記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

なんちゃってキャノンボール リターンズ② 静岡⇒名古屋

さて、静岡おでんに舌鼓を打ち、30分ほどの休憩を経て、いよいよ第2区間スタートします。
静岡駅方面へ行くとまた人や車で騒がしいので、そのまま本通りを西南方面へ進む。
幅広で走りやすい。
弥勒を過ぎて、安倍川橋で安倍川を渡る。
車道が路肩がほとんどないのでここは歩道を行く。
渡りきって土手を下るところで後方から路線バス。
抜きつ抜かれつだとややこしいのでスパートかけて先行する。
手越原でR1に復帰するが、それもつかの間、次の沢渡交差点で裏道に入る。
R1に並走しながら、全く交通量のない旧東海道県道208号は走りやすい。
前方の風景も山がちになり、少しずつであるが上り基調になる。
雰囲気のある丸子宿を通過し、川沿いに進んでいく。
二軒家でBPと旧道が合流して立派になったR1に復帰。
その道の真横に平行している側道を進んでいく。
上り基調だがそれほど上ってる感覚はなし。
しばらく進むと道の駅宇津ノ木峠を通過する。
前回反対向きの時は、本線は自転車は通れないと思って、
旧道でトンネルの上の峠を越えたのだが、
直進すると、平成宇津ノ木トンネルを歩道でいけるようなので突入する。


↓宇津ノ木トンネルは歩道で


トンネル内は幅広の歩道で、鉄柵で車道と区切ってあるので何の心配もなし。
向こう側へ抜けると、歩道でそのまましゃーっと下り。
そのうち本線をくぐって反対側の県道208号に入る。
緩く下っていくと、岡部宿の間をつっきっていく。
この峠を越えたあたりから急に西からのアゲインストの風が猛威をふるう。
なんでしょうこの並々ならぬ風圧。
おそらくここからはひたすらこの向かい風に悩まされることになるのだろう…
内田新田で藤枝BPをくぐり、旧道R1をそのまま進む。
この辺りは路肩はあるにはあるが、片側一車線しかない狭い道で、
しかも交通量はそこそこあって、ずっと自然渋滞。
一定間隔ごとに大型車がいて、停滞しているところを脇をするするとすり抜けていく。
この辺から、右膝がカコカコと痛み始める。
いつもなら軸足の左足に色々とダメージが現れるのだが、今日は右。
まだリスタートして25kmしか走っていないが、この先小夜の中山の上りがあるので
六合のセブイレで一旦休憩。
水分をよく摂り、マッサージを施す。
ちょっと水分補給がうまくいってなかったようだ。
脚の感覚は少しはましになったもの、この後しばらくは気になった。
あうさんはすでに50km先の浜松BPに突入している模様だが、
あちらはこちら以上に殺人的な向かい風に苦しめられている様子。
リスタートして、島田市街を通過が13:30。
昼過ぎたところなのに、陽の光は心細く、すでに夕方のような感覚。
進行方向、西側にはこれから越えていく山並みが見えてくる。
大井川を鉄橋の歩道で渡る。
大井川本線の線路を渡り、金谷扇町交差点を過ぎるといよいよ上り開始。


↓大井川橋より、これから越える山を見渡す


クネクネとした住宅街のワインディングロードをゆっくりと高度を上げていく。
少し大型車の往来が激しいので、路肩のキワをシッティングで進む。
金谷駅北で空港方面への分岐のところで大半の車はそちら側へ行くので、
ここからは交通量が減る。と、同時に斜度がじわじわと上がっていく。
相変わらずクネクネとした道を上がっていく。
左手側の眺望がずーっと開けているのでなかなか走っていて楽しい区間である。
すぐ手前側は茶畑になっていて、その先に大井川が横切り、
さらに奥に今走ってきた金谷、島田、藤枝の市街が広がって、遠く焼津まで一望できる。
TTをしているわけではないので、一旦停止して記念に一枚パチリ。
そこからさらに先へジワリジワリと上っていく。
大きく右手にカーブを切り、わずかに斜度が上がるところをダンシングでこなすと、
十字路のある1ピーク目に到達する。
そこから直進して、下りに入る。
しばらくして対向から学生ローディーさんが一人上がってきて挨拶。
小さい川を渡ると、再びわずかに上り区間
右手の山の方には茶畑が広がっているようです。
日坂BPへの進入路の辺りは少し斜度がきつい。それもわずかのことで、
茶屋を過ぎると、小夜の中山トンネルがぽっかりと口をあけている。


↓栗ヶ岳山麓から金谷方面を見下ろす


そこを抜けるとなだらかな下りで爽快に下っていく…はずが、
あまりの強風に下りなのに押し戻される感じ。う〜ん難儀やなあ。
日坂BPと並行しながら、ほとんど交通量のない快走路を下っていく。
日坂宿に入る手前で、前方から前進イエローのローディさんとすれ違いご挨拶。
自分にはイエロージャージを着る自信がありませぬ。
先ほどの岡部宿のデジャヴのように、八坂の集落を通過し、ICをくぐって、旧R1を進む。
その先で微妙なアップダウンをこなしたら、掛川の市街地に突入し、一気に交通量が増す。
市街地を過ぎて、沢田ICにさしかかる手前で、高校生の団体にバトルを挑まれ、
お約束通りごぼう抜き。向かい風なんでしんどいのだが…
掛川BPと袋井BPの切れ目の区間では、旧道とBPが合流し、道幅も広がるのだが、
その分交通量も多く、大型車もたくさん。
風に翻弄されながらも、うまく車の流れに乗ってペースを上げて行く。
袋井市街の手前でR1にしばしの別れを告げ、県道413号に入るのだが、
前から飛来してきた虫が左目の中に入ってしまったようで、痛い。
七ツ森神社のところでたまらず一旦停車をして、処置を施す。
日頃から眼鏡をしているのだが、なぜだか、よく虫が目に飛び込んでくるのです。


リスタートして、交通量の多い袋井市街を西へ西へと進みます。
単調極まりなく、向かい風や目に入った虫のせいでモチベーションが著しく低下中。
距離的にも時間的にも、マインドが溶けだす頃と重なり、
ダラダラと25kmペースで進んでいると、後方に気配を感じ、ふりかえると、
50代くらいの男性ローディー3人組がいつの間にか後ろに着いています。
不意だったし、地元のトレインだったら、自分よりペースが速いだろうと思って、
合図を送って先行してもらいます。
が、予想に反して安全運転ライドで、30kmペース。
先行させたものの、すぐに追いついてしまい、
かといって先に行かせたのにすぐ抜くわけにもいかず…
最後尾の人がちゃんと手信号も出してくれているので、
そのままトレインに曳いてもらいながら、体力を温存することにします。
軽く挨拶はしたものの、会話を交わすことなく、西へ西へと進みます。
太田川を越えたところで、軽い上りが発生。
トップの人は快調に上がっていくのだが、2人目3人目の方はどんどん離れて行きます。
さすがに自分にとってもペースが遅すぎたので、
お二人に挨拶をして、先行しているお人方を追います。
かなり背中が小さかったが、向こうもピーク手前で脚を緩めておられるので
一気に差を詰めて、ピークで並びます。
一瞬で詰めたのでちょっとギョっとされてしまった。
曳いてもらったお礼を言って、軽く会話を交わします。
地元のローディーさんらしく、今日は沼津を出発して浜松へ向かっているそうでした。
この方は後ろの2人を待つためにピークで待機されるので、
挨拶をして先行します。
かぶと塚公園の辺りでは、一気に上って一気に下ってと激しいアップダウン。
テンションを上げるために、後ろの団体さんを追走集団と見立てて、
猛プッシュを開始。ひさびさに35kmオーバーでギンギンに踏んでいく。
ああ、向かい風〜。なんだこりゃ〜。ずっと上りをこなしているようなしんどさ。
そのまま磐田市内を突っ走って、シケイン気味にR1を外れて、県道261号に入り、
天竜川橋で大河を渡る。


無駄にハッスルしてしまった結果、ハンガー状態に陥る。
そういえば、まともに補給を取ったのは、静岡でおでんを食ったのが最後。
時刻は16:00少し前。ここまで70km、2つの小ピークと向かい風で消耗してそろそろガス欠。
と、前方に、「餃子の店 かめ」の看板!
おお、まさか浜松餃子の名店がすぐそこなんて!これは運命の出会い♪
本当ならこのまま県道312号で西を目指すところだが、スルーできるはずもなく、
すぐに左折し県道313号で南へどーん。
店の案内板に誘われるままに、道を曲がって、天竜川沿いへ折れる。
あった!あの店か!絶品の餃子を焼いとくれ〜……
が〜ん、売り切れのため本日閉店の文字…
え〜ん(泣)マジか〜?ショック。タイムショック
思わずその場で絶叫してしまった〜。しかし食いっぱぐれることほど辛いものはない。
通りすがりのおばちゃんがその姿を見て、「残念やったね。」と笑っている。
聞いたら、日曜日は売れ行きが早く、遅くても14時には売り切れてしまうらしい。
ん〜、もうお口が餃子んですけど〜(泣)。残すぎる〜@@
すっかり落胆しつつも、どうしようもないのでトボトボとリスタート。
今度ゼッテー浜松餃子ライドして、腹ちぎれるまで餃子食べてやっかな!(マジ?)
失意のうちにそのまま南下を始めますが、
一度食べ物が頭の中にちらつき始めると、もう止まらない。
あらゆるウマイものが頭の中いっぱいに広がり、腹はどんどん減る一方だ。
しかし、あいにく今走っているのは天竜川沿いのただ田んぼが広がる地帯。
店どころか自販機すらも見つけられない。
かといってあっちこっち探し回って無駄な時間を使いたくないので、
満身創痍ながらも南下をつづける。
東海道線をまたごうと思うのだが、踏切工事中で、手前から道路封鎖。
うーん困ったと思ったら、ガードマンがいい人で、
降りてなら渡ってよいというので、踏切に敷いてある板の上を慎重に渡る。
そこから先もひたすら田園地帯。
ああ、腹減った。せめて自販機で何か暖かいものがほしい…
ああ、うう、とうずきながら、ヘロヘロ状態で走る。
しかしいくらヘロヘロといってもこれほど走りがぐにゃぐにゃになるものか?
いよいよ脳みそが溶けてしまったのかと思いきや、
後輪を見るとタイヤがペコペコである。んんんん!この状況でパンクかい!
きっとさっきの踏切工事の現場でなにか踏んだのかもしれない。
ガッデム…
よくないことは連続して起こるものだが泣き面に蜂とはまさにこのことだ。
すぐさま駐車場みたいな広い空き地に停車して修理。
ああ、だめだお腹が減って力が出ない。アンパンマンでも呼びたい気分。
パンク修理してもらったら速攻で頭食べてやるのに…
現実は、停まっていてもキツイと感じる強風の中、面倒な修理を淡々と。
幸いタイヤ表面に深刻なカット傷や穴ぼこは空いておらず、
チューブを入れ替えして、アルトレモなので一発装填。
でもエネルギー不足で動きは散漫。
すぐにリスタートして、新幹線をくぐったら、すぐにR1浜松BPに入る。
が、広い長い直線道があるだけで、店がない…
しかし、これだけの道だからしばらく行けば必ず店はあるはず。
とにかく早く飯を食べたくて、ギンギンに回す。
途中サンクスはあったが、こんな風の強いところで野外でゆっくりなどできないので、
泣く泣くスルー。
すると、はるか前方の交差点のところに吉野家のオレンジ看板発見!
今日1で回して、店内へなだれ込む。
十勝豚丼?の大盛りを注文し、熱い茶をひたすらにお代りする。
飲むように丼をかきこんだら、とりあえずお腹は満たされて満足。
が、室内の温かさと満腹感に支配された体が言うことを聞くはずもなく、
自然と前のめりで失神。気付いたら30分ほどそうしていたようだ。
起きたらあうさんからメールが入っている。
どうやら長い長い静岡を無事に脱出して愛知へ突入している模様。
愛知でも浜松ほどではないが風が強いとのこと。心してかからねば。


大急ぎで支度をして店を出ます。
なんというモーレツな向かい風!
西の空を見るとみるみるうちに日が暮れそうな勢い。
もし間に合うなら太陽が沈む浜名湖の風景を見たい。
そう思ってリスタート後からペースを上げてひたすら疾走する。
しかし風が意固地になって押し戻そうとしてくる。コシャクな!
東向きの時にこの辺の東海道は走りやすかったなあという記憶があったので
大柳でR1をはずれて県道316号に入る。
もうライトは点灯していて、2日目のナイトライドに入っていきます。
入ってすぐに、前方に爆走しているクロス車がいて、
パスすると案の定挑んできたので、受けて立ち、日没との勝負で40kmオーバー。
狭い生活道をひた走っていたのだが、太陽が沈む速度が速い。
柏原の交差点でR257にぶつかる。
旧東海道へはそのまま直進すればよいのだが、周囲が暗くなり、方向感覚が鈍ってしまい、
直進していのか自信が持てなかったので、
そういう時は無理せずにR1作戦で左折し、篠原ICのところでR1に復帰する。
道幅も路肩も十分なのだが、光量が不十分で見通し悪し。
あまりキワを走れないのだが、交通量も結構あって、シビアなライン取り。
舞阪辺りからは道幅も減り、自然渋滞も起こっているので慎重に進む。
そうして18時。ようやく弁天島に到達。
前回はここを真夜中に通過しただけだったので、しばし寄り道でホテルの脇から浜に出て、
ライトアップされている大鳥居をパチリ。
それにしても顔をそむけたくなるような強烈な風だ。
ここまでの距離が約270kmなので、全行程のちょうど半分まで来たことになります。
まだ半分…もう十分…


↓海に浮かぶ弁天島の大鳥居


遮るもののない浜では、吹きすさぶ風でみるみる体が冷えるので、
写真を撮ったらすぐに退散して、リスタート。
がっぷりよつで向かい風と抗いながら西浜名橋を渡り、新居町の分岐で左へ進路を取る。
ほとんどの車は直進して、R301へと外れてしまい、一気にさみしい雰囲気になる。
わずかに上り基調で、新居支所前を過ぎると、
長い長い直線が続き、天下のR1だというのに外灯も少なく、暗い暗い山あいのような雰囲気。
しばらく進むと左手海側から浜名BPがぬうーっと近づいてくる。
白須賀ICの手前の食堂のところで、どうしてもオランジーナが飲みたくて、ストップし、
速攻自販機で買って一気飲みしたら、いよいよ2kmの潮見坂に突入。
上り口、ICの合流地点からすでに結構な斜度で、ダンシングでこなしていく。
道は急なヘアピンとなって、右手の山側へと切れ込んでいく。
道幅は十分なのだが、路肩が細かいアスファルトの破片で埋め尽くされていて
パンクが頭をよぎる。
この坂がきついのか、それとももはや体力がギリギリなのか、
大した距離でもないし、激坂でもないはずなのに、
中学校のあたりのピークまで上りきるのにドえらい疲れた。
完全アゲインストの上りだったのもあるかもしれないが、予想外の困難さで困った。
白須賀の交差点で渥美半島へと去っていくR42と別れ、そのまま直進して県道173号へ。
わずかに下って、川を横断するところの信号の先に、待望の標識がっっ!
そうです、ついに愛知県に突入です!
長かった長過ぎた静岡、箱根峠から果てしなく続いてきた静岡、
ひたすらにアゲインストの風でイジメてくれた静岡、嗚呼、静岡、嗚呼、静岡、
静岡がここで終わりを迎えるのです!
バンザイ!


↓あばよっ!静岡!


どうにかこうにか愛知県には突入しました。
が、名古屋まではまだ75kmもある。すっかり夜を迎え、再び寒さが忍び寄ってくる。
里山東で、BPと合流し右折。
当然、一気に交通量が増す。デカイ車もどしどしやってくる。
少し内陸に入って風が治まったと思ってたのに、
高台まで上りきったことで再びえげつない風。
それも今度は真横から足元をすくうような危ない風。
路肩を踏ん張って走行するのだが、勝手にマシンが押されてセンター寄りへと流される!
ヤバイ!怖い!
必死になってバランスを保つのだが、下り基調で勝手にペースも上がる。
そんな状況で真横をトレーラーが通過すると、真空状態で吸い寄せられる〜!
マシンが暴れに暴れて、手がつけられない。
でも油断したらあっという間に大事故なのでとにかく必死。
途中、あまりにシビアなので、根を上げて、ガタガタの路肩へと避難する場面も。
信号がいくつかあって、後続の車が引っ掛かっている間は、車道へ出てスパートし、
後方からライトが照らされてきたら、安全優先で路肩へという感じ。
この一里山から二川までの区間が一番デンジャラスな区間でした。
向かい風も難儀だが、やはり一番危険なのは横風でした。
こういうときのディープリムは凶器でしかない。
道は西北へと進み、JRにぶつかって真西に転じて、横風は終了。
時間帯的に多くなる交通量に辟易しながらも、とにかく前進あるのみ。
伊藤ハムの工場のところで、JRをまたぐのだが、ここは歩道へ。
この歩道がめちゃくちゃ激坂で、ダンシングで意地で上りきる。
再び車道へ復帰。ここからは片側2車線の大通り。交通量はかなりある。
少し進んで、反対側におなじみの二川CB。ここはスルーできないので写真を一枚。
時刻は19時。


↓二川CB


そのまま大量の車達とともに、豊橋市街へとなだれ込む。
東八町で路面電車が登場。でもすぐに西八町でさようなら。
この西八町でR1は直角に右折するのだが、でかい交差点なので、二段階で渡る。
吉田大橋で豊川を渡る。味気ない交通量の多い幹線道路で面白くない。
ちょっと疲労の色が濃く、これ以上交通量の多い道で集中力を維持できないので、
豊川放水路のところで、1つ西側を走っている県道496号へトラバース。
こちらは生活道なので道幅は狭いのだが、交通量がほとんどないのでリラックスして走れる。
徐々に緩やかな上り基調となっていくところを、少しお疲れモードで上がっていく。
裏道で8kmほど進んで、京次西でR1とぶつかり復帰。
ダラダラしたせいか、集中力の衰えが著しく、眠気が猛烈に襲ってきて、かなりツライ。
ここから10km近い上りの区間に入るので、その前に一服せねば頭がどうにかなってしまいそう。
国府の駅前を通過すると、すぐ先にロッテリアを発見し飛び込んだのが20:30。
リブサンドを2個と、コーラ大、温かいコーヒーを注文し
浜松以来4時間ぶりに食べ物を口にする。
今回はこれでも食欲がなく、いつもなら1,2時間に1回のところが、間隔が開く。
いつのまにかハンガー気味に陥ってしまっているのも、
イマイチペースが上がらない要因かもしれない。
でも食欲がわかないので、無理やりハンガー気味にしないと食べ物が喉を通らない。
食べれないのはちょっと深刻です。
食べながらメンバーに近況報告入れる。
ルーラでワープしたいわと弱音を吐いたら、
しおアニキが名古屋でシンカンセーンって唱えてみとナイスなリターン。
でもその新幹線、ゼッテー振り出しに戻る東京行きでしょ。
それはそうと、携帯の充電が20%を切ってしまっているので、
お店の人に事情を話してコンセントを貸してもらう。
充電には時間がかかるので、その間を利用してひたすら仮眠します。
もう瞼が重くて重くて…
気付いたらすでに21時前です。あまりに深い眠りだったようです。
睡眠不足が深刻です。
寒いし、臭いし、お風呂につかって温かい布団で眠りたい…
携帯を見るとあうさんからメール。
あちらは順調に歩みを進めているようで、70km前方の弥富を走行中とのこと。
ああ、自分もがんばらねば。あうさんから元気をもらってどうにかリスタートを切ります。


30分も休んだ間に、かいた汗が引いて、一歩外に出ると一段と寒さが厳しく感じる。
交通量は相変わらず多い中、車道へ出て路肩をゆく。
一旦ブレイクした脚がカチコチで、なかなか走りだしが鈍く、
緩い緩い上りなのだが、重たい。
音羽蒲郡ICを過ぎると、にわかに斜度が増す。県境にさしかかり周囲はいっそう暗い。
えっちらおっちら上るにつれ、体が暖まってきた。
ピークまで上り詰めると、そこから緩やかな下り。
ここからは、しばらく本線の脇に側道があるので、そちらを進みます。
少し下ると名鉄本宿駅の前に出る。ここは初めてドルクス君と出会った思い出の場所です。
あの時は、あのクソ寒い夜間に半袖姿のローディーがおるでとビビりましたね。


↓ドルクス君と初めて遭遇した思い出の本宿駅


さて、思い出の地を通過し、ひたすら暗い寂しい山間を進みます。
車の勢いは衰えを知らず、ガンガンでかい車が脇を過ぎて行く。
藤川の手前で、一旦名鉄をまたぐのだが、その陸橋がシケイン状になっていて、
そのイン側を走行するのだが、大型が路肩側に幅寄せしてきて、恐ろしい。
ずずっと下りきって、岡崎ICを過ぎると、岡崎市街地に突入。
交通量は多めでたまらない。
市役所前を過ぎると、R1に側道が登場するので、そちらを走行するが、
岡崎城を過ぎたところから路肩工事となっていて、結局本線へ。
弁天島からこの岡崎まで、前回の感覚だともっと近いようなイメージだったが
思いのほか距離が長く感じられた。
矢作川を渡ると、あとはひたすらつまらない幹線道路を淡々と進むことになる。
風は静岡に比べれば随分マシにはなっていたが、相変わらず向かい風。
車はひっきりなしに多く、ダラダラ走っていても仕方がないので、
名古屋市街地まではペースを上げて、35km走行で切り抜ける作戦に出る。
道はオールフラットで、直線的に敷かれているのでペースは出しやすいのだが、
信号のタイミングがよくなくて、ストップ&ゴーの繰り返しで疲れるし面倒。
それでも集中してストイックな走りに徹して時間を稼いでいく。
安城知立と変わり映えのしない市街地をひた走る。
豊明IC手前の新境橋のところ、前回東向きでは旧道へと誘導された記憶が残っていたので、
手前の今川町で旧道へ入っておく。
境川を渡ると豊明ICのジャンクションへ暗い道は迷い込む。
旧道はR1から右手にあるのだが、名古屋行きの車線に戻れず、
結局豊明駅前の信号で渡ってからようやく復帰する。
が、ここからの区間は路肩が狭く、交通量は多い難儀な区間なので、
池下から中京競馬場までの3kmだけ、1本横を並走している一般道を走る。
ここは旧東海道なので、一般道の割に幅広で交通量もなく走りやすい。
いっきに高台へ上がるところなので、斜度があるところはダンシングで片付ける。
中京競馬場でR1に復帰するが、しばらくしてぱしゃ君から入電があったので、
休憩がてらコンビニに入り、温かい缶コーヒーと甘いスイーツで補給しながら
ぱしゃ君と電話。こっちはまだ走ってるよ!と言うと、呆れて笑っておりました。
淡々と孤独に走っていると、どうしても気持ちが三角に尖ってしまって、疲れるのだが、
電話のおかげで気がまぎれてよかった。


15分ほどしてリスタート。
キリよく24時には名古屋にたどり着きたいと目標を設定して、
それに向けて気持ちを切らさず、ペースを上げて行く。
天白川を渡ると、街乗りのローディーが平坦なのにダンシングしながら疾走しているので
その気を逃さす、ペースアップして右からまくる。
信号が多い個所で、追いつかれるのも面倒なので、40kmオーバーで大通りを駆ける。
星崎からは名古屋高速が合流し、交通量のない道をペースキープで北上する。
松田橋でR1は左へ大きく旋回し、道なりに回る。
すぐに道は高架になるのだが、自転車不可の標識があったので側道へ回る。
踏切を渡り、川にぶつかるが、工事現場で行く手を阻まれ、
仕方がないので少し南へ迂回をしてからR1に復帰する。
復帰直後、信号待ちしていると、後方からローディーに抜かれる。おいおい赤見えねーのか?
そいつは2つ向こうで左折していったが、なんのアピールなの?
熱田神宮前からは名古屋らしい馬鹿でかい道となり、ひたひたと西進を続ける。
六番町で新幹線をくぐるところでは、飲み会帰りの酔っ払いがたむろして、
車道にはみ出して信号待ちしているのでちょっと迷惑だった。
そこからしばらく路線バスとの格闘を経て、中島周辺まで来たのが24時。
岡崎からはプッシュして強度が高かったこともあり軽くお腹が減る。
これ以降、時間帯的にお店がどんどん閉まっていき、補給の選択が限られる。
前日とは一転して、この夜は冷え込みが激しいので、コンビニでの補給は避けたい。
ということで、ちょうど目の前にある王将でしっかりと補給することにする。
サービスセットを注文したのだが、ここはハズレ王将でした…
食べながらあうさんとメールをやりとりする。
あちらは今からいよいよラスボスの鈴鹿峠を迎えようとしているようですが、
眠気と、すさまじい寒さで関付近で足止めをくっているとのこと。
自分には何のサポートもしてあげられないが、同じ境遇にいる者としてエールを送る。
ペダルを漕ぐ歩みを続けていれば、いずれ必ずゴールにはたどり着ける、
とにかく焦らずに行きましょう!


↓王将でがっつり補給するも胸やけ…


さて、どうにかくにか名古屋までは来ました。残りの道のりも200kmを切る。
24時を過ぎて終電も終わっているので、自力で進む以外に選択肢はない。
幸いにして残りの道のりは勝手知ったるエリアと言う安心感はある。
しかし、手持ちのパワーゲージは底を尽きかけ、
底冷えの寒さが追い打ちをかける危機的状況に瀕しております。
本当の地獄はここから始まるのであった…


最終章へつづく…