記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

新酒入りました

さて、冷蔵庫のストックも残りわずかとなってきたので、
新しくお酒を2本注文しました。
1本は前回も注文した奈良県は吉野の酒、花巴。
前回始めていただいて、そのあまりに個性的でパンチの効いた酒にすっかりハマってしまい、
再びの注文。
もう1つは、兵庫県は姫路の山奥の名酒・奥播磨の深山霽月。
ではさっそくいただいてみましょう。


↓花巴 水もと純米 木桶仕込 & 奥播磨 純米吟醸 深山霽月 無濾過生原酒


まずは、奥播磨の深山霽月。この酒のキャッチコピーは、
「山の奥深くの森、先ほどまでの雨に洗われて、
澄み渡る空を鮮やかな月の光が等しく降りそそぎます。
心落ち着く旨みのあるお酒」
ん〜、なんとも味わい深い。
お味は結構マイルドで優しく、ほんのりとトロピカルな香りを漂わせ、
口当たりはふっくらとしつつも、すぅ〜っと喉へと浸み込んでいく後味。
ん〜、さすがは奥播磨
これはもう少し寝かせて、味の変化を楽しむのもありかもしれんなあ。


↓下村酒造店:奥播磨 純米吟醸 深山霽月 無濾過生原酒 25BY【720ml】


お次は大本命、美吉野醸造さんの花巴。
今回は、「水もと(菩提もと)造り」の純米酒
水もと造りとは、室町時代奈良県の菩提山正暦寺で創醸された醸造法だそうで、
「もと」の仕込み水に乳酸菌を沸かせたものを用いるそうです。
具体的には、仕込み水に生米を炊いたご飯を入れて酸性にしたものを「そやし水」と呼んで、
これを「もと」の仕込み水として使用するのだそうです。
それによって乳酸菌由来のさわやかな酸味のある特徴的なお酒になるのだとか。
その水もと純米を地元吉野杉の木桶で寝かせ、コメの旨みや甘みをさらに引き出した酒。
こりゃあ、マズイはずがないっしょ!
さっそく、一杯。
おおおおおおお、なんてジューシー!
そして万華鏡のようにぐるぐると回りだす複雑な味のロンド!
なるほど乳酸菌由来のほどよい酸味がまず喉から鼻から一目散に駆け込んできます。
そして口に含むと、コメを噛み潰したような旨みがジュワ〜ジュワ〜っと一気に噴き出す。
それはまるでヤクルトのようなほんのりと優しい味わいを纏って口の中を潤していきます。
それをしばし楽しんだのちに、喉の方へと流し込むと、
絶妙の苦みと刺激がクルクル〜っと一抹の未練なく収斂していくのでした。
コメの旨みの色々な側面を全部引き出したうえで、
その1つ1つの要素が決して相殺せず、
上品さと大胆さを兼ね備えて1つの酒に共存している。
うわ〜これ、別格の味だわ。ウマイ!


↓美吉野醸造:花巴 水もと純米 木桶仕込 無濾過生原酒 25BY【720ml】