記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

『The Best of LIFE』&『LIFE AT WAR』

相変わらずのらりくらりとやっている、本棚大改造。
様々な書籍が所狭しと並ぶ我が家の中で、最も大きな本をご紹介します。
言わずと知れたフォトジャーナリズムの殿堂、ライフ誌の記念写真集の2冊です。
たしか学生の頃に、かっぱ横丁古書店街で購入したように思います。
中には、激動の世紀であった20世紀の歴史的瞬間が閉じ込められています。
写真史に残る写真家たちの作品は、
やはりこうした大判に引き伸ばされた状態で見ると迫力が違いますね。



20世紀を一言で表すとすれば、”戦争とメディア”の世紀と言えると思います。
世界大戦が2度も起こり、
冷戦下の元で、米ソの代理戦争が各地域(ベトナム・朝鮮・ベルリンなど)で勃発、
そうして絶え間ない民族紛争に吹き荒れた時代において、
常に激しく流動している時代のうねりを一瞬にして切り取り、
世界中に発信し続けてきた「写真」は最強のメディアということができるでしょう。
ネット社会となり、さまざまなメディアツールが普及する今でも、
その地位はゆるぎないものだと思います。



自分がジャーナリズムに興味を持ったのは、
当時中学生だった頃にに勃発したユーゴ紛争でした。
その頃に、ロバート・キャパやマグナムフォトの存在を知り、
写真を=アート・デザインとしてではなくメディアととして捉えるところから入りました。
学生の頃はずいぶん写真史や現代史を独学で勉強しましたね。
今でも不満なのは、学校の社会の授業。
日本史や世界史で古代・中世のことを学ぶのは当然大事だけれど、
今の自分の生活や現代社会に直結している直近の過去=現代史については、
期末の最後に付けたし程度にしか学ぶことができないのはどうなんでしょう。
自分が今生きているこの世の中がいかに築かれたのかを知ること、
そのために親の世代、さらに1つ前の世代の足取りである現代史は
最低限の教養としてぜひとも学んでおきたいものです。