記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

allez!TOUR DE FRANCE!

いよいよ始まったツール2010.
すでになにやら波乱含みで面白くなっている様子。
残念ながらJスポ未加入のためネットで後追いだけど。


プロローグの個人TTは、予想通りカンチェの貫録勝ち。
やっぱエンジンが違うわあ。
サプライズは、ランスがコンタに勝ったこと。
刻々と変化する空模様が影響したようだし、微々たる差ではあるけど
結果的にランスが勝ったという事実は、ランスが精神的優位に立つには十分すぎる。


それにしても今年は落車が多すぎるなあ。
第2ステージの自主的なレース放棄は、抗議行動以外では非常に珍しいね。
あれについてはせっかくのレースをぶち壊したというようなナンセンスな批判もあるみたいだけど
あれは極めて人間的な選択として尊重すべきだ。
サッカーでだって、相手の選手が負傷している場合、
ルールブックに載っていなくてもボールを蹴りだして試合を止める。
F1だって事故が起こればセーフティーカーを入れて混乱を収める。
トップがどれだけアドバンテージを築いていても、レースは仕切りなおし。
それについて文句を言う選手はいない。
安全に公正に競技が行われてこそのスポーツだと思う。
確かにカンチェとしては、選手全員の安全というよりも、
シュレク兄弟の救済の方が重要だったということはあるにしても
少なくともレースに出ている選手全員が同意したことは間違いない。


忘れてはいけないのはロードレースは数あるスポーツの中でも
比較的危険な部類のスポーツだということ。
スポーツの多くは、それ専用の限定されたスペースで行われる。
サッカーにしても野球にしても、格闘技にしてもそうだ。
きちんと整備された空間で、不意の事態にも対応できる。
でもロードレースはそうはいかない。
一般の道路を使用し、時に戦いの場は200kmを越えるのである。
路面の状況、押し寄せるパトロン、風の具合、そして雨。
競技のために全てを完全にコントロールできない、
まして何が起こるか予測できない場で戦われるのがロードレースであり
それが醍醐味でもある。
その過酷な状況で、スピードの極限を争うのだから、
安全は何より最優先されるべきだし、選手自身が危険とみなして下した決定なのだ。
そういうことを潔く決断できるというのもまたプロなんだと思う。


って書いてたら、今年一番波乱が予想される第3ステージ。パヴェ!
フランクが早々に棄権とは・・・今年はここまで調子よく期待していたのに!
でも兄という足かせがなくなったことでアンディの爆発に期待。
めくるめく展開で、ランスがコンタに対して致命的な1分の差。
そしてヴィノ、やっぱり抜け駆けやりましたなあ。


めまぐるしい序盤戦だけど、今年はピレネーが決戦の地。まだまだ先は長い。
おもしろくなってきましたなあ。