記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

なんちゃってキャノンボール 第1区間:東京〜三島

本ちゃんも長かったですが、ブログ版も走り出します。
今後予定目白押しで、仕込み準備も大変なので、
年末までかけてゆっくり前進していきたいと思います。
細かい記憶がこぼれ落ちる前に無事たどり着きたい!


では、まず木曜日から。
本当は半ドンして、
出発前にゆっくり睡眠を取って準備万端で出陣する予定だったのだが
仕事の段取りが変わって、連休明けすぐに締切が来てしまって、
ギリギリまで仕事。
何とか大急ぎで終わらせて、帰宅したらすぐ出発。
ぶっ飛ばしながら、
マシンの調子や、気温などのコンディションを見つつ新大阪まで。


弁当購入してホームに上がると、すでにうめさんがスタンバイ。
予定通りの新幹線に乗り込み、
車両の最後尾の空きスペースに輪行をねじこませる。
弁当をかきこみ、すぐに寝る準備をするが、なかなか寝付けず。
半分寝たようで、あんまり寝れないまま東京駅着。
ホームで野菜さんを待ち受け、全員集合。


そのまま人気の少ない日本橋口へ出て、
エントランスを間借りしてマシンを組み立て。
みな各々ロングライド仕様になっております。
いわゆるランドナーに比べるとずいぶん少ないですが、
ガチのキャノンボーラーよりはずいぶん多い。
とにかく、一番冷え込む時間帯に
一番標高が高く難易度の高い箱根にいるはずなので、
それなりの防寒対策が必要だし、
浜松でのレストの間に必要なものもあるので。


↓三人衆集結


で、いったんスタート地点の日本橋まで進みます。
東京駅からは5分とかからないが、
コンビニでドリンクと補給品の買い出しとトイレ。
スタートもままならないのに、いきなりポツポツ。
かなーり嫌な予感です。
と言ってる間に、どんどん雨脚が強くなってきました。
もう、どうするも何も、こんな時間で帰阪は無理だし、
行けるところまで行くっきゃないのです。


日本橋は、国道1号の東の起点。
ここからズラズラと520km国道が続いていくわけですが、
我々はひたすらそれをトレースするわけではなく、
バイパス化しているところを迂回したり、
寄り道をしたりするので最終的な距離は伸びることになります。
3人で0時スタートを待っていると、
ミニベロに乗った方がやってきて「キャノボですか?」と聞かれる。
話を聞くと、どうもこの日、
別でキャノボに挑戦する学生が1時スタートでいるらしく、
そのお見送りに来たそうです。
せっかくなので、写真をお願いしました。


↓いざ!


0時となって、いよいよ壮大な旅路がスタート。
すでに雨はしっかり降っています@@@
R1を行く旅なのに、さっそく1つ目の信号でR1とはお別れして、
直進して銀座の町を抜けていきます。
しかしここがまず難儀で、
深夜帯は客待ちのタクシーの列が最左列をじわじわと動いていて、
一瞬も気を抜けない。
その上に、途中から地下を工事するために車線が制限されていたり、
おまけに雨のトリプルパンチ。
のっけで転んでしまっては身も蓋もないので、
慎重に慎重にクリアしていきます。
新橋の東京高速をくぐったあたりで
ようやくトラフィックが緩和されて、一息。
浜松町あたりで、雨宿りをしている方に声をかけられます。
ローディーさんのようで、声援いただきました。
無我夢中で抜けてきたので、気づいたらどっぷりびしょ濡れです@@
田町の交差点で一瞬だけ見えた東京タワー。
ああ麗しの東京タワー♪


↓東京タワー♪


雨脚はどんどん本格的になり、
ロクに顔をあげれないほど強くなってきて、
もう3人とも半ば投げやりな感じ。
特に野菜さんはシューズカバーも含め、
十分な雨装備がなく、タオルをヘルメットにぐるぐる巻き状態で、
まるで落ち延びた弁慶のように怪しい身なりで、
振り返って思わず吹いてしまいます。
品川のところのタクシーの列はそれほど伸びておらず、平和裏に通過。
八ツ山橋の小上りをやっつけてR15第1京浜をひた走ります。
いつも不思議なのが、品川駅の次の駅は明らかに南にあるのだけど
北品川駅という名前。
大森海岸、平和島、蒲田と雨をしのびながら南下していきます。
京急蒲田のところ、空港線は完全に高架化が済んで、
名物の踏切の跡形もなくなっていました。
ここで一度乱暴なタクシーに煽られる@@ヤメレ〜。
六郷橋多摩川を渡れば、いよいよ神奈川県に突入。
東京都はわずかに1時間足らずの滞在でした。
達者での〜。


川崎、鶴見と南下するところでは、どんどん雨が強くて辛抱溜まらん。
シューズカバーをしているのに、すでに靴下はぐじゅぐじゅで、
眼鏡も拭いても拭いても水滴がぬぐえないし、
背負っているリュックも水浸し。
そしてレインウェアの中は中で、ムレムレで不快度マックス。
これほどスタートから悪いコンディションは初めて。
雨雲レーダーでは、ぎりぎり湘南の海あたりに雲の塊があるのだけど、
そのこぼれた分なのでしょうか。
しかし進行方向の方に雨雲の親玉がいるので、好転は望めません…
しかし、フィジカルなコンディション具合への影響もそうだし、
どうしても慎重にならざるを得ないので、ペースが上がらず、
スケジュール的にも早々に難しい局面を迎えました。
果たして今日中に浜松の宿にたどり着けるのか!???


生麦のビール工場を過ぎ、子安、東品川と進んでいき、
栄町から高速の下に入って、R1に復帰します。
そこからしばらく道なりに進むと横浜ですがスルーです。


↓横浜・高島町通過


保土ヶ谷橋でR1は大きく右へ舵を切り、
丘陵地帯へと入っていきます。
そこそこアップダウンもあるため、
その前に初めてのまとまった休憩を入れることにして、
狩場インター付近のコンビニにイン。
グローブを外して絞ると、
ぼじょぼじょと水が滴り落ちる@@@
もう3人ともドブネズミ状態で、ぐっしょりぐったり。
いやあ、参った@@
寒いので、イートインはないけど、
空きスペースで休憩してたら、
店員さんに怒られて、放り出される。ケチんぼ!!


保土ヶ谷のコンビニで休憩


30分ほど休憩をしていると、雨脚が弱まってきたので
意を決してリスタート。
すぐさま緩い権太坂に差し掛かります。
登りきったら、反対側への長めの下り。
雨の夜間だと上りより下りの方が大変。
特にこの区間は天下のR1も1車線ずつしかない狭小区間なので、
後続車両に意識をとがらせつつ、慎重に下り切ります。
下りの風で一気に冷えました@@
ヘッキシ!!
いつもパンの甘い香りが広がる辺りを過ぎたところ、
不動坂の交差点で旧R1の方へ左折。
吉田大橋を渡ったらじきに戸塚駅周辺なんだけど、
以前来たときはまだアンダーパスができていなくて、
大きな踏切をまたいだのだけど、
大規模工事が終了していて随分様変わりしていた。
どうにか東海道線を越えて戸塚駅に到着。
時刻は2:50。


戸塚駅


戸塚駅前は、この先のルートの分岐点。
長後街道から湘南台・厚木・伊勢原を経てR246に出て、
箱根を大きく北回りで迂回するルートと、
そのままR1をトレースして、湘南に出て、
小田原から箱根をダイレクトに越えるルート。
今回は2人とも初めての東京⇒大阪なので、
やはり本丸を避けて達成してもアレなので、
後者のルートを選択します。
戸塚駅を過ぎると大坂台のそこそこの上りをやっつけて、
R1の藤沢バイパスに乗ります。
ここは昼間はえげつない交通量で、
路肩を通過するのもままならない難所。
ここをノーストレスで安全にクリアするためには、
真夜中〜早朝がベストです。
それでも天下のR1は眠ることを知らず、
大型車がバンバンと通過していきます。
どうも関西と関東では肌感覚というか車間のフィーリングが違うのか、
車が寄せてくる圧が結構強く、
思った以上に寄せてくるので
3人とも怖い怖いと怯えつつ。
緩やかな高台のワインディングをこなして、原宿を過ぎ、
藤沢バイパス出口でR1とはしばしのお別れをします。
県道30号(湘南新道)へ入るポイントは、道の分岐が少し複雑で、
間違って直進しないように側道に入るのが正解。
緊張のトラフィックから解放されて、少し落ち着きを取り戻しますが、
すぐに遊行寺のところの激下り。
箱根駅伝では復路のハイライトの1つにもなっているポイントですが、
ここまでしこたま濡れて、ブレーキシューがぐじゅぐじゅなので
ほとんどハイドロ状態で、転げ落ちるような感じ。
必死で滑り落ちるマシンの挙動をねじ伏せて、
とにかく全力でスピードを殺してクリアします。
もうほんと大変@@
山の手から海岸線方面へ降りてきたせいか、
ここからまた少し雨脚が強くなってきました@@
ヤメレ〜〜
藤沢通過が3:15。


↓藤沢橋。いつ止むのか…


藤沢橋から短いのぼりをこなして、小田急江ノ島線をくぐったら
今度は東海道線をオーバーパス。
藤沢警察署の分岐を思わず左直進しかけて、
慌てて右手の湘南新道トレース。
浜見山の交差点から先は、幅広の道を進みます。
ほどなくして、大きく弧を描きながら浜須賀の交差点まで下りてきました。
ここから海岸線に沿って続くR134をひたすら西へ爆走します。
海岸線といいつつも、真夜中なので周囲は真っ暗。
防風林の真っ暗な塊を、
まるで『ポーラX』のカトリーヌ・ドヌーヴのように疾走します。
(ってわからんな)
そのうちに、野菜さんからトイレコールが発動されたので、
菱沼海岸を抜け、サザンビーチのところにあったコンビニにて一旦停止。
時刻は3:50。
当初の予定よりも50分ほど遅れております。
幸いにしてようやく雨はやみましたが、
あれだけの土砂降りですからこのくらいのディレイはやむ終えません。
もうすでに、全身ボットボトで、
グローブの中がぐしょ濡れ、シューズの中もジュクジュク。
どんだけ絞ってももはや、この不快感と徒労感はぬぐいようがありません。
慌ててザックにしまい込んだお財布の中までぐっしょりで、
お札もメケメケで、コンビニの人には申し訳ないくらいでした。
それにしてももっとも装備が手薄だった野菜さんの姿はもはや
超ロングをこなす実力派ローディーというよりも、
完全な落ち武者状態@@職質必死の感じです。
3人とも、絶望的なびしょ濡れ感に加えて、
そろそろ早朝の時間帯に差し掛かり、
眠気もジワジワとやってきています。
ここは夜更けの一発ドーピングとして、レッドブル注入します!


↓サザンビーチのコンビニでドーピング


↓お変態さん、現る


さてさて、風が抜ける海岸間近のスポットで、
長々と停車していると、みるみる体が冷えて
それだけでも体力を消耗するので、
休憩をそこそこに切り上げてリスタートします。
再びR134に乗り、うめさんの強力な牽きからスタート。
トラスコ湘南大橋で相模川を渡ります。
その先で荒いトラックに接触ギリギリまで寄せられる@@
平塚を通過中、前方がやけに明るく、何事かと思ったら、
もう沈みかけのデッカイ月が煌々と世界を照らしています。
あまりにデッカイので、どうにか撮影しようと一旦停止しましたが
月はみるみる沈んで行ってしまいました。


↓湘南道路を西進中


大磯で久しぶりにR1へ合流します。
海岸際のバイパスを避けて、内陸側の旧道へ入ります。
今回、街道増に何か所も見事な杉並木があったのですが、
その一番最初の並木を抜け、
にわかに高台となった住宅街を進みます。
この辺りからシンガリを務めていた野菜さんのペースが一気にダウン。
強烈な睡魔に襲われているようで徐々に遅れ始めます。
吉田茂帝のある城山のアップダウンを抜け、
二宮の閑静な住宅街に入る頃から、状況は悪化する一方のようで、
野菜さん辛そう。
でも、こればっかりはどうしようもないので、
逐一後ろを確認して声をかけつつ進みます。
押切橋を渡り、左手に海を認めつつ
国府津のアップダウンをやっつけると、
その先で酒匂川を渡り、
どうにかこうにか小田原市街へとたどり着きました。
時刻は5時。東京・日本橋から約80km地点です。


しかし、どうにもこうにも野菜さんの様子が危険なので、
山王橋を越えて、唐人町のところで発見したローソンにピットイン。
幸いにしてイートインがあったので、
しっかりと休息を入れることにしました。
とにかく寒さと眠気と疲労のトリプルパンチのようです。
食べるものを食べて、リラックスをして
少しでも頭をすっきりさせる以外ありません。


これは決して野菜さんだけじゃなく、
超ロングの宿命のようなもの。
道中、別のタイミングで自分もうめさんも
同じピンチが必ずやってきます。
この厄介な問題をいかにうまくごまかして、しのぎ切るか。
コンディションが急に下落する時間帯と、
それを乗り越えてやけにハイでイケイケの時間帯と、
そしてまたそのハイが切れてさらに深刻な状態に陥る時間帯と、
その繰り返し繰り返し、そのまた繰り返しが超ロングなのです。
今回の場合はソロではなくグループなので、
そのタイミングが全員一致するわけではありません。
誰かがイケイケでも、誰かがピンチというシーソーゲームを
チームとして冷静にコントロールして、
安全に前進していかねばならないという、
非常に高度なチームワークが試されます。


↓小田原にて小休止


30分ほど休憩を取りリスタートします。
幸い雨はやみ、空も白み始めてきました。
次のセクションはいよいよ、
今回の全コースの中でのハイライトとなる箱根越え。
約18kmにわたる長い長いヒルクライムを経て、
R1の最高地点874mを通過し、
早朝の山上というこれ以上ない寒さが待ち受ける地点をしのいで、
これまた長く危険な三島までのダウンヒルが待ち受ける最難関。
まさかここを、これだけびしょぬれの状態で
挑むことになるとまでは思ってもみませんでした@@
すでに余計に疲労困憊!!


コンビニを出発すると、R1は、
小田原城を回避するようにシケイン状に折れ曲がり、
その先の大きな山塊へ向かって突撃していきます。
JR線と、品川以来お久しぶりの新幹線をくぐれば、
徐々に緩やかに上り始めます。
道路標識では箱根まで8kmとあるが、
果たしてどこのことを指しているのだろう?
元箱根にしては近すぎるし、湯本にしては遠すぎるし。
自分はサイコンを付けていないので正確な距離が把握できないので、
この先、この道路標識の数のマジックに何度も翻弄されてしまいます。


ターンパイクのラインが早川の対岸を
ずんずんと山の高みへと伸びていくのを横目に、
えっちらおっちらと進みます。
ここでも野菜さんはまだ復活の兆しがなく、
よろよろと後方を登っていて、ちょっと心配です。
風祭を過ぎて、鈍い上りを淡々と進み、
山崎ICで箱根新道に間違って入り込まないように注意して、
ぐいっと上りきると、前方に見慣れた箱根湯本駅が見えてきました。
ここまではまだ序の口の緩やかな斜度でしたが、
この先徐々に本格的な登りになるので、
いったん駅前のロータリーで休憩を入れます。
時刻は6時ジャスト。
長丁場の上りなので、3人ともそれぞれのペースで登ることにして
セクションを区切ってポイントポイントで集合して
登りきることにしました。
次のポイントを宮ノ下の富士屋ホテルのところの分岐と確認してリスタート。
ところが、野菜さんはもう少し休んでで行くので、
先に行っておいてください、ぼちぼち行きますということで
こちらも大丈夫かなあと相当に心配でした。


箱根湯本駅


先にうめさんと二人でぼちぼち出発し、
駅前から温泉街を抜けていきます。
廃道となった函嶺洞門のところで何度も振り返ってみましたが、
野菜さんがやってくる気配がありません。
とはいえ、むやみに待っているわけにもいかないので、
こちらはこちらで次のポイントまでしっかり登るしかありません。
塔ノ沢の賑わいを抜けると、一気に山間に入り込んでいきます。
斜度は6%とダラリとした登りですが、
こういうダラダラした方がしんどかったりします。
宮ノ下までの区間箱根登山鉄道
2度もスイッチバックをするわけなので、
それなりにしんどい登りだというのは見当がつきます。
何度も山肌に沿ってクネクネと同じような道が続きますが、
うめさんとあーだこーだ言いながら気を紛らわせつつ進みます。
このあたりの標識で、宮ノ下まであと3kmの表示があったように思いますが、
実はそのだいぶ手前の標識にも3kmとあって、
もう全く信用なりません@@


途中で、山肌を流れる滝があった箇所があり、その先で衝撃。
なんと、はるか後方にいたはずの野菜さんが追い付いてきたのです。
い、いつの間に!???
何があったかわかりませんが、驚異的なカムバック@@@
思わずワオッと声を上げてしまいました。
あれだけ虫の息だったはずですが、
目の前にいる野菜さんは人が変わったように生き生きとしていて、
あれだけの距離を追いついてきたどころか、
そのまま我々二人を悠々とパスしていく勢い。
「登りになったら元気になっちゃいました(テヘペロ)」ということだそうで、
こりゃもう構いませんわっ!!
でも、本当に下手したら
この時点でDNFかもということすらよぎっていたので、
野菜さんの回復はウェルカム、ウェルカム。
再び三人隊列で参上を目指します。


ただ、これは結果論ですが、あまり調子のよいときに無茶をするのは
超ロングでは推奨できません。
絶好調の時も、絶不調の時も、変わらぬペースで淡々と進まないと、
その時の調子で大波小波のペースでやってしまうと、
後半で必ずリカバリーが効かなくなります。
レースの場合はゴールの瞬間までにエネルギーを出し切らないといけませんが、
超ロングの場合は、余力を残すという走り方をしないと
出し切ってしまった時点で終わってしまいます。
調子がよくなったら、調子のよいときにエネルギーを一気に放出するのではなく、
調子が良い状態をできるだけ薄く薄く引き伸ばして、
絶不調にならないように常に余力を保ち、
あくまで完走を目標とした走り方が求められます。
(がち・キャノンボーラーはまた別ですが、あの人たちは常人ではないので)


さて、3人トレインで箱根駅伝名物の太平台のヘアピンをぐるり。
そこからちょっと急な登りをやっつけながら集落を抜けていけば、
ようやく斜度が落ち着いて、そのまま宮ノ下に到着しました。
時刻は6:30。
ここには有名な富士屋旅館さんがあり、
そこで予定通りいったん休息を入れます。
ちょうど朝日がまばゆい光を放ちながら山の間から登ってきました。
いやあ、今日は晴れるぞっ!!


↓宮ノ下の富士屋ホテル


↓朝日!


10分ほど休憩したら、次は小涌谷を目指します。
出発の合図で出たはずですが、2人が何かでスタートできておらず、
途中で気づいて少し待ちました。
この宮ノ下〜小涌谷区間が一番斜度がきついところで、
ダンシングも交えながら、必死のパッチで登ります。
水を得た魚のように、意気揚々と野菜さんが先頭に出てペースアップしたので
それに合わせてこちらも追っかけようとアタックをかました瞬間に、
トクン、トクトクと、大きく脈が飛び、一気に血の気が引きました。
もともと不整脈の気があって、それでヒルクライムTTはやめたんだけど、
まさかこのタイミングで発作が出るとは…
脈の乱れはすぐに収まらず、胸が詰まるような感じで、
相当気分が悪くて、
どうにもこらえ切れず、2人に先に行ってもらって、
自分はユネッサンのところのバス停のところで一旦停止。


小涌谷ユネッサン


発作かすぐに収まったので、すぐに二人を追いかけますが、
発作がまた出ないように一気にはペースアップできないし、
一度血の巡りが悪くなったせいか、
全身にパワーがうまく入らないような状態。
しばらくは道なりでナビ的には問題ないし、
次のポイントはR1最高地点と示し合わせているので、
ここは低空飛行で安全に前進することに集中して淡々と進みます。
えっちらおっちら上りながら前方を確認すると、
はるか先で2人の姿があります。
さすがに急に大幅に遅れてしまったので、
心配して待ってくれているようです。
どうにか、うたゆの宿箱根のところのヘアピンで合流。
ちょっと血糖を今すぐ上げて持ち直すために、
うめさんにブラックサンダーをおねだりしてチャージ。
野菜さんが不死鳥のごとくカムバックしたのと入れ替わるようにして
いきなり自分が絶不調になって、
こういう大きい波小さい波がいくつも襲ってきます。


↓ひたすら登り


リスタートして、2人は先行。
自分はまだ安心できないので、
2人が確認できる距離は保ちながらも安全走行を継続。
いくつものクネクネをこなしていくと、
左前方に二子山が大きく見えてきました。
ちなみにこの二子山は、新世紀エヴァンゲリオン
第5使徒ラミエルを迎撃するために立てられたヤシマ作戦が実行された場所です。
1度目の狙撃を失敗し、防御サポート役の綾波レイは荷電粒子砲を浴びます。
そのすきに放った2度目の狙撃で使徒のコアを撃ち抜き、撃退に成功します。
高熱で溶けかかったエントリープラグのハッチをこじ開けるシンジ。
レイの無事を確認して泣きじゃくるシンジは、
どうしていいかわからないと困惑するレイに「笑えばいいと思うよ」と一言。
そのコトバに、初めて人間味の通った表情を浮かべるレイ。
シリーズを通じてもっとも感動的なシーンでしたね。
ちなみに実際には、山上に電波塔が立っており、
一般立ち入り禁止になっています。


そこまでやってくると、斜度も緩やかになり、
長かった登りも終わりが近くなります。
箱根ドールハウスのところでいったん下りを挟み、
曽我兄弟の墓があるところまで登り返した先に、
国道1号最高地点874m」の看板を発見!!
いやあ、長かった。ひたすら長かったです。
いつも箱根を越えるときは斜度は急だが距離がうんと短い
旧東海道(県道732号)を使っていて、
今回初めて小田原側からR1を上ったので、
ほんと長かったという印象でした。
旧街道の方は悪魔の「七曲がり」があったり、難易度は高いけど、
距離も時間も短縮できるのですが、
自分の場合はダラダラの長丁場よりもそちらの方が性に合っているのでしょう。
それでも、やはりR1の最高地点を踏めるというのもまた捨てがたい魅力で、
ようやく叶うことができました。それも3人そろって。
バンザイ!!


国道1号線最高地点874m


そこからは芦ノ湖畔までなかなか斜度のある下り、
それも結構右へ左へ急カーブの連続なので
各々のペースで下ります。
下るにつれて、朝霧がどんどん濃くなり、
前方の視界が全くありません@@
もう前方は真っ白で、いきなりヘアピンが現れたり、
全く油断ならないので、ペースをしっかり落としながら
どうにか下り切りました。


↓濃霧のダウンヒル@@@


あと少し上り返しがありますが、
ひとまず本格的なヒルクライムはこれにて終了。
とりあえずブレイクを入れるために元箱根のセブイレにイン。
とにかく寒い@@


↓元箱根。芦ノ湖は真っ白で見えず


20分ほど休憩ののち、8:15にリスタートします。
元箱根から箱根公園を右に見やり箱根関所へ。
この先が箱根駅伝の折り返しポイントです。
いつもはランの練習をしている人がたくさんいますが、
この日はあまり見かけませんでした。
そこから、箱根峠までにわかな登り返しです。
えっちらおっちらと連なって登り、道の駅はスルーして
振動との合流地点の交差点へ。
ここが箱根峠!


↓箱根峠


峠でひとしきり記念撮影を済ませたら、
いよいよ三島までのダウンヒルに入ります。
実際問題として、小田原からのヒルクライムも大変でしたが、
この三島までのダウンヒルこそ、最も厄介な区間なのです。
なーんだ漕がないで下るだけじゃんと思うなかれ!
歯止めが効かず、どんどんと加速する恐怖は体験した人しかわかりません。
しかも小田原側は、新道・旧道・旧街道・ターンパイクと
いくつかルートが分散し、大型車などは新道を利用するので、
あまりこちらが影響受けることはありませんでしたが、
こちらがわはこのR1のみになり、全ての乗り物がここを利用するため
トラフィックが非常に増えるとともに、
大型車・観光バスもバンバン。
そして、見晴らしがよい下りということで、
意識的・無意識的に飛ばす車が真横をかすめ、
その度に風圧でバランスを乱されるのを必死でコントロールしながら
とにかくカーブをしっかり曲がりきる、激突しないことだけに集中して
ひたすらブレーキとハンドリングという過酷さです。
ブレーキもかけ続けていると全く利きが悪くなるし、
握りしめるグリップ力も落ち、体力的にもとても厳しい。
しかも道は古くに造られていることもあり、クネクネときつめのカーブも多い。
とにかく、低速で登るより、みるみる加速する下りの方がよっぽど危険で、
半泣きになりながら下ります。
それがなんと13km近くの長丁場!!もうありえない!!
3人それぞれ、お互いウォッチしあう余裕はないので、
ここも個別で切り抜けます。


山中城のところで真新しいバイパスが完成していてそのまま直進。
その途中で、右手にデッカイ富士山が目に飛び込んできました。
もうこの最初の数キロだけでも手も腕もギッチギチで、
こんなのずっと続けていられないので、
いったんブレイクもかねて停止し写真を一枚。
残念ながら、先日の台風で山頂の雪が全部飛ばされてしまったそうで
ハゲ富士でした。やっぱりあの白い部分があっての富士山のイメージですね。
そのうち、野菜さんとうめさんも下ってきて、無事を確認。
2人とも、このダウンヒルの恐怖を思い知らされたようで、
顔面を引きつらせながら、
「これはヤヴァイ。これはヤヴァイ」とつぶやいています。
いや、だから、本当にヤバイんです!!
とにかく安全運転最優先を今一度確認をしてリスタート。
山中城口の信号の先からは、三島や沼津の街並みが一気に広がります。
でも走りながら景色を楽しむ余裕は全くありません!
よそ見=即死です。
富士見平のドライブインからは、
野菜さんが先行してあっという間に見えなくなってしまいました。
無理して追わずにマイペースで下っていきます。
途中で、新しくできていた三島スカイウォークを発見。
名前は知っていますが、こんなところにできたのねん。
その先、大曲がりを丁寧にクリア。
その先、中央分離帯がコンクリ壁で仕切られている区間があって、
その壁の圧迫を嫌って車が路肩側に寄ってくるので本当に恐怖。
そういうところは早く切り抜けたいけど、
これ以上スピード出したらマシンがバラバラになりそうなくらいだし、
そういう場所ほど、車のスピードを落とすために、
路面にややこしい凸凹や溝が切ってあって、
自転車からすれば完全に障害物でしかないようなコンディションなので、
もうどうしようもありません!!
どうにかこうにか下ってきて、伊豆縦貫道の三島塚原ICのところで
野菜さんが待機してくれていたので、そこで3人無事合流。
いやあ、何度ここ下っても怖い。
かといって逆コースだと、大阪から400km走ってきて、
ラストにここを登っていくことになるので、それも相当厳しいのです。
それだけキャノボがいかに過酷ですごいことかがおわかりでしょう。


↓こう見えて恐怖のダウンヒル


さて、そこからもうしばらく下りが続きます。
距離は短いながら、斜度がきついバス道で、
すでに市街地の端ということもあり、
交通量も増えて、最後まで気が抜けません@@
谷田東小山の交差点でようやくR1と別れ、県道22号に入ったころには、
もう3人とも精も根も尽き果てたという感じ。
こうして約40分にもわたる恐怖のダウンヒルを無事にクリアしたのでした。


三嶋大社


惰性を駆って、三嶋大社をすぎ、三島広小路で線路をまたいだら、
生活道路を縫って、たどり着いたのは極楽湯さん。
時刻は9:35。
スタート直後からの土砂降りや、箱根越えの激闘を一度洗いなおして、
疲弊しきった体をリフレッシュして、立て直しを図ります。
従業員さんたちに説明をして
囲いのある敷地内にマシンを止めさせてもらえたので、
安心して休憩することができました。
待ち合わせ時間を決めたら各々浴室へ。
洗い場で汚れと疲れを洗い流し、
大きな湯船へドボンすれば、極楽♪極楽♪
いやあもう、このまま眠りながら沈んでしまいそう…
次の戦いに向けて頭を切り替えねばなりませんが
身体ごと溶けてしまいそうです@@@@
いやあしかし、ここで風呂を予定に入れたのは我ながら大正解でした。
わずか1時間程度でしたが、体の疲れと眠気をとり、
ある程度回復することができました。


極楽湯


さて、ここで日本橋から137km。ようやく全行程の約1/4程度です。
本当にスタートから70kmも土砂降りで、どうなることかと思いましたが、
最大の難所である箱根を無事にクリアしたのはかなり大きいです。
ただし、ここからは長い長い長い静岡地獄が待ち受けているのでした。
浜松までの第2区間へつづく…