記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

白霧の山羊戸渡

前日から体調が右肩下がり。
ブルベはDNSは決めてたけどその代わりに朝から、
六甲4大難所の谷の一つを攻める予定だったが、
あまりに具合が悪く午前中動けず。それでも午後にはよくなったので、
予定変更で、面白そうなネーミングの尾根道を攻めに行く。
六甲の夕方によくある濃霧で視界不良の中、スリリングな山歩きだった。


<本日のコース>
阪急六甲駅〜(阪急バス)〜六甲ケーブル下〜旧道〜表六甲DW〜カーブNO.45〜
山羊戸渡〜サウスロード〜丁字ヶ辻〜アイスロード〜六甲ケーブル下〜阪急六甲駅



奥さん帰りで梅田で合流。
ハンバーガー食べながら、急にと言うかやっぱり山に行くことにしたのが14:00。
だって日曜日は雨だっていうもんですから。
当初の予定では五助谷を攻める予定で、荷物もそれ用に準備してあるのだが
今から向かって最速で山入りが15:00。
日暮れまでに下山どころか、ガーデンテラスまでたどり着けないだろう。
危険すぎるので、当然行き先変更。
地図を見ながら、どこへ行こうか思案したところ、
先日面白そうな尾根を見たのを思い出した。
山羊戸渡(ゴートリッジ)
とりあえず、取り付きの位置と出口だけしか覚えていなかったが、
なんとかなるっしょと阪急六甲駅に降り立つ。
そこから歩きでいくと時間が惜しいので、バスに乗って六甲ケーブル駅まで。
空を見上げると海側は晴れているのに、山の上は霧がかって真っ白。
ちょっとした不安。
ここから山に入るまでもうひと手間、舗装道路を歩かないといけない。
表六甲DWまで、旧道の脇を歩くが、意外と交通量があってヒヤヒヤする。
しばらくすると新六甲大橋がお目見え。
そして六甲有馬道路との交差点に到着。雲行きが怪しいなあ…
そこを横断して、しばらく前方にアイスロードの入り口がある。
何人かのハイカーがそこから下っていくので挨拶するが、
その入り口は一旦スルーしてさらに表六甲DWを上がる。
左手に大きな堰堤防が見え、道が分かれているが、そこもスルーし
もう少し行ったヘアピンのところのガードレールの切れ目に突入。
15:30。ようやく山道に入れた。
そこから中へ進むと薄暗い広場状になっており、
ところどころにテープでマークされている。
ごつごつした石の転がる広場を進むと、左手からやってきた川にぶつかる。
そこは上流の西谷と都賀谷から来る2つの沢の流れがちょうど合流する地点で、
その2つの流れに挟まれた位置が、今日のメインディッシュ、山羊戸渡の取り付き。


六甲ケーブル駅。すでに怪しい雲行き。


↓旧道をしばらく歩いて新六甲大橋


↓表六甲DW起点から800m歩いたヘアピンが入り口


さて、ここから登り開始。いきなしの激登りに、早くも汗まみれ。
かわいらしいネーミングとは裏腹に、何気に根性がいるぞ!
本当にここを山羊が登れるなら、山羊を甘く見てたなと思うほど激斜面。
必死でへばりつきながら、ズンズン登る。
そのうち、でっかい岩が随所に姿を現し、
ロッククライミング風に越えていかないといけないような個所が出てくる。
木々に覆われているので高度感はそんなに感じないのだが、
明らかに斜面(というより絶壁)はハードで、おっこちたら当然タダじゃすまない。
3点確保をしっかりと行いながら進む。
岩場では木々が少ないので振り返ってみると、
山に分け入ってわずか15分足らずなのに、相当スタート地点から登っている。
そしてここにきて気になるのが雲行き。
どんどんふもと付近から白いモノがモワモワと上がってきているのが見える。
これが本格的に上がってきたら、視界不良になってしまうのではと不安になる。
ルートとしては2つの谷に挟まれた細い回廊のような形状で、
かつマーキングテープが定期的に表れるので迷う心配はないが、
初めてのルートで、何気にハードな道。
身動きできなくなる前に安全圏に入るまで休憩なしで急ぐ。


↓2つの沢の中央部分が山羊戸渡の取り付き


↓激斜面の岩場が続く大ハードな尾根道


かれこれ、結構な時間ハードに急な岩場を登っているのに、
斜度は一向による無気配もなく、ただひたすらに登りが続く。
どんだけ登るねんと思っているうちに、第1ピークの到着。
なぜ第1と言うかというと、着いたその小ピークの先に、
デ〜ンとさらにでっかい山が控えているのが見えているので。
おいおいどんだけハードやねん。
第1ピークからは東側の少し下に表六甲DWが見える。
眺めていると、すぐに白霧がやってきて見えなくなっていく。
写真に収めようとシャッターを押すたびに、どんどん視界が悪くなっていく。
これは急がないとマジでやばい。ただちに山歩き再開。


↓第1ピークから東向きの眺望。表六甲DWが見える


↓上の写真と同じ位置から。すぐに雲が上がってきてたちまちの視界不良


第1ピークからいったん激斜面を下って、そこから再び激斜面の上り再開。
道は迷い様がないのだが、視界が効かないのもあって、
自分がどっちの方角に進んでいるのかが分からなくなる。
ただ、右手側から絶えずエンジン音がしているので、
DWと同じ方角に進んでいるのはわかる。
途中ナイフリッジ部分が何度か登場し、慎重に歩く。
何処をどれだけ上ったかわからないうちに、第2ピークに到着。


↓ナイフリッジの連続


↓第2ピーク。すでに白霧の中で何も見えず


そこから周りを見るが真っ白けっけ。
展望はあるようなので、これは天気の良い時に来てみたらいいものが見れるかも。
そこから1回左手側への分岐があったが、あれは長峰山へ続いているのだろうか。
しばらく尾根道を歩いていると岩礁に到達。
上から展望を見ようと思うと、相変わらず真っ白だったので、
先へ進もうと思ったら、自分が踏んでいる大岩をごそっと降りないと
向こう側に続いている道へ行けない。
どうしたものかと左手を探すと、トラロープがタラリ。
ほほう、ここにきてのアドベンチャー
まずまず高さがあるが、降りた地点は安定している感じなので、慎重に降りる。


↓ロープ場があったりスリリング


↓何も見えん


そこからさらに尾根道を歩いていくと、何度か左手に分岐があるが
明らかに進んでいる方向ではないのでスルー。
一度ピークの広場のようなところがあり、左右に分岐しているように見える。
左にも行けそうだが、目印はない。(でも面白そうだから、また今度。)
右手に沢山テープがあるので、そこをドカドカっと下る。
再び険しい山道を少し上ると、道が熊笹に覆われてきた。
ということは山上まではあともうすぐということ。
ずんずんかき分けていくと、右手に人工物が、振り返ってみると、”戻れ”の合図。
これがここにあるということは、この先以降は安全圏ということ。
やっとこさハードな尾根道を制覇し、一安心。
そこから少し行くと分岐に出た。


↓危険地帯脱出


↓左へ行くと柿谷峠、左は市立自然の森経由でサウスロード


左へ行けば柿谷峠、右へ行けば丁字ヶ辻。
最初はカスケードバレーを下ろうと左折したが、
やっぱり六甲ケーブルまで一筆書きにしようと引き返す。
自然の森の敷地からドライブウェイにでて、すぐに舗装路から分かれて
サウスロードに入る。そこから少ししぶくようなささめ雨。
ペースをあげて歩いて丁字ヶ辻へ。
そこからしばらくは歩道がないので怖い。
視界が全く効かないので車から歩行者は見えづらくなっているので
できるだけ路肩を歩く。
アイスロードの入り口で、そこから上がってきた若者3人組とあいさつし、
下りに入る。


↓三国池方面とサウスロードの分岐


↓ここでドライブウェイに合流


↓丁字ヶ辻


↓帰路はアイスロード


最初は歩きやすい山道で、少し下ると階段発生。
でっかい堰堤を右手に見ながら谷底まで下る。
いったん、谷の沢を歩いて、沢の右岸に渡り、山道を歩く。
この頃になると視界は良くなってきて、遠くにテールランプの列が見える。
えっさほいさと下っていくと途中にベンチがあったのでようやく補給で一息。
そこからさらに下っていくと、標識の奥に何やら怪しい道が隠れている。
これはおもしろそうだと少し登ってみるが、
すでに18:30なので、断念し元のルートへ。
あれは同じ六甲ケーブルでも上の駅に続く裏道だろう。またの機会に。
そこから黙々も下り、有料道の下をくぐる真っ暗なトンネルを通過。
ようやくDWに戻ってきました。
そこから舗装道を六甲ケーブル駅まで歩いて下っていくと、
ナイスタイミングでバス到着。


↓前ヶ辻谷


↓遠くに六甲有馬道が見える


↓前方に六甲山トンネル入り口がみえ、その奥の山が山羊戸渡。結構急だな。


↓裏面を発見するもタイムアップにより断念。いずれ要調査


↓六甲有馬道路をくぐる


↓ようやく新六甲大橋下交差点まで戻ってきた


↓ナイスタイミングでバス到着


ブルベDNSの穴を埋めるには少なすぎるが、
短い時間なりに、楽しめました。