記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

酒 桂田 presents ミト(clammbon)×神前暁(MONACA)の『作曲家夜話 Vol.5』 at 大阪ロフトプラスワンウエスト

大大大好きなclammbonの頭脳と言えば、ミトさん。

clammbonの活動だけでなく、様々な楽曲提供を行っていて、

特にアニメの分野へは積極的に活動を行っている。

そんなミトさんが、作曲家仲間と集って、

曲作りについてあれやこれやとざっくばらんに語り合う

「作曲家夜話」というイベントがあり、

その関西初開催が年明け一発目にあるということで、

東心斎橋ロフトプラスワンエストへ行ってきました。

なんと昼の部、夜の部の2回公演という事でなかなかの気合の入れようですが、

自分は昼の部だけお邪魔しました。

 

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主催であるミトさんと、神前暁さん(MONICA)、

それにゲストとして羽岡佳さんとじんさんの4名の作曲家が、

お酒を片手に、曲作りのお話。

 

元々が何かのアニメへの楽曲提供からのつながりのようで、

そのアニメに関する話がバックボーンにない、

しかも打ち込みDTMに関して全く範疇外の自分にとっては、

全くちんぷんかんぷんな部分も多かったのですが、

一番最初のデモ状態から、完成形までの変遷をBGMに流しながら

曲作りのノウハウだったり、こだわりだったり、苦心ぶりといった

普段なかなか作曲家自身の作り込みについて、

ここまで細部にわたって聞けるチャンスはないので、

本当に貴重でした。

 

前奏からAメロBメロ、サビという展開の中で、

その節目節目に、このキーを入れるとか、

その音に合わせたLyricの語呂を合わせるとか、

本当に位置温一オンへの熱い熱すぎる思い入れを語るうちに

皆さんどんどんヒートアップして行って、

いやあ、この人たち本当に音楽がめちゃくちゃ大好きだわ、

敵わんわと脱帽です。

 

特に、自分が自由に思いついた曲を

好きなように作ってというのではなく、

すでに用意されたアニメ作品の、

設定された世界観だったり、

イメージに合わせて曲を作って行かないといけない。

しかも、ただ1,2曲をこしらえるのではなく、

シリーズ全体を見越してメインテーマから、

ほんの1シーンだけにつける短い曲まで、

何十曲という数を、納期までに作っていかなくてはならない。

芸術家とイラストレーターとの違い?といえばわかるのか、

とにかく自分本位の制作ではなく、

発注された意図通りに納めていかなければならない側面が大きくあって、

それをこなしつつも、埋没しないように自分の色も織り交ぜていく。

どの分野でもそうですが、

プロフェッショナルというのはそういうものですね。

その大前提がありつつ、

彼らはまるでゲームのように楽しみながら、

クオリティの高いものを常に世に送り出しているわけですから、

もはやバケモノとしか言いようがありません。

 

後半では、作曲家志望の多い参加者のなかで、

自分の作曲した曲を提出したもののなかから2曲だけ生批評のコーナー。

この2曲もまた本当に素人が作ったの??というくらい

もうプロフェッショナルな出来で、

いやあ恐ろしい世の中になったもんだ。

ちなみに、私も僭越ながら1曲出したのですが、

もうあんなど素人丸出しの弾き語りでは

全然レベルが違い過ぎて恥ずかしいやらなんやら。

(とはいえいまさら打ち込みとかできんけど…)

 

なかなかにエネルギッシュな集いでした。