記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

80年代が止まらない

i-phoneに変えてから
iTunes storeで80年代の曲を大人買いしまくってしまう。
もうi-phoneの中が全くの時代錯誤だが、
CDで丸ごと買うのではなく
一曲ごと切り売りで買えるのがいいところ。


それにしてもやっぱりあの頃の曲は名曲ぞろいだ。
それまでの洋楽の受け売りから、J-POPが独り立ちを果たすキワの時代。
TV番組でも当時は生バンドの演奏が大前提なアナログな部分と、
YMOの台頭や小室哲哉の登場などによる
テクノやデジタルの世界が新規参入し混ざり合う手探りの時代。
洋楽から歌謡曲、アイドル曲、フォーク、ロック、パンク、
はたまたド演歌まで、現代以上にジャンルの垣根を超えて、
毎週毎週ランキングをしのぎを削り、
いい曲がジャンルを問わずに正当に評価されていた時代。
まさに群雄割拠、カルチャーのるつぼの真っ只中で
誰もが必死に時代に追いつけ追い越せと汗をかき、
おもしろそうなことなら何でも取り入れようと貪欲となり、
自由で奇想天外な発想が、
規制やらコンプライアンスやらの縛りなしに、
生のままで発散されていた時代の産物には、
危うすぎる魅力で光り輝いている。
現代の、デジタルにコピーされたような商品たち、
徹底的に殺菌消毒され無難に仕上げられたものにはない、
作り手の人間臭さと危うい刺激にあふれている。


ギリギリ70年代に生まれた自分にとっては、
この80年代は前音楽史にあたる。
つまり、自分はまだ小学校に入るか入らないかの年頃で
そのころに音楽といえば、
学校で習うような童謡だったり、せいぜいアニメ曲でしかなく、
今のように音楽を音楽と認識する前であった。
ただ当時の音楽はテレビやらなんやらで間違いなく耳にしていたし、
当時よく遊んでもらった親戚の年頃のお姉さんたち
結構音楽好きだったこともあり、
このころの音楽が無意識に刷り込まれていて、
自分の音楽のベースに間違いなくなっている。
そのことに気づいたのは結構大人になってからなのだけど、
無意識に刷り込まれているからこそ、より強烈なのだ。


前フリはこの辺にして、ここ最近のヘビロテ曲をいくつかご紹介。
まず1曲目は、本田美奈子さんの『Oneway generation』。
当時テレビドラマの主題歌にもなっていました。
稀代のヒットメーカー筒美京平のキャッチーで力強いメロディが本当に元気をくれる。
作詞はこれまだ大御所の秋元康
歌詞の内容が、まるで『制服のマネキン』や『サイレントマジョリティー』と
ほぼ同じような内容。時代を越えてブレてないのがすごい。
この頃は特に、体制に対する反体制とか、大人への反抗心とか、
長いものに巻かれず、大きなものに対して丸裸でぶつかっていく
そういうエネルギーがあちらこちらで炸裂していたように思います。
それにしてもこのPVの本田さんの超絶無敵の可愛らしさ!
イチコロでドキュン♪とはまさにこのこと。
アイドル最前線にいながら、これだけの歌唱力なのだから、
当時のアイドルは今のアイドルと違って
本物のプロフェッショナル、選ばれたスターだと言えますね。
志半ばで病に倒れられてしまったのが本当に残念…


↓『Oneway generation』 by 本田美奈子(作詞:秋元康/作曲:筒美京平


お次は別の意味で、道を誤った人ですね…。
この歌はアニメ三銃士のテーマ曲でした。
この曲妙に耳の残ってるんですねえ。
Youtubeだからこそ見れるなんて、
うれピーマンモス(死語)


↓『夢冒険』 by 酒井法子(作詞:森浩美/作曲:西木栄二)


偶然と言えば偶然ですが、もういっちょ同じ筋の人。
『思い出のマーシー』。
ラッツのメインボーカルと言えば鈴木雅之だと思われがちですが、
意外とアルバムなんかだとマーシーがメイン張ってる方が多かったりします。
それにしてもこの頃はダンスも切れっ切れですね。
昔はドリフとかでも必ず当時の流行歌のコーナーとかがありました。
途中途中に、師匠の姿が見れます。
いつか遠い先にでもぜひ再結成を。


↓『め組のひと』 by ラッツ&スター(作詞:麻生麗二/作曲:井上大輔


ラストの曲は当時一世を風靡したお化け番組
欽ドン!良い子悪い子普通の子」から生まれたユニット
イモ欽トリオ」の『ハイスクール・ララバイ』
自分が80年代というので真っ先に思いつく曲です。
この曲も実は、作曲・松本隆、作曲・細野晴臣という黄金コンビ。
まったく日本の音楽史を語る上で細野ワールドからは逃れられません!!!
当時人気だった「たのきんトリオ」と「YMO」のパロディーで、
バラエティ番組から派生という今ではよくあるパターンの先駆け。
そして、楽曲以上に印象的なのが、コミカルな振り付け。
金爆のはるか30年以上前に
すでに”エア”を確立させてしまっているのですからすごいです。


↓『ハイスクール・ララバイ』 by イモ欽トリオ(作詞:松本隆/作曲:細野晴臣