか頑張ります。
高速をくぐって、もうひと上りをなんとかやっつけると、
そこからしばらくなだらかな下り。
そこをもう漕がずに惰性で下っていると、お一方がピュ〜っと下って行かれます。
下りきったところ、御木本道路を右折するところの信号で合流し、少しお話。
ブルべの常連さんの方で、今回は序盤からみんな展開が早すぎますねとのこと。
そのうち後半でみんな落ちてきますから、焦らず行けばいいですよとアドバイスいただく。
この方は後ろを走っていても、一目で強いとわかる方で、
上りもゴリゴリと重いギアを踏んで上っていかれました。
そうしてそうして、車や人でごった返す伊勢内宮前にやってきました。
CPのサークルK伊勢内宮前店に到着したのが15:21でした。
先ほど曳いてもらったOさんをはじめとしてみなさん当然先着されていて
すでに補給に入っていました。
遅れてすいません!と声をかけると、
いやいや〜自分らも来たとこやで〜と言っていただきました。アザーッス!
何はさておきまずは補給!ということで、
ビックルとポカリ、ジャンボお好み焼きといなりずしというよくわからん組み合わせ。
レシートも忘れずにゲットして、必死で食べます。
とにかく腹が減って減ってやばかったっす。
そうしてここでロキソニン服用し、腰のストレッチも入念に。
腹に詰めれるものを詰め、満足したらトイレにしばし籠り、それからリスタートします。
Oさんたちはのんびりゆっくりされていて、
遅足のワタクシはお先に失礼!と挨拶して、出発です。


出発後、しばしごにょごにょと進み、近鉄線をくぐって県道37号に入る。
ここから鳥羽までは去年のフレッシュで実走済みの区間
あの時は1本前のフェリーに間に合うかどうかというチャレンジで、
えらいペースで駆け抜けたのを思い出します。
楠部ICを左手に見ながら徐々に山間に入っていき、朝熊から山間部のアップダウンが始まります。
そのあたりで前方にお一人ローディーさんがいて、
どうもさっきのCPの直前で拾ってもらった方のようです。
補給をして体力が戻ってきているので、ちょっとペースを上げて徐々に差を詰めていきます。
ここは長くてきつい上りはないので、アップとダウンの繰り返しを続けて
ようやく追いついて後ろに着かせてもらいます。
そうして、ピークの手前で、さらにさっきのロマンスグレーの方にも追いつきます。
第二伊勢道路をくぐると、急勾配のダウンヒルで、
お二人は素晴らしいフォームでびっくりするようなスピードで下っていくのだが
自分はさすがにそんなスピードは無理で、ちょっとビビリながら50kmペースで下る。
随分さをつけられてしまったが、R42にぶつかる信号でどうにか2人に追いつく。
お二人に、「下りも素晴らしく速いですね〜。自分はダウンヒル苦手で…」というと、
「安全第一が一番ですよ。実際事故起こしている人も見ましたし、
危ないと感じたらペース落とすべきですよ」と言っていただきました。
うむ〜。でもやっぱり、下りが上手だからこそあのスピードなんでしょうね。
ベテランの皆さんはホントさすがです。勉強になりますな。
R42に入ると交通量が増えてきます。鳥羽商船高専のところで本日初めての海とご対面。
3人体制でそこそこのペースで幅広の国道を進み、
賑わいを見せて混雑する鳥羽をあっという間に通過。
そのまま道を直進して、安楽島大橋を渡り県道750号に入ります。
そこでもうお一方、先行されていた人に追いつき、4人体制で進んでいきます。


鳥羽中央公園を横目に、少しずつ鈍いアップダウンが始まります。
なかなかいいペースで上りをこなしていきますが、すでにハイペースでしんどいゾ。
海が見えてくるところで、ロマンスグレーの方が前に出るように合図をして離脱。
3人でペースを保ったまま上下左右に曲がりくねった海岸沿いの道を進みます。
そして一番最初に追いついた強い方が、かき小屋でストップされたので、
さきほど追いついた方と2人でランデブーで進んでいきます。
麻生の浦大橋にさしかかり、自分も写真を撮りたかったのと、
喉がカラカラだったので、橋を渡ったところの自販機でいったんブレイクすることにしました。
楽しいけど、なかなかハードなライドですな。


↓麻生の浦大橋より


休憩をしていると、さっきのロマンスグレーの方が挨拶をしてパスしていきます。
それを見送って、もうしばらく休憩をしていると、
橋の向こう側に2人組が走ってくるのが見えてきました。
どうもOさんとガノーレパーンの方のようです。
ちょうどリスタートするときには追い付かれご挨拶をしたのだが、
そこから先タラサ志摩までは長い長い上り区間に入って、自分が先行して一人旅となります。
途中の長いストレートの上りのところで、
さっきパスしたロマンスグレーの方が休憩されていました。
いよいよパールロードの核心部に入っていくのだが、
さっきまでのアップダウンなどほんの前菜にすぎませんでした…。
まるで荒野竜神スカイラインのごとく、
長い上りを上りきると下ってまた上って、少し下ってまた上って、ジェットコースターライド。
確実に体力を削っていきます。
周囲には海と、荒れ果てた山林が果てしなく続いていて、お店どころか自販機すらない。
加えて、海際ということで強い風が右へ左へ舞っていて、それがまた堪える。
果てしなく続く山林が上下する前方を見ても、いったいどこまで続いているのやら。
標高自体はそれほどなのだが、何しろアップダウンの頻度が半端なく、
下るたびにヤメテくれーとぼやきつつ、その先の上りにあえぐを繰り返す。
大きく岬を回り込み、進行方向が東向きから南向きへと展開。
かき小屋のあるピークを過ぎると、一転して豪快なダウンヒル区間
ええいままよっ!とペースを上げて下りきり、その先の左カーブを抜けると…
そびえるような激坂がお・も・て・な・し〜!
イヤン!完全に死ねるわ〜。
しかし行けど戻れど地獄は同じ。
ということで、躊躇なくインナーに落として省エネモードに切り替えて淡々と上ります。
そうしてピークの手前に鳥羽展望台の入り口に到達。
当初はここで写真撮影をして通過チェックだったのだが、ここは17時close。
で、あと7分でクローズですから、それはチェックポイントとしては無理となったのでしょう。
別のCPが設けられているので、ここはスルーします。
本当なら個人的にせっかく来たのだから寄りたいところですが、
もう余分なアップダウンができるほどの余裕が全くありません!


↓鳥羽展望台


展望台の入り口を過ぎても、アップダウンの応酬は続いていきます。
国崎のあたりからは熊野灘の果てしない海原が見え、
改めてドえらいところまで来たなあという実感。
日もそろそろ弱々しく、どんよりとした空が裏寂しい。
風もあって肌寒さを感じるようになります。
なんとかギリギリでもいいので大王崎灯台に日没までにはたどり着きたい!
激しい消耗で衰えたモチベーションを、
はっきりとした目標を立てることでもう一度奮い立たせます。


↓ハードなパールロード


引き続き、大波小波のアップダウンを何度も何度も何度も繰り返していると、
なぜか対向からブルべライダーさんが一人走ってきます。
よく見ると、麻生の浦大橋まで一緒に走っていて先行された方でした。
んん?ここは復路には設定されていないし、何かトラブル?と声をかけてみると
「いやあ鳥羽展望台での写真を忘れてしまって…」というので、
いやいや、CPは変更になってますよ〜、
この先のスペイン村のところのファミマでレシートもらえばいいですよ〜とお伝えすると、
「ああ、よかった〜」と安堵されてました。
しかし、どこの時点で引き返してきたのかわからないが、
このアップダウンをバックするするなんて…ご苦労様でした〜。
話を聞くと、朝受付でリストに名前が載ってらず、
そのせいでブリーフィングが聞けなかったらしい。
それはそれは災難でございました〜。
せっかくなんで、次のCPまでの8kmほど前を曳かせていただきます。
相差を過ぎてくるとアップダウンの落差もずいぶんマイルドになってくるので
少しずつペースを上げて進んでいきます。
翌日マラソン大会が開かれるようで、その立て看板やら何やらが立っておりました。
徐々に下りの割合が増えてきて、ペースが上がります。
そうして伊勢志摩CCの真横の長いストレートの下りをジャーっと下ると、
目の前に急激な上り返し!おおう!ほんまのジェットコースターみたいやないか〜。
ちょっとびっくりしつつも、下りで加速をして勢いで上りきる。
そうして的矢湾大橋を渡ると、そこは志摩スペイン村
駐車場から吐き出される観光客の車や観光バスの渋滞の脇を抜けて、
その先の信号で右折し、ファミリーマート磯部坂崎店に到着。
時刻は17:39。
日暮れまではあまり猶予がないので
ここはサクっとレシートゲットしてリスタートしたかったのだが、
結構冷たい風を浴び続けたせいか、腹が冷えて、お決まりの腹下しタイム!
トイレが一か所しかなくて、脂汗をかきながら待つ苦しみよ。
一度トイレを済ませ、それから簡単な補給をして2回目。
2回目を出てリスタートしようとしたら、再びグウウウウ〜。
そんなこんなでモタモタしているうちに、後続の皆さんにパスされてしまいます。
うむう、arkibito最大の弱点は胃腸です…


志摩スペイン村(CPにて)


どうにかこうにか、持ち直して、いよいよリスタート。
残り16kmを走り抜けて、暗くなるまでに大王崎灯台を目指します。
まずは道の反対側にあるGSの脇から県道61号に入るのだが、
この道が本当にあっている?と思わざるを得ないような細く頼りない道で、
県道というより、怪しいハイキングロードといった方がいいような道。
ほんまにこっちなのかと走りながら不安になったが、
途中のガードレールに小さく小さく県道61号とあったので一安心する。
うっそうとする森を貫くか細い道を単独で突き進みます。
アップダウンはそれほどないが、前方の見通しが悪く思うようにペースが上げられない。
途中で、対向から何度か車が来て路肩に待機したり。
県道750号とぶつかってドンツキを右折し、さらにしばらく荒野を突っ切ると、
国府小学校の前に出て、ようやくマトモな道に出る。
その先で、お一方ブルべライダーの方が停車してマシンの具合を見ていたので
大丈夫ですか?と声かけすると、大丈夫ですとのこと。
この方はすぐにリスタートしてついてこられました。
ここから長いストレートの平坦道となり、追い風も手伝って40kmペースで進みます。
そろそろ周囲も暗くなってきてとにかく上げるだけ上げて、灯台を目指す!
甲賀の集落に入り、道も見通しが悪いので安全なペースまで落として進むが、
この最果ての地でこの時間に人影は全くない。
志島・畔名と集落を抜けて、分岐を左折しないといけないところをオーバーランして直進。
ひょっとしてさっきのとこかと頭をよぎっていたので、すぐに取って返すと、
さっきの方と、もうお一方が、こっちだよ!と合図してくれ、
3人体制で先へ進みます。
ここからも結構アップダウンがあって、3人でヒーヒー言いながらもペースを上げていきます。
大きく右にカーブを切り、Y字路を鋭角に左折して下っていきます。
そうして小さな港まで降りてきて、前方の岩影に白亜のシルエットを発見!
集落を抜けると、折り返しのスタッフチェックの旗を発見しました。
やった〜!どうにか暗くなる前に到着できました。
と、他のお二方と喜びあっていると、
K野さんから一言「じゃあ、灯台まで行ってきてくださいね♪」
はいはい、そうでしたと3人で灯台入口へ向かうと…ぎょえ〜軽く15%は越えている激坂…
両脇にびっしりと土産物屋が並ぶ細い細いコンクリの坂を、
3人でフンギャフンギャ上り詰めて、灯台に到着!
最後の最後まで、ドS炸裂ですね〜。
もちろん自分は最初から上るつもりでしたケドね!


↓大王埼灯台


そうして折り返し地点の大王崎灯台に到着したのが18:40。
かろうじてライトなしでも灯台が撮影できました。
1月の千葉では野島崎灯台に到着したときには真っ暗だったので
ぜひともと頑張った甲斐がありました。
ここまでの距離224km。スタートから11時間10分が経過しています。
すでに獲得標高の大半を消化しているし、復路は往路より40km短く180km。
時間的なマージンは足切りタイムよりも3時間半ほど稼ぎました。
予想以上に過酷だった割にはがんばったと思います。
もちろんたくさんの方に助けられたのも大きいです。
これである程度の余裕をもって後半戦に突入できます。
しかし、まだまだ後半には厳しい戦いが待ち受けているのでありました。
後編へ続く…