記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

本の虫

うちは夫婦ともども本の虫。
週末に本屋に出かけて、入り口で解散、思い思いに本漁りの旅に出る。
ときどき本屋の中ですれちがって「やあ」ってな感じ。
1時間ぐらいしてそろそろ帰ろうかとなったら電話を入れて
一緒にお会計。1回に10000円近くかかることもよくある。


そんな風だから、わが家で一番の家具は本棚。
でっかいのが3つ。それ以外に絵本専用の棚もある。
年末の引越し作業も一番苦労した所。

こないだIKEAで心地の良いチェアを購入し、本棚のある部屋
(奥さんいわく”工房”)に置いた。
まだ引越しが片付いていないのであまり座っていないが、
小春日和の週末はイス取りゲーム必死だろう。



吉田篤弘さんの文章がたまらなく好きだ。
人によってはクラフト・エヴィング商會といった方が馴染み深いかもしれない。

吉田さんの紡ぎだす文章は、まるでスケッチ画のようだ。
まるで、自分がかつてその町に住んでいたことがあったかのようだし、
登場人物と会話を交わしたことのあるようなそんな錯覚さえ覚えてしまう。
なんだかよく分からないうちに本の世界に舞い込んでしまう、そんな魔力が宿っている。

難しい言葉はひとつもないし、てらった言い回しもない。
まるで吉田さんが横で「でさあ」とか言いながら
とりとめのない日々のことを語りかけてくるような・・・
とにかく1フレーズ1フレーズが生き生きと輝いていて美しいのだ。
コトバの力。いや力なんて押し付けがましいものじゃなくて温もり?にはっとさせられる。


吉田さんのような文章が書けたらといつも思う。

それからはスープのことばかり考えて暮らした

それからはスープのことばかり考えて暮らした