記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

帰ってきた戦友

[:W640]


お盆にどこにもいかなかったことで、
思ってもみない再会ができました。
自分と奥さんが大学時代に所属していた
映画製作サークルの”ジレンマ”の一員で、
まさに戦友ともいえる陽ちゃんと実に15年ぶりの再会。
お互い年は取りましたが、あのころのおもろさは健在で、
大盛り上がりしました。


何しろ、彼はさすらい人なので、いつどこにいるか、
果たして生きてるのかさえもわからないような人なので、
これだけのブランクが空いてしまいました。
前回あった時は確か、東京のど真ん中で
家賃2万の豚小屋のような部屋でコツコツ資金を貯めて、
映画監督になるべく渡米する直前でした。
あのあと2年間ロスの映画学校で勉強したらしく、
その間、就労ビザがないのでバイトもできないので、
貯めたお金を切り崩しながら、
治験のボランティアで食いつないでたそうです。
今のご時世にスゲーバイタリティ。


今回も、春先に彼がインドにいて、Wi-Fi環境で、
たまたま自分のLINEと繋がって、
久々に連絡がついたのがきっかけ。
つい先週末まで、約1年半に及ぶ
世界一周旅行から帰国したばかりで、
大阪に来る用事が発生して、寄ってくれたのでした。
ウユニ塩湖、マチュピチュパタゴニアのフィッツロイ、
ロカ岬、アウシュビッツベオグラードウクライナ
インド、ミャンマーなどなど、
たくさんの魅力的なみやげ話をしてもらいました。
もう旅はやりきった、
もう二度と旅には出なくてもよいと思えるくらい
完全燃焼してようやく終止符を打っての帰国だとか。
それにしても、一度はやってみたい!行ってみたい!と思いながらも、
普通の人はなかなか踏み出せなかったり、
日常のあれこれで実現できないようなことを、
彼はものすごく軽やかなステップでやってのける。
もちろんその裏には、
びっくりするくらいの貧困や困難、危険があって、
きっと人生の中で諦めざるを得なかったこと、
手放さざるを得なかったこともあっただろうけど、
それらももう完全に覚悟の上で、
やりきるまでやりきるその腹のくくり方が尋常じゃない。
そのあまりにスッキリと清々しい顔を見るにつけ、
そういう人生の転がし方もあるということを、
教えてくれる真の自由人。
またいつかどこかで、必ず会いましょう。