記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

信じられない

京都市右京中央図書館で、桑原武夫氏の遺族が京都市に寄贈した
同氏の蔵書1万421冊が無断で廃棄されたというニュース。
全く持ってあり得ない信じられないニュース。
個人の所管・管理では、
一般の人の利用に制限をかけざるを得ず利用価値が低下すること、
また、そもそも維持管理に限界があり、
貴重な資料として永劫保存しやすい環境が必要という観点で
遺族が信頼して、図書館に寄贈したものを、
無断で廃棄するなんて言語道断。
知への冒涜だ。
まして、それを専門に管理し、利用を促すべき立場の人間が、
自らがその価値を十分に理解していない、
無知であるというだけで、
それをしてしまったというのは、全くプロ失格。
置き場がなく、目録で対応できると思ったというが、
それって知りたい人は本じゃなくネットで調べたらと言っているのと同じで
そんなこと言い出したら、そもそも図書館の存在意義は何なの?
オリジナルのアーカイブであるということすら放棄するの?
市民からの問い合わせもほとんどなく影響はないと判断したそうだが、
一般企業なら、第一目的である営利に鑑みて、
在庫を処理するということもありえるだろうが、
公共の機関において、利用頻度だけを尺度に、
その歴史的価値をないがしろにするという行為はありえない。
じゃあ流行の本や雑誌だけ置くの?
他では見つけ出せないような
郷土の資料や古い歴史の資料はいらないの?
それじゃTSUTAYAと一緒じゃん。
全く本の中身の価値を考慮せず、
単に在庫の1つとしてしか扱っていなかったということになる。
本当に「仕事」をせず、
ただ単に賃金をもらって「労働」しているからこうなる。
機能や効率や利便性だけを追求して、
クオリティや味わいや歴史を軽んじるからこうなる。
無知っておそろしい。