記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

栗コーダーカルテット&ビューティフルハミングバード クリスマスツアー2019 at 神戸北野クラブソラGLASS HOUSE

2019年のクリスマスは

とっても素敵な特別な夜を過ごすことができました。

 

2019年のアンサンブルズ東京で、

栗コーダーカルテットのみなさんと一緒に

リコーダーのワークショップをして、

なかなか悪戦苦闘したけれど、

音楽の新しい気づきがたくさんあった

充実の思い出になっていました。

 

 

そのお三方が、

ビューティフルハミングバードさん(みっちゃん&タバティさん)と一緒に、

関西でクリスマスの特別なコンサートを開かれるというので、

ぜひにと行って参りました。 

 

場所は、新神戸駅から少し上ったところ、

布引のロープウェイ乗り場から少しだけ遊歩道を歩いて行くとたどり着く、

北野クラブSORAさんの一角にあるGLASS HOUSE。

ちょうど高台からは神戸の港が見え、

煌びやかなイルミネーションを施された外観と、

中にはたくさんの植物やデコレーションがあって、

とってもクリスマスムード満点で、

最高のロケーション。

さすが、こだわりのカウアンドマウスさんです!!

 

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開演までの間の時間で、

出店を出されていたアジパイさんのカレーをいただきます。

京都のお店はサウナの梅湯からもほど近いので時々お邪魔していますが、

もともとは鳥取発のお店です。

こちらも本日はクリスマスSPバージョンでした。

 

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そしてそして、いよいよ開演。

イングランドの古いクリスマスキャロルや、

フランスで昔大流行したクリスマスソング、

メキシコのクリスマスソングもありました。

あとはキリスト教で縁起の良いとされている数字の3にまつわる歌など、

この日は世界各国のクリスマスソングを中心としたラインナップ。

 

一番印象に残っているのは、

クリスマスプレゼントにサンタさんにカバをお願いする、という

『I Want A Hippopotamus For Christmas』の

ライブ限定みっちゃん和訳バージョン(『サンタさん、カバちょうだい』)。

これがとっても可愛らしくって、ウキウキワクワク、

会場全体が幸せな笑顔に包まれて最高でした。

 

途中で、栗コーダーの代名詞になっている

ピタゴラスイッチのテーマソングも。

あの曲、一見簡単そうに見えますが、

実際ワークショップでは断トツに難しくて泣きそうになりました。

そしてビューティフルハミングバードさんは、

なんとあの西松屋のCM(「いいね、いいね、これいいね~」)

の歌をやってらしたとは!!

生で聴くとまた素晴らしい。(ナレーションもされていたとは!)

 

アンコールでは、ユーミンの『恋人はサンタクロース』。 

これがまたこのロケーションにもピッタリで

最高の締めくくりでした。

 

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栗原さん、川口さん、関島さんの御三方とも、

本当に卓越した演奏技術の持ち主で、その正確無比な演奏に加えて、

トリオ(カルテットだけど笑)の織り成す見事なハーモナイズセンスが、

古くから伝わるシンプルな音楽をより研ぎ澄ませて響かせていて、

実に美しい時間でした。

3人が銘々に奏でる笛だけで、

まるでフルオーケストラを聴いているかのような厚みと深みのある演奏に

思わず聞き惚れてしまいます。

そして演奏技術だけでなく、ありといあらゆる楽器への精通ぶりや、

ジャンルや時代を問わない、驚くほど幅広い音楽の歴史への

造詣の深さに驚きを隠せません。

本当に、人生を通じて深く音楽を愛していらっしゃるのだなあ、

そしてそのことについて実に大真面目に誠実に

取り組まれていらっしゃるのだなというのが伝わります。

さらに、それだけの実力がありながらも、

本当にいい塩梅で力が抜けていて、親しみやすく、

演奏の大変さや厳しさなど微塵も感じさせず、

どこまでも楽しい嬉しいが広がっていくような雰囲気に

いつでも包まれていて、

こういう音楽のあり方こそ、まさに理想的だなあと。

 

↓phカウアンドマウスさんから拝借

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一方、ビューティフルハミングバードのお2人。

タバティさんは栗コーダー第4のメンバーと言っていいほど、

サポートに入られていて、アンサンブルズ東京でもご一緒でしたが、

小気味よく奏でられるギターの所作が実にエレガントで、

きっとお人柄がよく表れているのだろうなあと思います。

自分もギターをつま弾くのでよくわかりますが

実際、ギター(だけじゃなくきっと楽器全般)は

その人の性格がはっきりと表れるものなのです。

そして栗コーダーの皆さんに負けず劣らずの笛吹きぶりも!!

 

ボーカルをされていた小池光子さん(みっちゃん)、

この日初めて歌を聴かせていただいたのですが、

本当にもう素晴らしくて一目惚れしてしまいました。

人懐こくて味わい深い歌声は、

とっても表情に満ち溢れていて、

声だけではなく、表情や体全体を使って、

歌の持つ世界やイメージを存分に解き放っていて、

その姿を見ているだけでも

思わずハッピーになってしまうくらい素敵でした。

ああ、音楽ってきっとこうなんだろうな、

歌うってきっとこうなんだろうなって、

音楽の真髄を感じました。

つまり、単に歌が上手い下手とか、

歌そのもので完結してしまうようなものではなくって、

歌を通じて心を響かせたり通わせたり揺り動かしたり、

歌によって幸せを運んで、目の前に豊かな場を生まれさせたり、

歌が歌を越えて共鳴することこそが、

楽家や歌手の本来であって、そういう意味でも、

小池さんはまさに歌い手の鑑のような方でした。

 

自分も歌ったり描いたりしますが、

表現者の端くれの端くれとして

是非そうありたいなあと思える素晴らしい人たちによる

すばらしい夜をご一緒出来て、感無量でした。

あああ、なんかずっとポカポカと幸せに包まれていたなあ。

  

↓phカウアンドマウスさんから拝借

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終演後は、即席のサイン会。

そこでまずは栗原さんにご挨拶すると、

なんとアンサンブルズ東京のことを覚えていてくださってて感激です。

そして皆さんからもとても歓迎していただいて、

とっても嬉しい再会となりました。

いつものように、ささやかなお礼として

栗コーダーの御三方の似顔絵をプレゼントさせていただきました。

こんなことくらでしか、

みなさんの素晴らしい演奏への気持ちをお返しすることができませんが

似てる似てる!!大変喜んでいただきました。

ビューティフルハミングバードのお2人もそのうちきっと描かねばなりません!!

 

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 あまりに素晴らしすぎて、翌日の大阪公演もぜひおかわりをしたい。

途中の休憩タイムで、思わず奥さんに「すごいよ!!」と電話したら、

奥さんもぜひ行きたい!というので、

翌日も行きますとみなさんにお伝えして会場を後にしました。

翌日は心斎橋にあるホテルの地下にある洞窟みたいな場所での演奏、

ということでこちらも楽しみにしていたのですが、

当日、まさかまさか次女が発熱してしまいました。

奥さんにもぜひ生で聴いてもらいたいし、長女も行きたいというので

自分は次女の看病でお留守番することにして、

2人で行ってきてもらいました。

帰宅後、どうだったと聞くと、

まるで小人の世界に迷い込んで、

彼らが演奏する小さなクリスマスコンサートを覗き見たようだったよ!!と、

とっても嬉しそうに報告してくれました。

ぜひ自分も目撃したかったから残念だったけど、

奥さんと長女がイキイキと嬉しそうだったので、とてもよかった。

(ちなみに次女の熱は数日続いたけど、大事には至らずよかった)

 

素晴らしいクリスマスプレゼントをいただいたようなコンサート。

一生の思い出に残る夜になりました。