記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

失望

オランダ戦。
あれで強豪相手に善戦したみたいな評価なら、日本は1次リーグ敗退決定だ。
負けて褒められるべきではない。例え内容がひどいものではなくてもだ。
スコア上は1-0でも、川島の2回の神がかり的なセーブがなければ、
3-0でも全然おかしくない。つまり完敗。
深刻なのは後半、リスク覚悟で攻撃的になりながら、1点も取れなかったこと。
負けたことは悔しいが、0点だったことの方に悔しいという気持ちがなければ嘘だ。
実質3点取られたのなら、1点は返すべきだ。そうであれば引き分け勝ち点1をゲットできた。
カメルーン戦の直後だけにちょっと失望した。


前半はスター揃いのオランダの良さを完全に消していた。
スナイデルというよりファンデルファールトが常に脅威ではあったが
それでもほとんどピンチらしいピンチもなかった。
松井、大久保はこの試合でもキレキレだったし、
相手がそれを脅威と感じていたことが効果的だった。
でも、でもである。
強豪国相手に前半、いい勝負をし、相手に得点を与えないゲーム展開ができるという事実は、
もうずいぶん前から確認済みのことで、今更そこを評価しても何にもならない。
自分が失望したのは相も変わらず後半のひどさだ。
日本の課題はそこ。ずっとそこ。そこが今回も修正できてない。
今更前半対等に渡り合ったことを評価するなら、日本は逆戻りする。


後半開始早々、リスタートで気が緩んだわけではないだろうが、
クリア(これ自体闘莉王のお粗末なクリア)したこぼれ球に誰も対応せず失点。
中澤のポジションのまずさ、闘莉王チョンボといういつもの形。
カメルーン戦でも6,7回あった。そこは相手のミスで助かっていたが
オランダ相手ではそうはいかない。それは試合前からわかっていたこと。
今日は中澤のポジショニングが非常に悪く、阿部のフォローがなければ実に厳しかった。


そしてひどいのは、後半投入された中村俊・岡崎・玉田。
この3人はピッチに出る資格がない。
失点後、前に出るしかない、点を取るしかない。その意味は明らかで、
岡田監督もそれ相応の覚悟で投入したはず。
それがどうだ。90分走り続けている本田、そして上がってきた闘莉王
消耗戦で疲れきっている2人と比べて、フレッシュなはずのこの3人は全く無意味と言ってよかった。
特に俊輔。コンディションが悪いのか、それとも試合勘が戻っていないのか知らないがひどかった。
途中で何度もそのひどさに闘莉王が怒鳴り散らしていたが、気持ちがよくわかる。
何より全ての動きが遅い。パスを受けてから油断して背後から取られる。
パスを受けてから出し手を探すのに時間をかけ過ぎ、そのうちに寄せられボールを奪われる。
逆サイドガラ空きなのに見ずに、細かいパスをつなごうとする。
視野が狭いし、動き出し・判断のスピードが他の選手より1テンポも2テンポも遅い。
俊輔はイングランド戦以前の一昔前の戦い方を1人している。
松井が前半飛ばしてバテるのは仕方がないが、
その入れ替わりで俊輔を入れても相手に脅威を感じさせることのできない交代。
松井を帰るのが必然であれば、岡崎に代えて、松井の位置に本田の方が、相手は嫌だと思う。
FKも今大会を見ればチャンスにはならないことを考えると俊輔はもう必要ない。
記念に出るということではもう出たのだから、デンマーク戦はきっともう出ないだろう。


何度も言うが日本の課題、克服すべき問題は後半の戦い方だ。
前半あの程度の試合をするのは最低条件であり、評価の対象にならない。
むしろ体力がある前半のうちに得点できなかったのだから、カメルーン戦よりも評価マイナスだ。
そして運動量が落ちる後半の戦い方、交代枠も含めた戦い方。
気持ちで負けてる選手を入れるくらいなら、
運動量が落ちても気持ちで走り続ける選手の方がまだ希望が持てる。
松井・大久保・長谷部に代わる控え選手。23人全員で戦う、その資格のある選手が必要だ。


今日の負けは、不用意な負けというより、はじめから予測できた負けという点では
1次リーグ突破という観点からはそう悲観的にはる必要はない。
問題は次のデンマーク戦で勝つこと。
引き分けて得失点差勝負という可能性もあるが、
いずれにせよ得点すること。その課題を克服できなければ決勝ラウンドへの扉は開かれない。