記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

天竺川ロード

北摂方面へ行くときによく通るお気に入りの道がある。
緑地公園から神崎川まで流れる天竺川沿いの道だ。
天井側の土手沿いにずっと続いていて見晴らしがよく、
晴れていれば梅田のビル群が見えるくらい。
道幅が狭いので車もほとんど通らないから快適。
自然にできた緩やかなカーブが続きリズム感があって心地よい。


この道はとても思い出深い道だ。
僕が通っていた中学は服部緑地の近くにあって、
最寄駅から毎日2つの丘を越えて30分の徒歩で通っていた。
(今思うとスゴイことだ。)
そんな中学時代、同級生とひとつの遊びをしていた。
それは豊中の学校から十三まで歩いて帰るというもの。
どうせ駅まで30分歩くんなら十三まで行ったろうぜと発案。
スタンド・バイ・ミー」で少年4人が歩いて冒険に出るあの感じ、
今でいえば恩田陸の「夜のピクニック」?
の妙な一体感を感じたくて仲間をこぞって週1ぐらいでやっていた。
そのメインのルートが天竺川だった。


空き缶を蹴りながらどこまでいけるかとか、拾った枝でチャンバラ、
つまらない中坊話で盛り上がりながらトボトボ歩く。
途中にある駄菓子屋で、うまい棒キャベツ太郎
どんどん焼きチューペットなどで補給しながらひたすら歩く。
だんだん口数も減って、へとへとになってくる。
それでも意地になって十三までたどり着いてみんなでガッツポーズして解散!
ただそれだけ、ただそれだけが何となく楽しかった。


あれからみんなそれぞれの道を行き、
最近は年賀状のやり取りだけのお付き合いになってしまった。
おととし僕の結婚式の3次会で10年ぶりくらいに集まった時に、
みんなこの時のことをしっかり覚えていて、昔話に花が咲いた。
なぜかみんな笑いながら泣いてたなあ。