記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

Music Life 『ギター弾きのバラッド』 *オリジナル楽曲*

毎週恒例となりました(?)新曲発表。
今週も参ります!
これで早くも5曲目。
これは夏までにアルバム出せんぢゃネ?
って誰が買うのよ。
…俺が買うよッ!児島だよッ!


新曲タイトルはズバリ『ギター弾きのバラッド』です。
斉藤和義じゃあありませんヨ。
正直似てるのでどうにか違うものをとずいぶん考えたのだけど、
詩の中身を考えるとこれ以上にぴったりなタイトルが思いつかない!



タイトルの通り、ギター弾き=”流し”の歌です。
かつてこんな伝説の流しがいたという架空の物語を
伝承風に展開したバラッド(口承説話)です。
(だからバラード(哀歌)ではない)。
いつもはまずどこか1フレーズ(言葉)が思いついて、
その鼻歌からメロディーと物語を膨らませるのだけど、
今回はまずしょっぱなのギターのリフが思いついて、
そこに肉づけをして、オケだけを先に完成させてから
曲と歌詞を乗っけるという順番になったので、
なかなかテーマが浮かばず、歌詞が一番手こずりました。
ギターのリフからスタートしたんだから、
ギター弾きの歌にしようということなんだけど、
それじゃあ情緒が足りないので、
”流し”という個性的なキャラクターを盛り込んでみました。
ちょうど、駅前ビルに本物の流しが出現するらしいという情報を聞いてピンと来ました。
流し自体が伝承的な形態なので、バラッド使いのバラッドなんです。
流しということは当然舞台は酒場なわけで、
いろいろ物語を頭の中で創作しているうちに
頭の中に浮かんできたのが十三のションベン横丁だったのです。
実際に十三に流しがいたかどうかはちょっとわかりません。
あくまでフィクションです。
で、その伝説の流しのイメージは、
自分を再び音楽の世界に戻してくれた濱口さんをイメージしてます。
長髪がトレードマークだったり、曲中の南の港町とはカツウラをイメージしてたり。
流しをしてたことはないと思いますが、してても全然おかしくない(笑)
(濱口さんは只今2ndアルバムのレコーディング中らしいのでそちらも楽しみ!)
ギターテクは相変わらずヘナチョコですが、
ギターを前面に出した渋カッチョええ曲に仕上がったかなあと思います。
ジャケットは大昔に撮った在りし日の十三・ションベン横丁の写真。
昨晩久々に寄ってみたけど、やはり焼け跡は痛々しかったし、
再建に向けて行政の指導があって、
延焼を免れた店舗も、道幅を確保するために看板外したりしていて
あの猥雑な感じが失われてしまっていました。



【ギター弾きのバラッド】
作詞・作曲:arkibito


かつてこのションベン横丁に
伝説の流しがいたのさ
銀の鬣 なびかせて
アコギ一本で真剣勝負


”デルタ”と呼ばれるリズムが
男たちの人生を物語り
類まれな指さばきが
女たちを狂わせたのさ


その名はMr.Gibson
従うのはわが流儀
世間の流行事など
何処吹く風


場末のバラード 月夜に鳴り響けば
奈落の路地裏もシャングリラへと変わる
セブンスコードがやけに沁みる未明に
酸いも甘いも全部噛みしめて
聴けよ


気まぐれなアイツはやがて
街から姿を消した
南の港町へと流れたという


酔いどれブルース 寒空にこだませば
焼けた空き地に 一輪の花が咲く
今宵も誰かがおもむろに口ずさめば
甦るアイツのしゃがれたシャウト
聴けよ