記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

嵐を呼ぶ鹿島槍 feat .Mr.K

土日月の3日間で今季初のアルプス入り。
今年の山開きはぜひMr.K大先生と!ということで、
残雪期の難しいようなルートは避け、
比較的イージーに登れる柏原新道から鹿島槍ヶ岳へ向かいました。
行く前から北部の天気の状況は芳しくないことは分かっていましたが、
エリア的にギリギリセーフか、アウトかというところだったので、
一か八か突撃。


早朝に大阪をKさんの車で出発し、
扇沢下の登山口に到着が10:40頃。
支度をして11時すぎに出発。
柏原新道は素晴らしいほどに道が整備され、
石畳や階段が綺麗に設置されているのはもちろん、
できるだけ段差を低く設定するために丁寧なルート設定なされていて、
これは並々ならぬ努力のたまものだなあと感謝しつつ登りました。
ずっと眼下にはスタート地点付近の扇沢駅
そして見上げればゴールの種池山荘を視界に捉えつつ登っていきますが、
何気にラストが思ったより距離がありました。
1日目は個々で宿泊。天候の影響か
、宿泊者はわずかに30人弱と少なめで、
ゆったりのんびり寝ることができて快適♪
ちょうど同日に、山荘から南に見える針ノ木岳蓮華岳の向こう側にある
七倉岳の船窪小屋からは吉田類さんが生中継されていましたね。
山向かいから乾杯させていただきました。


2日目。
一番天候がよろしくないと予報が出ていましたが、
この日の行程は、谷のすぐ向こうに見えている
冷池山荘までの2時間ちょい。
そこから天候次第で鹿島槍にアタックという、
比較的イージーな道のり。
朝食後すぐに出発し、まずは稜線上にそびえる爺ヶ岳
標高2669.82mの南峰にKさんと一緒に登頂。
ひとまず1つはピークを踏むことができました。


爺ヶ岳南峰


そこからどんどん加速度的に雲の厚みが増し、
あっという間に雨中。
風も強まり、どぶねずみ状態で冷池山荘に到着が7:30。
どんどん悪化する天候に、Kさんは早々にアタックをあきらめ、
小屋止まりを宣言。荷物を見ていただけるということで、
ザックから必要なものだけをアタックザックに詰め替え、
鹿島槍まで単独アタックに出る。
軽量化でスピードアップして、
天候が本格的に悪化する前に戻ってくる作戦なので、
じゃんじゃん進みます。
まずは前衛の布引山の登りだが、
高度を上げると雨粒の大きさが目に見えて大きくなり、
また風も狂暴化していきます。
布引山の山頂で写真を撮ろうと片方の手袋を外した瞬間に
風に飛ばされサヨウナラ〜。
このあたりからさらに過酷さを増していきます。


↓布引山


お次は本丸の鹿島槍への登りですが、
黒部側からの風はますます狂暴化していきます。
もう全身がずぶずぶで、登山靴も水没状態で、
踏むたびにジュワージュワーとソックスが水を吸う不快感。
それでもどうにか標高2889m、百名山鹿島槍南峰を落としました。
そこでたまたまキレット側からやってこられた
ガイド付きの4人パーティーさんがいらしてお互いに記念撮影。
鹿島槍は双耳峰なので北峰も落としたいので、
そちら側の様子を尋ねると、丁寧に行けば大丈夫ということだったので、
さらに前進します。
この南峰から吊尾根までの下りがなかなか険しくて、
しかも吹き荒れる雨風がバランスを崩すし、岩は濡れて滑るしで
なかなか難易度が高い。
冷や冷やしながらもどうにか北峰を落としましたが、
かなり天気がやばい。
南峰の激下りに備えて一眼レフを仕舞っていたので、
スマホで撮影をと電源を入れたとたん、
なにか軽くスパークしたような感じになって
画面の一部が、蛍光灯が切れる直前のような影が発生して、
それから操作不能に…
まさか、漏電????
実は水没した際絶対やってはいけないのが
電源を入れて電気を流すことらしいのだが、
そんなこと知らないから、焦って何度も再起動するたびに
ますますスマホがヤヴァイことに…
しかし、天気が本当にひどくなってきたので、
とりあえず急いで引き返します。
危険地帯の岩礁を越えて南峰に戻り、
そこからはひたすらペースアップでガレ場を下っていき、
11時前には無事山荘に戻りました。
レインウェアを着ているのにもう意味をなさないほど全身びしょぬれ。
一眼レフもレンズが白ハケしてしまって
乾けば復活しますがしばらくは不能になりました。
スマホの方はもううんともすんともで、
雨中アタックの代償は大きかった…
トホホ(泣)
こんな天気で、日曜日ということで、宿泊客もほとんどおらず、
Kさんと1室を独占してご就寝。


鹿島槍ヶ岳南峰


3日目。
天候は相変わらずだが、雨は小マシなので、
悪化する前に下山ということで、朝食後すぐ出発。
なかなか激しい風が黒部から吹き付けて
ばたつくウェアを押さえつけながら、着実に歩きます。
爺ヶ岳の下りの繁みで、ひょっこり雷鳥さんが顔をだし、
眺望がなくて落ち込む我々を和ませてくれました。
ラッキー♪
あとは種池から延々と柏原新道をくだって10時過ぎには下山。
帰りは薬師の湯で汗を流し、そばを食べて帰路につきました。
Kさん、お疲れ様でした!!


↓山行ルート


<山行記録>
(1日目)
11:10柏原新道登山口⇒12:20ケルン(柏原新道)12:30⇒
14:30雪渓トラバース⇒15:00種池山荘泊


(2日目)
05:40種池山荘⇒06:20爺ヶ岳南峰06:30⇒06:40爺ヶ岳中峰⇒
07:25冷乗越⇒07:30冷池山荘08:00⇒
08:30布引山⇒08:50鹿島槍ヶ岳南峰08:55⇒09:20鹿島槍ヶ岳北峰09:22⇒
09:42鹿島槍ヶ岳南峰⇒10:45冷池山荘泊


(3日目)
05:40冷池山荘⇒07:00爺ヶ岳南峰⇒07:30種池山荘07:45⇒
9:15ケルン(柏原新道)9:20⇒10:08柏原新道登山口