記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ふらっと大山

無事に仕事を終えて会場を後にしたのが20時。
その時点ですでに帰阪できる電車は終わってしまっているので、
スタッフの方に米子まで送っていただき、そこで一泊することに。
毎度のごとくネカフェ仮眠にしようかと思っていたのだが、
結構疲労困憊だったのと、雨で歩きまわるのが面倒なので
駅前のビジホに飛び込みでシングル確保。
よせばいいのに、「ほんとうにあったコワイ話」をちら見してしまい、寝付き悪し。
翌日は、せっかくここまで来たのに、ただ帰るのはもったいないので、
どうせなら大山にサクっと登って帰ることにします。


↓米子


8時に起床し、8:35米子駅発の大山るーぷバスに飛び乗る。
本当はもう一本前を予定してたのに、寝坊しました。
他に乗客はなく、ぼんやりと曇天の空を眺めながらドンブラコと揺られ
登山基地である大山寺に降り立ったのが9:35。
自販機でペットボトルを1本だけ購入。
あとは恒例のトイレタイム。前日の食べすぎが食べすぎなので、ここは入念に!


↓大山情報館


バス停のある情報館から門前町を抜け、
モンベルのある橋を渡ったところの駐車場で登山届を提出。
9:50、いよいよ出発。


↓登山口


うっそうとした林の中に、延々と石段が続いていきます。
まだこの辺りは斜度も緩いが、ただひたすらに階段が続きます。
どうも苦手な道です。
一合目の標高は約900m。
ここから、約2.5kmで一気に1700mまで高度を上げていきます。


↓石段が続く


↓一合目(900m)


ここからは、眺望もなく、緩急もそれほどなく、
ひたすら木組の段々のオンパレード。
大体一合分で10分足らずのペースで黙々と上がります。
登り始めは先行していた登山客やパーティーの追い抜きがそこそこありましたが
さすがに北アに比べると人は少なめ。
ひたすらペースを上げて上るのですぐに熱を帯び始めますが、
この日は気温が低く、風も強いのか林の中まで吹き抜けていくので
ちょうど登りやすいコンディションでした。
この日はスカルパのいつもの登山靴ではなく、
もう履き古して普段使いに格下げしているサロモンのトレランシューズなので
グリップがほとんどなく、前日雨で湿った木や石が滑ります。
荷物も、仕事用の資料やら何やら山には不要なもの満載で結構重い。


↓二合目


↓三合目


↓木組の段差がしんどい


↓五合目


五合目の少し先で、別の登山口から続く行者登山道と合流します。
どうも登山道が封鎖されているようでした。
そこからもひたすら段々を登っていくのですが、
途中、左手からゴロゴロ〜という大きな音。
まさか雷!?と思いましたが、稲妻はなく、
どうも崩落の激しい北壁の岩が崩れている音のようでした。
しかしでかくて嫌な音です。
六合目のところは少し広い場所があり、その脇に、
電話ボックスのような小さくて古い避難小屋がぽつんと立っていました。


↓行者登山道と合流


↓六合目


六合目を過ぎると周囲の木々丈を低くしていきますが、
うすにごりの白いベールは厚く、ちょぼうは望めません。
7合目を過ぎると、斜度が強まり、ツルツルの岩場を上がっていくようになります。
ここらではさらに先行してたパーティーの渋滞がひどく、
ペースを落とさざるを得ません。
この辺りでようやく標高1500mまで上がってきました。


↓ガスガス


↓七合目


↓標高1500m


↓眺望ゼロのままひたすら登る


八合目まで来ると、斜度は緩み、狭い稜線を伝うような形で進んでいきます。
途中、分岐があり、標識通りに進んでいくと、
いつの間にか周囲は緑の絨毯が広がるエリアとなり、
設けられた木道を伝っていきます。
九合目を過ぎて、その先の分岐を左へれていくと、
ガスの中から突然ぬっと頂上避難小屋が現れました。


↓八合目


↓あともうちょい


↓九合目


↓ラストの木道


避難小屋をいったん過ぎて、少し進んでいくと、
頂上の碑が立っているところがありそこでゴール。
時刻は11:20。ちょうど1時間30分で上がってくることができました。
カメラの設置に苦労していると、ほかの方に撮影を買って出ていただき
いつものポーズで記念撮影。
実はここの標高は1709mで最高地点ではありません。
本当はさらに進んで1729m地点が山頂なのですが、
この山は、鳥取西地震で大打撃を受け、日本海側から吹き付ける雨風に浸食され、
崩壊がすさまじいスピードで進んでいる山のため、
山頂付近へのルートは通行禁止になっています。
この先は無謀な死亡事故が多発しているので行かない方が賢明です。


↓標高1709mの山頂に登頂


↓本当の最高地点への登山道は通行禁止


山頂での撮影を終えて、いったん避難小屋へ。
中は結構大きな空間でしたが、多くの登山客でいっぱいでした。
シーズン中だけやっている売店で山バッヂを買って、
トイレを済ませたらすぐに下山します。


↓大山頂上避難小屋


九合の手前にある分岐を直進して、八合目までは別ルートを選択。
九合目に広がる緑の絨毯を進んでいくところは、雲の演出もあって幻想的でした。
途中、石室と呼ばれる古い避難小屋の跡を過ぎます。
その先で一部雲間が切れて、眼下に広がる枡水高原が見えます。
晴れていれば、日本海が一面に広がってさぞかしすごいのでしょうが、
残念ながら眺望がなく残念でございます。


↓九合目付近


↓緑の絨毯が広がる


↓石室


↓桝水高原が眼下に見える


周遊ルートを終えて、元のルートに復帰したら、あとはひたすら下るのみ。
途中、六合目避難小屋のところから、わずかに北壁の具合が見て取れました。
すさまじく荒々しい山肌です。


↓六合目から崩落激しい北壁を眺める


登山口に戻ってきたのが12:50。
登り1時間30分、山頂30分、下り1時間の3時間コースでした。
眺望なく、ひたすらの階段地獄で、
ひょっとしたらこないだのブナ立尾根より疲れたかも?
13:30のるーぷバスに乗り、米子駅着が14:10。
14:28の特急いずもに乗り岡山経由で帰宅が18:30でした。


<山行ルート>


<今回の工程>
9:35大山寺バス停⇒9:40大山寺橋/南光河原駐車場9:45⇒
9:50夏山道(大山寺橋側)登山口⇒9:58一合目⇒10:06二合目⇒10:15三合目⇒
10:24四合目⇒10:33五合目⇒10:34行者谷分かれ⇒10:45六合目避難小屋⇒
10:54七合目⇒11:07八合目⇒11:14九合目⇒11:20大山山頂11:40⇒
11:45石室⇒12:05六合目避難小屋12:10⇒12:50夏山登山口⇒13:00大山寺バス停