記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

長谷川きよしライブ 〜4 quatro 2016〜

今日もとっても素敵な出会いがありました♪


つい先日、舞台『夜の子供』の”奇跡”の話をしました。
まだ自分が小さなころに、明確な記憶としてでなく、
おぼろげなイメージとして植え付けられていたものが、
大人になった今なお、ひょんな拍子に表層に浮き上がってくるのだが
それが何だったのか、誰の作品で、どんなタイトルだったか、
調べようにもその手がかりすらないまま、
ずっとずっと謎として残ってきたもの。
それが30年という年月を経て
ついにその答えにたどり着いたというものでした。


今回もまたその続きです。
小学生のころ、母がかけていたLP。
明らかにその当時のテレビやラジオから流れてくる音楽とは
リズムも何も全く特異なその曲は、幼心に強烈に耳残っていました。
でも、その曲が誰の演奏で、なんというタイトルかわからないまま、
30年という月日の間ミステリーとして残っていました。
それが長谷川きよしの『死者のカルナバル』という曲だったのです。
バイヨンとよばれる中南米独特のテンポと、
”死者”という強烈な言葉が織り込まれた、血沸き肉躍る曲。
その正体を知って、さっそく調べてみると、
きよしさんのライブが近々あるということで早速。
今回は、自分の人生のミステリーを作り出した
張本人である母も誘って行ってきました。


若い人、といっても自分の年代ですら
知らない方がほとんどかもしれませんが、
長谷川きよしさんは、日本で3本の指に間違いなく入るギターの名手。
2歳のころに病で全盲となり、
12歳からクラシックギターをはじめ、
1969年に『別れのサンバ』でデビューし、瞬く間に大ヒットしました。
(くしくも大好きな浅川マキと同じ年のデビュー)
シャンソン、サンバ、ボサノバ、ファド、ラテン、ジャズといった
様々なワールドミュージックの影響を受けながら、
その独創的な世界観と圧倒的なギターテクニック、
そして魂震える歌声で魅了してきました。
加藤登紀子さんとのジョイントでも話題となりました。


↓夙川の神戸木國堂にて


↓いよいよ生ステージ


今回はきよしさんがホームとしてよくライブをされている
夙川の神戸木國堂さんでのライブ。
家具屋さんでのライブということで、
とってもアットホームで素晴らしい雰囲気の中での演奏で、
本当に奇跡としか思えないほどの演奏と、
ぐぐぐっと心を手繰り寄せられる歌、
こちらも思わず体全体を楽器と化したい衝動にさせられるリズム。
どれをとっても本当に素晴らしく、
鳥肌が立つほどの感動でした。


ライブ後、サインとお写真も快く応じていただきました。
他のお客さんは常連の方々が多く、
自分以外はみな50代60代だったので、
30代のお客がいることにきよしさんも相当びっくりされておりました。
ご本人に、先述の顛末をお話ししたところ、
大変喜ばれて、またぜひ遊びにいらっしゃいと言っていただきました。
自分も音楽をやっている者の端くれとして、
いつかは『別れのサンバ』をマスターしたいとは思うけれど、
さすがにきよしさんのレベルを
忠実にトレースするのは一生かかっても無理デス。
でも音楽ってやっぱりいいなあ、
いつまでも音楽をやっていたいなあと改めて。


長谷川きよしさんと


せっかくなので、きよしさんのyoutubeを上げておきます。
どれも本当に見入ってしまうほどのフィンガーテク。
すごい!


↓別れのサンバ


↓愛の賛歌


↓黒の舟唄