記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

鉄塔武蔵野線

巷では団地やらダムやら工場やら、公共物・産業遺産が密かな注目を浴びています。
中でも断トツですきなのは鉄塔。
そんなこともあって、このブログデザインは、鉄塔。


中学・高校時に住んでいた部屋からは、果てしなく続く鉄塔の列と青空がよく見え、その景色が自分の原風景として刻まれている。
あまりにも広い空に、電線で互いに手を取り合いながら、大地に根ざすか細いシルエット。
単体としてではなく、その先に果てしない空間的な広がりを常に連想させる存在…。


そんな鉄塔好きの私の心の一作が「鉄塔武蔵野線」だ。
転校を間近に控えた小学生ミハルが、いつも眺めていた鉄塔の終点をを探しにちょっとした大冒険に出るというお話。


小学校の頃、”探検”と称して、自転車に乗っては走り回り、
神社や公園の隅っこに”秘密基地”を作って遊んでいた。
「探検ぼくのまち」のチョーさんにずっとあこがれていた。
いつもの遊び場が自分たちの世界の全てだったあの頃、
校区外に飛び出すことがどれだけの冒険だったことだろう。

あのドキドキ感、少年の気持ち、
ノスタルジックな夏の思い出をこの映画は呼び起こさせてくれる。


見知らぬ土地を旅するのが好きなのも、
自転車で遠出するのが好きなのも、思えばこの頃の記憶が
そうさせているのかもしれない。
そしてそれが全部仕事や趣味につながっているなあと思うと、
わが娘にも小さいうちからいろんなことをさせてやりたい、
いろんな場所へ連れて行ってあげたいなと思うのである。

鉄塔武蔵野線 [DVD]

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