記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

駆け込み鳳凰三山 宝剣伝説ここに極まる

おそらく今シーズン最後の日本アルプス遠征。
その地に選んだのは、ずっ行こう行こうと思いつつも
長らく後回しになってしまっていた南アルプス百名山鳳凰三山へ。
北アルプスはもうすっかり雪をかぶり冬に突入しているが
南アルプスはまだギリギリ冬の一歩手前。
すでに多くの山で、小屋が店じまいをし、
シーズン限定の臨時バスが運行終了し、
どことも山行が難しくなってくるこの季節に、もってこいのお山でした。
紅葉はおそらくもう1,2週前が絶好のチャンスだったと思いますが
すでに秋枯れして燃え尽きモノトーンカラーに染まった山の景色が
孤独な単独行者にとっては本当にたまらない。
なんというかあこがれのパタゴニアを思い浮かべるような気分。
本当に静かでワビサビの感じられる山行をどっぷりと。


↓秋深き森歩き


↓堂々たる北岳(白鳳峠下より)


鳳凰三山をチョイスした理由はほかにもあって、
今年は、北アルプスオベリスクである烏帽子岳
中央アルプスの宝剣岳に登ったので、
残っていた南アルプスオベリスクである地蔵岳を制覇して
宝剣伝説を完結させたかったのです。
天を切り裂かんと鋭い剣先を突き上げるその様はやはり
数ある山の中でも特にそそられるものがありますね。
残念ながら一番上にある大岩にあるはずのロープが撤去されてしまって
さすがに登れませんでしたが(あの強風ではそもそも無理だけど)、
剣先の岩には触れてきました。
余談だけど、地蔵岳オベリスク
ここ最近はやりの五郎丸ルーティンポーズにそっくり!


薬師岳


観音岳


地蔵岳オベリスク


↓流行りの五郎丸ポーズ?


お天気は両日とも最高でした。
ずっと後方には富士山が見守り、並行するようにして白峰三山が連なる。
特に北岳は惜しげもなくその全容をさらし、堂々たる風格。
その奥には仙丈ケ岳が穏やかにたたずみ、対照的な甲斐駒は荒々しく。
反対側には甲府盆地が丸見えで、そのすぐ後ろには八ヶ岳の大パノラマ。
さらにはるか北には白き衣を纏いし北アルプス
KING・OF・突先の槍ヶ岳もはっきり見えます。
まさに贅沢すぎる眺望。
なんだ、もっと早くこればよかったと今さらながらに後悔してしまいました。


↓澄み渡る青空


↓中央が地蔵岳オベリスク。左に甲斐駒、右に八ヶ岳


ただ一方で、とにかくものすごい風が吹き付けて、
稜線のガレ場は結構あおられて大変でした。
普段はあまり使用しないトレッキングポールでどうにか踏ん張って進む感じ。
しかも夕暮れから朝イチまでの底冷えが本当に堪えました。
朝起きたら枕元のペットボトルの水が薄く凍るくらい。
でも、それでも朝焼けショーはがんばって薬師岳山頂で独り占め。
富士山のシルエットとのコラボレーションは見事でした。
寒さのせいなのか、1週間のハードスケジュールの影響か、
1日目の早々から高山病の兆候が出始め、
頭痛はするし、右足がひどくむくみ、
おまけに片目の視界がぼんやりとよく見えなかったりで、
どうにかコースタイムを維持するので精いっぱい。
夜中は呼吸も苦しくて本当につらかったです。
栂海新道を経験したというちょっとだけついた山への自信はあっけなく崩れ去りました。
やっぱりどんな山でもナメたらいかんですね。
でも、本当に静かでいい山行を堪能できました。


↓ご来光と富士山(薬師岳山頂より)


↓焼ける白峰三山(左から農鳥岳間ノ岳北岳


<行程>


<1日目:山行4時間15分>
10:15夜叉神峠登山口⇒10:54夜叉神峠11:00⇒11:59杖立峠⇒12:28火事場跡⇒
13:00苺平⇒13:20南御室小屋⇒14:20砂払岳⇒14:30薬師岳小屋泊


<2日目:山行5時間30分>
06:50薬師岳小屋⇒07:00薬師岳(2780m)⇒07:20鳳凰山観音岳(2841m)07:30⇒
07:44鳳凰小屋分岐⇒08:20アカヌケ沢の頭⇒08:25地蔵岳(2764m)08:50⇒
09:00アカヌケ沢の頭⇒09:45高嶺⇒10:25白鳳峠⇒12:10白鳳峠入口⇒12:20広河原