『旅と酒場俳句』 by 吉田類
おなじみ酒場詩人・吉田類さんの本です。
テレビでは時々ろれつが回らず、
取材先の店名もすっかり忘れてしまうことの多い類さんですが、
単なる酔っ払いのおっさんというわけでは決してありません。
自分が類さんに惹かれたのも、あの番組のエンディングで詠まれる一句があってこそ。
単なるグルメ番組としてではなく、酒と人生を小粋に流す様がいいのだ。
つまり人情。
ということで、本書は酒飲みとしての類さんではなく、
俳人としての類さんの魅力がたっぷり詰まった一冊。
さすが酒場詩人を名乗るだけあって酒にまつわる句が多いが、
お酒のピッチ同様に、テンポよく言葉が躍る。心も弾ける。
たまにはそんな詩を肴に一杯なんていうのもいいじゃあないかぁ。
- 作者: 吉田類
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
- 発売日: 2014/02/14
- メディア: 単行本
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たくさんの句が、それを詠った時の解説付きで紹介されていますが、
その中から自分のお気に入りを少しだけご紹介。
うむ〜なかなかどうして見事。
「火酒過ぎて 亡者の船に ゆられたる」
「ワンタン喰ふ 春や乳房の 舌触り」
「ローカル線 どんぐり行った きりという」
「酔ひそぞろ 天には冬の月 無言」
「獣うつ 野に一瞬の 冬もみじ」