記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

青春18きっぷでゆく 呑み鉄 東海道本線編

東京でのすべてのスケジュールを消化し、
寒さと疲労と眠気で満身創痍のまま、中島湯で小休止。
温かいお湯で完全に弛緩した体を引きずって、
川崎駅へと舞い戻り、
ロッカーに預けていたありえないほど重いみやげや荷物を引き上げる。
なにせ、4合瓶が2本ほか道中に飲む酒類、その他もろもろみやげ満載で
山へ行く時より重い…
さあ、いよいよ帰阪に向けての冒険が再スタートします。


2日目のミッションは、青春18きっぷで大阪までオール下道で帰ります。
もう、毎度毎度の上京で新幹線代が馬鹿にならず、
かといって、夜行バスは眠れないししんどいしで真っ平ごめん。
ということで、学生の頃よく使っていた伝家の宝刀を抜きます。
ただダラダラと電車に運ばれていても、
またまたあの長い静岡にうんざりさせられるだけで面白くないので、
ゴトゴト揺られながら、六角精児さんよろしく、
車窓を肴に酒でもやりましょやぃと、
呑み鉄をテーマに東海道を行きます。


青春18きっぷ


実は前日に、東京駅でいつも利用している「はせがわ酒店」で、
このための酒をしっかりと仕込んでおりました。
途中通過する8つの都府県のうち、
4つの県の地酒の1カップやミニボトルを購入。
まずは東京都はあきる野市の野崎酒造さんの「喜正 東京駅ラベル 180ml」
それから静岡は藤枝市の初亀醸造さんの「初亀 レトロ 吟醸ロマン 180ml」
愛知県・常滑の澤田酒造さんの「白老 特別純米 1カップ
岐阜県は養老の玉泉堂酒造さんの「醴泉 純米吟醸 180ml」
自宅からは四国×酒国のおちょこも持参。(大きくて安定してるので)
浅草HUBさんでいただいたワインもあります。
それに合わせてあれやこれやと
アテになりそうなものをどっさり買い込んで、
6:43の小田原行の電車に乗り込みます。


↓準備万端!


こんな早朝の週末なのに、
すでに普通にラッシュが始まっていて、
どうにか座ることはできたけれど、
こんな満員電車の中でいきなり宴を始める空気ではない。
ここはスマートに飲んでこそなので自粛。
目の前にたくさんの人が立っていて、車窓も見えないし、
どっしりと重いザックを抱えながら、座席に座っていると、
どうにもこうにも眠気には抗えず、
気づいたら完全に落ちてました。
次に気づいたのは小田原の寸前の国府津(汗)。
寝ぼけまなこで小田原駅へ入線。
ずっしり重いザックを担いで、階段を上がり、
熱海行に乗り換える。


小田原駅


小田原〜熱海間はそんなに区間が長くないが、
相模湾をなぞりながら進むので
その景色を愛でながら一杯もオツじゃないかと
ワクワクしていたのだけど、
こんな朝っぱらからみんなどこへ向かおうというのか
ここから先もすし詰め状態。
ぎりぎり座席は確保できたけど、
ザックをごそごそするスペースもないほど。
一体、関東人はなぜにこんな…
まあここは座れただけ良しとして、
朝日を浴びて銀色に棚引く海をぼんやりと眺めながら、
熱海駅へ。


↓熱海の海


↓うってつけの車窓だが…


熱海駅


熱海駅で沼津行に乗り換えるのだが、
残念ながら座席ゲットならず…
ここまで乗ってきた便から車両編成が減ったのに、
ほとんどの客が乗り換えするもんだから競争率が高くなって。
ああ、呑むどころか、沼津までスタンディングか…
まあちょっと間我慢だなあと思ってたら、
出発までの10分間に後続の便の乗り継ぎ客まで押し寄せてきたものだから
もう朝の超ラッシュのように押し合いへし合いして、窒息寸前。
スマホの残量がすでに15%切ってて、暇つぶしもできないし
ひたすら苦痛に耐えるのみ。
そんな息苦しい状態で、
函南まで伊豆箱根を抜ける長い長いトンネルなもんで車窓もなく。
もう完全に当初のテーマ崩壊。
疲労感だけが全身を襲い、ノックアウト寸前。
とはいえ、変なところで下車してしまったら、
また乗り継ぎが大幅に狂うので我慢に我慢を重ねて沼津駅


沼津駅


沼津駅ではすぐに浜松まで直行する便に接続できたのだが、
そこでも乗り継ぎダッシュの争奪戦が繰り広げられ、
さすがに疲弊しきってしまったので、いったんブレイク。
その便を見送り、次の島田行を待ちながらトイレ休憩。
1本見送るだけでググッと人が減り、作戦成功。
特に急いでいるわけでもないし、そろそろ呑みたいんですわ〜。
沼津駅からは北側の車窓に、見事な富士山がお出迎え。
富士をバックに東京駅の酒とは、乙なもんです。


↓いたらきまふ


↓富士山


↓ええ感じ


で、しっぽり呑んでたはずなんだけども、
1本目の「喜正」を干して、
2本目に白老のワンカップを開けてちびちびやってたはずなのだが
いつの間にやら記憶をなくしてて、寝てました。
多分相当前日の疲労が来てて、
立ってでも寝れるくらいだったので…
なので、由比の海や静岡の街並みを全く見ることなく、
次に目覚めたのは藤枝を出るところ。
またもや乗り換え間際での覚醒ですが、
ちゃんと起きるあたり我ながらスゴイ。
島田には10:19着。
大体この辺りでは区間折り返しの便ばかりなので、
終点に着くと、必ず階段を使って
反対側のホームへの移動を強いられるのだが、
もう荷物が尋常じゃなく重くて、
酒も回ってるし本当に大変でした。


↓島田


島田を出ると、大井川を渡る。
その先でまたも寝落ち。もう、一瞬で寝れる@@@
で、次起きたのはまさに終点の浜松。
まじ!?
この静岡〜浜松の区間は、なんちゃってキャノボでも
果てしない永遠を感じるほど長い長い退屈な区間なのだが、
島田から浜松まで瞬間移動したのかというくらいの感じで、
なんとなくラッキー。


↓浜松駅


浜松駅には11:15着。
少し早いですがお昼ご飯を食べようと途中下車。
やっぱりここは餃子っしょ。
ちょうど駅ビルに、
浜松餃子の名店「ぎょうざ石松」が出店しているのでそちらへ。
昼前というのにもう並んでいましたが、
オペレーションが素晴らしくて、すんなり。
すでに、たっぷり酒も飲み、アテも食べているので、
欲張らず10ケ定食。
キャベツのうまみが最大限引き出された優しいお味。
ウマシ!!


↓浜松といえば餃子。餃子といえば石松。


↓メニュー


↓10ケ定食(980円)


腹ごしらえを済ませたら、すぐに次へ。
もう、眠気と酒とでロクに歩ける状態じゃないので、
観光などは鼻から考えておらず、
駅ビルで、少しだけお土産を物色したら
12:20の便で再出発。
この辺りの線はさすがに昼間の乗車率は低く、
気兼ねなく呑み鉄ができます。
浜松を出てほどなくして、浜名湖弁天島
いやあ、キャノボの時の清々しい朝を思い出さずにはおれません。
思い出こそ最高のアテ!!
二川を出てR1とクロスするところで、
ひょっとしてキャノンボールの看板が見えるかと覗いてみましたが
見えず残念。
そのまま豊橋までやってきました。


↓これが正しい呑み鉄


弁天島


↓思い出の二川


豊橋駅


豊橋からは、名古屋の都市圏に突入。
次の大垣行快速で一気に北上します。
豊橋〜岡崎の区間は、線路がR1から大きく外れて
海側の蒲郡を通過するルートなので、
キャノボでは走らないので新鮮な車窓を楽しみます。
ある意味、空白地帯なので、今度走りに行かなきゃなあ。


カニうまい


酒もどんどん消化していき、
もう起きてるんだか寝てるんだかよくわからない状態。
安城過ぎたあたりからの記憶はなく、
しかも途中下車で酒場へ寄るつもりの名古屋も
全く通過した覚えがないまま、
次に意識が戻ったのは岐阜県は穂積!!
乗り換えの大垣の2つ手前!!
いやあ、我ながら寝すぎやろ@@@
でも、ここでもやっぱり、ハードトラベラーの真骨頂で
ジャストタイミングで起きたぞい。


大垣駅


大垣〜米原区間は意外と需要のある路線で、
毎回、結構な乗車率。
無事に右側の座席を確保し、
ほんのり雪化粧した伊吹山を愛でようと思ってたのに
ガスがかかってよく見えず。
その代わりに反対側にたたずむ真っ白な霊仙山は拝めました。
あの山も、2年前のホワイトアウトで撤退したままだから
今冬にリベンジしないとなあ。
と言っている間に米原に入線。
すでに反対ホームで待機して、
すぐにでも発車しようとしている新快速に飛び乗る。
この時点でスマホの電池残量が、な、な、なんと3%。
もう虫の息ですが、すでになじみの区間には入っているし、
大阪まではこれ一本でスマートにたどり着けるので逃げ切った感じ。


米原駅


↓屋根に雪被ってる


近江八幡辺りまでは記憶があり、
こんな平地でも民家の屋根にはうっすらと雪が残ってて
やっぱりこの一帯だけは雪国だよなあと再認識。
そこから先はまたも落ちてしまい、
京都も知らぬ間に通過してて、目覚めたら新大阪で、
間違えて慌てて降りようとしてしまいました。
大阪駅に到着が16:42。
長丁場のようで、実はほとんど寝てて記憶がないので
長さも全然感じず、それがいいのやら悪いのやらですが、
無事に完走。
酒もたっぷり呑みましたが、
呑み鉄するには東海道線はあまり情緒がなかったなあ。
ということで、大慌てでの上京作戦はこれにて終了。
頑張った!


大阪駅


<行程>
6:43川崎⇒7:45小田原7:50⇒8:14熱海8:23⇒8:41沼津8:55⇒
10:19島田10:28⇒11:14浜松12:20⇒12:55豊橋13:03⇒
14:31大垣14:41⇒15:16米原15:17⇒16:42大阪