記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

Music Life 『止まり木』 *オリジナル楽曲*

オリジナル楽曲、第12弾です。
以前『雨の待合所』をリリースした時のジャケットに、
B面カップリング曲としてクレジットしていた『止まり木』がようやく完成。
MOODYでJAZZYな大人の曲です。



この曲もオリジナルは相当昔に作った楽曲で、
JAZZYなコード進行を発見した時は、本当に自分でもびっくりしました。
いまでもTABには落とせますが、コードはと言われても特殊すぎてわかりません。
当時は雰囲気重視で英語詞だったのですが、今回の新録に際して、
やっぱり日本語で勝負したいと全く内容を変えて作り直しました。
なんとなくドラマ『深夜食堂』に出てくるうらびれた路地裏のイメージが沸き、
酒場の歌にしました。
(余談だけど深夜食堂の横にある「雨のアムステルダム」という店がいつも気になる)
直接的な酒のフレーズは一切NGにした上で、
アルコール臭漂う世界観を出すという難しい作業で何度も何度も手直しをしました。
仕掛けとしては、夜の闇に灯る色とりどりのネオンを連想するように
色に関する文字(紅・黒・琥珀など)を意図的に随所にちりばめたり、
「止まり木」ということで鳥のイメージも同時に盛り込みました。
この曲はAメロは低音、サビは高音と音域が広くて、
自分で作っておきながらなかなか歌うのが難しい曲です。ギリギリです。


ジャケットはもう、『雨の待合所』のB面なわけですから、
再び昭和男のジャケット遊び。
ここまで来ると完全にうさんくさいポップス状態ですね。


それにしてもメロディーはどんどん浮かんでくるのだが、
そこに歌詞をつけてアレンジをして、
おまけにビジュアルまで作っているだけの時間的な余裕がそろそろなくなってきた。
これからの季節は外遊びに重点を置いていくので、
ちょっとペースを落としてぼちぼちリリースしていく予定。
その前に体調を整えねば。



『止まり木』
作詞・作曲:arkibito


みなが家路を急ぐ頃
ぽっと灯がともる
忘れ去られた裏路地
紅めくネオン


足元をすくう首都の風
人恋しさに
疲れた背広が またひとり
吸い込まれてゆく


破れた翼を
そっと忍ばせて
煙草くゆらせ 独り言ちた
兵どもが夢の跡


鉛の空を今は忘れましょう
群れをはぐれた 孤独のままに
青い話は ここじゃ野暮なこと
琥珀の泡の向こう側に 夜が溶けてゆく


ラジオから漏れる
いつかの流行り歌 切なく
干したグラスの縁なぞり
いま何を思ふ


不意に訪れた 黒のベルベッド
乱れた仕草に唆され
廻り始めた万華鏡


バイオレットの罠に溺れましょう
煮えた鍋からゆらめく陽炎
白け話は ここは野暮なこと
少しぬるめの甘やかな媚薬に 心ゆだねて


tu tu tu…