記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

子連れハイク 蓬莱山 詳細編

前日、荷物とウェアのチェック。
娘はこの間新調した山アイテムを初実戦です。
翌日は天気よさそうできっと暑くなりそうだったが、
娘の着替えやら何やらいつもより多めの装備を詰める。


当日、6:30起床。
2人とも寝ぼけ眼で着替えをして7:15に出発。
比良山系へはJR大阪駅7:45発の新快速がマスト。
湖西線経由の敦賀行。
朝早くから多くのハイカーでごった返しております。
JR堅田駅に降り立つと、バス停に向かってハイカーたちの競争が始まる。
さすがにかなりの人手で、江若バスの方も臨時便を出している。
娘のペースで列に並んだのでかなり出遅れてしまったが、
坊村・平直通の臨時便に皆乗り込んでくれたおかげで、
通常の8:50の便の先頭になり、余裕で席に座れてラッキー。
坂下のバス停ではボタンを押しているのに運転手が通過しようとしたので
慌てて声をかけて降りる。
あれだけぎゅうぎゅう詰めの車内だったのに、
同じバス停で降りる人は皆無だった。


今回歩くルートは、この坂下からサカ谷ルートを経て、
小女郎池に到達し、そこから蓬莱山へと抜けるプラン。
自分が片手が使えないのと、病み上がりの娘のことを考えて、
万一登りでいっぱいなら、下りはロープウェイを使えるルートにしたかったのだ。
バス停に設置されたポストに登山届を投函して、9:30に出発!


↓坂下バス停 小女郎ヶ池 サカ谷コース


まずは坂下の小さな集落を少し戻り、
安曇川をまたいで、小さな沢に分け入っていく。
いくつか小さな堰を巻いていき、一回だけその沢をまたぐ。
娘は石や倒木を使って川を渡るのにちょっとドキドキしていましたが
手を差し出して補助して無事にわたる。
涼しげな風が上から吹き降ろしてきて気持ちいい山歩きです。


↓沢をまたぐ


沢をまたいだらすぐに脇の斜面にへばりついた急登がスタート。
しかもこの急斜面に加えて、
いくつもの木が、倒壊したのか間引きしたのか、
わからないくらい転がっていて、
それらが容赦なく登山道をふさいでいて難儀する。
自分は大股でまたいだりできるのだが、
娘のサイズだとそれも一苦労で、
とにかくバランスを崩して谷側に落ちないように
バランスを取ってやりながら慎重に進む。


↓倒木だらけの急坂


↓頑張れ!


どうにか倒木の激坂区間を抜けて、
尾根に出ると道はずいぶんと穏やかになる。
大きく弧を描きなら山を回り込んでいくと、
広大な広場のような場所へ出る。
踏み跡が薄いので、名印のテープを頼りに進んでいく。
途中、付近の地面がガサゴソと音がするので何かと思ったら、
馬鹿でかい青大将が大慌てで逃げていきました。
娘はキャアアア〜と大騒ぎしていましたが、
まあちょっかい出さなければ襲ってはこないよ。


↓いきなり青大将!


その広場を抜けていき、
再びさっきの沢の上部へと戻るような恰好で道は続き、
再び倒木だらけの急斜面をゆく。
その上部を再びぐるっと左旋回していき、小ピークに達する。
ここまでで約2時間30分。
ほとんどノンストップで来たのでここで小休止。
娘はこちらがお水とか休憩とか言ってやらないと、
ひたすら夢中に進んでいくので、ちょっと心配です。
タフなのはすごいけど。
10分ほど休憩をしたらリスタートです。
ほぼほぼしんどい区間は済んだので、
あとは木々の間から見えている蓬莱山を目指すのみ。


↓稜線に出る


↓小ピーク


↓蓬莱山が見えてきた


この間全く他の人に合うこともなく、2人でひたすら歩いてきました。
道もずいぶん穏やかとなり、空も近くなって会話も弾みます。
歩きながら学校のこととか、次女のこととか、
いろいろ親子のコミュニケーションの時間を楽しみながら、進んでいきます。
そうしてただっ広い草原地帯に出たなと思ったら、
たくさんのハイカーがいて、そこが小女郎池でした。
こんな場所にこんな大きな池があるんですなあ。


↓広い場所に出る


↓小女郎ヶ池


池の向こう側には蓬莱山が見えています。
ここらでちょうどお昼時ということもあって、
休憩するかと聞いたのですが、
山頂フィニッシュが先だ!とお姉さまが申されるので、
先へ進むことにしました。
池からさらに東方面へ打進んでいくと、主稜線とぶつかります。
小女郎峠ではようやくこの日初の琵琶湖!
最高のお天気で、霞むこともなくくっきりと下界の絶景が見えます。
娘もこの絶景に歓喜の声を上げながら、カメラバシバシ。


↓小女郎峠


↓絶景かな〜


ここからは右手に琵琶湖を望みながらのなだらかな稜線歩き。
琵琶湖バレイの方から散策に来る一般客もたくさんいて往来があるので
道を譲りあいながら進む。
娘もきちんと「コンニチワ!」と挨拶を交わしながら歩きます。
さすがに少し風が出てきて肌寒くなってきましたが、
段々目の前に迫ってくるゴールに足並みも早くなり、
13:25に標高1174m、300名山に数えられる蓬莱山に登頂です。
歩き始めから約4時間の山行でした。


↓心地よい稜線歩き


↓山頂ゴール


↓標高1174m 蓬莱山(300名山)


山頂にはリフトで上がってきた人たちでごった返していて、
人をかき分けまずは山頂にある鐘を鳴らし、
隅っこのほうでお昼ご飯の支度。
今日は娘の大好きなチキンラーメンを持ってきました。
山頂は風が結構あるので、石で風よけをつくってバーナーで湯を沸かし、
いただきます。
本当に今日はお天気がよく、空気も澄んでいて、
南側は琵琶湖の横に比叡山がドーンと鎮座し、その麓には大原の集落、
そしてその奥に京都市街が見えて、
さらにその奥に先日行ったばかりのポンポン山などの北摂の山並みまで見えます。
西には延々と丹波国の山並みが緑のウェーブを心地よくなびかせ、
裏手側のすぐ真向かいには比良山。
その脇に、私もいるぞとばかりに、伊吹山がはるか遠くに見えます。
これだけの眺望がすっきりみえるのはなかなかラッキーです。
絶景の特等席で食べるお昼ご飯は格別でございました。


↓チキラーランチ


ゆっくり40分ほど休憩をしたら、下山開始です。
リフトには乗らずに、緑の斜面を下っていきますが、
娘がはしゃいで引っ張るので何度も足を取られそうになる。
その先の急斜面には水仙が一面に咲き誇っていて見事。
一度笹平のレストハウスでトイレを拝借し、
それからせっかくなので、周辺にある無料遊具で娘さんをリリース。
自分としては、しんどい下りを歩かせるより、
ここでたっぷり遊ばせてあとは楽チンのロープウェイで下山の予定でした。


↓琵琶湖バレイ


↓満開の水仙


ロープウェイ乗り場のある打見山に到達すると、
びっくりするぐらいの行列。
何事かと思ったらアトラクションではなく、
下山のロープウェイ待ちでした。
これはかなり待たされるしどうしようかと思ったら、
娘さんが、ここでロープウェイ乗ってしまったら
自分の足で登ったことにならないから歩いて下りようというので
娘の体力を心配しつつ、下山ルートを探します。
地図にはレストランの脇から道があるはずなのだが、
施設の工事でそちらの道はなくなり、
リフト乗り場の脇に道を発見してそちらへ。
下り始めは、急な石の階段で滑りやすく慎重に降りていく。
途中祠みたいなのがあり、そこからさらに急坂。
上空をぎゅうぎゅう詰めのロープウェイが下っていくのを見送ります。


↓打見山(標高1108m)


↓ロープウェイを見送って下山開始


クロノトハゲと呼ばれる分岐点までは、道がかなり痩せている上に、
ガレて急なところがあり、砂礫の溝をずるずる滑りながら降りる。
クロノトハゲを過ぎると、深い森に突入し、
何度も何度も右へ左へと九十九折れが続きます。


↓クロトノハゲ


↓天狗杉


ひたすら同じようなクネクネ道で、
結構足元に石が多いので足にきます。
娘も途中から足が痛いと言い出すので、少し休憩を増やし、
休憩の間に、少しでも痛みを緩和させるために、
靴と靴下を脱がせて、指をぱあっと開かせてやると、
「ああ、生き返る@@@」と楽になる模様。
終盤は自分も結構この下山に疲労して足パンパン。
約2時間弱で、こちら側のキタダカ道登山口まで降りてきました。


↓キタダカ道登山口


↓山道終了


湖西道路をくぐって、木戸の集落を湖へと下っていく。
県道558号の信号を渡ったところの雑貨屋でジュースを買い、
そのまま琵琶湖畔へ。
山のてっぺんから湖まで自力で下ってきて娘も感慨深い様子でした。
ちょうどこの日はお祭りがあるようで、御神輿が出ていました。
そこから少し歩いて18:15に山行を終了しました。
約8.5hの山歩きでした。
帰りの電車では二人とも爆睡(笑)
おつかれさまでした〜。


↓琵琶湖畔


↓お祭りに遭遇


志賀駅でゴール


↓蓬莱山とご対面