記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

酒場探訪記 ウラなんばの夜 「日本酒と私」「ばんぶ〜 BLUES&CURRY BAR」

ということで酒場探訪記。
最近ものすごい勢いで勢力を伸ばしている熱いエリア”ウラなんば”。
基本的に、一人呑みでもグループ呑みでも天満や梅田界隈で呑むことが多いので、
わざわざミナミへ足を運ぶことはないし、
そもそも、心斎橋や難波なんていうのは
よほどのことがない限りあまり積極的にいかないのだが、
心斎橋にめずらしく用があり、そのついでに、
何やら盛り上がっているようなのでちょっくら偵察。
久々に戎橋へ行ったら、グリコ看板が改装中でした。
何度も下から覗いてみたけど、パンツ見えへんがな。


↓グリコ改装中(すでに6代目が稼働しているようです)


まず一軒目は、日本酒でスタートをば。
ということでこちら「日本酒と私」さんへ。
ウラなん通りからちょいっと入った狭い路地にある立ち呑み屋さんです。
若い店長さんと和装のお姉さんがハキハキとお店を切り盛りされております。
のっけから日本酒から入りたかったのだが、酒のラインナップはなく、
冷蔵庫からも距離があるところで品ぞろえが見えなかったので、
とっさに「何します?」とおしぼりを出されて、とりあえずビールで(苦)
あと、アテ三種盛り(450円)を注文する。
アテの三種盛りは、造り2種類(イカ・サバ)、蓮根アラビアータ、生ハムに、
鮭トバにきんぴらと、サービス満点の6種盛り♪
これだけで十分お腹いっぱいになれます。
ビールはサクサクッと流し込んで、いよいよお酒。
お姉さんに聞いたら冷蔵庫観て注文してくださいとのことで、
早速冷蔵庫前に移って、物色開始。


↓日本酒と私


↓たちまちビール&三種盛り


まずは、新潟県は長岡の酒、「清泉」の特別純米
コップだけではなくしっかり升までダブル表面張力で波々いれていただきました。
キリッと鼻の奥に響く直球系の酒でした。
酒に一番合うのはやっぱりウインナーだとウエダさんで学びましたので
アテにタコさんウインナー(250円)を追加。これがまたウマイ。
続きましては、岐阜県瑞浪市の酒「小左衛門」の”白ラベル(純米吟醸・雄町)”。
雄町独特の風味を爽やかに仕立てた逸品。ウマ〜♪
ここで野暮用のお時間となり、今宵はこれでお勘定。
噂にたがわぬええ店でした。


↓清泉 特別純米


↓タコさんウインナー


↓小左衛門 純米吟醸 雄町


野暮用を済ましている間に、そろそろ夜も更けてしまいました。
しかし、少し小腹も空いてきたぞ。
と、裏路地を歩いていると、何やら怪しい路地を発見。
オリオン通りとある。
しかもカレーの文字。これは黄レンジャーのシグナルがピコンッと反応。
中々に怪しい路地を少し入ると、「ばんぶ〜 BLUES&CURRY BAR」なる店。
ちらっと覗いたらマスターと目があい、これはもう入るっきゃない。
恐る恐る入ると、そこはいい感じにしゃがれたマスターが営むブルースBAR。
なかなかに年季の入った薄暗い店内には渋いラインナップのレコードやCDがならび、
BGMはなんと「村八分」!
かつて弁天町の加藤汽船ビルにあった「喫茶 梅星」を思い出させるような
懐かしくも危うく気怠い雰囲気。
いやあ面白うなってきたで〜。
(そういえば梅星のマスター&ママも関西音楽シーンの古参だった)
こっちも完全に予備知識なく飛び込んだのでドキドキだったが、
マスターの方もなんやようわからんのが飛び込んできたのでちょっとビビビ。
「え?え?何か見てきたん?どういうあれで?」
というので、「いやあ、カレーってあったんで」
というと、合点がいったのか「あああ。おう。ありがとな。」と笑顔。
確かになかなか一見さんが飛び込むには
あまりにハードル高い店(京都の四富会館より高い)なので、そうなるわなあ。


↓自分好みの怪しい路地へ吸い込まれる


↓ばんぶ〜


早速カレーを注文すると、「辛いの行ける?ハードとソフトあんねんけど」とのこと。
しょっぱなからハードはほんまにハードル高そうなんで
とりあえずソフトにしておきました。
それからせっかくのショットバーなんで、Harperロックも注文。
カレーを待ちながらグラスを傾けます。
カウンターの向こうにはいかにもしがないミュージシャンやってますな常連さんがいてお話。
マスターのことはブルースマンだと思ってるので、
俺はこの人が作ったカレーなんて恐れ多くて注文したことがないねんと言っておりました。
なかなか、濃〜い〜人間模様がここでは長年繰り広げられているようですなあ。
そうこうしているうちにカレー(ソフト)が到着。
見た目は結構フツーのカレーですが、早速いただきます。
ガリッゴリッ、何だこれは!
スパイシーなルーの中で「俺はここだっ!ここにいるぞ!」
と激しい主張を繰り返しているのはなんとザクギリ生姜。
こやつが、とにかく激しくハードでうますぎる。
音楽畑の人のつくるカレーはやはりファンキーであなどれない!
カシミールもそうだし、バンブルビーもそうだな)
マスターもなかなか小洒落て、フランクで面白い。
叩けばどんどん面白い話が飛び出しそう。
「次はハード喰いに来てや」「もちろん!」
最後の最後に、見事引き当てた新しい止まり木。
これからが楽しみすぎるゼイ!


↓ハーパーロックで〆カレー


結論から言えば、ウラなんば、
キタよりも猥雑でファンキーで
浪速の夜というフレーズがぴったりな面白い店がわんさかあって、
つまりのところパラダ〜イス♪ってことですな。
普段のテリトリーではないので、アウェイ感バリバリで、
ドキドキの手探り状態で店を探さないといけないのだが、
ここ最近はどうしてもなじみの店に落ち着いてしまいがちだったので、
この彷徨っている感は久々で楽しいではないか〜。