全行程の約2/3程度をクリアし、
紀見峠を出発したのが12:20。
そろそろ帰りの最終バスの時間を頭に入れながら進まないといけません。
ここからダイトレのゴール地点である施福寺までは約15km。
岩湧山の登りも含めて、アップダウンがまだまだあり、
寺からバス停までも少し歩く必要があるから、
今のペースで進んだとして、5h+αはかかる計算。
ホントぎりぎり間に合うか間に合わないかという、デッドライン上。
とはいえ、また夜中からずっと歩き通しで、
眠気&疲労MAXで、脚の疲労は蓄積しているので、
なかなかペースを上げるのは難しいが
ここからは無駄なく進む必要があります。
トイレ小屋から、標識に従って、
舗装道路を少し峠方面に進んでいくと、
右手に岩湧山へ続くトレイルがあり、
意を決して突入。
最初はにわかに下っていくが、それもつかの間、
すぐに丸太階段があります。
そこを登りきると少し広々とした空間になり、
そこを右へと折れていくと、
山の斜面に向かって弓なり気味に急こう配の登り。
ある程度登ると、今度はその斜面に向かって真っすぐ登りが続く。
最初の急こう配を過ぎ尾根に出ると、
一気に緩やかになります。
うっそうとした緑の森は、ほとんど往来する人も減り、
一気に静かになります。
穏やかな台地を緩やかなアップダウンが続き、
ここは少しペースを上げて進みます。
その先で大きな谷にぶつかり、道は左に直角に折れ、
今から登るはずが、徐々に高度を下げていきます。
この辺りでちょっとお腹が減ってきたので、
早めに補給をするため、次のベンチで小休止。
おにぎり一つと、梅味の柿ピー。
甘いものはもう飽きてしまっていて、
固いものをガリガリ噛むことで眠気が飛ぶので、
これはなかなかよい補給品だった。
リスタートして、すぐに林道のようなしっかりした道にぶつかります。
その道と進んでいくと、前方に何かを栽培しているのか
ビニールハウスが連なる敷地があり、
トレイルはその脇から再び一気に登りになります。
登りきってしばらく進むと、何か小さな田んぼのようなものが。
ボ谷ノ池と呼ばれるポイントです。
その先で、枯れ沢を渡り、
小さな小屋のある少し広々とした場所に出ます。
そこから右手側に登りがあり、
少し登って砥石谷道の分岐から、
徐々に斜度が急になり、
しまいには両手を使ってよじ登るような激坂に!
一気に汗がしたたり落ち、ヒーハー言いながら登るのだが
終わりが見えないくらい激坂区間が続き、どえらい@@
ようやく激坂が終わったかと思ったら、
今度はそれに続くようにして果てしない階段地獄!!
ひえ〜。勘弁して〜。
ヘロヘロになりながら、一段一段を踏みしめて、
どうにかこうにか、岩湧山三合目にたどり着きました。
下の小屋のあったところで標高440mで、この場所が650mなので
わずか800mで200m以上の高度を一気に稼ぎました。
しんど〜@@@
でもここで650mということは、
まだ岩湧山まで単純に行ったとしても250m近く残っています…
↓岩湧山三合目
ここにきての激坂で、すっかり削られてしまいましたが、
ここでのんびり休みを取っている場合ではないので、
ペースを落としながらも止まらずに進みます。
幸い、稜線に出たようで、平坦とまではいかずとも、
緩やかな段差の登りが続き、
そのうち左手からしっかりと整備された林道が合流。
根古峰を通過します。
林道は幅広でフラットなので歩きやすく、
息が整ったら再びペースアップ。
しばらく進むと、林道がいくつか分岐しているポイントがあり、
標識に従って、右前方へ登っていく。
その先南葛城山への分岐を過ぎて、山の北側の斜面へ。
一気に細くなったトレイルを進んでいくと、
五ツ辻と呼ばれる分岐点に到達。
そこからさらに進んで、
天見駅からの登山道であるいわわきの道との分岐まで来ました。
あともう少し!
もう、さすがに山頂まですぐだろうと、
元気が湧いて自然とペースも上がったのですが、
ダイトレはまったくもって容赦なく、
無慈悲なことに、丸太階段が仕掛けられていました。
グヘェッ〜〜〜〜。
意気消沈しつつ丸太階段をやっつけると、そこが東峰で、
せっかく上ったのにすぐにまた階段で下って、
トイレのある小屋に到着。
その先、一気に視界が開け、
こんもりとした緑の丘が目の前に広がります。
あそこがトップだ!
で、再び息を吹き返して、緑の中を登っていくのですが
見た目のメルヘン観とは裏腹に、
この丘がまたとんでもなく急な階段で、
全然足がついてこない@@@
ヒーヒーいいながら、どうにか登り詰めると、
そこには大パノラマが広がっておりました。
岩湧山の山頂は広々とした茅場となっていて、
360度の眺望が開けています。
まずはプレートを写真に収め、
ベンチのあるところまで移動して、
ラストスパートに向けて最後の補給を取りながら、
しばし景色を堪能します。
↓岩湧山
↓岩湧山プレート
まずは振り返ってみると、
夜中から歩いてきた山々がずらり。
景色の隅っこの方に、夜中発った二上山があり、
そこからぐんぐん高度を上げて大和葛城山、
その間に大きな段差を挟んで金剛山の大きなシルエット。
いやあ、思えば遠くまで来たもんだ〜。
↓歩いてきた道のりを振り返って
北側にパンすれば、大阪平野を一望。
PLの塔はいい目印として目立っています。
少し左にある池は狭山池。日本で最も古いダム湖です。
そして、はるか遠くにキタ/ミナミのスカイクレイパー。
左手には大きく弓がしなるようにして大阪湾が広がり、
その後ろに衝立のようにして立っているのが六甲山です。
いつもはあっち側から、こちら側を眺めてるんですねえ。
岩湧山、なかなかどうしてスパルタンな山ですが、
この眺望は関西屈指の見どころに間違いありません!
↓大阪平野を一望。右側にツンとPLの塔
さて、15分ほどで休憩を済ませて15時ジャストに
いよいよラストスパートに入ります。
右手の山間に湖が見えていますが、
あそこが次の目的地である滝畑ダムのダム湖。
一気の下りが想定されますね。
そこから視線をまっすぐ上にすると、
山のテッペンにちょこっと建物が見えていて、
あそこがゴールの施福寺。
さらに奥には大阪湾に浮かぶ関空島と、
さらに後ろに淡路島が見えます。
↓右手の滝畑ダム湖まで激下ります
しばらくは素晴らしい景色に飛び込んでいくような
贅沢な錯覚を覚えながら、草原を下っていきます。
名残惜しくも、青と緑の世界にお別れをして、
再び林の中へ突入していきます。
比較的フラットなトレイルを進んで、
鉄塔のある分岐点に到達。
そこから扇山を左に巻くような形で、
ずんどこ下りになっていきます。
ジグザグジグザグ下って、
山の南斜面にへばりつくようにトレイルが続きます。
通常タイムで歩いていたら間に合わないので、
16時には滝畑に下り立つ目標を立てて、
下りの勢いに任せてペースアップ。
徐々に、道もやせ細り、こう配も急になってきて、
転倒して左の崖に落ちないように注意しつつ、どんどこ降りる。
着地の衝撃で、足の裏や膝が悲鳴を上げているが、
バスに間に合わなければ、さらに疲労するだけなので
ここが勝負どころと、痛み覚悟で駆け降りる。
滝畑の岩湧山登山口に下り立ったのが、
15:50と目標タイムクリア。
でも間に合うかどうかはギリギリ@@
県道61号をまたぎ、橋を渡って、
標識に従って山に入るポイントを探す。
そして民家の脇から、施福寺へのラストのトレイルへと突入します。
残り3.5kmで、順調に行っても
このポイントから200m標高を稼ぐ必要があり、
アップダウンがあればさらに登りが見込まれる。
しかも、寺からバス停まではプラス15分は見ておかねばならない。
それを残り約1.5hでクリアしないといけないので、
本当にぎりぎりの勝負。休んでいる暇はない。
ただ諦めた時点で、5km追加になるので、
とりあえずぎりぎりまでは攻める覚悟を決めて山へ入る。
民家の脇の細いところからトレイルはスタート。
すぐにジメジメとした森の中を急速に登っていく。
結構急な登りだが、MAXペースでぐんぐん。
山をぐるっと回り込むようにして進んでいくと、
トレイルは山肌に沿って進むようになり、
こう配が緩んでさらにペースを上げる。
一か所道が崩落しているところあり。
いくつか沢をまたぎながら山筋に沿って進んでいき、
再び急坂が登場。
汗ダラダラで、駆け上っていくと、
ボテ峠というところに出る。
その先まっすぐ行くのか左なのか少し迷って
若干ながらタイムをロスしてしまったことで、
焦って写真撮りそびれた。
峠というからには一度大きく下りを余儀なくされます。
登った分を全部吐き出す形で小さな沢へ降り、
再びそこから登り返します。
沢をまたぐところは少しスリップしやすいので注意しながら、
でものんびりできないので、ノンストップ。
鈍い登りを必死で登っていき、2つ目の番屋峠に到着。
当然、ここでもまた貯金をはたいて激下り。
この辺りから路傍にお地蔵さんがポツポツと出現します。
追分というところまで降りてきました。
あと1km!
ふぃ〜しんど。
ここからいよいよオーラスの登り。
最後の最後まで試練は続き、急な坂がこれでもかと襲ってきます。
前方に石組が見えるところから、
こう配がエグくなり、疲労困憊しましたが、
そこを抜けると施福寺の敷地内。
いやあ、最後の三連チャンの登り返しは流石に堪えました@@@
しかしどうにか登りきって、
本堂の手前にダイトレプレートを発見!
16:46にダイトレ完踏です!
ダイトレ区間でいえば、15時間57分の激闘でした。
おつかれっした!!!
しかし感慨に浸っている場合ではありません。
まずは大急ぎでお参り。
ここ施福寺は西国三十三所の4番札所で、
健康長寿、旅行、方違などの厄除。
ロングトレイルを無事に歩いて来れたことをお礼しました。
↓西国4番札所 施福寺(槙尾寺)
さて時刻は16:51。
この日は土曜日なので十分バスには間に合う時間ですが、
万一も考えうるので、バス停17時に間に合うか、
もう少しだけ気を引き締めてリスタート。
なかなかしんどい石段をずんずん、ずんずんと下っていきますが、
もう足がおぼつかなくて、
一度気が緩んだのもあって全然ペースが上がりません。
で、結局頑張ってみたもののバス停に到着したのが17:03。
これが日曜日だったら、わずか3分差でバスを逃していたところでした。
あむない、あむない@@
しかし、あえて、土曜歩きにしたアドバンテージをうまく使って
バスに間に合うことができました。
作戦通り!
ヘロヘロの状態で、バス停の前にある茶屋に飛び込みます。
そしてキンキンに冷えたラムネで祝杯♪
茶屋のお父さん、お母さんにも、
ようがんばった!とねぎらいの言葉をいただき、
ようやく完踏した喜びと安堵が沸いてきました。
確かに、評判通り、六甲全縦に比べて
総じて難易度が高いなあとは感じましたが
十分な装備と計画と、
ラストのスパートを除いては、
あえて無理せずゆっくりペースで抑えめに歩けたことで、
以前六甲をゴールした時ほどは疲労もなく、
むしろ今まであまり歩いたことのない山域が新鮮で、
金剛山以降は特にあまり人の手が入っていない
山らしい山の雰囲気を味わいながらの山行は、
退屈することもなく楽しめました。
それから一番よかったのは、
カラっといいお天気で、そこそこ涼しい風が吹き抜けて
終日、心地よかったこと。
あれ以上暑かったりしたら、
水分が足りてなかっただろうし、疲労もすごかったに違いない。
万事、予定通りにいって大満足でした。
5分前に本日最終のコミュニティバスがやってきて、
どっかり乗り込みます。
定刻通り17:28に出発。
このバスを逃したら歩いていたかもしれない道を眺めていましたが、
ほんっと歩かなくてよかった♪
R170をまたいだところにある槙尾中学校前でコミュニティバスは終点。
ここで南海バスに乗り換え。
わずかの時間でそばにあるファミマでファミチキを買って即食。
無事に乗り継ぎを済ませたら、バスで撃沈。
気づいたら終点の和泉中央駅でした。
そこから泉北高速鉄道に乗り込み、
そのまま天下茶屋駅で地下鉄にスイッチし
帰宅したのが19:30でした。
乙!