記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

GO WEST 倉敷・岡山 復路編

倉敷着が11:15。美観地区は観光客で一杯で走れる状態ではなく、押して歩く。
倉敷はそれこそよく知っているし、特に目新しいものもなかったので、さっさと退散。
とその前に、補給補給。といってもお腹いっぱいになってしまっては困る。
お目当てのグルメを美味しくいただけるよう、岡山でもつ程度に、蒜山ソフトで我慢。
もと来た県道162号をUターン。おおう、向かい風がきつい。
12:15に岡山に戻って来る。
お目当ての「やまと」さんのドミカツ丼と岡山ラーメを求めて、
気合十分でお店に到着・・・・・・ぎょえ〜!なんですかこの行列はっ!!!
30人ほどが列をなしている。ここは本当に小さな町の食堂なので、
1時間以上待たされるのは必至。
今さらながら、欲張って倉敷へ行ってしまったことを激しく後悔・・・
1時間どっかで仮眠して、開店と同時に滑り込むべきだった・・・
さあ、待つかどうか。岡山へ来たほとんど唯一にして最大の目的なのは間違いない。
しかしここで1時間以上待ち、その上飯を食べるとなると少なくとも2時間は経過する。
ここにきての2時間差はかなり大きい。帰り時間を考えるとかなりの死活問題。
くぅぅぅ・・・背に腹は変えられぬ・・・
やむなく勇気ある撤退。あああ、食べたかった〜。
前日の晩からもうそのお口になってたのにぃぃ〜と未練タラタラで力なく走る。
とりあえず吹っ切るために岡山市内からの脱出。


↓これが食べたかった・・・


失意のうちに山陽道を東へ。かな〜りモチベーションが下がってます。
全く力が出ずトボトボと進むが、よく考えたらあえてお腹をすかせた状態でハンガー寸前だった。
東岡山のファミマでたまらず休憩し、プリンやチョコバー、ドリンクを3本ほどで補給。
今日は台風のせいかここまでずっと薄曇りで助けられていたのだが
ここからカンカン照り地獄が始まる。
山陽道から、R250をまたぎ県道83号を進む。
行きはR1から長船を折れてこの道に入ったが、帰りはR1を避けるため直進してみる。
この時点で240kmを越えて魔の時間突入。眠い・辛い・暑いの三重苦が容赦なく、
魔へ進む元気が湧いて来ない。じりじりと暑さに耐えながら逃げ水を追ってダラダラ。
鶴海の交差点で左側へ。右へ行くと、岡山ブルーライン
岡山ブルーラインは自動車専用なので、ぐる〜っと湾を迂回しないといけない。
片上大橋だけでも渡れたらぐっとショートカットできるのになあ。
といっても仕方ないので、湾にそってアップダウンをこなす。総合運動場まで来るとほぼ平坦。
この辺から対岸が見渡せるのだが、果てしなく迂回せないかんなあ〜。
ようやく伊部・片上の市街地に突入し、R250似再び合流するが、どえらい向かい風。
思いっきり低姿勢で進むが、25kmがせいいっぱい。
このままアップダウンの海岸せい突入ではエネルギー切れを起こしそうだったので、
岡山ブルーライン備前IC前にある海の駅で昼食。
しっかしえらい人だかりで自転車を置くところに難儀。
もう15:00なので日替わりとかめぼしいものがほとんどなかったが、残っていたアナゴ丼を頼む。
う〜ん、ドミカツ丼の埋め合わせには程遠いが、とりあえず米を放り込んだことでちょっと回復。


↓あなご丼


さてこっから福浦峠に鳥打峠とにぶい上りの繰り返し。
食後というのと、魔の時間帯を乗り切ったので勢い付けていく。
日生港では、行きの伊部の交差点で見たランドナーさんに再び出会い挨拶してパスする。
赤穂で裏道の県道90号をダラダラ進んでいたら、そのまま間違って上郡方面へ進みそうになり、あわててUターン。
帰りは高取峠を避けるルートとして坂越の集落から海岸線をチョイス。
坂越の集落はなかなか風情のある所。ドリンク休憩でしばらく雰囲気を楽しむ。


↓坂越の集落

この時点で16:30くらい。坂越をあとにして帰りを急ぐ。集落の果てからぐぐっと上り。
意外と斜度がきつかったが、ダンシングでこなす。しばらくするとIHIのでっかい発電所がお目見え。
工場萌えとしては、見逃せず、ちょっと足を止めて見とれる。
リスタート直後に、ハイペースのTREKに無言で抜き去られる。こっちは挨拶をしたが無視され、
思わず、無視かい!と小声が出てしまい、それが合図だったのか知らないが、TREKが全力疾走を開始。
よほど自信があってのことでしょうから、やれやれ、いっちょお手並み拝見と、40kmオーバーで追走開始。
下り区間でびゃ〜っと速いのだが、上りになるとぐんぐん近くなる。おいおい、こんなもんかい?
徐々に背中が大きくなるが、あまり近づきすぎても気まずいので一定距離を開けて。
そのうち相生市街に入り、赤信号で追い付いてしまう。
別に追い抜くつもりはないので、一定距離を開けて進む。
ボート公園前交差点で、行きと同じ竜野方面へ行くか、あるいは海沿いから直接網干へ行く海岸ルートか
どっちでもいいのだが、このTREKと付いたり離れたりランデブーして姫路まで行くのも
気まずいし、気味が悪いので、相手の出方を見ると、交差点を左折したように見えたので
じゃあと海沿いを選択するが、なぜか真後ろにさっきのTREKがぴたっと無言でついてくる。
なんやこいつ。
40km以上の高速巡航で、結局10km近くランデブー状態だったが、
自分はまだ150kmもあるし、とにかくうっとおしい。
それに綺麗な夕景の写真も撮りたいしということで先に行かせる。
十分距離を開けたつもりなのだが、4つ5つ先のカーブにチラチラ姿が見えるので、ペース抑え目で進む。
”七曲り”と呼ばれるシーサイドラインに突入し、まずまずの強度のアップダウンをひたすらこなす。
室津の港が金色に染まってとても美しい。
上っては下り上っては下りで結構消耗するが、さっきのバトルでカッカと火が付いているので行けるだけ行く。


ああ播磨灘


このままトランス状態を継続し姫路には18:30到着予定が、17:30に到着。
そのままトランス状態で回しまくる。
途中であまりに入り込み過ぎてることに気が付き、冷静に冷静にと自分を言い聞かす。
そんなこんなで姫路〜加古川までで予定時間を1時間短縮。
このまま明石までと意気込んだが、急にこと切れて、ハンガー状態。
明石まで15kmのところでコンビニに駆け込む。
もうお腹が減って仕方がないが、固形物がのどを通らないので、ヨーグルトとか。
一旦家に電話して元気をもらい、気合を入れてリスタート。
県道178号は、行きは深夜だったので交通量がほとんどなかったが、
この時間はめちゃくちゃ車がいて、しかも路肩がほとんどなく、トランスが解けると怖い。
そして結構上りが多くてしんどい。これは次回は別ルート検索の必要あり。
そして高台のアップダウンをこなすうち、前方にチラチラと明石海峡大橋の明かりが見えてきた!
見えてきたがここからがまた長い。
しぶとくしぶとく進み、明石市街地を抜けてようやく橋に到着。ここで350km越え。


明石海峡大橋


明石海峡から東、須磨までは交通量が非常に多く、長い渋滞。
ほとんど垂水から車の列が10kmくらいは続いている。
こんなところ、あってないような狭い路肩を縫っていけないので、歩道へエスケープ。
その歩道もところどころ工事中で、何度も道の左右を行ったり来たり。
慎重に最後の難所をくぐりぬける。
須磨浦公園で後ろを向くといつの間にかHTCジャージのローディーさん。
軽く挨拶をして前を曳くつもりで爆走開始したらいつのまにか千切ってしまってました。
とりあえず勢いがついたので、これを継続して高速で回す。
380km走ってきたこの段階になってまだ回せるのが不思議なくらいだが、
35kmペースであっというまに三宮。岩屋で事切れてファミマでドリンク。
なぜだか暑くなってきたぞ!
すぐにリスタートして、R2を再び35kmペースで進む。
R2って川のところ以外、西⇒東方面はほとんど下りだったっけ?
というくらいペースがよく、残り全体力を使い切る感じで進む。
芦屋で22:00。なんとか日付変わる前には帰れそう。
高速で回してきたので暑くて厚くて水をがぶ飲みして、頭にぶっかけ。
引き続きR2を爆走。
御幣島の交差点がややこしくて嫌いなのでどう迂回しようかと思っているうちに
結局そのまま来てしまう。
やけに交通量が多いので、後ろの車に進行方向の合図を送って直進、
そしてようやく淀川を渡る。対岸にキタのビル群が見えたときには思わず
「帰ってきたど〜!」っと叫んでしまった。
で、なんとか無事に22:40に帰宅。帰りのルート少しだけ変えたのもあって
全長約415kmの旅となりました。
心肺が苦しいとか、足の筋肉が痛いとかではなく、体の心底から疲労困憊。


今まで西方面というのはどうも足が向かなかった。
須磨〜垂水のところが海岸線の大通り(R2・R28・R250の三線重複区間)以外に逃げ道がなく、
山側へ迂回するにしても六甲越えとなるとそれだけで難易度がぐっと上がる。
そして明石以降も西進する場合、結局県道718号(旧R250)かR250、
もっとひどいR2しか選択肢がなく正直つまらない。
なんかもっといい道はないものか。研究の余地あり。


それにしても今年から長距離を積極的に走るようになって、
ますます競技としてのロードに興味が薄れてきた。
走る距離が200km以上になると、峠一つずば抜けて速く上れようが、
たかだか10,20km平坦を全力疾走できようが、あんまり意味がない。
それどころか、それで売り切れになれば、家に帰りつくことすらできない。
同じところをぐるぐる回ったり、黙々とローラー回したりというのが
元々好きではないが、そこまでして速くなる必要があるのか疑問になってきた。
まあ負けると悔しいんだケドネ。
速いだけが強さではない。タイムを競うだけが自転車の楽しさではない。
もっと懐の深い、旅するローディーを目指そう。