記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

子連れツーリング 淡路島ライド 復路編

ようやく復路編に突入です。


鼓亭をトップバッターでリスタートしたのが14時。
ここからはノーマル組もロング組も一緒に走るため
できるだけ先頭でマージンを作っておくのだ。
県道25号から福良口でR28に入る。
この辺りは鈍いのぼり。
登りの先に、逃げ水がユラユラ。
初めて見た娘が不思議やな〜って。
登り終えて、賀集の集落へのダウンヒル
交通量が多いので慎重に。
八幡の手前で裏道に入ると、
後ろからSはんちょう率いるガールズ軍団。
しばらく談笑しながら走りますが、
やはりペースが遅いので置いていかれます。
ずんどこずんどこ集落の細い道を進んで、
国衛のあたりの分岐で痛恨の道をロスト。
向こうの道からてんちょうが手を振ってこっちこっち!
慌てて戻ると、すでに最後尾…
せっかく先頭を走ってたのに!と娘にがちで怒られました。
さーせん!


そこからは南あわじの大農作地帯のどストレートを走る。
横風が多少あって難儀。
ストレートで交通量も少なく、
先行するみんなもペースアップしてどんどん離される。
娘もどうにかこうにか重いギアを踏んで、
集団の最後尾を死守しますが、とにかく必死です。
榎列小学校の所まではなんとか
他のメンバーの後ろについて来れましたが、
そこから先、県道66号に入り、
高速をくぐった先の掃守の交差点で信号につかまり
そこからは2人旅となります。
でも、高速区間よう頑張りました!


↓allez!allez!


さっきまでは前にいるメンバーを目標として頑張れていましたが、
2人残されてからは一気に集中力が切れてしまいます。
ずっと重いのを回して、相当の消耗もあり、
しかもここから緩やかなアップダウンが続くので、
一気にペースダウン。
それでも、必死に走っていましたが、さすがに消耗が激しく
途中で小休止。
ビンディングではないので、踏む足の裏がシビレているのと、
ずっとグリップしている手が痛いということで、
簡易のマッサージ。
そこからリスタートして、
五色に入るところの急坂に差し掛かります。
ちょうど様子を見に
てんちょうとFUNさんが車まで戻ってきてくれました。
さすがに足つきをしてしまい、
重いマシンを必死で押し上げていると
FUNさんが走ってきてくれて、
一緒にピークの車の所まで押してくれました。
この先の山岳地帯の難易度を考えると、自走は難しく、
今のうちに車で休憩をしておいて、
ラストの爽快な海岸線を自走した方が良いと判断して、
ワープすることにします。


車の中では、娘はぐったりと寝るどころか、
お二人相手にキャッキャと大はしゃぎでおしゃべりを続け、
全然休憩になりません@@@
車は県道66号をトレースし、南谷という小さな交差点を左折し、
妖しい細道へと突入。
すごいルート見つけたもんです。
細道に入ると一気に激坂となり、
先行していたメンバーがダンシングで必死の形相。
娘と一緒に1人1人に檄を飛ばします。
ガンバレ!ファイト!
県道466号は何とも面白そうな峠越えの道で、
交通量も少ないし、里山然とした風景の連なる道。
道幅が狭いので車ではしんどいですが、チャリにはうってつけ。
そのまま登り区間が終わる辺りまでワープ。
ちょうど先頭集団がやってくるところでした。


↓のどかな山里


休憩になったかどうかわからないくらいはしゃいだ娘ですが、
元気そうなので、行けると判断し、ここから第3区間スタート!
ここから郡家の集落までは県道465号を爽快にダウンヒル
後ろから高速で皆さん下ってくるのをしっかりと見つつ、
こちらは事故らないようにしっかりペースをキープして下っていきます。
なかなかええ感じのこう配で、クネクネと細かくワインディングしていて楽しい。
ただ、ハンドリングが難しいので、ここは先頭に立って、
娘には後ろをトーレスさせていきます。


↓第3区間スタート


↓爽快ダウンヒル


↓ずんずん進むよ!


本当は郡家の交差点で県道31号を右折しないといけなかったのだが
ちょうどタイミングが悪いことにバイク集団とかち合って、
路肩の狭い主要道は危なかったので、そのまま直進して、
集落の中で折れてサンセットラインに入ったのだが、
ちょうどそのエスケープの途中にあるローソンがCPに設定されていたのを失念。
そのまま娘と先行して尾崎の集落辺りまで来て、
てんちょうとFUNさんから電話があり、
行方不明状態になっているのを知る。
ああああ、すんません!
でももう娘の体力を考えると引き返すのは得策じゃないし、
結局走る道はもう1本しかないのでこのまま先行して進むことにします。


この日は向かい風もそれほど強くなく、淡々と北上していきます。
北淡ICの辺りでメンバーが追いついてきて、皆さん先行していきます。
しばらく娘も頑張って追っかけて行きましたが、
ここは無理をしてペース上げるのではなく、
残りを完走する方が大事だよとアドバイスしてマイペースで2人旅。
富島を越えると、そろそろ2人とも疲労が蓄積、集中力が低下し、
無言で淡々と進むようになります。
海を隔ててはるか向こうに
加古川〜姫路の街並みがうっすら見えてくるようになりましたが
肝心の明石海峡大橋は、ここから何度も行方をくらませて出てこないという
アワ1あるあるが始まります。


↓サンセットライン北上中


夕暮れで世界が薄黄色に染まり始め、
気分的にもずいぶん疲労が溜ってきました。
みんなそろそろ続々とゴールしている頃で、
少しでも待たせてはという気持ちがある一方、
このまま進んでも限界が近いと判断して、
県民サンビーチの所で小休止。
ちょっと気分転換に海岸まで行き、
グリップをずっと握りしめて
熱を帯びている手を冷たい海水に浸してあげました。
娘は相当疲労しているはずだけど、
しんどいとか辛いとか、もう嫌だとか弱音を吐くことは一切なく、
あともう少し頑張ろう頑張ろうと、前向きで、
それがとても健気というか、根気強さにこちらも勇気をもらいます。
なんとしてもゴールまで連れて行ってあげねば!


↓県民サンビーチでひと休憩


↓大冒険もあと少しでゴール


少しですが気分転換もでき、マッサージで疲れた体をほぐし
補給も取れたので、元気を取り戻し、リスタート。
この時間帯になると、別でアワ1をされているローディーさんたちも
続々とゴールに向けて後ろからやってきて、
その度に娘に暖かいエールが送られ、
それに後押しされるように力強いぺダリングで黙々と進みます。
そうしてようやく明石海峡大橋が見えました!
あともうちょっと!


↓ラストスパート!


明石海峡大橋が見えた!


ゴールとなる明石海峡が見えたことで娘も活気を取り戻し、
必死でぺダリング。
松帆の湯の分岐の所でてんちょうさんが車で様子を見に来られ、
その時に橋の下でゴールでもいいですかと打診したのですが、
ラストまで行っちゃいましょう!と言われて、
ええい!ままよ!と橋をくぐって岩屋へ入ります。
ほっとんど残りわずかな体力で2人漕いで、
ジェノバラインの発着所を過ぎて
県民サンビーチのところで待機しているてんちょうの指示で右折すると…
うへえええええ〜@@@@@
コンクリの激坂登場。
ラストにこれ持ってくるって、
そこそこのローディーでもキツイっすよ。
てんちょうドS。
距離にしたらわずか300mだけど、完全に2ケタ以上の急斜面。
娘はまず無理なのはわかっているが、
これは押し歩きさせるのもちょっと大変。
なので、先に自分が登ってマシンを坂の上に置いて、
すぐに戻ってきてピックアップしないとと、
とりあえずありったけのパワーで登り切ります。
こちらもビンディングじゃないので、足千切れそうでしたが
そんなこと言うてる場合でないので、必死で登りきって
すぐにマシンを路肩に置いて、ダッシュで坂下の娘の所へ。
娘が真っ赤ッかの顔で重いマシンを押し上げていて、
すぐさまバトンタッチ。
必死のパッチで激坂を上り切り、そこからリスタート。



で、本当に最後のオーラス。
淡路ICの交差点から淡路島公園のパーキングまで
約800m、平均こう配8%の坂に差し掛かります。
もう本当にさっきの激坂での消耗もあり、
丸一日の疲労が押し寄せる中で、
無理はさせたくないので、行けるところまででいいよと前置きして、
最後の登りに突入します。
ここは2車線で路肩も幅広で、見通しもいいんだけど、
はるか遠くまで見通せるせいで、登りが延々と続いていて
精神的に絶望感を感じるような登り(榛原の女寄峠のストレートの感じ)。
まずはじっくり高速をくぐります。
フラフラになりそうになりながらも黙々とペダルを漕ぐ娘を
ピタッと真後ろでフォローしながら、登ります。


↓淡路ICからラストの急坂区間に!


↓最後の最後の難関!


すると、高速の先にある陸橋から、
先にゴールした皆さんが出てきてくれての大声援!
それを目にした娘もわずかに笑みをこぼし、
ぺダリングにも力がみなぎっていくのがわかります。
その後、皆さん陸橋から降りてきて、沿道を並走しながら、
ガンバレ!ガンバレ!のエール。
もうこうなったら、行けるとこまで行っちゃえ!
真後ろについてサポートをするといっても、
もう本人がペダルを漕ぐ以外ないので、
こちらも我を忘れて声をからして頑張れと応援。
斜度に押されて、もうほとんど止まりそうなスピードになりつつも、
娘の今までに見たことのない強いまなざしは道の先を捉え続けていて、
決して足を止めることはありませんでした。
まるでオリンピックのマラソンの応援のように、
みんな一生懸命応援してくれて、1人増え1人増え、
どんどん応援の声が大きくなっていきます。


↓チームみんなから大声援!


↓がんばれ!


坂の途中、駐車場への入り口で、FUNさんとてんちょうが待ち構えていてくれて
道を誘導してくれます。
そうして激坂部分をどうにか足つきなしでクリアし、
駐車場内へ進むと、さらに大きな声援が待ち構えていて、
無事にゴ〜〜〜〜〜〜〜〜ル!!
ヤッター!スゴイ!よく頑張った!


↓登りきった!


全体力を使い果たして、ゴール後は2人してへたり込みます。
もう朝の時点では、ちょっと冒険には早すぎた、
1日の大半を車で過ごすことになるんだろうなと思っていましたが
最後の最後でこんな大感動のシーンが待ち受けているとは!
早朝4時には起きて、100km近く走って、
最後に一番しんどい坂が目の前に立ちはだかって、
きっと娘にしたら5000%の体力でも足りないくらいのしんどいところを
みんなの声援にこたえたいというまっすぐな気持ちだけで立ち向かって、
それを見事に自力でやり遂げたのだから、もう本当にすごい。
娘の信じられないような成長に思わず号泣…と思ったら、
先にはっせさんが大号泣してしまって、出遅れる(笑)
みなさんからも、大分待たせてしまったのに、
温かい拍手と声援をいただいて、本当にありがたかったです。
娘もものすごい充実した顔つきで、
疲労と喜びで顔がグニャグニャになっていました。
とにもかくにももう漕がなくていいんだあ〜〜〜。


↓大感動のゴール@@@


↓FUNさんからもハグハグ


大感動のゴールの後は、みんなそろって松帆の湯へ。
疲れと汗を流して、さっと晩御飯。
娘も大ハッスルして満喫しておりました。


↓夕食の穴子天丼


帰りの車でも娘は疲れ知らずで、
ずっとベラベラとみんなとお話ししていましたが
さすがに尼崎くらいから失神したように落ちてしまいました。
新森ロータリーに戻ってきたのが22時。
そこから荷物を担いで、関目高殿駅まで歩き、そこから地下鉄で帰宅。
本当に素晴らしい淡路島ライドでした。
またこれを機に娘とのライドもどんどん幅が広がっていくだろうし、
楽しみ楽しみ♪