記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

Music Life『Papillion パピヨン』 *オリジナル楽曲*

引き続いて新曲アップ。第9作目『Papillion パピヨン』です。
パピヨンとはフランス語で蝶・蛾を指します。
夜に舞う艶やかな蝶のようにヒラハラと男を翻弄する悪女の歌です。



一番最初にメロディーが浮かんだ時点から、
これはもう絶対悪女の歌にしようと決めうちで進めましたが、
何しろそういう女性が身近にはいないので、
最初はずいぶん歌詞に悩みました。
試行錯誤の中で「パピヨン=蝶」というフレーズがひらめいた途端、
あっという間に書き上げることができました。
我がが我ががと押しまくるために、一人称の語り口調を貫き、
相手の男は一言も口を挟めずに終わっています。
お〜怖〜。
しかし私は一人でも大丈夫という絶対的な自信の裏で、
そうやって虚勢を張って、強がって、生きていかなければならないという
ある種の空しさ、影なる寂しさを刹那に滲み出したかったので、
最後に「駄目ね」と素顔をポロリさせてみました。
アレンジはこれもホーン隊を意識してゴージャス感を出すために入れてみましたが
やっぱり鍵盤は苦手。


グラフィックはもうこれは蝶しかありません。
野性的というか本能的というかそういうむき出しの欲望の象徴を表現するには
暗闇にぼわーっと浮かび上がる怪しげな蝶がいいだろうと、
あえて筆感を残したタッチにするため、
クレヨンで荒めな感じで描いてみました。


余談ですが、パピヨンと聞くとS・マックイーンの大脱走劇を思い出しますね。
D・ホフマンの制止を振り切って、南米の孤島にある
断崖絶壁から自由を求めて大西洋へダイブするラストシーンは、
本当にダイナミックなロマンに溢れた名シーンでした。
全然この曲と関係ないけど。



【Papillion パピヨン
作詞・作曲:arkibito


さよなら 鍵はここに置いてゆくわ
つかの間の夢見せてあげたでしょう


ゆうべの情事さえ もう憶えていない
色褪せた恋を終わらせましょう


今さらそんな話 笑わせる
未練がましくて無様なだけ


男と女なんて 所詮こんなものよ
本気にしたあなたが愚かなの
花から花へ蜜を求め彷徨う
そうよ私は気まぐれな蝶


もうやめて あなたのそういうところ
男の涙なんて見たくもない


出会いは過激に 別れは残酷に
ズルいって? いいえ 女の性よ


知らなかった?
私 ちっとも 優しくないの
そんなの柄じゃない


男と女なんて ルール無用のゲーム
追われるよりも追う方がいい
別れの数だけ女は強くなれる
駄目ね私はイケない蝶


思うがまま 妖しく舞うのよ