記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

酒場探訪記 「松葉」「上谷商店」「酒の奥田」

さてさてお待ちかね?の酒場探訪記でございます。
前口上のネタがなくなってきましたので早速参りましょう。


まず1軒目は、御堂筋と阪神の地下広場のところにある串カツの「松葉」さん。
本店は新梅田食堂街の方にございますが、
さっと呑んでパっと食べて立ち去る、大阪のイナセな立ち飲みはぜひこちらへ。
しかし残念なことに、ここ最近取り上げている立ち退きの話はここにまで及んでおります。
ここだけでなく、そのお隣の”アリバイ横丁”などが、
阪神百貨店の増床建て替え工事のために立ち退きが決定しています。
ん〜。昭和の風景というよりも、人情の町大阪を代表するような風景が
1つまた1つ消えていくのは何ともはや…
ということで、名残を惜しみながら串をつつこうではないか。
大瓶をあおりながら、名物の若どりを頬張ればそこはもうパラダ〜イス。
大き目のキス、めがね(レンコン)、それからマグロ。マグロはカツで食べるに限る!
新世界の観光客目当てのよそ行きの串カツや
お高く留まった創作串カツなんかよりもはるかにこちらの串がうまいのは
やはり人情というスパイスが効いてるからでしょうかな。


↓松葉 地下店。地下街の顔の1つ


↓当然二度漬け禁止でっせ


お次、天四の角打ちといえば、上谷商店。ということで初訪問。
今話題のカッポウ着の女将さんが切り盛りされております。
店に入るや否や、カウンターの手前で飲んでいたオッチャン2人に「お帰り〜」と
いきなりのウェルカメモード。
大抵年季の入ったお店の常連さんは、そう易々と懐に飛び込ませてくれない場合が多いのだが
いきなりの先制パンチにびっくりですわ。
そうして、さっきまでそうしてきた続きであるかのように、
テレビの内容についてどうのこうのと会話の輪の中に入れてもらいながらワイノワイノ。
まだ注文もしとらんですよ。(汗)
ほんで、品のあるお母さんに促され、とりあえず生とイワシ煮付けでスタート。
つづいて、お酒は長野の純米酒「○ト」。こっくりと柔らかい感触。
お母さん相当料理上手と見えて、アテがうますぎます。
で、白髪メガネのオッチャンとひたすら楽しくお話。
この後があったので、さっと飲んでお勘定。
おっちゃんに「で、どのくらいなん?」と聞かれたので、
ここは初めてですわ〜というと、
「そんなん最初からわかってるやんか〜ガハハハ〜
奥さんとのケンカやケンカ!どんくらい怒られとんねん。どうせ追い出されてきたんやろが〜」
と言いながらポッケから干し梅をドバドバといただく。
「今日はおっさんにつきまとわれたんやとお母ちゃんに言って、この梅を土産に持って帰りや」
「またおいでや〜」と。
いやあ、酒場のおもしろさ、改めて改めて。
大阪の風景が変わっても、大阪人の心は健在でっせ!


↓酒の上谷商店


↓とりあえず生とイワシ煮付け


↓長野の純米酒「○ト」に合わせるは豆腐と葱の山椒煮


ラストは奥田さん。
いつものように入って手前右のお母さんに甘えながら、
賀茂鶴の燗をチビリチビリ。
見慣れないアテがあったので聞いてみると、シラスに似た新子というらしい。
身がふんわりとしていい感じ。
やっぱ燗酒は回るのが早うございます@@


↓ふんわり新子(300円)