記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

伊吹山パナソニック・ヒルクライムレース レース詳細編

前日からあまり寝付けないまま4:00に起床。
奥さんと娘にそっと行ってくるよの挨拶を済ませて、集合場所へ向かう。
5:00に回転木馬前に到着。そこから詰め込みをして出発。
途中、桂川SAでNさんが合流。
7:30ごろに会場到着。


ただ広い関ヶ原町は見渡す限りのローディーであふれかえっていた。
先に受付を済ましに行く。Bクラスはカテゴリー的に人が少ないので
すんなりゼッケンと計測チップをもらう。(Cクラスは長蛇の列)


そして車に戻ってセッティング。
タイヤを調整したり、ゼッケンをつけたりしているうちに、
すぐに女子部の面々は集合時間になり先行して出発。
その後早めに、同クラスのIさんと集合場所へ。
軽く乗ることもなく、スタート地点までの移動が始まる。
集合場所からスタート地点までは1kmほど。
前日の雨の影響かものすごく路面が荒れていて、小石がゴロゴロ。
パンクしないかどうかヒヤヒヤで、慎重に走る。


スタート地点では、ちょうど女子の部のスタートがあったところで、
次のMTBクラスの人でごった返していた。
ここで荷物を預け、スタートを待つ。
待ちの間、とても寒くて胸がゼエゼエ。いやな傾向。
上着を着るかどうか迷ったが、結局着ずにスタート。(正解だった。)


そしていよいよスタートの順番が回ってくる。ドキドキ。
いきなり早い人はダッシュ。こちらは中段に入れてもらって、慎重なスタート。
なにせ17km。未知の世界。じっくり行こう。
1つ目の大きなヘアピンを越える頃から心拍が踊りだしてしまう・・・
ここにきての発作はいかんよ〜。心配していた事態が起こりかける。
とりあえず心肺が安定するまではキープキープでいく。
だましだましペダリングしているうちに、徐々に慣れてくる。
3km地点の2つ目のヘアピンへ続くストレートの上りあたりから、
ちょっとずつペースをあげる。
ここらですでに少しずつ先発した中で遅れだしている人が出てくる。
少しずつ抜きにかかる。


そこから7kmくらいまで、所々道路の舗装が剥げて、ダートになっている箇所が出没。
ものすごく走りづらい・・・
前輪にはアスファルトのカスがべったりつき、パンクしないかヒヤヒヤ。
冬期は通行止めにしていて、この日がシーズン初日なのだから、
それまでに工事を終了させておいて欲しかったなあ・・・。


コースは中段に差し掛かり、割とフラットな部分と、少し斜度がきつい部分の
リズム感がでてくる。斜度のゆるい箇所はギアを上げ、きつい所はダンシング、
カーブやヘアピンはアウトからインへ切り込む形で負担を避ける戦法。


ここから1人ライバルが出現。SHIMANOのウェアを着たゼッケンNO.636。
斜度のきつい所で抜くのだが、ゆるい所でスパートをかけてきて抜かれる。
で、またきつい所にくると遅れだすので、抜き返す。
抜いて抜かれてがこの後しばらく続く。
9km地点のきつい目の上りで、後続から来た速い1000番台の人の後ろについていって
スピードアップ。後ろを見ると636番がかなり後ろに見える。これで安心か?
少しペースを緩めてペースを保つ。
すると、10.5km地点の下りでうまくシフトチェンジできず、
スピードが上がらないうちにまた抜かれる・・・。ぬ〜〜〜。
ここはいっちょ気合を入れてダンシング。
11km〜12kmのヘアピン区間で引き離しにかかる。
去年のゴール地点まできたときには、もう636番の姿はなかった。やった!
バトルになると気合が入るので、中盤のダレるところで
結果的にペースアップできてちょうどよかった。


12km地点からは636番を置いて一人旅。
ここは去年のゴール地点。一応ここがチェックポイント。
足切りの心配なこれでなくなった。
一安心すると、やっと少しだけ景色を見る余裕が出た。
見晴らしがよく、周りの山はもう下に見える。
上には今年のゴール地点らしきものも確認できる。
しかも山肌むき出しの急坂が果てしなく伸びている。
まだあそこまで行くのかよ〜?


この地点まで来ると先行していたMTV組、女子組の後続がたくさん見えてくる。
と同時に、信じられない速さで後続の1000番台も追い抜いてくる。
交通ルールに従って、原則左車線しか走られないので、
遅い人を抜きながら、速い人の邪魔をしないようにしなければならず大変になってくる。


13km地点のトンネル区間で再び少しの下り。ペースをあげる。
トンネルを抜けるとそこは・・・激坂だった!
メーターも10km前後に落ちる。ペースをあげたいが足が重く、ひたすら耐える。
ここをぐるっと回り込めばようやくゴールが見えてくるはず。
ひたすら我慢我慢の走行。
カーブのトップのところでスタッフから「あと3km!がんばれ!」。
元気出る。
この辺りはもうほとんど山頂に近く、空に抜けている。
下ではあまり気にならなかった風が、正面からぶつかってきて、
ペダルを漕げども一向に進まない。あまりに風が強くて
隣のMTVの女性が小さく悲鳴を上げて、危うくこけそうになっていた。
ここに来ての向かい風。立ちコケしそうになりながら、必死でしのぐ。


残り1km。前方へ上っていく、ほぼ直線の上りはまた一層斜度が厳しそうだ。
この辺りでふと後ろから声をかけられる。誰?と思っていると、Nさんだった。
うっそ〜1200番台なのに〜。
「じゃあ」と一言あって、あっという間に行ってしまわれる。
ほんのちょっとした時間だったが、ちょうどかなり参ってた時だったので、
気がまぎれたので本当によかった。


ラスト1kmの表示を過ぎる。一段と傾斜が厳しい。
先ほどの強風でずいぶんと体力も削られてしまって、フラフラ状態。
でも、ここまで来たらもうリタイアはない。
全部使い果たす勢いでダンシングを開始。
少し先のほうから、賑やかな声や音楽が聞こえてくる。
ゴールまではもうすぐだ。
残り500m。また少し傾斜がきつくなる。大丈夫。もう少し。
残り100m。ほらもう安心。
そして残り50mのところで、先にゴールしていた回転木馬のみなさんからの大歓声!
うれしいやら恥ずかしいやら。でもやっぱりうれしい。
再び気合を入れて残りスパート。
そしてついにゴール!長かったようであっという間の17kmだった。


途中で間違ってサイクルメーターのところを握ってしまって
メーターをオフにしてしまったのでタイムは分からないが、そんなのどうでもいい。
自分に負けずに完走できたことが何よりうれしかった。
それにヘトヘトで無我夢中でただ漕ぐのではなくて
パンクの心配とか、ペース配分とか、周りの選手のこととか
一応考える余裕を持ってレースをできたのはよかったと思う。


ゴール後は回転木馬の皆さんと合流して、
後からゴールする人たちに声援を送り続けた。
そして12:30に下山開始。
この下山がひたすら怖かった…
上りはそんなに景色が目に入ってこないのだが、
下りはスピードに乗って遠くの景色まで飛び込んでくる。
こんなに高い所から落ちたらと思い始めるととても怖くなって
ハンドルを無駄に強く握ってしまって、余計腕やら肩が疲れる。
17km上りっぱなしも大変だが、下りっぱなしは正直参った…。


これでコースは大体頭に入ったし、レースってどんな感じかもわかった。
もっと練習して次回また参加したいなあ。


↓13km地点からは強風と激坂が立ちはだかる


↓「ラスト〜50!がんばれ〜!」